【失業保険】いつからもらえる？｜受給開始時期を早める方法と注意点

退職後の生活を支える失業保険は、受給開始時期が重要です。

退職理由や手続きの状況によって異なり、正確な時期を把握することが大切です。

失業保険の受給開始時期は、退職理由、ハローワークでの手続きの遅れ、提出書類の不備など、さまざまな要因で左右されます。

これらの要因を理解することで、ご自身の状況に合わせた受給スケジュールを把握できます。

この記事でわかること

失業保険はいつから？受給開始時期

失業保険の受給は、退職後の生活を支える重要な制度です。

受給開始時期は、退職理由や手続きの状況によって異なり、正確な時期を把握しておくことが大切です。

以下では、失業保険の受給開始時期について、退職理由と受給開始時期の関係、受給開始時期を左右する要因を解説します。

それぞれの要因を理解することで、ご自身の状況に合わせた受給スケジュールを把握できます。

退職理由と受給開始時期の関係

失業保険の受給開始時期は、退職理由によって大きく異なります。

自己都合退職の場合、会社都合退職に比べて受給開始が遅くなる傾向にあります。

退職理由	待機期間	給付制限	受給開始
会社都合退職	7日間	なし	約1ヶ月後
自己都合退職	7日間	1ヶ月	約2ヶ月後

受給開始時期を左右する要因

失業保険の受給開始時期は、退職理由だけでなく、いくつかの要因によって左右されます。

ハローワークでの手続きの遅れや、書類の不備などは、受給開始を遅らせる要因となります。

要因	内容
ハローワークでの手続きの遅れ	求職の申し込みや受給資格の決定が遅れると、受給開始も遅れます
提出書類の不備	離職票や身分証明書などに不備があると、手続きに時間がかかり、受給開始が遅れます
雇用保険説明会への参加	雇用保険説明会への参加が遅れると、受給手続きが進まず、受給開始が遅れることがあります
失業認定日の手続き	失業認定日にハローワークで失業の認定を受けないと、失業保険は支給されません
アルバイト	待機期間中のアルバイトは、失業保険の受給に影響を与える可能性があります

失業保険受給までの流れと注意点

失業保険を受給するためには、ハローワークでの手続きが不可欠です。

各ステップを理解し、スムーズな受給を目指しましょう。

以下では、ハローワークでの手続き、雇用保険説明会への参加、そして待機期間と給付制限の違いについて解説します。

ハローワークでの手続き

ハローワークでの手続きは、失業保険受給の最初のステップです。

必要な書類を揃え、求職の申し込みを行います。

雇用保険説明会への参加

雇用保険説明会への参加は、失業保険の制度理解を深めるために重要です。

受給資格や受給期間、求職活動の注意点などを学びます。

待機期間と給付制限の違い

待機期間と給付制限は、失業保険の受給開始時期に影響を与える重要な要素です。

それぞれの期間を理解し、計画的な求職活動を行いましょう。

項目	待機期間	給付制限
期間	受給資格決定日から7日間	自己都合退職の場合、原則1ヶ月(2025年4月1日以降)
目的	失業状態の確認	自己都合退職の場合、失業保険の不正受給を防止するため。
給付	待機期間中は失業保険は支給されません。	給付制限期間中は失業保険は支給されません。
適用	全ての受給者に適用されます。	自己都合退職の場合に適用されます。ただし、会社都合退職や特定理由離職者の場合は適用されません。

待機期間は、受給資格が決定してから7日間です。

給付制限は、自己都合退職の場合に適用され、原則1ヶ月の期間となります（2025年4月1日以降）。

会社都合退職や特定理由離職者の場合は、給付制限はありません。

失業保険の受給額と計算方法

失業保険（求職者給付）の受給額は、退職前の賃金と雇用保険の加入期間に基づいて計算され、再就職までの生活を支える重要な要素です。

基本手当日額の計算方法、受給期間と受給額の目安、受給額を増やす方法を理解することで、安心して再就職活動に取り組めます。

基本手当日額の計算

基本手当日額は、退職前の賃金に基づいて算出され、賃金日額に給付率（50～80％）を掛けて計算します。

賃金日額は、原則として退職前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額です。

基本手当日額の計算式

項目	内容
賃金日額	退職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
給付率	50～80％（賃金が低いほど給付率が高くなる）
基本手当日額	賃金日額 × 給付率
上限額	令和5年8月1日時点で、60歳未満は6,170円、60歳以上65歳未満は4,960円に設定されている
下限額	令和5年8月1日時点で、1,964円に設定されている

受給期間と受給額の目安

失業保険の受給期間は、離職理由や雇用保険の加入期間、年齢によって異なり、90日から330日の間で決定します。

自己都合退職の場合、給付日数は90日から150日、会社都合退職の場合は90日から330日となる場合があります。

受給期間と給付日数

離職理由	雇用保険加入期間	年齢	給付日数
自己都合退職	10年未満	全年齢	90日
	10年以上20年未満	全年齢	120日
	20年以上	全年齢	150日
会社都合退職	1年未満	30歳未満	90日
		30歳以上35歳未満	90日
		35歳以上45歳未満	90日
		45歳以上60歳未満	90日
		60歳以上65歳未満	90日
	1年以上5年未満	30歳未満	90日
		30歳以上35歳未満	120日
		35歳以上45歳未満	150日
		45歳以上60歳未満	180日
		60歳以上65歳未満	150日
	5年以上10年未満	30歳未満	120日
		30歳以上35歳未満	180日
		35歳以上45歳未満	180日
		45歳以上60歳未満	240日
		60歳以上65歳未満	180日
	10年以上20年未満	30歳未満	180日
		30歳以上35歳未満	210日
		35歳以上45歳未満	240日
		45歳以上60歳未満	270日
		60歳以上65歳未満	210日
	20年以上	30歳未満	–
		30歳以上35歳未満	240日
		35歳以上45歳未満	270日
		45歳以上60歳未満	330日
		60歳以上65歳未満	240日

受給額を増やす方法

失業保険の受給額を直接増やすことは難しいですが、再就職手当や職業訓練受講給付金などの制度を活用することで、結果的に受け取れる金額を増やすことができます。

再就職手当は、早期に再就職が決まった場合に支給される手当であり、支給残日数が多いほど受給額が増えます。

失業保険以外の手当

手当	概要	受給要件
再就職手当	早期に安定した職業に就いた場合に支給される。	1年を超えて勤務することが確実であること、失業保険の支給残日数が所定の日数以上あることなど
職業訓練受講給付金	ハローワークの指示した職業訓練を受講する場合に、訓練期間中の生活を支援するために支給される。	雇用保険を受給できない求職者が、特定の条件を満たす場合に支給される。

失業保険の受給額は、個々の状況によって異なりますが、これらの情報を参考に、ご自身の受給額を把握し、再就職活動に役立ててください。

失業保険を早期受給するための対策

失業保険を早く受け取るためには、退職理由が重要です。

退職理由によって、失業保険の受給開始時期が大きく変わるため、自身の状況を正確に把握し、適切な対応を取ることが重要です。

ここでは、会社都合退職、特定理由離職者の適用、ハローワークへの相談という3つの対策について解説します。

それぞれの対策を理解することで、失業保険をよりスムーズに受け取れる可能性があります。

会社都合退職として扱ってもらう

会社都合退職とは、倒産や解雇など、労働者の意思とは関係なく職を失うことです。

会社都合退職として扱われることで、自己都合退職に比べて失業保険の受給開始が早まります。

離職理由が会社都合に該当するかどうかは、ハローワークが判断するため、まずは勤務先へ離職理由について確認することが重要です。

特定理由離職者の適用

特定理由離職者とは、有期労働契約の不更新や、病気、ケガ、家族の介護などのやむを得ない理由で離職した人のことです。

離職理由	詳細
有期労働契約の不更新	契約期間満了に伴い、契約更新を希望したにも関わらず更新されなかった場合
体力不足、病気、ケガ	医師の診断書など、客観的な証明が必要
家族の介護	親族の介護が必要となり、通勤が困難になった場合
事業所の移転	通勤が困難になった場合
労働条件の著しい相違	求人内容と実際の労働条件が大きく異なっていた場合
妊娠、出産、育児	育児休業を取得することが難しく、離職した場合
配偶者の転勤に伴う住所変更	配偶者の転勤により、通勤が困難になった場合
その他、ハローワークがやむを得ないと認めた理由	個別の状況に応じて判断

ハローワークへの相談

ハローワークでは、失業保険に関する様々な相談ができます。

ハローワークでは、失業保険の受給資格や手続き、給付額など、個別の状況に合わせて詳しく教えてくれます。

不安なことや疑問点があれば、早めにハローワークに相談しましょう。

失業保険を早期に受給するためには、退職理由を明確にし、必要な手続きを迅速に行うことが大切です。

ハローワークへの相談も積極的に活用し、スムーズな受給を目指しましょう。

安心して再就職活動に取り組むために

再就職活動を安心して進めるためには、失業保険に関する正しい知識と手続きが不可欠です。

不安を解消し、スムーズな再就職を実現するための情報をお届けします。

不安な場合はハローワークへ

失業保険の手続きや受給に関して不安がある場合は、迷わずハローワークに相談することが重要です。

ハローワークでは、専門の相談員が個別の状況に合わせて丁寧にアドバイスを提供してくれます。

ハローワークでは、失業保険に関する疑問だけでなく、再就職に関する様々な相談も受け付けています。

職業訓練の情報や求人情報の提供、面接対策など、再就職活動を全面的にサポートしてくれるので、積極的に活用しましょう。

スムーズな手続きのために

スムーズな手続きを行うためには、必要な書類を事前に準備し、手続きの流れを把握しておくことが大切です

ハローワークで手続きを行う際には、以下の書類が必要になります。

書類名	内容
離職票	以前の勤務先から発行される書類
マイナンバーカード	個人番号を確認するための書類
身分証明書	運転免許証、パスポートなど
本人名義の預金通帳	失業保険の振込先として使用
証明写真	2枚

これらの書類を事前に準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。

失業保険受給後の注意点

失業保険を受給した後も、再就職に向けて積極的に行動し、定期的にハローワークに状況を報告する必要があります。

失業保険は、求職活動を支援するための制度であるため、受給期間中は積極的に求職活動を行うことが求められます。

具体的には、求人への応募、面接、職業訓練への参加などが含まれます。

失業保険受給中は、以下の点に注意が必要です。

よくある質問（FAQ）

失業保険は、いつもらえるのですか？

失業保険は、退職理由によって受給開始時期が異なります。

会社都合退職の場合は、約1ヶ月後から支給が開始されます。

自己都合退職の場合は、給付制限があるため、約2ヶ月後からの支給となります。

失業保険の受給開始時期を早めるにはどうすればいいですか？

会社都合退職として扱われるように、勤務先と離職理由について確認することが重要です。

また、特定理由離職者に該当する場合は、ハローワークに相談することで、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。

失業保険をもらうための、ハローワークでの手続きの流れを教えてください。

まず、ハローワークで求職の申し込みを行い、必要な書類を提出します。

次に、雇用保険説明会に参加し、失業保険に関する制度理解を深めます。

その後、待機期間と給付制限期間を経て、失業認定日にハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

基本手当日額はどのように計算されるのですか？

基本手当日額は、退職前6ヶ月の賃金に基づいて算出されます。

賃金日額に給付率（50～80％）を掛けて計算されます。

基本手当日額には上限額と下限額が設定されており、年齢や賃金によって異なります。

失業保険の受給額を増やすことはできますか？

失業保険の受給額を直接増やすことは難しいですが、再就職手当や職業訓練受講給付金などの制度を活用することで、結果的に受け取れる金額を増やすことができます。

失業保険の手続きで不安なことがある場合、どうすればいいですか？

失業保険の手続きや受給に関して不安がある場合は、ハローワークに相談することが重要です。

ハローワークでは、専門の相談員が個別の状況に合わせて丁寧にアドバイスを提供してくれます。

まとめ

この記事では、失業保険の受給開始時期について解説しました。

退職理由や手続きの状況によって受給開始時期が異なるため、ご自身の状況をしっかりと把握することが大切です。

失業保険の受給に関して不安な場合は、ハローワークに相談することで、スムーズな手続きを進めることができます。