ジムニーの顔とも言えるフロントグリルの中央で輝くSマークは、純正ならではの安心感がある一方で、自分だけの個性を出したいときには少し主張が強く感じられるものです。このエンブレムを外して社外品に交換したり、マットブラックに塗装したりするだけで、驚くほど全体の雰囲気が引き締まり、武骨な印象を強めることができます。
しかし、いざ作業を始めようとすると、どのように固定されているのか分からず、力任せに引っ張ってプラスチックのパーツを壊してしまわないか心配になるのは当然のことです。愛着のある車だからこそ、細かな部品一つひとつを大切に扱いながら、納得のいく仕上がりを目指したいと願う気持ちは、多くのオーナー様が共通して抱いている想いではないでしょうか。
この記事でわかること
- グリル取り外しに必要な基本工具
- 破損を防ぐための丁寧な養生手順
- クリップを外す際のスムーズな力加減
- 取り外した後のカスタムアイデア
作業をスムーズに進めるための必須アイテム
本格的な作業に入る前に、まずは手元に揃えておくべき道具を確認しておくことが、失敗を避けるための一番の近道となります。何も準備せずに作業を強行してしまうと、グリル周辺の塗装を傷つけたり、固定用のクリップを再利用できないほど変形させてしまったりするリスクが高まってしまいます。
「道具を揃えるのは面倒だな」と感じる瞬間もあるかもしれませんが、正しい道具を使うことで作業時間は驚くほど短縮され、精神的な余裕を持って愛車と向き合うことができるようになるはずです。大切なジムニーを守りながら、まるでプロのような手際でカスタムを進めるために、必要最低限のアイテムをまずは整えておきましょう。
傷防止とクリップ外しに役立つ道具
フロントグリル周辺は石跳ねなどにも強い素材ですが、金属製の工具が直接当たると簡単に深い傷が入ってしまう繊細な場所でもあります。そのため、プラスチック製の内張り剥がしは、DIYカスタムにおいて欠かすことのできない相棒のような存在と言えるでしょう。これがあるだけで、爪の掛かり具合を繊細に感じ取りながら、最小限の力でパーツを浮かかせることが可能になります。
また、マスキングテープによる養生も、後悔しないための大切な工程です。作業中に工具が滑ってしまったとしても、テープを重ねて貼っておくことでボディへのダメージを最小限に食い止めてくれます。こうした細かな配慮の積み重ねが、最終的な満足度を大きく左右する重要な要素となってきます。
以下の表に、作業で使用する主な道具とその役割をまとめました。これらを事前に準備しておくことで、作業の手が止まるのを防ぐことができます。
| 道具名 | 主な役割 | 重要度 |
|---|---|---|
| 内張り剥がし | クリップやグリルの隙間を浮かせる | 高 |
| マスキングテープ | ボディの傷つきを防止する | 高 |
| クリップクランプツール | 硬いクリップをてこの原理で抜く | 中 |
| 軍手や作業用手袋 | 手の怪我や油脂の付着を防ぐ | 中 |
表にある道具を揃える際は、ホームセンターや自動車用品店などで簡単に手に入るものばかりですので、安心してください。特に内張り剥がしは、形や大きさが異なる数本のセットを選んでおくと、場所によって使い分けることができて大変便利です。無理な力が掛かっていると感じたときは、すぐに手を止めて別の角度から道具を差し込んでみる余裕が大切です。
道具を揃える手間を惜しまないことは、愛車への敬意の表れでもあります。適切なツールを使うことで、クリップ一つ外す際にも「カチッ」という心地よい手応えと共に、スムーズにパーツが分離していく感覚を楽しめるようになるでしょう。万全の準備を整えて、ジムニーの表情を変える第一歩を自信を持って踏み出しましょう。
フロントグリルの取り外し手順

いよいよ実際の作業に移りますが、手順を間違えるとグリルそのものが外れなかったり、想定外の場所に力が加わってしまったりします。ジムニーのグリルは、上部のクリップ数か所と、下部の差し込み、そしてウィンカーの配線という構成で成り立っています。この構造をあらかじめ頭に入れておくことで、次にどの部分を触ればよいのかが明確になり、落ち着いて作業を進められるようになります。
初めてグリルを外すときは、「本当にこれで合っているのかな」と不安になる場面も出てくるかもしれません。しかし、一つひとつの工程を丁寧に進めていけば、決して難しい作業ではありません。ジムニーとの絆を深めるつもりで、ゆっくりと時間をかけて取り組んでいくのが成功への秘訣と言えるでしょう。
上部クリップの解放と養生の徹底
ボンネットを開けると、グリルの上端を固定している黒いプラスチック製のクリップが目に飛び込んできます。まずはこれらのクリップを外すところから始まりますが、その前にグリルの周囲、特にバンパーとの境目にしっかりとマスキングテープを貼っておきましょう。ここを怠ると、グリルが外れた瞬間にバンパーと擦れてしまい、塗装が剥げてしまう原因になりかねません。
クリップを外す際は、中心部分を少し持ち上げることでロックが解除される仕組みになっています。砂や埃が噛んでいると動きが渋い場合もありますが、無理にこじらず、内張り剥がしを使って優しく持ち上げてあげてください。全てのクリップが外れたら、グリルが少しグラグラと動くようになり、取り外し作業が順調に進んでいることを実感できるはずです。
作業の各ステップにおける注意点を以下のテーブルにまとめました。各工程の意味を理解しながら進めることで、予期せぬトラブルを未然に防ぐことが可能になります。
| 作業ステップ | 注意すべき点 | コツ |
|---|---|---|
| 養生の実施 | 広範囲にテープを貼る | 2重に貼ると安心感が増す |
| 上部クリップ外し | 中心を持ち上げてから抜く | 砂利を事前に吹き飛ばしておく |
| ウィンカー配線 | カプラーの爪を確実に押す | 無理に引っ張らないこと |
| グリルの引き出し | 手前にまっすぐ引く | 左右均等に力をかける |
テーブルに記載した通り、ウィンカーの配線(カプラー)を外す工程は特に慎重に行う必要があります。配線にはあまり余裕がないため、グリルを少し浮かせた状態で隙間に手を入れ、ロックを押しながら引き抜くという、少し手先の器用さが求められる作業です。このとき、焦ってグリルを大きく広げすぎると配線に負担がかかってしまうため、少しずつ隙間を作っていくイメージで進めると安心です。
最後はグリル全体を手前に引いて、下部のツメをバンパーから抜くだけです。この瞬間、「カポッ」とグリルが手元に外れてきたときの達成感は、DIYならではの醍醐味と言えるでしょう。外したグリルは地面に直接置かず、あらかじめ敷いておいた段ボールや古い毛布の上に置くことで、裏側のツメや表面を保護することを忘れないでくださいね。
Sマークの取り外しと再装着の注意点
グリル本体が無事に車体から離れたら、いよいよ本題であるSマークの取り外し作業に入ります。グリルを裏返してみると、Sマークが複数のツメで固定されているのが確認できるはずです。このツメは意外と硬く、また脆い性質を持っているため、寒い時期などは特に慎重に扱う必要があります。無理に押し出そうとするとパキッと折れてしまい、二度と固定できなくなる恐れがあるため注意が必要です。
「せっかく外したのに、元に戻せなくなったらどうしよう」という不安を感じるかもしれませんが、仕組みさえ分かれば対策は可能です。プラスチックは温めると柔軟性が増すという特性を持っているため、ドライヤーなどで軽く温めてから作業するだけでも、破損のリスクを大幅に下げることができます。愛車のパーツを慈しむような丁寧な手つきで、理想のスタイルへと近づけていきましょう。
ツメの解放とエンブレムの分離
裏側のツメを一つずつ解除していく際は、指先だけで行おうとすると痛みを感じたり、力が入りすぎてしまったりすることがあります。ここでも内張り剥がしや、先端を保護したマイナスドライバーなどを使い、ツメを軽く広げながらエンブレムを表面側へ押し出すようにします。全てのツメを一度に外そうとするのではなく、一か所ずつ確実にロックを浮かせていくのが成功への近道です。
もしツメがどうしても硬くて動かない場合は、無理をせずに一旦休憩を挟んでみてください。角度を変えて眺めてみることで、意外な解決策が見つかることもあります。無事にSマークが外れた瞬間の、穴の開いたグリルの姿は少し寂しく見えるかもしれませんが、それは新しいカスタムが始まるワクワクする瞬間の訪れでもあります。
取り外し作業と再装着の際に意識しておきたいポイントを、以下の表に整理しました。作業の合間に確認して、スムーズな進行に役立ててください。
| チェック項目 | 判断の目安 | 対応策 |
|---|---|---|
| プラスチックの硬さ | 指で押して動かない場合 | ドライヤーで周辺を温める |
| ツメの変形 | 白く変色している場合 | 過度な力を加えるのを止める |
| 再装着時の密着度 | 浮きがある場合 | 裏側のツメがカチッと鳴るまで押す |
| 汚れの有無 | 砂や泥が溜まっている場合 | 水拭きして乾燥させる |
テーブルで紹介したように、再装着する前には普段掃除できないグリルの隙間を綺麗にしておくことをおすすめします。見えない部分を清掃しておくことで、新しいエンブレムを装着した際の美しさがより一層引き立ち、愛車への愛着もさらに深まることでしょう。汚れを落とした後のグリルは驚くほど清々しく、新しいパーツを迎え入れる準備が整った合図となります。
エンブレムを戻す際や新しいものを取り付けるときは、全てのツメが「カチッ」と音を立ててはまったことを指先と視覚でしっかり確認してください。一か所でも浮いていると、走行中の振動で脱落したり、ガタつきの原因になったりします。最後の確認まで気を抜かずに丁寧に行うことが、安全で楽しいジムニーライフを支える基盤となります。
よくある質問
- Sマークを外した後の穴を埋めることはできますか?
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純正グリルにはエンブレムの形に合わせた窪みとツメ用の穴が開いているため、外しただけではその跡が残ってしまいます。綺麗に埋めるにはパテ埋めと全塗装が必要になるため、多くのユーザー様は社外のマークレスグリルに交換するか、別のエンブレムを装着して穴を隠す方法を選んでいます。
- 作業中にクリップが折れてしまったらどうすればよいですか?
-
ジムニーのクリップは消耗品と考え、折れてしまった場合は新しいものに交換しましょう。カー用品店やネット通販で「スズキ用バンパークリップ」として安価に販売されています。予備を数個持っておくと、万が一の際も慌てずに作業を続けることができるので安心です。
- 冬場に作業をしても大丈夫でしょうか?
-
冬場はプラスチックが非常に硬くなっており、ツメが折れるリスクが格段に高まります。気温が低い日に作業する場合は、室内でグリルを十分に温めるか、お湯などを使ってパーツを柔軟にしてから取り掛かることを強く推奨します。無理な作業はパーツの寿命を縮めてしまうため、焦りは禁物です。
まとめ
ジムニーのSマークグリル取り外しは、適切な道具と丁寧な手順さえ守れば、DIY初心者の方でも十分に挑戦できる楽しいカスタムの一つです。内張り剥がしやマスキングテープといった基本的なアイテムを揃え、愛車を傷つけないための養生を徹底することが、成功への一番の近道となることをお話ししてきました。
作業中は決して急がず、クリップやツメの状態を指先で感じながら進めていくことが大切です。ウィンカーの配線外しなど少し神経を使う場面もありますが、そこを乗り越えた先には、自分好みに変化したジムニーとの新しい毎日が待っています。小さな変化が積み重なって、世界に一台だけの特別な相棒へと育っていく過程を、ぜひ心ゆくまで楽しんでくださいね。
