【失業保険】自己都合だといつもらえる？｜受給開始時期を徹底解説

自己都合で退職した場合、失業保険がいつから受給できるのか不安ではありませんか？会社都合での退職と比べて、受給開始が遅れる場合があるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

この記事では、自己都合退職における失業保険の受給開始時期について、待機期間や給付制限期間を含めて詳しく解説します。

受給開始までのスケジュールや、特定理由離職者に該当する場合の給付制限など、知っておくべき情報を網羅的にご紹介します。

この記事でわかること

失業保険、自己都合による受給開始時期

失業保険を自己都合で退職した場合、受給開始時期は7日間の待機期間と給付制限期間があるため、会社都合よりも遅くなる点が重要です。

受給開始時期を理解するためには、自己都合退職と失業保険の関係性や受給開始に必要な前提知識を把握しておく必要があります。

自己都合退職と失業保険の関係性

自己都合退職の場合、失業保険の受給には一定の制限が設けられていますが、これは雇用保険制度が、労働者の生活と再就職を支援することを目的としているためです。

自己都合退職は、労働者自身の意思で雇用関係を終了させるため、会社都合退職と比較して、受給開始までの期間が長くなります。

受給開始時期の理解に必要な前提知識

失業保険の受給開始時期を理解するためには、待機期間と給付制限期間という2つの重要な期間について理解しておく必要があります。

待機期間は、ハローワークに求職の申し込みを行った日から7日間であり、この期間中は失業保険は支給されません。

給付制限期間は、自己都合退職の場合に設けられる期間で、2025年3月31日までは原則として3ヶ月間、2025年4月1日以降は2ヶ月間に短縮されます。

ただし、過去5年間に2回以上の自己都合退職がある場合は、給付制限期間が長くなる可能性があります。

いつから？自己都合退職における受給開始時期

自己都合で退職した場合、失業保険の受給開始は、7日間の待機期間と原則2ヶ月の給付制限期間を経る必要がある点が重要です。

ただし、2025年4月以降は給付制限期間が1ヶ月に短縮されるため、以前よりも早く受給を開始できます。

ここでは、7日間の待機期間、給付制限期間の短縮、受給開始までの具体的なスケジュール例について解説します。

それぞれの内容を理解することで、スムーズな受給につなげられます。

7日間の待機期間

7日間の待機期間は、ハローワークに求職の申し込みを行った日から起算される、失業保険受給のための最初のステップです。

この期間は、本当に働く意思と能力があるかを確認するために設けられています。

待機期間中は、アルバイトやパートなど、収入が発生する仕事は原則としてできません。

もし待機期間中に働いてしまうと、その期間は待機期間としてカウントされず、受給開始が遅れる可能性があります。

給付制限期間（2ヶ月→1ヶ月へ短縮）

給付制限期間は、自己都合退職の場合に適用される、失業保険の給付が制限される期間です。

2025年3月31日までは原則として2ヶ月の給付制限期間がありましたが、2025年4月1日以降は1ヶ月に短縮されます。

給付制限期間の短縮は、早期の再就職を支援し、求職者の生活を支えるための施策です。

ただし、過去5年以内に3回以上自己都合退職している場合は、給付制限期間が3ヶ月になるため注意が必要です。

受給開始までの具体的なスケジュール例

自己都合退職の場合、失業保険の受給開始までのスケジュールは以下のようになります。

項目	内容
1. 離職	会社を退職
2. ハローワークで求職の申し込み	離職後、ハローワークで求職の手続きを行う
3. 受給資格決定	ハローワークが受給資格を決定
4. 7日間の待機期間	受給資格決定後、7日間の待機期間が発生
5. 給付制限期間	自己都合退職の場合、原則として2ヶ月（2025年4月1日以降は1ヶ月）の給付制限期間が発生
6. 失業認定	ハローワークで失業状態の認定を受ける
7. 受給開始	失業認定後、失業保険の受給が開始

例えば、2025年5月に自己都合で退職した場合、ハローワークで求職の申し込みをしてから7日間の待機期間、1ヶ月の給付制限期間を経て、約1ヶ月半後に失業保険の受給が開始されます。

失業保険をスムーズに受給するためには、退職後の手続きを速やかに行い、ハローワークの指示に従って求職活動を進めることが大切です。

自己都合でも給付制限なし？特定理由離職者

失業保険の受給において、自己都合退職の場合は原則として給付制限が適用されますが、特定理由離職者に該当する場合は、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。

ここでは、特定理由離職者の定義、該当するケース、申請方法について解説します。

該当する場合は、ハローワークに申し出ることで、早期の失業保険受給が可能です。

特定理由離職者とは

特定理由離職者とは、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことや、病気、ケガ、家族の介護などのやむを得ない理由により離職した方を指します。

特定理由離職者に該当するケース

特定理由離職者に該当するケースはいくつか存在します。

ケース	詳細
期間の定めのある労働契約が更新されなかった	契約期間満了時に会社から契約更新を拒否された場合や、労働条件が著しく低下したため契約更新を希望しなかった場合
体力不足、病気、ケガなど	業務に耐えられないほどの体力低下や、医師の診断による病気、ケガなどが原因で離職した場合
家族の介護や看護	親族の介護や看護が必要となり、離職せざるを得ない場合
会社の事業縮小や倒産	会社の経営状況が悪化し、事業縮小や倒産によって離職した場合
職場でのハラスメント	職場でのハラスメントが原因で精神的に追い詰められ、離職した場合（証拠が必要）
通勤困難	結婚や配偶者の転勤などにより、通勤が困難になった場合
その他やむを得ない理由	上記以外にも、ハローワークがやむを得ないと認める理由がある場合

申請方法と必要書類

特定理由離職者として失業保険を申請するには、ハローワークでの手続きが必要です。

手順	内容
1. ハローワークへの求職申し込み	離職後、速やかにハローワークで求職の申し込みを行います。
2. 離職理由の説明	ハローワークの窓口で、離職理由が特定理由離職者に該当する旨を説明します。
3. 必要書類の提出	離職票、本人確認書類、印鑑、預金通帳などに加え、離職理由を証明する書類（医師の診断書、介護を必要とする親族の診断書、会社の倒産を証明する書類など）を提出します。
4. ハローワークの判断	提出された書類や状況から、ハローワークが特定理由離職者に該当するかどうかを判断します。
5. 受給資格の決定	特定理由離職者として認められた場合、受給資格が決定され、給付制限なしで失業保険を受給できます。

特定理由離職者に該当するかどうかは、個々の状況によって判断が異なります。

まずはハローワークに相談し、ご自身の状況を詳しく説明することが重要です。

失業保険受給までの流れと注意点

失業保険をスムーズに受け取るためには、ハローワークでの手続きを確実に行い、必要な書類を事前に準備することが重要です。

失業保険受給までの流れを理解し、各段階での注意点を知っておくことで、安心して再就職活動に専念できます。

ハローワークでの手続き

ハローワークでの手続きは、求職の申し込みから受給資格の決定まで、失業保険受給の最初のステップです。

ハローワークでは、以下の手続きを行います。

手続き	概要
求職の申し込み	ハローワークで求職の申し込みを行い、失業状態であること、就職の意思と能力があることを伝えます。
雇用保険受給資格の決定	提出した離職票などに基づいて、雇用保険の受給資格があるかどうかの決定が行われます。
雇用保険受給説明会への参加	受給資格が決定された後、雇用保険の制度や受給に関する説明会に参加します。
失業認定	指定された日にハローワークへ行き、失業状態であること、求職活動を行っていることを報告し、失業の認定を受けます。

必要な書類と準備

失業保険の申請には、雇用保険被保険者離職票や本人確認書類など、複数の書類が必要です。

これらの書類を事前に準備しておくことで、スムーズな手続きが可能になります。

必要な書類は以下の通りです。

書類名	概要
雇用保険被保険者離職票-1、2	以前の会社から発行される書類で、退職理由や賃金などが記載されています。
本人確認書類	運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどが該当します。
マイナンバーを確認できるもの	マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票などが該当します。
印鑑	認印で構いません。
写真	原則として縦3.0cm×横2.5cmの正面上半身の写真が2枚必要です。
本人名義の預金通帳またはキャッシュカード	失業保険の振込先となる口座の情報が必要です。

受給期間と受給額の確認

失業保険の受給期間と受給額は、雇用保険の加入期間や年齢、離職理由などによって異なります。

自身の受給期間と受給額を事前に確認し、生活設計を立てることが大切です。

項目	内容
受給期間	離職理由や年齢、雇用保険の加入期間によって異なり、90日から330日の間で決定されます。
受給額	離職前の賃金に基づいて計算され、1日あたりの受給額（基本手当日額）が決まります。基本手当日額には上限額と下限額が設定されています。
給付制限	自己都合退職の場合、通常は給付制限期間（2ヶ月）がありますが、2025年4月以降は1ヶ月に短縮されます。また、特定理由離職者に該当する場合は、給付制限が免除されることがあります。
受給期間延長	病気やけが、妊娠・出産・育児などの理由で、すぐに働けない場合は、受給期間を延長できる場合があります。

よくある質問（FAQ）

自己都合で退職した場合、失業保険はいつもらえますか？

自己都合で退職した場合、失業保険の受給開始は、ハローワークで求職の申し込みをしてから7日間の待機期間と、原則として1ヶ月の給付制限期間を経た後になります。

ただし、過去5年間に3回以上自己都合退職している場合は、給付制限期間が3ヶ月になることがあるため注意が必要です。

7日間の待機期間中は、どのようなことに注意すれば良いですか？

7日間の待機期間中は、原則としてアルバイトやパートなど、収入が発生する仕事はできません。

もし待機期間中に働いてしまうと、その期間は待機期間としてカウントされず、受給開始が遅れる可能性があります。

給付制限期間中は、何もできないのでしょうか？

給付制限期間中でも、ハローワークの職業相談や、求人情報の閲覧は可能です。

積極的に再就職活動を行いましょう。

特定理由離職者に該当すると、どのようなメリットがありますか？

特定理由離職者に該当すると、自己都合退職の場合に設けられる給付制限期間なしで失業保険を受給できる可能性があります。

早期に失業保険を受給できるため、生活の安定につながります。

特定理由離職者に該当するケースには、どのようなものがありますか？

特定理由離職者に該当するケースはいくつかあります。

契約期間満了時に会社から契約更新を拒否された場合や、病気、ケガ、家族の介護などのやむを得ない理由により離職した場合などが挙げられます。

失業保険の申請には、どのような書類が必要ですか？

失業保険の申請には、雇用保険被保険者離職票、本人確認書類、マイナンバーを確認できるもの、印鑑、写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードなどが必要です。

事前に準備しておくことで、スムーズな手続きが可能になります。

まとめ

自己都合で退職された場合、失業保険の受給開始時期は会社都合と比べて遅れるため、事前に受給要件や手続きの流れを把握しておくことが大切です。

この記事を参考に、失業保険の受給に向けて、ハローワークでの手続きを進めてみましょう。