失業保険もらった後働かない｜知っておくべき注意点と選択肢

失業保険を受給し終えた後、すぐに働く意思がない場合、どうすれば良いか不安に感じていませんか？失業保険は、求職活動を行う意思と能力がある方を支援するための制度であることをまず理解しましょう。

この記事では、失業保険受給後の義務、受給終了後の選択肢、不正受給のリスクについて詳しく解説します。

それぞれの内容を把握することで、安心して今後の生活設計を立てることが可能です。

この記事でわかること

失業保険受給後の道：働かない選択肢と注意点

失業保険を受給し終えた後、すぐに働く意思がない場合、今後の生活設計や制度への影響について不安を感じるかもしれません。

失業保険は、求職活動を行う意思と能力がある方を支援するための制度であることを理解しておくことが重要です。

この見出しでは、失業保険受給後の義務、受給終了後の選択肢、不正受給のリスクについて解説します。

それぞれの内容を把握することで、安心して今後の生活設計を立てることが可能です。

失業保険受給後に「どうすればいいんだろう」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

失業保険受給後の義務：働くことだけではない

失業保険は、再就職を支援するための制度ですが、受給後に必ずしも働く必要はありません。

受給期間が終了すれば、就職の義務はなくなるからです。

ただし、受給期間中は以下の条件を満たし続ける必要があります。

項目	内容
失業状態	就職の意思と能力があるが、職に就けない状態
求職活動	求人への応募、ハローワークでの相談、セミナー参加など
就業状況	週20時間以上の労働をしていないこと
収入	一定額以上の収入がないこと
その他	病気やけがですぐに働けない状態でないこと、学業に専念していないこと

受給条件を満たさなくなった場合は、速やかにハローワークに報告する必要があります。

受給終了後の選択肢：多岐にわたる可能性

失業保険の受給が終了した後は、働くこと以外にも様々な選択肢があります。

自身の状況やキャリアプランに合わせて、最適な選択肢を選ぶことが重要です。

受給終了後の選択肢の例を以下に示します。

選択肢	内容
求職活動を続ける	引き続き就職を目指す場合、ハローワークや転職エージェントなどを活用して求職活動を継続します
職業訓練を受ける	スキルアップやキャリアチェンジを目指す場合、ハローワークの職業訓練を受講することができます
傷病手当金を受給する	病気やケガで働けない場合、健康保険から傷病手当金を受給できる可能性があります
家族の扶養に入る	配偶者や親族の扶養に入ることで、健康保険や年金の保険料を抑えることができます
起業する	独立・起業を目指す場合、創業支援制度などを活用することができます
しばらく休養する	受給期間中の疲れを癒し、心身のリフレッシュを図ることも可能です

不正受給のリスク：知っておくべきこと

失業保険の不正受給は、法律で厳しく禁じられています。

不正受給が発覚した場合、給付金の返還だけでなく、詐欺罪に問われる可能性もあるため、注意が必要です。

不正受給となる主なケースを以下に示します。

ケース	具体例
虚偽の申告	求職活動の実績を偽って申告する、アルバイト収入を隠して申告するなど
就業状況の隠蔽	フリーランスとして働いていることを隠して受給する、内定が決まっているのに申告しないなど
受給資格がないのに受給する	会社都合退職ではないのに、会社都合と偽って受給するなど
その他	大学や専門学校への通学を隠蔽する、病気やケガで働けない状態なのに申告しないなど

不正受給は、故意に行う場合だけでなく、申告漏れや勘違いによって発生するケースもあります。

少しでも不安な点があれば、必ずハローワークに相談するようにしましょう。

働かない場合の注意点：生活と制度への影響

失業保険受給後に働かないという選択は可能ですが、生活と制度に様々な影響がある点を理解しておくことが重要です。

これらの影響を考慮し、計画的に対応することで、安心して生活を送ることができます。

ここでは、働かない場合に注意すべき点について解説します。

特に、扶養、保険、税金の各側面から、具体的な影響と対策を解説します。

扶養に入る：年収制限と手続き

扶養とは、経済的に自立していない家族を、別の家族が経済的に支援することです。

年収130万円未満であることが、一般的な扶養に入るための条件です。

扶養には、税法上の扶養と社会保険上の扶養の2種類があります。

区分	税法上の扶養	社会保険上の扶養
年収制限	合計所得金額48万円以下（給与収入のみの場合、103万円以下）	年収130万円未満（60歳以上または障害者の場合は180万円未満）、かつ被保険者の収入の2分の1未満
手続き	扶養者の年末調整または確定申告で手続き	扶養者の勤務先で手続き
メリット	扶養者の所得税・住民税が軽減	国民健康保険料・国民年金保険料の自己負担が不要
注意点	パート収入がある場合、収入額によっては扶養から外れる可能性	収入が増加した場合、速やかに扶養から外れる手続きが必要
その他	税法上の扶養は、所得税や住民税に影響。社会保険上の扶養は、健康保険や年金に影響	扶養から外れると、国民健康保険や国民年金に加入する必要あり

国民健康保険と国民年金：加入義務と保険料

失業保険の受給が終了すると、健康保険と年金は、国民健康保険と国民年金に切り替える必要があります。

国民健康保険は、病気やケガをした際に医療費を補助する制度であり、国民年金は、老後の生活を支えるための年金制度です。

保険料は、前年の所得や年齢などによって異なります。

区分	国民健康保険	国民年金
加入対象者	職場の健康保険に加入していないすべての人	20歳以上60歳未満のすべての人
保険料の計算方法	前年の所得、世帯の人数などによって異なる	定額（令和6年度：月額16,980円）
保険料の納付方法	納付書払い、口座振替など	納付書払い、口座振替、クレジットカード払い、電子マネー払いなど
保険料の減免制度	所得が低い場合や災害にあった場合などに減免制度あり	所得が低い場合などに免除制度、納付猶予制度あり
メリット	病気やケガをした際に医療費の自己負担が軽減される	老後に年金を受け取ることができる
デメリット	保険料を自分で納付する必要がある	保険料を自分で納付する必要がある
加入手続き	住んでいる市区町村の窓口で手続き	住んでいる市区町村の窓口で手続き
手続きに必要なもの	身分証明書、印鑑、雇用保険受給資格者証など	年金手帳、印鑑、雇用保険受給資格者証など
保険料の滞納	滞納すると、督促状が届いたり、財産が差し押さえられる場合がある	滞納すると、将来受け取れる年金額が減額されたり、財産が差し押さえられる場合がある

税金：確定申告の必要性と手続き

税金面では、確定申告の必要性を確認しましょう。

失業保険は非課税所得ですが、他の所得がある場合は、確定申告が必要になることがあります。

例えば、アルバイト収入や不動産収入などがある場合は、確定申告を行う必要があります。

区分	確定申告
申告期間	毎年2月16日から3月15日まで
申告場所	税務署、確定申告会場、e-Tax（オンライン）
必要な書類	確定申告書、源泉徴収票（アルバイト収入などがある場合）、控除証明書（生命保険料控除、医療費控除など）
申告方法	郵送、窓口提出、e-Tax（オンライン）
注意点	期限内に申告・納税しないと、加算税や延滞税が課される場合がある
還付金	払いすぎた税金がある場合、還付金を受け取ることができる
相談窓口	税務署、税理士
その他	確定申告が必要かどうか不明な場合は、税務署や税理士に相談するのがおすすめです

失業保険受給後におすすめの選択肢：スキルアップと生活設計

失業保険の受給が終わった後も、焦らずに次のステップを踏むための選択肢があります。

スキルアップを目指す職業訓練、病気やケガに備える傷病手当金、個別の相談ができるハローワークについて解説していきます。

これらの選択肢を知っておくことで、失業保険受給後の生活設計をより柔軟に進めることが可能です。

職業訓練の活用：スキルアップでキャリアチェンジ

職業訓練とは、ハローワークが実施する、再就職に必要なスキルや知識を習得するための制度です。

受講料は原則無料で、失業保険の受給期間を延長できる可能性があります。

訓練の種類	内容
ITスキル訓練	プログラミング、Webデザイン、ネットワーク構築など、IT関連のスキルを習得する
事務スキル訓練	経理、簿記、OAスキルなど、事務職に必要なスキルを習得する
介護・福祉訓練	介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修など、介護・福祉分野で働くために必要な資格取得を目指す
製造・技術訓練	機械加工、電気工事、自動車整備など、製造業や技術職で働くために必要なスキルを習得する

職業訓練を活用することで、未経験の分野に挑戦したり、現在のスキルを向上させたりすることが可能になります。

また、訓練期間中は失業保険の給付が延長される場合があり、経済的な安定を保ちながらスキルアップを目指せます。

傷病手当金の申請：病気やケガで働けない場合

傷病手当金とは、病気やケガで働くことができない期間に、健康保険から支給される給付金です。

失業保険の受給期間中に病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金を受給できる可能性があります。

項目	内容
支給要件	病気やケガで働くことができないこと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けないこと、給与の支払いがないこと
支給期間	最長1年6ヶ月
支給金額	1日につき、標準報酬日額の3分の2
申請に必要な書類	健康保険傷病手当金支給申請書、医師の診断書、出勤状況に関する事業主の証明書

傷病手当金を受給することで、病気やケガで働けない間の生活費を確保できます。

また、治療に専念することで、早期の回復を目指すことが可能です。

ハローワークへの相談：個別ニーズに合わせたアドバイス

ハローワークでは、失業保険の受給に関する相談だけでなく、再就職や生活設計に関する相談も受け付けています。

専門の相談員が、個々の状況やニーズに合わせて、適切なアドバイスや情報を提供してくれます。

相談内容	内容
再就職に関する相談	求人情報の提供、履歴書や職務経歴書の作成支援、面接対策、職業訓練の案内など
生活設計に関する相談	失業保険受給後の生活設計、各種制度の利用に関するアドバイス、住居や医療に関する相談など
スキルアップに関する相談	職業訓練の案内、資格取得に関する情報提供、キャリアコンサルティングなど

ハローワークに相談することで、自分に合った再就職の方向性を見つけたり、生活設計に関する不安を解消したりすることができます。

また、各種制度に関する情報を得ることで、生活を立て直すための具体的な方法を見つけることができます。

よくある質問（FAQ）

失業保険受給後、すぐに働く必要はありますか？

失業保険の受給期間が終了すれば、就職の義務はなくなります。

ハローワークから就職を強要されることもありません。

満額受給後、すぐに働く意思がない場合でも、ハローワークへの報告義務はありませんのでご安心ください。

失業保険受給後に働く以外の選択肢はありますか？

求職活動を続ける以外にも、職業訓練を受けてスキルアップを目指したり、家族の扶養に入ったり、起業したり、しばらく休養したりするなど、様々な選択肢があります。

失業保険受給中にアルバイトをしても良いですか？

失業保険の受給中は、原則として週20時間未満の短時間労働であればアルバイトが可能です。

ただし、アルバイト収入が一定額を超えると、失業保険の給付額が減額される可能性がありますので、事前にハローワークに相談することをおすすめします。

失業保険受給後に家族の扶養に入る場合、年収制限はありますか？

原則として、年収130万円未満が扶養に入れる条件となります。

年収が130万円を超えると、扶養から外れて国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。

失業保険受給後、国民健康保険と国民年金に加入する必要はありますか？

原則として、失業保険の受給が終了すると、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

保険料は、前年の所得や年齢などによって異なります。

失業保険受給後、確定申告は必要ですか？

失業保険は非課税所得ですが、他の所得がある場合は確定申告が必要になる場合があります。

例えば、アルバイト収入や不動産収入などがある場合は、確定申告を行いましょう。

まとめ

失業保険受給後、すぐに働く必要がないことを理解することは、今後の生活設計を立てる上で非常に重要です。

この記事では、失業保険受給後の選択肢と注意点について解説しました。

失業保険受給後の選択肢を理解し、ご自身の状況に合わせて計画的に行動することで、より安心して生活を送ることができます。