失業保険とバイト｜20時間以上＆掛け持ちで受給は可能？条件と注意点

失業保険を受給しながらアルバイトを検討している方にとって、最も重要なのは、受給資格を失わない範囲で働くことです。

週20時間以上働くと受給資格を失うだけでなく、収入によって受給額が減額される可能性もあります。

この記事では、失業保険とアルバイトの両立に関する原則や、週20時間以上のアルバイトが及ぼす影響、掛け持ちアルバイトにおける労働時間の考え方などを解説します。

失業保険とアルバイト両立の原則

失業保険を受給しながらアルバイトをするには、原則としていくつかの条件を満たす必要があります。

失業保険は、あくまで再就職を支援するための制度であるため、一定以上の収入を得ている場合は受給資格が制限されるからです。

ここでは、失業保険とアルバイトの両立に関する3つの重要な原則について解説します。

各原則を理解することで、失業保険を受給しながら、安心してアルバイトをすることが可能になります。

原則:失業保険受給中のアルバイトは原則不可

失業保険は、再就職を目指す求職者のための生活を支援する制度です。

アルバイトによって安定した収入を得ている場合は、原則として失業保険の受給はできません。

アルバイトを始める前に、ハローワークに相談し、受給資格への影響を確認することが重要です。

例外:週20時間未満の労働、かつ求職活動を行っている場合

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、週の労働時間が20時間未満であることが一つの条件です。

週20時間以上働く場合は、雇用保険法上「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格を失います。

項目	内容
労働時間	週20時間未満
求職活動	積極的に行っていること
ハローワークへの申告	アルバイトを始めた日、労働時間、収入などを正確に申告すること
その他	雇用保険の加入状況や過去の受給歴なども考慮される

さらに、アルバイトをしているだけでなく、積極的に再就職のための求職活動を行っている必要があります。

注意点:アルバイト収入による失業保険減額の可能性

週20時間未満のアルバイトであっても、アルバイト収入に応じて失業保険の受給額が減額される可能性があります。

減額の計算方法は複雑ですが、一般的にはアルバイト収入が多いほど、減額幅も大きくなります。

ハローワークでは、個別の状況に応じた減額の試算も行っています。

事前に相談することで、安心してアルバイトを始めることができます。

週20時間以上のアルバイトが及ぼす影響

失業保険の受給において、週20時間以上のアルバイトは受給資格に大きな影響を与えるため、注意が必要です。

以下では、週20時間以上のアルバイトが失業保険の受給に及ぼす影響について解説します。

失業保険の受給資格喪失

失業保険は、失業中の生活を支え、再就職を支援するための制度です。

そのため、週20時間以上のアルバイトを行うと、雇用保険法において「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格を失います。

週20時間以上の労働は、安定した収入があると判断されるためです。

就職したとみなされる基準

週20時間以上の労働は、雇用保険法における「就職」とみなされる重要な基準です。

この基準を超えると、失業状態とは見なされず、失業保険の受給資格を失うことになります。

具体的には、以下のケースが該当します。

状況	就職とみなされるか
週20時間以上のアルバイト	◯
複数のアルバイトの合計が週20時間を超える	◯
雇用期間が31日以上	◯

ハローワークへの届出義務

失業保険の受給中に週20時間以上のアルバイトを始めた場合、ハローワークへの届出が義務付けられています。

これは、失業保険の不正受給を防ぐための措置であり、速やかに「就職の届出」を行う必要があります。

届出を怠ると、不正受給とみなされ、返還命令や罰則が科せられる可能性があります。

掛け持ちアルバイトにおける労働時間の考え方

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、労働時間の管理が非常に重要です。

労働時間によっては、失業保険の受給資格を失ったり、受給額が減額されたりする可能性があるからです。

以下では、労働時間の考え方について詳しく解説します。

失業保険受給中にアルバイトをする際の労働時間の考え方を理解するために、合算される労働時間、週20時間超過時の影響、労働時間管理の重要性について見ていきましょう。

これらの情報を参考に、自身の状況に合わせた働き方を検討することが大切です。

労働時間について正しく理解し、適切な働き方をすることで、失業保険を安心して受給できるでしょう。

合算される労働時間

アルバイトを掛け持ちしている場合、労働時間はすべてのアルバイト先での労働時間を合算して計算します。

雇用保険は原則として1つの事業所でのみ加入となるため、複数のアルバイト先で雇用保険に加入することはできません。

たとえば、A社で週15時間、B社で週10時間働く場合、合計労働時間は週25時間となり、失業保険の受給条件に影響を与える可能性があります。

労働時間を合算して計算することで、自身の労働状況を正確に把握し、適切な働き方をすることが重要です。

労働時間を正しく理解することは、失業保険の受給資格を維持するために不可欠です。

週20時間超過時の影響

失業保険を受給するためには、原則として週20時間未満の労働時間でなければなりません。

週20時間を超えてしまうと、「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格を失う可能性があります。

労働時間	失業保険受給資格
週20時間未満	受給可能
週20時間以上	受給不可

週20時間以上働くと失業保険の受給資格を失うため、注意が必要です。

労働時間管理の重要性

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、労働時間の管理は非常に重要です。

労働時間を正確に把握し、週20時間未満に抑える必要があります。

労働時間を管理し、失業保険を適切に受給することが大切です。

失業保険受給中のアルバイトに関する疑問と対応策

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、収入や労働時間によっては受給額が減額されたり、受給資格を失ったりするため注意が必要です。

以下では、アルバイト収入に関する疑問とその対応策について説明します。

事前に確認しておくことで、安心して失業保険を受給しながらアルバイトに取り組めるでしょう。

疑問:アルバイト収入はいくらまでなら受給可能？

アルバイト収入がいくらまでなら受給可能かという疑問は、失業保険受給者にとって非常に重要な関心事です。

アルバイト収入によって失業保険の減額や停止が発生する可能性があるため、正確な情報を把握しておく必要があります。

アルバイト収入と失業保険の関係

労働時間	収入	失業保険	備考
4時間未満	収入に応じて減額	減額される	減額幅の計算式あり
4時間以上	支給なし	支給されない	働いた日は支給されない
週20時間以上	支給停止	受給資格喪失	就職とみなされる

対応策:ハローワークへの事前相談

ハローワークへの事前相談は、失業保険受給中にアルバイトを検討する上で非常に有効な対応策です。

個別の状況に合わせて具体的なアドバイスを受けられるため、受給資格に関する不安を解消できます。

ハローワークに相談するメリット

相談内容	メリット
アルバイトの条件	受給に影響がない労働時間や収入の範囲を教えてくれる
必要な手続き	アルバイト開始時に必要な書類や手続きを教えてくれる
個別のケースへの対応	自身の状況に合わせて、具体的なアドバイスを受けられる
不正受給のリスク軽減	知らずに不正受給をしてしまうリスクを減らせる

対応策:アルバイト収入の申告義務

アルバイト収入の申告義務は、失業保険を受給する上で非常に重要な義務です。

正確な申告は、不正受給を防ぎ、適正な受給につながります。

アルバイト収入の申告方法

申告時期	申告場所	必要なもの
失業認定日	ハローワーク	雇用保険受給資格者証、失業認定申告書、給与明細
アルバイト開始時	ハローワーク	雇用保険受給資格者証
収入に変動があった場合	ハローワーク	給与明細

失業保険受給を継続するためのポイント

失業保険の受給を継続するためには、いくつかの重要なポイントがあります。

これらのポイントを理解し、適切に対応することで、安心して再就職活動に専念できます。

以下に、失業保険受給を継続するために重要なポイントをまとめました。

各ポイントを詳しく解説しますので、参考にしてください。

ポイント:週20時間未満の労働時間厳守

失業保険の受給資格を維持するためには、週20時間未満の労働時間を厳守することが不可欠です。

労働時間が週20時間を超えると、雇用保険法上の「就職」とみなされ、失業保険の受給資格を失う可能性があります。

労働時間には、以下のものが含まれます。

労働時間	詳細
パート	パートタイム労働契約に基づく労働時間
アルバイト	アルバイト労働契約に基づく労働時間
派遣	派遣労働契約に基づく労働時間
請負	請負契約に基づく労働時間（実質的な指揮命令下にある場合）
内職	内職による労働時間（事業主の指揮命令下にある場合）

ポイント:積極的な求職活動の継続

失業保険は、失業中の生活を支えるだけでなく、再就職を支援するための制度です。

そのため、失業保険の受給を継続するには、積極的な求職活動を行っていることをハローワークに示す必要があります。

積極的な求職活動として認められるものには、以下の活動が挙げられます。

求職活動	内容
求人への応募	ハローワークや民間の求人サイト、求人誌などを利用して、積極的に求人に応募する。
面接	応募した企業からの面接に進み、積極的に自己PRを行う。
職業相談	ハローワークの職業相談窓口で、求職に関する相談やアドバイスを受ける。
職業訓練	ハローワークが実施する職業訓練を受講し、再就職に必要なスキルや知識を習得する。
資格取得	再就職に有利となる資格を取得するために、勉強会や講習会に参加する。
就職支援セミナー	ハローワークや民間の就職支援機関が開催する就職支援セミナーに参加し、就職活動に関する知識やスキルを習得する。
知人への相談	知人や友人、転職エージェントなどに、求職に関する相談や情報提供を依頼する。
企業訪問	興味のある企業を訪問し、企業概要や採用情報などについてヒアリングを行う。
自己分析	自分のスキルや経験、興味関心などを分析し、どのような仕事が向いているかを検討する。
職務経歴書の作成	自分の職務経歴を整理し、企業にアピールできる職務経歴書を作成する。
キャリアプランの作成	将来のキャリアプランを立て、目標とする仕事に就くために必要なスキルや経験を明確にする。

ポイント:ハローワークとの連携と情報共有

ハローワークは、求職者の再就職を支援するための専門機関です。

失業保険の受給を継続するためには、ハローワークとの連携を密にし、求職状況やアルバイトの状況など、必要な情報を正確に共有することが重要です。

具体的には、以下の点に注意してハローワークと連携しましょう。

連携事項	内容
定期的な職業相談	ハローワークの窓口で定期的に職業相談を行い、求職活動の進捗状況や課題について相談する。
求人情報の提供	ハローワークから提供される求人情報を確認し、興味のある求人には積極的に応募する。
疑問点の確認	失業保険の受給に関する疑問点や不明な点があれば、ハローワークの窓口で確認する。
指示の遵守	ハローワークから指示された事項（受給説明会への参加、求職活動の報告など）は、必ず遵守する。
状況変化の報告	アルバイトを始めた、収入を得たなど、求職状況に変化があった場合は、速やかにハローワークに報告する。
助言の傾聴	ハローワークの職員からの助言やアドバイスに耳を傾け、求職活動に役立てる。
関係機関との連携	必要に応じて、ハローワークが連携している就職支援機関や職業訓練機関などの情報を収集し、活用する。

ポイント:就業・内職届の提出

失業保険の受給期間中にアルバイトや内職などによって収入を得た場合は、必ずハローワークに「就業・内職届」を提出する必要があります。

収入を隠したり、虚偽の申告をしたりすると、不正受給とみなされ、失業保険の支給停止や返還、さらには罰則を受ける可能性があります。

就業・内職届には、以下の情報を正確に記載する必要があります。

記載事項	内容
労働（収入）を得た日	実際に労働した日、または収入が発生した日を記載する。
労働時間	実際に労働した時間を記載する。
収入額	実際に得た収入額を記載する（源泉徴収前の金額）。
業務内容	どのような業務を行ったかを具体的に記載する。
事業主の名称	労働した事業所の名称を記載する。
連絡先	労働した事業所の連絡先を記載する。

就業・内職届の提出を怠ると、不正受給とみなされるリスクがあるため、必ず正確に申告しましょう。

失業保険の受給を継続するためには、週20時間未満の労働時間厳守、積極的な求職活動の継続、ハローワークとの連携と情報共有、就業・内職届の提出が重要です。

これらのポイントをしっかりと守り、安心して再就職活動に専念しましょう。

よくある質問（FAQ）

失業保険受給中に週20時間以上アルバイトをしたらどうなりますか？

失業保険の受給資格を失います。

週20時間以上のアルバイトは、雇用保険法上「就職した」とみなされるためです。

失業保険受給中にアルバイトをすると、いつもらえますか？

失業認定日に、ハローワークでアルバイトの収入を申告する必要があります。

その収入に応じて、失業保険の受給額が決定します。

アルバイトを始めたけど、ハローワークに相談しなくても、失業保険はもらえるよね？

ハローワークに相談せずにアルバイトを始めると、失業保険がもらえなくなる可能性があります。

事前に相談し、受給資格への影響を確認することが重要です。

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、アルバイト収入はいくらまでなら受給可能ですか？

アルバイト収入がいくらまでなら受給可能かという明確な基準はありません。

しかし、収入に応じて失業保険の受給額が減額される場合があります。

ハローワークに相談し、具体的な金額を確認することをおすすめします。

アルバイトを始めたけど、労働時間をオーバーしないようにするにはどうすればいいの？

労働時間を記録し、定期的に確認するようにしましょう。

すべてのアルバイト先の労働時間を合計して計算する必要があります。

ハローワークって、なんだかちょっと怖いイメージがあるけど…

ハローワークはみなさんの再就職を応援してくれる強い味方です。

困ったことや不安なことがあれば、気軽に相談してみましょう。

まとめ

失業保険を受給しながらアルバイトを検討している方にとって、最も重要なのは、受給資格を失わない範囲で働くことです。

週20時間以上働くと受給資格を失うだけでなく、収入によって受給額が減額される可能性があるため、注意が必要です。

この記事では、失業保険とアルバイトの両立に関する原則や、労働時間、収入などについて解説しました。

今回の情報を参考に、ハローワークに相談しながら、失業保険を適切に受給しましょう。