新しいパソコンを手に入れた瞬間の高揚感は格別ですが、そのまま使い始めてしまうと、後になって「動作が重い」「プライバシーが心配」「勝手にファイルが同期される」といったトラブルに悩まされることが少なくありません。Windows 11には、初期状態ではユーザーにとって必ずしも最適とは言えない設定が数多く含まれています。この記事では、プロの視点から厳選した、後悔しないための初期設定項目を網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたのPCは最高に使いやすく、そして安全な仕事道具へと生まれ変わっているはずです。
この記事でわかること
- プライバシーを守るためのデータ送信制限方法
- システムを高速化するための不要な機能の停止手順
- 作業効率を向上させるタスクバーとメニューの整理術
- トラブル発生時に役立つバックアップと復元の準備
- SEOキーワードリストと検索意図分析
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【検索意図】ユーザーは「せっかく買ったPCを快適に使いたい」「不要な機能に邪魔されたくない」「セキュリティを万全にしたい」という顕在ニーズを持っています。一方で、潜在的には「Microsoftにデータを取られるのが怖い」「OneDriveの仕組みがよくわからずファイルが消えるのが不安」といった悩みを抱えています。これらの不安を解消し、論理的かつ具体的に手順を示すことが求められています。
Windows 11のセットアップを始める前に確認すべき重要事項
PCを箱から出して電源を入れる前に、まず心に留めておくべきなのは、初期設定の進め方次第でその後の利便性が大きく左右されるという事実です。Windows 11では以前のバージョンよりもクラウド連携が強化されており、インターネット接続やアカウントの種類によって挙動が変わります。特に、OSのクリーンな状態を保ち、自分好みの環境を構築するためには、最初のボタンの押し方一つひとつに意味があることを理解しておく必要があります。ここでは、スムーズな導入のために欠かせない前提知識を詳しく整理していきます。
ネットワーク接続とMicrosoftアカウントの要否
Windows 11 Homeエディションなどでは、初期設定時にインターネット接続とMicrosoftアカウントへのサインインが事実上必須となっています。しかし、すべてのユーザーが常にクラウドと同期したいわけではありません。例えば、個人情報をできるだけPC内(ローカル)に留めたい場合や、特定のネットワーク環境に依存したくない場合、ローカルアカウントでの運用を希望するシーンがあるでしょう。標準の手順ではスキップしにくいこの項目ですが、特定のコマンドを入力することで回避できる裏技も存在します。自分にとってクラウドの利便性が勝るのか、それとも独立性が重要なのかを天秤にかけることが、最初の一歩となります。
具体例を挙げると、家族で1台のPCを共有する際に、意図せず他のデバイスのブックマークや写真が同期されてしまい、プライバシーが守られなくなる事態を避けたい場合などが該当します。また、オフライン環境での作業がメインのクリエイターにとっても、サインインの強制は手間に感じられるかもしれません。以下の表で、アカウント種類の違いによるメリットとデメリットをまとめました。自分の利用スタイルにどちらが適しているか、冷静に判断するための参考にしてください。
| アカウント種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| Microsoftアカウント | 設定の同期、ストア利用が容易 | クラウド依存、ログイン情報の共有 |
| ローカルアカウント | プライバシーの確保、オフライン可 | 一部サービスの制限、パスワード忘れ |
| 法人用アカウント | 組織管理下のセキュリティ適用 | 個人の自由度が低い、管理者の制限 |
アカウントの選択は後から変更することも可能ですが、フォルダ名(ユーザープロファイル名)がアカウント名の先頭数文字に固定されてしまうなど、後々のカスタマイズで不都合が生じる場合があります。そのため、最初から自分の理想とする管理形態で進めるのが最も賢明です。インターネット接続を求められた際に、Shift + F10でコマンドプロンプトを呼び出し、「OOBEBYPASSNRO」を実行して再起動すると、ネットワーク接続なしでセットアップを続行できるオプションが現れることは、中級者以上の間ではよく知られたテクニックです。
ライセンス認証とプロダクトキーの管理
PCを購入した形態によって、ライセンス認証の方法は異なります。多くのメーカー製PCでは、マザーボードにライセンス情報が書き込まれている「デジタルライセンス」方式が採用されており、セットアップ中に自動で認証が行われます。一方で、自作PCや中古PCの場合、プロダクトキーの手入力が必要になるケースもあります。認証が正しく行われていないと、壁紙の変更といったパーソナライズ設定が制限されるだけでなく、重要なセキュリティアップデートの受け取りに支障が出る可能性すらあります。認証状態の確認は、セットアップ完了直後に行うべき最優先事項の一つです。
例えば、将来的にマザーボードやCPUといった主要パーツを交換する予定がある場合、ライセンスがMicrosoftアカウントにリンクされていないと、認証が外れて再購入が必要になる悲劇が起こり得ます。これを防ぐには、設定画面から「ライセンス認証」の項目を開き、「Microsoft アカウントにリンクされています」という表示を確認しておく必要があります。この一手間だけで、高価なOSライセンスを無駄にするリスクを大幅に軽減できます。以下の表に、ライセンスに関する確認項目を整理しましたので、漏れがないかチェックしてください。
| 確認項目 | チェック内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 認証ステータス | 「アクティブ」であることを確認 | 最高 |
| アカウント連携 | MSアカウントと紐付いているか | 高 |
| エディション | HomeかProか、注文通りか | 中 |
もし認証エラーが発生した場合は、まずはインターネット接続が安定しているかを確認し、次にトラブルシューティングツールを実行するのが定石です。意外と多いのが、時刻設定がズレているために認証サーバーとの通信が拒否されるケースです。日付と時刻が正確であることを確認するだけで、多くのエラーは解決に向かいます。ライセンスはPCの「魂」とも言える部分ですから、適当に済ませず、確実に自分の資産として保護する意識を持つことが、長期的な安心に繋がります。
後悔しないためのプライバシー設定とセキュリティ強化

Windows 11の初期設定を進める中で、最も多くの人が「とりあえず『はい』をクリックして進めてしまう」のがプライバシーに関する項目です。しかし、ここにはMicrosoftがユーザーの利用動向を把握するための「診断データ」の送信や、関心に基づいた広告を表示するための「広告識別子」の使用許可が含まれています。これらをすべて許可したままだと、PCのバックグラウンドで常に通信が発生し、わずかながらパフォーマンスを低下させる原因となるだけでなく、個人の行動がビッグデータとして収集され続けることになります。自分にとって不要なデータ共有は、最初の段階で断固として拒否するのが、プライバシー保護の鉄則です。
診断データと広告識別子の送信を制限する
セットアップの途中で表示される「デバイスのプライバシー設定の選択」という画面では、デフォルトですべての項目が「オン」になっています。ここにある「診断データ」は、トラブル解決のために必要最小限の情報を送る「必須」と、閲覧履歴やアプリの使用状況まで送る「オプション」に分かれています。特段の理由がない限り、オプションの診断データ送信はオフにすることをおすすめします。これにより、予期せぬ情報の流出を防ぐことができます。同様に、広告識別子もオフにすることで、自分の好みを分析された上での広告表示を避けることが可能です。
具体的には、ネットショッピングで特定の靴を探した後に、全く関係のないニュースサイトでその靴の広告が出てくるといった「追いかけられる感覚」を軽減できます。また、手書き入力やタイピングのデータを収集して辞書を改善する機能も、プライバシーを重視するならオフで問題ありません。Windowsの標準的な日本語入力機能は、これらのデータを送らなくても十分に実用的だからです。設定項目と推奨されるアクションを以下の表にまとめました。自分の許容範囲に合わせて調整しましょう。
| 項目名 | デフォルト | 推奨設定 |
|---|---|---|
| 診断データ | オプションまで送信 | 必須のみ送信に変更 |
| 広告識別子 | オン | オフに変更 |
| 診断データに基づいた体験 | オン | オフに変更 |
これらの設定をオフにしても、Windows Updateが受け取れなくなったり、OSの基本機能が損なわれたりすることはありません。むしろ、不要な通信が減ることでネットワーク帯域の節約になり、結果としてPCのレスポンスが向上するという隠れたメリットもあります。後から「設定」アプリ内の「プライバシーとセキュリティ」から変更することもできますが、最初から「NO」を突きつけておくことで、不要なデータ蓄積を未然に防ぐことができます。デジタルライフにおける「自分の身を守る」ための第一歩として、この作業は欠かせません。
位置情報サービスとバックグラウンドアプリの制御
位置情報サービスは、地図アプリや天気の自動表示には便利ですが、多くのデスクトップアプリや常駐ソフトがバックグラウンドであなたの現在地を追跡している可能性があります。ノートPCで移動が多い場合はまだしも、自宅やオフィスに据え置きのデスクトップPCであれば、常に位置情報をオンにしておく必要性は薄いと言えます。また、バックグラウンドで動作するアプリが多いと、CPUのリソースやメモリを消費し続けるため、不必要なアプリの権限を剥奪することは、マシンの「若さ」を保つ秘訣となります。
例えば、一度も使ったことがないプリインストールされたニュースアプリが、裏側で常に最新情報を取得し、位置情報に基づいて地域ニュースを読み込んでいることがあります。これらが複数重なると、PCの起動直後からファンが激しく回る原因にもなりかねません。必要な時だけ位置情報を許可するか、あるいはOSレベルで一括オフにすることを検討しましょう。以下の表に、注意すべきアプリの権限設定を整理しました。これらを見直すだけで、バッテリー持ちの改善や動作の安定化が期待できます。
| 権限の種類 | 影響を受ける機能 | 見直しのヒント |
|---|---|---|
| 位置情報 | マップ、天気、地域広告 | 固定設置PCならオフ推奨 |
| カメラ/マイク | Zoom、Skype、録音 | 使うアプリのみ個別に許可 |
| バックグラウンド実行 | 通知、データの自動更新 | 不要なものは一括停止 |
バックグラウンドアプリの制御については、Windows 11では「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」から各アプリの「詳細オプション」を開き、「バックグラウンド アプリのアクセス許可」を変更する必要があります。すべてのアプリを一括で止める設定が以前のバージョンより見つけにくくなっているため、面倒でも主要なアプリだけでも確認しておく価値があります。特に「Cortana」や「Xbox Game Bar」など、ゲームや音声アシスタントを頻繁に使わない人にとっては、これらは無駄にリソースを食うだけの存在になりがちです。一つひとつ丁寧に整理することで、PCはより軽快に動き出すようになります。
作業効率を最大化するデスクトップとUIのカスタマイズ
Windows 11に乗り換えてまず驚くのが、中央に配置されたタスクバーや、刷新されたスタートメニューでしょう。見た目は非常にモダンで洗練されていますが、長年Windowsを使い続けてきたユーザーにとっては、マウスを動かす距離が微妙に変わることで違和感やストレスを感じるポイントでもあります。デフォルトのまま我慢して使うのではなく、自分の身体感覚に合うようにカスタマイズを施すことが、日々の生産性を高めるための重要な儀式です。ここでは、視認性と操作性を両立させるための具体的な設定テクニックを紹介していきます。
タスクバーの配置とピン留めアイテムの整理
Windows 11の象徴とも言える「中央揃え」のタスクバーですが、実は設定一つで従来の「左揃え」に戻すことができます。ウルトラワイドモニターを使っている人や、長年の癖で視線が自然と左下に向く人にとっては、左揃えの方が快適な場合も多いです。また、デフォルトで表示されている「ウィジェット」や「チャット(Microsoft Teams)」のアイコンは、使わない人にとってはクリックミスを誘発するだけのノイズでしかありません。これらを非表示にし、本当に毎日使うアプリだけをピン留めすることで、迷いのない操作環境が整います。
例えば、ブラウザ、エクスプローラー、メールソフト、メモ帳といった「四種の神器」だけを左端に並べておけば、どんな作業中でも瞬時に必要なツールを起動できます。反対に、あまり使わないメーカー製のユーティリティやEdgeのショートカットが並んでいると、それだけで脳のエネルギーを消費してしまいます。タスクバーの設定で見直すべき主要項目を以下の表にまとめました。自分の使い勝手に合わせてカスタマイズの方向性を決めてください。
| 設定項目 | デフォルト | カスタマイズの提案 |
|---|---|---|
| タスクバーの配置 | 中央揃え | 慣れているなら左揃えへ |
| ウィジェット | オン | 見ないならオフで領域確保 |
| 検索 | 検索ボックス | アイコンのみにして省スペース化 |
タスクバーの空きスペースを右クリックして「タスクバーの設定」を開けば、これらの項目は一瞬で変更可能です。また、タスクバーが自動的に隠れる設定にすることで、狭い画面のノートPCでも作業領域を数ミリ広く確保することができます。この「数ミリの差」が、複数のウィンドウを並べて作業する際の快適さに直結します。デザインの美しさに惑わされず、あくまで自分の「道具」としての使いやすさを追求する姿勢が、後悔しないPC作りの秘訣と言えるでしょう。
スタートメニューから不要な「おすすめ」を消去する
Windows 11のスタートメニューは、上半分が「ピン留め済みアプリ」、下半分が「おすすめ」という構成になっています。この「おすすめ」欄には、最近使ったファイルやインストールしたばかりのアプリが表示されますが、これがプライバシーの観点から気になるという声も少なくありません。画面をプロジェクターに投影してプレゼンをしている時に、昨日家でこっそり開いたファイルの名前がデカデカと表示されてしまう、といった事故を未然に防ぐためにも、「おすすめ」の表示制限は必須の設定項目です。
具体的には、「設定」→「個人用設定」→「スタート」から、最近追加したアプリや最近開いた項目の表示をオフにできます。完全に消去することはできず、スペース自体は空白として残ってしまいますが、余計な情報が目に飛び込んでこないだけでも集中力は維持しやすくなります。代わりにピン留めエリアの表示範囲を広げる設定(さらに多くのピン留めを表示)を選ぶことで、お気に入りアプリへのアクセス性を高めるのが賢い使い方です。スタートメニューのレイアウトオプションを以下の表で整理しました。
| レイアウト名 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| さらに多くのピン留め | アプリ一覧を最大化 | 多数のソフトを使い分ける人 |
| 既定 | バランス型 | 特にこだわりがない人 |
| さらに多くのおすすめ | 履歴を優先表示 | 直近の作業をすぐ再開したい人 |
また、スタートメニューの電源ボタンの横に「設定」や「ドキュメント」「ダウンロード」フォルダへのショートカットを表示させる機能も非常に便利です。これも同じ設定画面から「フォルダー」を選択することで有効化できます。これだけで、わざわざエクスプローラーを立ち上げてからフォルダを辿るという手間が省け、ワンクリックで目的の場所へアクセスできるようになります。ちょっとした工夫の積み重ねが、年間を通すと数時間の時短に繋がるのですから、設定しない手はありません。
Windows 11を高速化し快適な動作を維持するシステム設定
新しいPCのはずなのに、なぜか起動に時間がかかったり、特定の操作で一瞬もたついたりすることがあります。これは、PCのスペック不足というよりも、OSの設定が「無難な最大公約数」に設定されていることが主な要因です。最新のWindowsはアニメーション効果や透過処理など、見た目の豪華さにリソースを割いていますが、これらは時として作業のテンポを阻害します。また、使わないアプリが勝手にPCの起動と同時に立ち上がるのも、パフォーマンス低下の大きな要因です。システムの深部にある「重り」を一つずつ外していく作業を通じて、本来のスピードを取り戻しましょう。
起動時の不要なスタートアップアプリを無効化する
PCを起動してからデスクトップが操作可能になるまでが遅いと感じる場合、その原因の多くは「スタートアップアプリ」にあります。これらはOSの起動と同時にバックグラウンドで実行されるプログラムですが、中には一生使わないようなメーカー製ユーティリティや、たまにしか使わないチャットツールなどが含まれています。これらを整理することで、起動時間の短縮とメモリ空き容量の確保を同時に達成できます。タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)の「スタートアップ」タブから、不要なものを右クリックして「無効化」するだけの簡単な作業です。
例えば、ブラウザの更新チェッカーや、一度セットアップしただけのプリンタ監視ツールなどは、手動で使う時だけ動けば十分です。それらが常にメモリの数パーセントを占拠し続けるのは、効率的とは言えません。特にスペックが控えめなノートPCでは、この整理の効果は劇的に現れます。無効化しても安全な代表的なプログラムを以下の表に示しました。ただし、セキュリティソフトなど、常に動いていなければならないものを無効化しないよう注意が必要です。
| アプリ名/ジャンル | 無効化の判断基準 | 影響 |
|---|---|---|
| Microsoft Edge | 別のブラウザを使っているなら無効 | なし |
| Spotify / iTunes | 聴くときだけ手動起動でOK | なし |
| OneDrive | クラウドを使わないなら無効 | 同期停止 |
「どれが無効にしても大丈夫かわからない」という場合は、一覧に表示されている「スタートアップへの負荷」という列を参考にしてください。「高」と表示されているものほど、起動を遅くしている主犯格です。これらを無効にするだけで、数秒から十数秒の起動時間を短縮できることがあります。一つひとつ無効にして再起動し、動作に問題がないか確認しながら進めるのが、安全に最適化を行うためのコツです。こうした地道なメンテナンスこそが、PCを長期間ストレスなく使い続けるための最大のポイントになります。
電源プランの最適化とスリープ設定の調整
Windows 11には、電力消費を抑えるための「電源モード」設定があります。デフォルトでは「バランス」に設定されていますが、ACアダプターを繋いでいるデスクトップPCや、パフォーマンスを重視したいノートPCであれば、「最適なパフォーマンス」に変更することで、CPUの性能をフルに発揮できるようになります。逆に、バッテリー持ちを最優先したい場合は「トップクラスの電力効率」を選ぶべきです。自分の利用シーンに合わせて、このスイッチを適切に切り替えることが、マシンのポテンシャルを引き出す鍵となります。
また、意外と見落としがちなのがスリープ設定です。デフォルトのままだと、少し離席しただけで勝手に電源が切れたり、スリープから復帰する際にパスワード入力が求められたりと、作業の再開に手間取ることがあります。自宅の個室など安全な場所で使っているなら、スリープ復帰時のパスワード入力を省略する設定(「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」)に変更するだけで、作業への復帰が非常にスムーズになります。電源設定で見直すべき重要項目を以下の表にまとめました。
| 項目 | 推奨アクション | 理由 |
|---|---|---|
| 電源モード | 最適なパフォーマンス | 処理速度の最大化 |
| 画面オフの時間 | 10分以上に設定 | 頻繁な消灯を防ぐ |
| 高速スタートアップ | オフ推奨(トラブル防止) | 周辺機器との整合性 |
特に「高速スタートアップ」は、次回起動を速める便利な機能ですが、シャットダウン時に完全にシステムを終了させないため、稀にUSBデバイスが認識されない、アップデートが正しく適用されないといった不具合の原因になることがあります。SSDを搭載した現代のPCであれば、この機能がオフでも十分に高速です。安定性を重視するなら、あえてオフにしておくのも一つの「通な」設定です。自分の使い方に合わせて、微調整を繰り返すことで、PCはあなたの意図に従う従順な相棒へと進化していきます。
万が一のトラブルに備えるバックアップと復元設定
PCは機械である以上、いつかは必ず故障します。また、操作ミスで大切なファイルを消してしまったり、システムアップデートの失敗でOSが起動しなくなったりするリスクもゼロではありません。初期設定の最後を締めくくるのは、こうした「万が一」の事態が起きた時に、被害を最小限に抑え、素早く元の状態に戻すための準備です。トラブルが起きてから慌てても手遅れですが、今この瞬間に数分間だけ時間を割いておけば、将来のあなたは大いに救われることになるでしょう。ここでは、すべてのWindowsユーザーが最低限設定しておくべき、守りの設定を解説します。
システムの復元ポイントを事前に作成しておく
「システムの復元」は、Windowsの設定やシステムファイルを特定の時点の状態に戻すことができる強力な機能です。新しいアプリをインストールしたり、ドライバを更新したりした直後にPCの挙動がおかしくなった場合、この復元ポイントがあれば、何事もなかったかのように巻き戻すことができます。しかし、驚くべきことに最近のWindowsではこの機能が無効になっているケースが多いのです。まずはコントロールパネルの「システム保護」から、Cドライブの構成を確認し、保護を「有効」にして十分な容量(3〜5GB程度)を割り当てておきましょう。
具体例を出すと、動作を軽くしようとレジストリをいじりすぎて画面が映らなくなった時や、特定のソフトを入れたらインターネットに繋がらなくなった時などに、この復元ポイントが唯一の救いとなります。セットアップが一通り完了し、絶好調な状態の時に手動で「初期設定完了」という名前の復元ポイントを作っておくことを強く推奨します。復元ポイント作成のチェックリストを以下に用意しました。
| 手順 | 内容 | 状態確認 |
|---|---|---|
| 構成の有効化 | 保護を「オン」にする | 必須 |
| ディスク領域割り当て | 3〜5%程度に設定 | 推奨 |
| 手動作成 | 現時点でのポイントを作成 | 今すぐ実行 |
この機能は個人のファイル(写真やWord文書など)を元に戻すものではない点には注意が必要ですが、OSという「土台」を守るためにはこれ以上ないほど心強い味方です。自動で定期的に作成されるようになりますが、大きな設定変更の前には自分でも作成する癖をつけておくと安心です。保険と同じで、使わずに済むのが一番ですが、備えがあるというだけで心の余裕が全く違ってきます。
OneDriveの自動同期範囲を適切に管理する
Windows 11の初期設定で、多くのユーザーを混乱させるのがOneDriveの自動同期機能です。デフォルトでは「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」といった主要なフォルダが勝手にクラウド(OneDrive)と同期される設定になっています。これを「便利だ」と感じる人もいれば、「容量がすぐにいっぱいになる」「ファイルがどこにあるか分からなくなる」と敬遠する人もいます。自分がクラウドストレージの無料枠(5GB)で足りるのか、それともローカルのみで管理したいのかを明確にし、同期設定をカスタマイズすることが重要です。
例えば、スマホで撮った大量の高画質動画が勝手にPCと同期されてしまい、PCの空き容量が圧迫されるといったトラブルがよくあります。また、同期を解除する際に手順を間違えると、デスクトップからアイコンが消えて焦る、といった事態も起こり得ます。同期をオフにするなら、OneDriveの設定から「バックアップを管理」を開き、項目の選択を解除する必要があります。以下の表に、OneDrive運用の3つのパターンをまとめました。あなたはどれに当てはまるでしょうか。
| 運用スタイル | 設定内容 | メリット |
|---|---|---|
| フル活用 | すべて同期 | スマホや他PCとの連携が最強 |
| 一部活用 | 特定のフォルダのみ | 重要書類だけを守れる |
| 完全ローカル | 同期をすべて解除 | 通信と容量を気にせず使える |
OneDriveは正しく使えば非常に便利なツールですが、OS側の「お節介」に任せきりにするのは危険です。特に無料版を利用している場合、容量制限を超えるとメールの受信すら止まってしまうことがあります。初期設定のタイミングで、自分がどのデータをクラウドに預け、どのデータを手元に置くのかという「デジタル整理」の方針を立てておきましょう。これにより、後からファイルを探し回る無駄な時間をゼロにできます。
よくある質問
- Windows 10の時の設定は引き継がれないのですか?
-
アップデート(上書きインストール)の場合はある程度引き継がれますが、新しいPCで最初から設定する場合は引き継がれません。また、Windows 11特有のプライバシー項目やスタートメニューの配置などは、改めて手動で設定し直す必要があります。この記事のチェックリストを使って、最新のOSに最適化された環境をゼロから構築することをおすすめします。
- 設定を間違えてPCがおかしくなった時はどうすればいいですか?
-
まずは落ち着いて「システムの復元」を試してください。もし復元ポイントを作っていなかった場合は、「設定」アプリの「システム」→「回復」から「PCをリセット(この個人用ファイルを保持する)」を実行することで、データは残したままWindowsの設定を工場出荷状態に戻すことができます。ただし、インストールしたアプリは消えてしまうため、最終手段として考えましょう。
- セキュリティソフトは別途購入した方が良いでしょうか?
-
Windows 11には標準で「Windows セキュリティ(旧Defender)」が搭載されており、個人利用であればこれだけで十分な保護性能を持っています。怪しいサイトを開かない、不審なメールのリンクを踏まないといった基本的なリテラシーがあるなら、有料ソフトは必須ではありません。ただし、より手厚いサポートやフィッシング詐欺対策機能を求めるなら、市販のソフトを導入する価値はあります。その場合は、初期設定完了後に導入しましょう。
まとめ
Windows 11の初期設定は、単に画面の指示に従うだけではなく、自分の手で「最適化」を加えることで、その真価を発揮します。今回ご紹介したチェックリストは、プライバシーの保護、動作の高速化、UIの使い勝手、そして将来への備えという4つの視点から構成されています。これらすべての設定を完了させるには、わずか30分ほどの時間しかかかりませんが、その見返りとして得られる「ストレスのないPC環境」は、今後数年間にわたってあなたの時間を生み出し続けてくれるはずです。まずは一つひとつの項目を確認し、自分にとって最高のパートナーとなるようPCを育てていってください。新しいWindowsライフが、より豊かで快適なものになることを心より願っています。
