失業保険の条件｜受給資格・期間・金額を徹底解説

失業保険の受給は、再就職までの生活を支える重要な制度です。

本記事では、失業保険の受給条件、受給額、手続きの流れを徹底的に解説します。

失業保険受給の第一歩

失業保険（雇用保険の基本手当）は、失業した方が再就職までの生活を支える重要な制度です。

これから受給に向けての手続きを進める上で、まずはご自身の雇用保険加入状況や離職理由を明確にすることが大切になります。

この記事では、最初のステップとして、雇用保険の加入状況の確認、離職理由の明確化、そして受給資格の基本要件について解説します。

雇用保険加入状況の確認

雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定、再就職の促進を目的とした国の制度です。

自分が雇用保険に加入しているかを確認することは、失業保険の受給資格を判断する上で最初のステップとなります。

雇用保険の加入状況を確認する方法:

項目	内容
雇用保険被保険者証の確認	雇用保険に加入している場合、会社から雇用保険被保険者証が交付されます。 手元にない場合は、会社に確認してください。
給与明細の確認	給与明細には、雇用保険料が控除されているかどうか記載されています。 控除されている場合は、雇用保険に加入していることになります。
会社への確認	雇用保険の加入状況が不明な場合は、会社の担当部署（人事部や総務部）に直接問い合わせるのが確実です。
ハローワークへの照会	会社に確認しても加入状況が不明な場合は、ハローワークに照会することも可能です。 ただし、ハローワークでの照会には、本人確認書類などが必要になる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

雇用保険への加入は、労働者の権利です。

もし未加入の場合は、会社に加入を求めることができます。

離職理由の明確化

離職理由の明確化は、失業保険の受給資格や給付制限の有無に大きく影響します。

自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の受給開始時期や給付日数に違いがあるため、ご自身の離職理由を正確に把握することが重要です。

離職理由の分類とポイント:

離職理由	概要	ポイント
自己都合退職	労働者自身の意思で退職した場合。 例：転職、結婚、転居など	給付制限期間がある（通常2ヶ月、過去5年で2回以上自己都合離職の場合は3ヶ月）。
会社都合退職	会社の都合で退職せざるを得なくなった場合。 例：倒産、解雇、退職勧奨など	給付制限期間がない。 受給資格を得るための条件が自己都合退職よりも緩和される場合がある。
特定理由離職者	自己都合退職の扱いとなるものの、やむを得ない理由で離職した場合。 例：病気、家族の介護、会社の業績悪化による希望退職など	会社都合退職と同様に、給付制限期間がない場合がある。 受給資格を得るための条件が自己都合退職よりも緩和される場合がある。

ご自身の離職理由が不明な場合は、離職票を確認するか、会社に問い合わせて確認しましょう。

受給資格の基本要件

失業保険を受給するためには、雇用保険の加入状況や離職理由に加えて、いくつかの基本要件を満たす必要があります。

これらの要件は、失業保険が本当に必要な人に適切に支給されるように設けられています。

失業保険の受給資格の基本要件:

要件	内容
離職日以前の被保険者期間	離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上あること。 ただし、倒産・解雇などの会社都合退職の場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給できる場合があります。
働く意思と能力	就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があること。
求職活動	ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に求職活動を行っていること。

これらの要件を満たしているかどうかを確認し、ハローワークでの手続きに備えましょう。

受給資格を得るための条件

失業保険は、再就職を目指すみなさんを支える重要な制度です。

受給資格を得るには、雇用保険の加入期間、働く意思と能力、積極的な求職活動という3つの条件を満たす必要があります。

各条件をしっかり確認し、スムーズな受給を目指しましょう。

ここでは、失業保険を受給するために必要な3つの条件について、詳しく解説します。

各条件を満たすために必要な情報を強調しているので、ぜひ参考にしてください。

雇用保険の加入期間

雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定などを目的とした国の制度です。

原則として、31日以上雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上である労働者は、雇用保険に加入しなければなりません。

項目	内容
一般的な受給資格	離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること
倒産・解雇などによる離職の場合	離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あること
加入期間の確認方法	離職票、雇用保険被保険者証、ハローワークでの確認
加入期間が足りない場合の対応	他の雇用保険の加入期間と合算する、求職者支援制度を利用する、生活福祉資金貸付制度を利用する

働く意思と能力

失業保険は、働く意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就けない状態にある方を支援する制度です。

働く意思と能力があると認められるためには、ハローワークでの求職活動や職業相談などを積極的に行う必要があります。

項目	内容
働く意思	積極的に求職活動を行う意思があること
働く能力	健康状態、年齢、能力などが就労に支障がないこと
働く意思と能力の確認方法	ハローワークでの求職活動状況、医師の診断書、職業相談の記録
就労できないと判断される例	病気やケガで長期間療養が必要な場合、妊娠・出産・育児ですぐに働けない場合、高齢で就労が困難な場合など

積極的な求職活動

失業保険を受給するためには、積極的に求職活動を行う必要があります。

具体的には、ハローワークでの職業相談、求人への応募、職業訓練の受講などが挙げられます。

項目	内容
積極的な求職活動の例	ハローワークでの職業相談、求人への応募、職業訓練の受講、セミナーへの参加、資格取得のための学習など
求職活動の頻度	原則として、4週間に2回以上の求職活動が必要
求職活動の記録	求職活動の内容を記録し、ハローワークに報告する必要がある
注意点	単に求人情報を閲覧するだけでは、求職活動として認められない場合がある

失業保険の受給資格を得るためには、各条件をしっかりと理解し、必要な手続きを行うことが重要です。

失業保険受給までの流れ

失業保険（失業手当）は、再就職までの生活を支える重要な制度です。

受給開始までの流れを理解しておくことで、スムーズな手続きと受給につながります。

以下では、ハローワークでの手続き、待機期間と給付制限、失業認定と受給開始について解説します。

これらのステップを把握し、安心して再就職活動を進めましょう。

ハローワークでの手続き

ハローワークでの手続きは、失業保険受給の第一歩です。

必要な書類を揃え、ハローワークで求職の申し込みを行うことが重要です。

手続きの流れを理解し、スムーズに受給につなげましょう。

項目	内容
1. 求職の申し込み	ハローワークで求職の申し込みを行い、求職活動を開始する。
2. 離職票の提出	離職票（離職票-1、離職票-2）をハローワークに提出する。
3. 必要書類の提出	雇用保険被保険者証、本人確認書類、マイナンバー確認書類、写真などを持参する。
4. 受給資格の決定	ハローワークが受給資格の有無を決定する。
5. 雇用保険受給説明会への参加	受給資格が決定した後、雇用保険受給説明会に参加する。
6. 受給期間延長の手続き	病気やけが、妊娠・出産・育児などの理由で、すぐに働けない場合は、受給期間延長の手続きを行う。

ハローワークでの手続きは、失業保険を受給するために不可欠なステップです。

不明な点はハローワークの窓口で確認し、確実に手続きを進めましょう。

待機期間と給付制限

待機期間と給付制限は、失業保険の受給開始時期に影響を与える重要な要素です。

特に自己都合退職の場合、給付制限があることを理解しておく必要があります。

待機期間と給付制限について、正しく理解しましょう。

項目	内容
待機期間	受給資格が決定した日から7日間。この期間中は失業保険は支給されない。
給付制限	自己都合退職の場合、原則として2ヶ月間の給付制限がある。ただし、正当な理由がある場合は給付制限が短縮されることもある。
給付制限の例外	倒産・解雇など会社都合による離職、または正当な理由のある自己都合退職の場合は、給付制限がない。
給付制限の短縮	特定の条件を満たす場合、給付制限が1ヶ月に短縮されることがある。

待機期間と給付制限は、失業保険の受給開始時期に影響します。

特に自己都合退職の場合は、給付制限期間中の生活費を考慮して、計画的に求職活動を進めることが大切です。

失業認定と受給開始

失業認定は、失業状態にあることをハローワークが確認する手続きです。

失業認定を受けることで、失業保険の受給が開始されます。

失業認定と受給開始について、具体的な流れを確認しましょう。

項目	内容
1. 失業認定日の確認	雇用保険受給説明会で決定された失業認定日を確認する。
2. 失業認定申告書の作成	失業認定申告書に、前回の認定日から今回の認定日までの求職活動状況などを記入する。
3. ハローワークへの提出	失業認定日にハローワークに失業認定申告書を提出する。
4. 失業認定	ハローワークが提出された書類に基づいて、失業状態にあるかどうかを認定する。
5. 失業手当の受給	失業認定後、通常1週間程度で指定の口座に失業手当が振り込まれる。
6. 4週間に1度の認定	受給期間中は、原則として4週間に1度、ハローワークで失業認定を受ける必要がある。
7. 求職活動	受給期間中は、積極的に求職活動を行う必要がある。求職活動の実績が不足していると、失業手当が支給されないことがある。

失業認定と受給開始は、失業保険を受給するための重要なステップです。

失業認定日に必要な書類を忘れずに持参し、ハローワークの指示に従って手続きを進めましょう。

失業保険の受給額と期間

失業保険（基本手当）は、退職後の生活を支える重要な制度です。

受給額と期間を理解することで、安心して再就職活動に臨めます。

これから、基本手当日額の計算方法、給付日数と受給期間、受給額シミュレーションについて解説します。

それぞれの内容を把握することで、失業保険をより有効に活用できるでしょう。

基本手当日額の計算

基本手当日額は、離職日直前の賃金をもとに算出されます。

原則として、離職日直前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額の約50〜80％が基本手当日額となります。

ただし、年齢や賃金によって上限額と下限額が設定されています。

年齢	上限額
30歳未満	7,130円
30～44歳	7,910円
45～59歳	8,690円
60～64歳	7,916円

基本手当日額を正しく理解し、ご自身の状況に当てはめて計算してみましょう。

給付日数と受給期間

給付日数と受給期間は、離職理由と雇用保険の加入期間によって異なります。

給付日数は90日から360日まで幅があり、受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。

区分	離職理由	加入期間	給付日数
一般受給資格者	自己都合退職	1年以上	90日～150日
特定受給資格者/特定理由離職者	倒産・解雇など	1年以上	90日～330日

受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間ですが、病気やケガ、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上働くことができない場合は、受給期間の延長が可能です。

給付日数と受給期間を把握し、ご自身の状況に合わせて計画的な再就職活動を行いましょう。

受給額シミュレーション

失業保険の受給額は、基本手当日額と給付日数によって決まります。

受給額の目安を知ることで、退職後の生活設計を立てやすくなります。

受給額 ＝ 基本手当日額 × 給付日数

ハローワークの窓口や、インターネット上で提供されているシミュレーションツールを活用することで、より正確な受給額を把握できます。

厚生労働省のホームページでも、詳細な情報や計算ツールが提供されています。

受給額を把握し、退職後の生活費や再就職活動の費用などを具体的に計画しましょう。

安心して再就職を目指すために

失業保険は、みなさんが安心して再就職を目指すための心強いサポートとなります。

ハローワークの支援や職業訓練の活用、効果的な就職活動を通じて、スムーズな再就職を実現しましょう。

ハローワークのサポート

ハローワークは、失業されたみなさんの再就職を支援する様々なサービスを提供しています。

求職の申し込みから、求人情報の提供、職業相談、職業訓練のあっせんなど、幅広くサポートしています。

ハローワークで提供している主なサポートは以下のとおりです。

サポート内容	詳細
職業相談	専門の相談員が、みなさんの希望や経験に応じた求人情報を紹介します。
求人情報の提供	ハローワークの求人情報を検索できる端末や、インターネットを通じて、最新の求人情報を提供しています。
職業訓練のあっせん	みなさんのスキルアップやキャリアチェンジに役立つ職業訓練を紹介し、受講を支援します。
雇用保険の手続き	失業保険の受給に関する手続きや、受給中の注意点などを丁寧に説明します。

ハローワークの職業相談では、みなさんのスキルや経験、希望する職種などを詳しくヒアリングし、最適な求人情報を提案します。

求人票だけでは分からない職場の雰囲気や、仕事内容の詳細などを確認できる点がメリットです。

職業訓練の活用

職業訓練は、再就職に必要なスキルや知識を習得するための有効な手段です。

ハローワークでは、様々な分野の職業訓練コースを提供しており、みなさんのキャリアプランに合わせて選択できます。

職業訓練を活用するメリットは以下のとおりです。

メリット	詳細
スキルアップ	再就職に必要なスキルを習得できる
知識の習得	業界の最新動向や専門知識を学べる
資格取得	就職に有利な資格を取得できる
就職支援	訓練修了後の就職活動をサポート

ハローワークでは、みなさんのスキルや経験、希望する職種などを考慮して、最適な職業訓練コースを提案します。

受講料は原則無料（テキスト代などは自己負担）で、失業保険を受給しながら受講できる場合もあります。

就職活動のポイント

再就職を成功させるためには、効果的な就職活動を行うことが重要です。

自己分析をしっかりと行い、自分の強みやアピールポイントを明確にすることが大切です。

効果的な就職活動のポイントは以下のとおりです。

ポイント	詳細
自己分析	自分のスキルや経験、興味や価値観を把握する
求人情報の収集	ハローワーク、求人サイト、人材紹介会社などを活用する
応募書類の作成	履歴書や職務経歴書を丁寧に作成する
面接対策	模擬面接などで練習を重ねる
企業研究	応募する企業について詳しく調べる

就職活動では、積極的に行動することが大切です。

ハローワークや人材紹介会社などを活用して、多くの求人情報を収集し、積極的に応募しましょう。

よくある質問（FAQ）

失業保険はいつもらえる？

失業保険は、受給資格が決定してから、待機期間（7日間）と給付制限（自己都合退職の場合、原則2ヶ月）を経た後、初めての失業認定を受けることで支給が開始されます。

失業保険の受給条件で一番重要なことは？

失業保険の受給条件で最も重要なことは、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることです。

ただし、倒産や解雇の場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給できる場合があります。

失業保険を受給するには、どのくらい雇用保険に加入している必要がありますか？

自己都合退職の場合、離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上必要です。

会社都合退職の場合は、離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給できる場合があります。

失業保険は、退職後いつまでに申請する必要がありますか？

失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。

1年を過ぎると給付を受ける権利がなくなるため、できるだけ早くハローワークで手続きを行う必要があります。

失業保険を受給しながらアルバイトはできますか？

失業保険を受給しながらアルバイトは可能ですが、労働時間や収入に制限があります。

1日の労働時間が4時間以上の場合は、その日の失業手当は支給されません。

また、週20時間以上の労働や31日以上の雇用が見込まれる場合は、雇用保険の加入条件を満たし、失業手当の受給資格を失います。

アルバイトをする場合は、必ずハローワークに申告してください。

失業保険は、どのような人が対象ですか？

失業保険は、働く意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就けない状態にある方が対象です。

また、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることや、ハローワークで求職の申し込みを行っていることなどの条件を満たす必要があります。

まとめ

失業保険は、再就職までの生活を支える重要な制度です。

失業保険の受給に向けて、まずはご自身の状況を確認し、ハローワークで手続きを進めていきましょう。