クラウドストレージでのバックアップ手順

クラウドストレージを利用したバックアップは、オンライン上にデータを保管するため、物理的な故障や災害からデータを保護する有効な手段です。
インターネット環境があれば、どこからでもデータにアクセスできる利便性も魅力です。
しかし、サービスによっては有料となる場合や、セキュリティ面での懸念も存在します。
ここでは、クラウドストレージサービスを選ぶ際のポイントから、具体的なサービス紹介、そしてセキュリティ対策までを解説します。
クラウドストレージを活用することで、より安全かつ手軽にWindows 11のデータをバックアップできるようになります。
クラウドストレージを選ぶメリット・デメリット
クラウドストレージでのバックアップは、インターネットを経由してデータを専門事業者のサーバーに保管する方法です。
手軽に始められる反面、いくつかの注意点も存在します。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
利便性 | どこからでもアクセス可能、異なるデバイス間でのデータ共有が容易、自動バックアップ機能 | インターネット環境が必須、通信速度に依存 |
安全性 | データセンターでの厳重な管理、災害時のデータ保護、バージョン管理機能 | セキュリティリスク(不正アクセス、情報漏洩)、サービス提供事業者の信頼性に依存 |
費用 | 無料プランが存在、低価格で利用可能 | 容量に応じて料金が発生、長期利用の場合はコストが増加する可能性 |
管理 | ソフトウェアのインストールや設定が簡単、自動でバージョン管理 | サービス提供事業者の仕様変更に影響を受ける、データ管理はサービス提供事業者に依存 |
復元 | 過去のバージョンへの復元が容易、必要なファイルのみを選択して復元可能 | 大量のデータ復元には時間がかかる場合がある、サービス提供事業者の都合により復元できない場合がある |

クラウドストレージって、たくさんあってどれを選んだら良いかわからないなぁ。

クラウドストレージを選ぶ際は、容量、費用、セキュリティ、使いやすさなどを比較検討することが重要です。
クラウドストレージサービスは、利便性と安全性を両立したバックアップ方法ですが、デメリットも理解した上で適切なサービスを選ぶことが大切です。
おすすめクラウドストレージサービス
Windows 11のバックアップにおすすめのクラウドストレージサービスはいくつかあります。
それぞれのサービスは、容量、費用、機能、使いやすさなどが異なるため、自身のニーズに合ったサービスを選択することが重要です。
サービス名 | 容量 | 料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
OneDrive | 5GB(無料) | 100GB: 240円/月、1TB: 1,284円/月(Microsoft 365 Personal) | Windowsとの連携がスムーズ、Officeアプリとの親和性が高い |
Google Drive | 15GB(無料) | 100GB: 250円/月、200GB: 380円/月、2TB: 1,300円/月 | Google Workspaceとの連携がスムーズ、写真や動画の管理に便利 |
Dropbox | 2GB(無料) | 2TB: 1,500円/月(Plus)、3TB: 2,400円/月(Family) | ファイル共有機能が充実、ビジネス利用にも適している |
iCloud Drive | 5GB(無料) | 50GB: 130円/月、200GB: 400円/月、2TB: 1,300円/月 | Apple製品との連携がスムーズ、iPhoneやiPadのバックアップに最適 |
Backblaze | 容量無制限(PC 1台) | $7/月 | PC全体のバックアップに特化、容量を気にせず利用できる |
Amazon Photos | 5GB(無料) | 100GB: 250円/月、1TB: 1,300円/月 | Amazonプライム会員は写真の容量が無制限、写真や動画の管理に便利 |
クラウドストレージサービスを選ぶ際は、無料プランで試用し、使いやすさや必要な機能を確認することをおすすめします。
クラウドストレージのセキュリティ対策
クラウドストレージを利用する上で、セキュリティ対策は非常に重要です。
クラウド上にデータを保管するということは、インターネット経由でデータにアクセスされるリスクがあるということです。
対策項目 | 具体的な対策 |
---|---|
パスワード | 強固なパスワードを設定、定期的に変更、他のサービスと使い回さない |
二段階認証 | 二段階認証を設定し、不正アクセスを防止 |
暗号化 | サービス提供事業者が提供する暗号化機能を有効化、必要に応じて自身で暗号化 |
アクセス権限 | ファイルやフォルダのアクセス権限を適切に設定し、共有範囲を限定 |
アップデート | 常に最新のセキュリティアップデートを適用 |
不審なメール | 不審なメールやリンクに注意し、安易にクリックしない |
サービス選択 | セキュリティ対策が充実した信頼できるサービス提供事業者を選ぶ |
バックアップ | 万が一の事態に備え、クラウドストレージにバックアップしたデータをさらに別の場所にバックアップ |

セキュリティ対策って難しそうだけど、具体的に何をすれば良いの?

まずは、強固なパスワードを設定し、二段階認証を有効にすることから始めましょう。
クラウドストレージのセキュリティ対策は、自身のデータを守るために必要不可欠です。
各サービス提供事業者が提供するセキュリティ機能を活用し、安全なクラウドストレージ運用を心がけましょう。
バックアップからのデータ復元方法

万が一の事態に備えてバックアップは重要ですが、いざという時にデータ復元ができなければ意味がありません。
しかし、Windows 11には標準機能でデータ復元の機能が備わっているため、落ち着いて操作すれば誰でもデータ復元が可能です。
この記事では、Windows 11の標準機能を使ったデータ復元方法を分かりやすく解説します。
ファイル履歴を使った復元手順
ファイル履歴は、指定したフォルダのファイルを定期的にバックアップする機能です。
誤ってファイルを削除したり、上書き保存してしまった場合に、過去のバージョンを復元できます。
ファイル履歴を使うことで、まるでタイムマシンのようにファイルを過去の状態に戻せる点が特徴です。
- 「設定」アプリを開き、「システム」>「記憶域」>「詳細ストレージ設定」>「バックアップ オプション」を選択
- 「ファイル履歴でファイルを復元」をクリック
- 復元したいファイルまたはフォルダーを選択し、「復元」ボタンをクリック

ファイル履歴が見当たらないんだけど…?

ファイル履歴が有効になっているか確認し、バックアップドライブが接続されているかを確認しましょう。
ファイル履歴は、特定のフォルダを対象としたバックアップであるため、システム全体の復元には向きません。
しかし、個別のファイルやフォルダを復元したい場合には、手軽で非常に有効な手段となります。
システムイメージを使った復元手順
システムイメージは、Windows 11全体をバックアップする機能です。
OS、アプリ、設定など、PC全体の状態を丸ごと保存できます。
システムイメージを使用することで、PCが起動しなくなった場合や、ハードウェアの故障が発生した場合でも、元の状態に復元できます。
- PCを再起動し、起動時に特定のキー(F2、Deleteなど)を押してBIOS設定画面を開く
- 起動順序を変更し、システムイメージが保存された外付けHDDまたはUSBドライブから起動
- 「コンピューターの修復」>「トラブルシューティング」>「システムイメージの回復」を選択し、画面の指示に従って復元

BIOS設定画面って難しそう…

メーカーやモデルによって操作が異なるため、PCのマニュアルを確認するか、メーカーのウェブサイトで調べてみましょう。
システムイメージによる復元は、PC全体を復元するため、時間がかかる場合があります。
しかし、OSが起動しない状態からでも復元できるため、最終手段として覚えておくと安心です。
OneDriveを使った復元手順
OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスです。
ファイルやフォルダーをOneDriveに保存しておけば、PCが故障した場合でも、別のデバイスからOneDriveにアクセスしてファイルを復元できます。
OneDriveを利用することで、場所やデバイスに縛られずにデータにアクセスできる点が魅力です。
- OneDriveのウェブサイトにアクセスし、Microsoftアカウントでサインイン
- 復元したいファイルまたはフォルダーを選択し、「ダウンロード」ボタンをクリック

OneDriveに保存していないファイルも復元できるの?

OneDriveに保存されていないファイルは、残念ながら復元できません。日頃からOneDriveへのバックアップを習慣づけましょう。
OneDriveは、クラウド上にファイルを保存するため、インターネット環境が必須です。
しかし、自動同期機能を活用すれば、常に最新のファイルをバックアップできるため、手軽にデータを保護できます。
よくある質問(FAQ)
- Windows 11のバックアップはなぜ必要ですか?
-
バックアップは、システムの故障や誤操作、ウイルス感染など、予期せぬ事態から大切なデータを守るための備えです。
万が一の事態が発生しても、バックアップがあれば迅速に元の状態に復元できます。
- バックアップにはどのような種類がありますか?
-
Windows 11には、大きく分けてシステムイメージバックアップとファイルバックアップの2種類があります。
システムイメージバックアップはOS全体を保存し、ファイルバックアップは特定のファイルやフォルダーを保存します。
- バックアップ先はどこがおすすめですか?
-
バックアップ先は、外付けHDDやクラウドストレージなどがあります。
外付けHDDは大容量データを高速にバックアップできる点が魅力で、クラウドストレージはインターネット経由でどこからでもアクセスできる点が便利です。
- ファイル履歴でバックアップできるのはどのファイルですか?
-
ファイル履歴では、ドキュメント、ミュージック、ピクチャ、ビデオ、デスクトップにあるファイルが自動的にバックアップされます。
- システムイメージバックアップにはどのくらいの容量が必要ですか?
-
システムイメージの容量は、Cドライブの使用量によって異なりますが、一般的には50GB以上の空き容量がある外付けHDDを用意することが推奨されます。
- クラウドストレージを利用する際の注意点はありますか?
-
クラウドストレージは便利な一方で、セキュリティ対策が重要です。
強固なパスワードを設定し、二段階認証を有効にするなど、セキュリティ対策をしっかりと行いましょう。
まとめ
この記事では、Windows 11でデータを守るためのバックアップ方法を解説しました。
特に重要なのは、万が一の事態に備えて定期的にバックアップを取ることです。
- バックアップの基本と種類
- Windows 11標準機能でのバックアップ
- 外付けHDDやクラウドストレージでのバックアップ手順
この記事を参考に、あなたに合った方法でバックアップを実践し、大切なデータを守りましょう。
まずは、この記事で紹介したバックアップ方法の中から、一番取り組みやすいものを選んで試してみてください。