自己都合で失業保険もらえない？理由と受給するための条件｜徹底解説

自己都合退職で失業保険はもらえないと思っていませんか？実は、諦めずに確認すべき点があります。

この記事では、自己都合退職の場合の失業保険受給の条件や、給付制限、例外規定について詳しく解説します。

ハローワークへの相談方法や必要な書類についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

失業保険自己都合受給困難？諦めずに確認すべきこと

自己都合退職の場合、失業保険の受給は難しいと思われがちですが、諦めずに確認すべき点があります。

受給を阻む給付制限や、例外規定に該当する可能性、そしてハローワークへの相談という選択肢について、以下で詳しく解説していきます。

これらの情報を知っておくことで、失業保険の受給資格を得られる可能性があることを理解できるでしょう。

受給を阻む給付制限の存在

自己都合退職の場合、失業保険の受給には原則として給付制限が伴い、すぐには受給できません。

給付制限とは、失業保険の受給開始を一定期間遅らせる制度です。

例外規定に該当する可能性

自己都合退職であっても、例外規定に該当すれば給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。

例外規定として、特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合が挙げられます。

規定	内容
特定理由離職者	契約期間満了による退職、病気やケガ、親族の介護など、やむを得ない理由で退職した場合
特定受給資格者	倒産や解雇など、会社側の都合で退職せざるを得なかった場合。離職票には自己都合退職と記載されることもありますが、ハローワークに相談することで会社都合として扱われる可能性があります

まずはハローワークへ相談という選択肢

自己都合退職で失業保険の受給が難しいと感じたら、まずはハローワークに相談することが大切です。

ハローワークでは、個別の状況を詳しくヒアリングし、受給資格の有無や必要な手続きについてアドバイスを受けられます。

自己都合退職で失業保険給付制限が発生する理由

失業保険の給付制限は、自己都合退職の場合に再就職までの準備期間が必要と考えられるために発生します。

会社都合退職との違い、給付制限期間の内容、そしてその期間中の生活設計について、以下で詳しく解説します。

自己都合退職後の生活をスムーズにするために、給付制限について理解を深めましょう。

会社都合退職との違い

会社都合退職と自己都合退職では、失業保険の受給条件と開始時期に大きな違いがあります。

項目	会社都合退職	自己都合退職
受給要件	離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上	離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上
給付制限	なし	原則として2ヶ月（5年間のうち2回までは1ヶ月）
給付日数	90日～330日（年齢と雇用保険加入期間による）	90日～150日（雇用保険加入期間による）
受給開始までの期間	7日間の待機期間後	7日間の待機期間＋給付制限期間
受給金額	多い	少ない

自己都合退職の場合、給付制限期間があるため、失業保険の受給開始が遅れる点が大きなデメリットです。

給付制限期間とは何か

給付制限期間とは、自己都合退職の場合に失業保険の給付が一定期間ストップする期間のことです。

通常、7日間の待機期間の終了後から2ヶ月間が給付制限期間となります。

この期間中は失業保険が支給されないため、生活費の確保が重要になります。

給付制限が適用されないケース

ただし、自己都合退職であっても、特定理由離職者として認められると給付制限が免除されます。

特定理由離職者とは、病気やケガ、家族の介護など、やむを得ない理由で退職した場合を指します。

理由	詳細
体力不足、心身の障害、疾病、負傷	医師の診断書などが必要
妊娠、出産、育児	母子手帳などが必要
家族の介護	介護を必要とする家族の状況を示す書類が必要
配偶者や扶養親族との別居	別居の事実を示す書類が必要
居住所の移転	転居の事実を示す書類が必要
その他ハローワークが認めるやむを得ない理由	具体的な状況によって判断されるため、ハローワークに相談が必要

給付制限期間中の生活設計

給付制限期間中は失業保険が支給されないため、生活費の確保が重要です。

貯蓄、アルバイト、家族からの援助など、さまざまな方法で生活費を確保する必要があります。

計画的な生活設計を立て、給付制限期間を乗り越えましょう。

生活費を確保する方法

方法	詳細
貯蓄を切り崩す	退職前に計画的に貯蓄しておくことが重要
アルバイトをする	週20時間未満のアルバイトであれば、失業保険の受給に影響はない
家族や友人からの援助	経済的に困窮している場合、頼ってみるのも一つの手段
公的支援制度を利用する	生活福祉資金貸付制度など、利用できる制度がないか確認する

給付制限期間中は、公共職業訓練を受講することも有効です。

公共職業訓練を受講すると、給付制限が免除され、訓練期間中は失業保険が支給されます。

また、スキルアップにもつながるため、再就職に有利になります。

失業保険受給に向けた条件と確認ポイント

失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があり、まずはご自身が該当するかどうかを確認することが重要です。

自己都合退職の場合でも、特定の条件を満たせば受給できる可能性がありますので、諦めずに条件を確認し、ハローワークに相談してみましょう。

以下に、特定理由離職者と倒産・解雇等による離職（特定受給資格者）の条件、そしてハローワークへの相談と必要書類準備について解説します。

特定理由離職者の条件

特定理由離職者とは、期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合や、病気やケガ、家族の介護などやむを得ない理由で退職した場合を指します。

これらの条件に該当する場合、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。

以下に具体的な条件をまとめました。

項目	内容
契約期間満了	期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合（更新を希望したが更新されなかった場合に限る）
病気やケガ	病気やケガにより退職を余儀なくされた場合（医師の診断書が必要）
家族の介護	親族の介護が必要となり退職した場合
妊娠・出産・育児	妊娠、出産、育児により退職した場合
配偶者との別居	配偶者との別居により通勤が困難になった場合
通勤困難	事業所の移転や交通機関の変更などにより通勤が困難になった場合
希望退職	希望退職に応じた場合
その他やむを得ない事情	上記以外にも、やむを得ない事情で退職した場合（例：残業時間が長い、賃金未払いなど）

倒産・解雇等による離職（特定受給資格者）の条件

特定受給資格者とは、倒産や解雇など、会社側の都合で退職を余儀なくされた人を指します。

これらの条件に該当する場合、自己都合退職に比べて手厚い給付が受けられる可能性があります。

以下に具体的な条件をまとめました。

項目	内容
解雇	会社から解雇された場合
倒産	会社が倒産した場合
長時間労働	退職直前3ヶ月で45時間以上の残業が確認できる場合
賃金未払い	賃金の未払いがあった場合
パワハラ	パワハラ（パワーハラスメント）により退職を余儀なくされた場合
その他会社都合による退職	上記以外にも、会社都合による退職と認められる場合（例：事業所の廃止など）

ハローワークへの相談と必要書類準備

失業保険の受給にあたっては、ハローワークへの相談が不可欠です。

ご自身の状況を詳しく伝え、必要な手続きや書類について確認しましょう。

以下に、ハローワークへの相談と必要書類準備についてまとめました。

項目	内容
相談	ハローワークで、ご自身の退職理由や雇用保険の加入状況などを伝え、失業保険の受給資格があるかどうかを確認します
必要書類	離職票、雇用保険被保険者証、本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）、印鑑、写真、預金通帳またはキャッシュカードなど
その他の書類	特定理由離職者または特定受給資格者に該当する場合は、それを証明するための書類（医師の診断書、賃金台帳、解雇通知など）が必要になる場合があります。事前にハローワークに確認しましょう。

失業保険の受給は、再就職までの生活を支える重要な制度です。

失業保険受給への道筋

自己都合退職の場合でも、条件を満たせば失業保険を受給できる可能性があります。

失業保険の受給には、ハローワークでの手続き、必要な書類の準備、受給までの流れを理解することが重要です。

ハローワークでの手続き

ハローワークでの手続きは、失業保険受給の第一歩です。

ハローワークでは、求職の申し込みや失業保険の受給資格確認などを行います。

項目	内容
求職の申し込み	ハローワークの求人情報を検索したり、職業相談を受けたりするために行います
受給資格の確認	雇用保険の加入期間や離職理由などを確認し、失業保険の受給資格があるかどうかを判断します
受給説明会への参加	受給に必要な手続きや注意点などについて説明を受けます
失業認定	失業状態にあることをハローワークが認定する手続きです。原則として4週間に1回行われます

ハローワークでの手続きをスムーズに進めるために、必要な書類を事前に準備しておくと良いでしょう。

必要な書類と準備

必要な書類を事前に準備することで、ハローワークでの手続きをスムーズに進めることが可能です。

書類に不備があると、手続きに時間がかかったり、受給が遅れたりすることがあります。

書類名	概要
離職票	会社から発行される書類で、離職したことを証明します。
雇用保険被保険者証	雇用保険に加入していることを証明する書類です。
個人番号確認書類	マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票のいずれかが必要です。
身元確認書類	運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、在留カードなどのいずれかが必要です。
印鑑	シャチハタは不可の場合があるので、認印を持参しましょう。
写真	証明写真が必要です。サイズは縦3cm×横2.5cmです。
本人名義の預金通帳等	失業保険の振込先となる、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードが必要です。

必要な書類を揃えて、ハローワークでの手続きに臨みましょう。

受給までの流れ

受給までの流れを把握しておくことで、計画的に手続きを進めることができます。

受給開始までの期間や、受給中に注意すべき点などを理解しておくことが大切です。

段階	内容	期間の目安
1. 離職	会社を退職します	–
2. ハローワークで求職の申し込み	離職後、ハローワークで求職の申し込みと受給資格の確認を行います	離職後すぐ
3. 受給説明会	ハローワークが開催する受給説明会に参加し、必要な手続きや注意点について説明を受けます	申し込みから1週間～2週間後
4. 待機期間	受給資格が決定した後、7日間の待機期間があります。この期間中はアルバイトも原則としてできません	7日間
5. 給付制限	自己都合退職の場合、待機期間満了後、原則として2ヶ月間の給付制限があります。この期間中は失業保険は支給されません。特定理由離職者に該当する場合は給付制限が免除されることがあります	2ヶ月間（特定理由離職者に該当する場合は免除）
6. 失業認定	4週間に1回、ハローワークで失業状態にあることの認定を受けます	4週間ごと
7. 失業保険の受給	失業認定後、通常5営業日程度で指定した金融機関の口座に失業保険が振り込まれます	失業認定から5営業日程度

受給までの流れを理解し、計画的に行動することで、失業期間中の生活を安定させることが期待できます。

よくある質問（FAQ）

自己都合退職でも失業保険はもらえますか？

自己都合退職でも、雇用保険の加入期間などの条件を満たせば失業保険を受給できます。

まずはハローワークに相談し、ご自身の状況を確認しましょう。

自己都合退職の場合、いつから失業保険がもらえますか？

自己都合退職の場合、7日間の待機期間と原則として2ヶ月間の給付制限期間があります。

そのため、申請から約3ヶ月後からの受給となるのが一般的です。

給付制限期間中でもアルバイトはできますか？

給付制限期間中でも、週20時間未満のアルバイトであれば可能です。

ただし、ハローワークへの申告が必要です。

自己都合退職で失業保険をもらうための条件は何ですか？

自己都合退職で失業保険をもらうには、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。

また、働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている必要があります。

ハローワークへ相談に行く際、何を持っていけば良いですか？

ハローワークへ相談に行く際は、離職票、雇用保険被保険者証、本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）、印鑑、写真、預金通帳またはキャッシュカードなどを持参しましょう。

特定理由離職者とは何ですか？

特定理由離職者とは、期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合や、病気やケガ、家族の介護などやむを得ない理由で退職した場合を指します。

特定理由離職者に該当すると、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。

まとめ

この記事では、自己都合退職でも失業保険を受給できる可能性について、重要なポイントを解説します。

失業保険の受給は、再就職までの生活を支える重要な制度です。

まずはハローワークに相談し、受給資格の有無や必要な手続きを確認することから始めましょう。