失業保険計算｜パートの受給額を自分で計算する方法

パート勤務で雇用保険に加入していた方が、失業した場合に受け取れる失業保険。

しかし、「自分は対象になるのか」「いくらもらえるのか」と疑問に思われる方もいるでしょう。

失業保険の受給資格や計算方法を理解することで、安心して次のステップに進めます。

この記事では、パートの失業保険の受給条件と計算方法をわかりやすく解説します。

雇用保険の加入条件から受給額の計算方法、受給までの流れまで、パートの方が知っておくべき情報を網羅的にまとめました。

ご自身の状況に合わせて確認することで、安心して求職活動に専念できるでしょう。

この記事でわかること

パートの失業保険計算方法｜受給額を自分で把握する

失業保険は、パート勤務者にとって再就職までの生活を支える重要な制度です。

しかし、「自分は対象になるのか」「いくらもらえるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

失業保険の受給資格や計算方法を理解することで、安心して次のステップに進めます。

パートの失業保険について理解を深めるために、受給条件と計算方法を解説します。

まず、パートでも失業保険を受給できる条件を確認し、次に、受給額を計算する上で重要な雇用保険の加入条件について詳しく見ていきましょう。

パートでも受給できる失業保険

パートだからといって、失業保険を受給できないわけではありません。

雇用保険の加入条件を満たしていれば、正社員と同様に失業保険を受給する権利があります。

重要なのは、雇用保険に加入しているかどうかです。

失業保険は、雇用保険に加入していた人が、失業した場合に再就職までの生活を支えるための給付金です。

パートやアルバイトであっても、雇用保険の加入条件を満たしていれば、失業保険を受給できます。

項目	詳細
受給資格	離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること
受給額	離職前の賃金と年齢によって決定。賃金日額に給付率をかけたものが基本手当日額となる
給付日数	雇用保険の加入期間や年齢、離職理由によって異なる。自己都合退職の場合は90日〜150日程度
受給手続き	ハローワークで求職の申し込みを行い、受給資格の決定を受ける
受給中の注意点	積極的に求職活動を行う必要がある。アルバイトをする場合は、ハローワークに申告が必要
その他	再就職手当や就業促進定着手当など、再就職を支援する制度もある

パートで働いている方も、雇用保険の加入条件を満たしていれば、万が一の失業に備えて失業保険を受給できることを覚えておきましょう。

計算前に確認すべき雇用保険の加入条件

失業保険を受給するためには、雇用保険の加入条件を満たしている必要があります。

雇用保険の加入条件は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込みがある」ことです。

雇用保険は、労働者の生活と雇用の安定を図るための保険制度です。

パートやアルバイトでも、一定の条件を満たせば加入できます。

加入条件を確認することで、失業時に失業保険を受給できるかどうかを事前に把握できます。

雇用保険の加入条件を満たしているかどうかは、給与明細や雇用契約書で確認できます。

もし加入条件を満たしているにも関わらず雇用保険に加入していない場合は、会社に確認するようにしましょう。

雇用保険に加入していれば、失業時に失業保険を受給できるだけでなく、育児休業給付金や介護休業給付金などの給付も受けられる場合があります。

失業保険の受給額を計算する3ステップ

失業保険の受給額は、退職前の賃金と雇用保険の加入期間に基づいて計算されます。

複雑な計算に感じるかもしれませんが、3つのステップで簡単に把握できます。

受給額を正しく理解することで、安心して求職活動に専念できるでしょう。

この項目では、賃金日額の算出、基本手当日額の決定、給付日数のチェックという3つのステップについて詳しく解説します。

各ステップを理解することで、ご自身の受給額をより正確に把握できます。

1. 賃金日額を算出

賃金日額とは、失業保険の基本手当日額を計算するための基礎となる金額です。

例えば、Aさんが離職前6ヶ月間の給料合計が120万円だった場合、賃金日額は120万円÷180日=6,666円となります。

賃金日額は、原則として離職日以前6ヶ月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出します。

賃金には、基本給だけでなく、残業代や通勤手当なども含まれます。

賃金日額には上限と下限が設定されており、毎年8月1日に見直されます。

令和5年8月1日以降の上限額は16,930円、下限額は2,671円です。

2. 基本手当日額を決定

基本手当日額とは、1日に受け取れる失業保険の金額です。

基本手当日額は、賃金日額に給付率を掛けて算出します。

給付率は、賃金日額が低いほど高く、高いほど低くなる仕組みです。

基本手当日額は、賃金日額に50〜80%の給付率を掛けて算出します。

給付率は、年齢や賃金日額によって異なり、ハローワークで確認できます。

区分	給付率
45歳〜60歳未満	50%
30歳〜45歳未満	60%
30歳未満	80%

例えば、40歳のAさんの賃金日額が6,666円で、給付率が60%の場合、基本手当日額は6,666円×0.6=3,999円となります。

3. 給付日数をチェック

給付日数とは、失業保険を受け取れる日数です。

給付日数は、雇用保険の加入期間や離職理由、年齢などによって異なります。

給付日数は、雇用保険の加入期間や離職理由、年齢などによって異なります。

自己都合退職の場合は90日〜150日、会社都合退職の場合は90日〜330日です。

例えば、35歳のAさんが自己都合退職した場合、雇用保険の加入期間が5年以上10年未満であれば、給付日数は120日となります。

Aさんの基本手当日額が3,999円の場合、受給できる失業保険の総額は3,999円×120日=479,880円となります。

失業保険受給までの流れ

失業保険は、離職して職を失った方が、再就職までの生活を支えるための重要な制度です。

しかし、受給開始までにはいくつかのステップを踏む必要があり、手続きに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

そこで、本記事では、失業保険の受給開始までの流れをわかりやすく解説していきます。

失業保険受給までの流れを理解しておくことで、スムーズに手続きを進めることができ、再就職への準備に集中できます。

この章では、離職から受給説明会への出席まで、3つのステップを詳しく解説します。

1. 離職

離職とは、会社を辞めて雇用関係が終了することを指します。

離職理由は自己都合退職と会社都合退職の2種類があり、失業保険の受給条件や給付日数に影響があるため注意が必要です。

離職時には、会社から離職票を受け取ることが重要です。

離職票は、ハローワークで失業保険の受給手続きを行う際に必要な書類となります。

もし、会社から離職票が交付されない場合は、ハローワークに相談しましょう。

2. ハローワークで求職の申込み

ハローワークで求職の申込みとは、失業保険の受給資格を得るために必要な手続きです。

ハローワークに備え付けの求職申込書に必要事項を記入し、窓口に提出することで手続きが開始されます。

求職の申込みと同時に、雇用保険受給資格の決定手続きも行われます。

この際、離職票や本人確認書類、印鑑、写真などが必要になるため、事前にハローワークのウェブサイトなどで確認しておきましょう。

3. 受給説明会に出席

受給説明会とは、失業保険の受給にあたっての注意事項や再就職支援に関する説明を受けるためのものです。

ハローワークから指定された日時に出席する必要があります。

受給説明会では、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が配布されます。

これらの書類は、今後の失業認定手続きで必要となるため、大切に保管しましょう。

また、受給説明会では、再就職に向けたセミナーや相談会などの情報も提供されるため、積極的に参加することをおすすめします。

ハローワークで手続きを進める

失業保険の受給には、ハローワークでの手続きが不可欠です。

しかし、初めての手続きは不安に感じるかもしれません。

必要な書類や手続きの流れを事前に把握しておくことで、スムーズに手続きを進められます。

ハローワークでは、求職の申込みだけでなく、失業保険に関する相談も可能です。

ハローワークインターネットサービスでの求人検索や、窓口での相談を通じて、再就職に向けたサポートを受けましょう。

ハローワークインターネットサービスで求人を探す

ハローワークインターネットサービスは、全国の求人情報を検索できる便利なオンラインサービスです。

自宅のパソコンやスマートフォンから、24時間いつでも求人を探せることが最大のメリットです。

求人情報の検索だけでなく、応募状況の確認や、ハローワークからのメッセージの確認も可能です。

全国のハローワークで取り扱っている求人情報を網羅しており、希望に合った仕事を見つけやすいでしょう。

ハローワークインターネットサービスを利用する際は、以下の点に注意すると、より効率的に求人を探せます。

項目	内容
キーワード	職種名や業種名、希望する条件などを入力することで、求人を絞り込めます。
勤務地	希望する勤務地を選択することで、その地域の求人に絞り込めます。
雇用形態	正社員、パート、アルバイトなど、希望する雇用形態を選択できます。
こだわり条件	経験不問、未経験歓迎、学歴不問など、自分の希望する条件を追加できます。
新着求人	新着求人をチェックすることで、最新の求人情報を確認できます。
スカウトサービス	自分のプロフィールを登録しておくと、企業からスカウトが来る可能性があります。
検索結果の保存	気になる求人を保存しておくと、後でまとめて確認できます。
応募状況の確認	応募した求人の状況を確認できます。

求人を探すだけでなく、応募書類の作成や面接対策など、再就職に関する様々な情報も掲載されています。

これらの情報を活用することで、より効果的な求職活動ができるでしょう。

ハローワークに相談する

ハローワークでは、専門の相談員が求職者の状況や希望に応じて、個別の相談に乗ってくれます。

失業保険の手続きや受給に関する疑問、再就職に関する悩みなど、気軽に相談できる点が大きな魅力です。

相談員は、求職者のスキルや経験、希望条件などを丁寧にヒアリングし、最適な求人情報の提供や、キャリアプランのアドバイスなどを行います。

ハローワークでの相談を有効に活用するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

項目	内容
相談内容の整理	相談したい内容を事前に整理しておくことで、スムーズに相談できます。
必要な書類	離職票や本人確認書類など、必要な書類を持参しましょう。
質問の準備	疑問点や不明な点を事前にリストアップしておくと、相談の際に聞き忘れることがありません。
積極的な姿勢	自分の希望や状況を積極的に伝えることで、より的確なアドバイスを受けられます。
メモの準備	相談内容やアドバイスをメモしておくと、後で振り返ることができます。
予約	相談は予約制の場合があるので、事前に確認しておきましょう。

ハローワークでは、求職者向けのセミナーや講習会なども開催されています。

これらのセミナーや講習会に参加することで、就職活動に必要な知識やスキルを身につけられます。

積極的に参加して、再就職を成功させましょう。

よくある質問（FAQ）

パートでも失業保険はいつもらえるのですか？

雇用保険に加入していれば、パートの方でも失業保険を受給できます。

雇用保険の加入条件は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。

失業保険の受給額はどのように計算するのですか？

失業保険の受給額は、賃金日額、基本手当日額、給付日数の3つの要素から計算します。

賃金日額は離職前6ヶ月間の給料合計を180で割った金額です。

基本手当日額は賃金日額に給付率（50〜80%）を掛けた金額で、給付率は年齢や賃金日額によって異なります。

給付日数は雇用保険の加入期間や離職理由によって異なり、自己都合退職の場合は90日〜150日、会社都合退職の場合は90日〜330日です。

ハローワークでの手続きはどのように進めるのですか？

ハローワークでは、まず求職の申込みを行い、雇用保険受給資格の決定を受けます。

その後、受給説明会に出席し、失業認定を受けながら失業保険を受給します。

ハローワークインターネットサービスで求人を探したり、窓口で相談員に相談したりすることもできます。

離職票はいつもらえますか？

離職票は、退職後、会社から10日〜2週間程度で送られてくることが多いようです。

もし会社から離職票が交付されない場合は、ハローワークに相談しましょう。

パートの残業代は賃金に含まれますか？

はい、残業代は賃金に含まれます。

賃金日額を計算する際は、基本給だけでなく、残業代や通勤手当なども含めて計算します。

失業保険の給付率はどうすればわかりますか？

給付率は、年齢や賃金日額によって異なり、ハローワークで確認できます。

まとめ

パートの失業保険について解説しました。

失業保険の受給資格と計算方法を理解することで、安心して次のステップに進めます。

失業保険の受給資格があるか確認し、ハローワークで手続きを進めてみましょう。