【失業保険】自己都合でもすぐもらう？病気で受給するための全知識

体調を崩して会社を辞めざるを得なかった時、気になるのは失業保険のことではないでしょうか。

自己都合退職の場合、通常は給付制限がありますが、病気の場合はすぐに受給できる道も開かれています。

この記事では、自己都合退職でも病気を理由に失業保険をすぐに受給するための条件や手続き、注意点などを詳しく解説します。

受給額や期間、傷病手当金との関係についても触れ、あなたの不安を解消できるよう徹底的にサポートいたします。

この記事でわかること

自己都合退職と失業保険：病気による即時受給の可能性

自己都合退職の場合、失業保険の受給には通常3ヶ月の給付制限がありますが、病気を理由とする場合は例外的にすぐに受給できる可能性があります。

そのためには、特定理由離職者として認められる必要があり、適切な手続きを踏むことが重要です。

失業保険受給の原則と自己都合退職の例外

失業保険は、原則として働く意思と能力がある方が対象です。

しかし、自己都合退職の場合、通常は3ヶ月の給付制限が課せられます。

ただし、病気やケガなど、やむを得ない理由で退職した場合、特定理由離職者として扱われることがあります。

特定理由離職者の定義と該当するケース

特定理由離職者とは、「正当な理由のある自己都合退職者」のことです。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

理由	詳細
病気やケガ	医師の診断により、今までの業務が困難になった場合や、体力の低下により退職せざるを得なかった場合
家族の介護	親族の介護が必要となり、退職せざるを得なかった場合
配偶者の転勤	配偶者の転勤に伴い、通勤が困難になった場合
妊娠・出産・育児	妊娠や出産、育児のために退職せざるを得なかった場合
会社のハラスメントや労働条件の著しい悪化	パワハラやセクハラ、賃金未払い、長時間労働などにより、退職せざるを得なかった場合

自己都合退職であっても、上記の理由に該当する場合は、ハローワークに相談することで、特定理由離職者として認められる可能性があります。

病気を理由とした失業保険受給条件

病気を理由に失業保険を受給するには、通常の受給要件に加えて、病状に関する証明が必要です。

特定理由離職者として扱われることで、給付制限が免除される場合があります。

ここでは、病気を理由とした失業保険の受給条件について解説します。

各見出しを参考に、ご自身の状況と照らし合わせて確認してみましょう。

医師の診断書：必要な情報と取得方法

医師の診断書は、病気やケガにより離職せざるを得なかったことを証明するために不可欠です。

診断書には、病名、症状、就業に与える影響などが詳細に記載されている必要があります。

必要な情報を網羅した診断書を取得するために、以下の情報を把握しておきましょう。

項目	内容
記載が必要な情報	病名、発症日、症状、治療内容、就業制限の内容（例：〇時間以上の労働は困難、〇〇作業は不可など）
取得方法	医療機関を受診し、医師に診断書作成を依頼する。
費用	医療機関によって異なるが、数千円程度が一般的です。
注意点	ハローワークに提出する際は、原本が必要となる場合があるので、事前に確認する。診断書の内容が失業保険の受給要件を満たしているか、医師に確認してもらうと安心です。

ハローワークへの申請：必要書類と手続きの流れ

ハローワークへの申請は、失業保険を受給するための最初のステップです。

必要な書類を事前に準備し、手続きの流れを把握しておくことで、スムーズに申請を進めることができます。

スムーズに申請を進めるために、以下を確認しましょう。

項目	内容
必要書類	離職票、医師の診断書、本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）、印鑑、雇用保険被保険者証、写真（縦3cm×横2.5cm）
手続きの流れ	1. ハローワークに求職の申し込みを行う 2. 受給資格の決定を受ける 3. 雇用保険説明会に参加する 4. 失業の認定を受ける（原則4週間に1回） 5. 失業保険の受給
注意点	ハローワークによっては、上記以外にも書類が必要となる場合があります。事前にハローワークに確認することをおすすめします。また、自己都合退職の場合、給付制限期間がありますが、病気を理由とした場合は、給付制限が解除される場合があります。

受給までの期間：待機期間と給付制限

失業保険を受給するまでには、原則として7日間の待機期間があります。

病気を理由とした場合は、自己都合退職の場合に発生する給付制限が免除される可能性があります。

待機期間と給付制限について、以下を参考に理解を深めましょう。

項目	内容
待機期間	離職後、ハローワークに求職の申し込みを行ってから、失業状態であることを確認するための期間。7日間です。
給付制限	自己都合退職の場合、原則として3ヶ月間の給付制限があります。ただし、病気を理由とした場合は、特定理由離職者として扱われ、給付制限が免除される場合があります。
受給開始	待機期間満了後、失業の認定を受けることで、失業保険の受給が開始されます。
注意点	医師の診断書の内容や、ハローワークの判断によっては、給付制限が免除されない場合もあります。

失業保険受給額と期間：病気による影響

失業保険の受給額と期間は、病気の状態によって大きく変わる点を理解することが重要です。

病気の種類や程度、そして退職理由によって、受給できる日数や金額が変動するため、注意が必要です。

給付日数：年齢と雇用保険加入期間

失業保険の給付日数は、年齢と雇用保険の加入期間によって決定されます。

項目	内容
年齢	原則として、年齢が高いほど給付日数が長くなる
雇用保険加入期間	加入期間が長いほど、給付日数も長くなる
自己都合退職の場合	90日～150日の範囲で決定
会社都合退職（特定理由離職者）の場合	90日～330日の範囲で決定。病気による退職は、特定理由離職者として扱われる場合があり、給付日数が優遇されることがあります

算定方法：退職前賃金からの計算

失業保険の受給額は、退職前の賃金を基に計算されます。

項目	内容
基本的な計算式	（離職前6か月の給与総支給額合計 ÷ 180）× 給付率（50～80％）
給付率	賃金の低い人ほど高く、年齢によって上限額が異なる
上限額	年齢によって異なり、上限額が設定されている
65歳以上の場合	失業保険ではなく、高年齢求職者給付金が支給される

傷病手当金との併給：注意点

失業保険と傷病手当金は、原則として併給できません。

項目	内容
失業保険の基本手当	働く意思と能力があることが前提。病気で働けない場合は受給不可
傷病手当金	病気やケガで働けない期間に支給される。失業保険の受給資格者が求職の申込み後、疾病・負傷で職業に就けない場合に支給。基本手当と同額
併給の可否	原則として、失業保険と傷病手当金の同時受給はできません

自己都合退職の場合でも、病気を理由に退職した場合は、特定理由離職者として扱われる可能性があります。

その場合、給付制限が免除され、待機期間後すぐに失業保険を受給できる場合があります。

ハローワークでの相談：スムーズな受給のために

ハローワークでの相談は、失業保険をスムーズに受給するための重要なステップです。

必要な情報を事前に準備し、相談窓口を有効に活用することで、安心して手続きを進められます。

事前準備：確認事項と必要書類

ハローワークでの相談をスムーズに進めるためには、確認事項を整理し、必要な書類を揃えておくことが重要です。

これにより、窓口での手続きが円滑に進み、不明な点を効率的に解消できます。

項目	内容
離職理由	自己都合退職の場合、病気を理由に退職したことを明確に伝える。診断書などの証明書類があるとスムーズに進む。
雇用保険の加入期間	離職日以前2年間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12ヶ月以上必要。
受給要件	働く意思と能力があること。病状によっては受給期間の延長や傷病手当金の受給を検討する必要がある。
必要書類	離職票、マイナンバーカード、本人確認書類（運転免許証など）、印鑑、預金通帳。病気による退職の場合は、医師の診断書や病状を証明する書類も準備する。

相談窓口：予約方法と相談時のポイント

ハローワークの相談窓口では、予約をしてから相談に臨むことがスムーズな手続きにつながります。

相談時には、具体的な質問を準備し、自身の状況を明確に伝えることが重要です。

受給後の注意点：求職活動と不正受給

失業保険受給中は、積極的に求職活動を行い、不正受給をしないように注意する必要があります。

ハローワークが提供する求職活動支援を積極的に活用し、適切な手続きを行うことが重要です。

よくある質問（FAQ）

自己都合で退職した場合、すぐに失業保険をもらえますか？

自己都合退職の場合、通常は3ヶ月の給付制限がありますが、病気やケガなどやむを得ない理由がある場合は、特定理由離職者としてすぐに受給できる可能性があります。

どのような病気が特定理由離職者として認められますか？

医師の診断により、今までの業務が困難になった場合や、体力の低下により退職せざるを得なかった場合などが該当します。

失業保険の申請にはどのような書類が必要ですか？

離職票、医師の診断書、本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）、印鑑、雇用保険被保険者証、写真などが必要です。

失業保険の受給額はどのように計算されますか？

退職前6ヶ月の給与総支給額を180で割り、それに給付率（50～80％）を掛けた金額が基本となります。

給付率は賃金の低い人ほど高く、年齢によって上限額が異なります。

病気で求職活動ができない場合はどうすれば良いですか？

体調が回復するまでは失業保険の受給は難しく、受給期間の延長を検討する必要があります。

ハローワークではどのような相談ができますか？

退職理由や病状、今後の就労意欲について具体的な相談ができます。

また、受給資格や手続きの流れ、必要な書類について質問したり、受給期間の延長や傷病手当金など、利用可能な制度について確認することも可能です。

まとめ

体調を崩して退職された方が、自己都合退職でも病気を理由に失業保険をすぐに受給するための条件や手続き、注意点について解説しました。

特定理由離職者として認められるかどうかが重要です。

この記事を参考に、ハローワークに相談して、スムーズな失業保険の受給を目指しましょう。