失業手当｜期間はどれくらい？【受給資格・日数・計算方法】

失業手当の受給期間は、退職後の生活を支える上で重要な情報です。

しかし、受給期間は個人の状況によって異なり、どれくらいの期間手当を受け取れるのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、失業手当の受給期間について、離職理由や雇用保険の加入期間、年齢といった要素がどのように影響するのかを詳しく解説します。

具体的な例を交えながら、ご自身がどのくらいの期間手当を受け取れるのか、目安を立てられるようにします。

この記事でわかること

失業手当の期間、受給資格・日数・計算方法

制度概要と本記事でわかること

失業手当は、離職された方が一日でも早く安定した生活を取り戻し、再就職を支援することを目的とした雇用保険の給付金です。

この制度を理解することで、安心して求職活動に専念できます。

本記事では、失業手当の受給期間、受給資格、日数、計算方法について解説します。

特に、離職理由や雇用保険の加入期間、年齢によって受給期間が異なる点を詳しく説明します。

これらの情報を把握することで、ご自身がどのくらいの期間、失業手当を受け取れるのかを正確に把握できます。

失業手当の受給期間と日数の決まり方

失業手当の受給期間は、個々の状況によって異なり、一律ではありません。

受給期間を左右する要因を理解することで、ご自身がどれくらいの期間、手当を受け取れるのか見当をつけることが可能です。

受給期間は、離職理由、雇用保険の加入期間、そして年齢によって変動します。

それぞれの要素がどのように影響するのかを把握し、ハローワークで正確な情報を確認することが重要です。

離職理由による違い

離職理由が受給期間に与える影響は大きく、会社都合退職と自己都合退職とでは、受給開始までの期間や受給期間が異なります。

会社都合退職の場合、一般的に受給開始までの期間が短く、自己都合退職よりも長い期間、失業手当を受給できる可能性があります。

一方で、自己都合退職の場合は、給付制限期間が設けられているため、受給開始までに時間がかかります。

雇用保険の加入期間による違い

雇用保険の加入期間は、受給期間を決定する上で重要な要素の一つです。

加入期間が長ければ長いほど、受給できる日数が増える傾向があります。

自己都合退職の場合、雇用保険の被保険者期間に応じて、90日から150日の間で受給期間が決定されます。

会社都合退職の場合は、年齢と雇用保険の加入期間によって、90日から330日の間で受給期間が変動します。

年齢による違い

年齢も、受給期間に影響を与える要素の一つです。

一般的に、年齢が高いほど受給期間が長くなる傾向があります。

会社都合退職の場合、年齢と雇用保険の加入期間に応じて受給期間が決定されます。

例えば、45歳以上60歳未満の方が、同じ加入期間であっても、30歳未満の方よりも長い期間、失業手当を受給できる場合があります。

具体的な受給期間の例

具体的な例を見ることで、ご自身の状況に照らし合わせて、受給期間の目安を立てることができます。

離職理由	雇用保険の加入期間	年齢	受給期間（日）
自己都合	5年未満	全年齢	90
自己都合	10年以上	全年齢	120
会社都合	5年未満	30歳未満	90
会社都合	10年以上	45歳以上60歳未満	270

失業手当の受給期間は、個々の状況によって異なり、複雑な要素が絡み合っています。

そのため、ハローワークでご自身の状況を説明し、正確な受給期間を確認することが大切です。

失業手当の受給額と計算方法

失業手当の受給額は、離職前の賃金と雇用保険の加入期間によって大きく変動します。

受給額を正しく理解することで、退職後の生活設計を立てやすくなります。

以下では、基本手当日額の計算方法、受給額のシミュレーション、手取り別の受給総額について解説します。

ご自身の状況に照らし合わせて、受給額を把握しましょう。

基本手当日額の計算式

基本手当日額は、賃金日額に給付率を掛けて算出されます。

基本手当日額を知ることで、1日に受け取れる失業手当の金額が明確になります。

賃金日額は、原則として退職前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額です。

「失業保険の計算シミュレーション｜手取り別にいくらもらえるか解説」に賃金日額の計算方法が記載されていますので参考にしてください。

給付率は、賃金日額に応じて50〜80％の範囲で変動し、賃金が低いほど給付率は高くなります。

ただし、基本手当日額には上限と下限が設定されており、上限額は年齢によって異なります。

受給額のシミュレーション

受給額のシミュレーションを行うことで、ご自身の状況に合わせた受給総額を把握できます。

例えば、34歳で雇用保険の被保険者期間が10年以上20年未満の場合、自己都合退職では給付日数が120日、会社都合退職では給付日数が210日となります。

「失業保険の計算シミュレーション｜手取り別にいくらもらえるか解説」に手取り額別の失業保険受給額のシミュレーションが記載されていますので参考にしてください。

シミュレーション結果から、手取り月収が20万円だった場合、自己都合退職では約67万円、会社都合退職では約118万円の失業手当を受給できることがわかります。

手取り別の受給総額

手取り別の受給総額を知ることで、退職後の生活費を具体的にイメージできます。

手取り月収	額面月収	賃金日額	基本手当日額	自己都合退職時の受給総額	会社都合退職時の受給総額
10万円	12.5万円	4,166円	3,332円	39万9,840円	69万9,720円
15万円	18.75万円	6,250円	4,740円	56万8,800円	99万5,400円
20万円	25万円	8,333円	5,634円	67万6,080円	118万3,140円
25万円	31.25万円	10,416円	6,185円	74万2,200円	129万8,850円
30万円	37.5万円	12,500円	6,393円	76万7,160円	134万2,530円
40万円	50万円	16,666円	7,845円(上限)	94万1,400円	164万7,450円
50万円	62.5万円	20,833円	7,845円(上限)	94万1,400円	164万7,450円

ご自身の退職前の手取り月収を上記の表と照らし合わせることで、おおよその受給総額を把握できます。

失業手当の受給額は、個々の状況によって異なります。

正確な金額を知るためには、ハローワークで確認することをおすすめします。

失業手当受給までの流れと注意点

失業手当を受給するには、ハローワークでの手続き、受給説明会への参加、求職活動の実績作りが重要です。

それぞれのステップを理解することで、スムーズな受給につながります。

ハローワークでの手続き、受給説明会への参加、求職活動の実績、不正受給について、受給期間延長の特例について解説します。

ハローワークでの手続き

ハローワークでの手続きは、失業手当受給の第一歩です。

まず、ハローワークで求職の申し込みを行い、離職票や本人確認書類などの必要書類を提出します。

手続き	内容
求職の申し込み	ハローワークで求職申込書を記入し、提出
必要書類の提出	離職票-1・2、雇用保険被保険者証、証明写真2枚、本人名義の預金通帳またはキャッシュカード、本人確認書類、個人番号確認書類
職業相談	窓口で職業相談を受け、雇用保険説明会の日時を決定

受給説明会への参加

受給説明会では、失業手当の制度や受給に関する重要な情報が提供されます。

受給資格や受給中の注意点、求職活動の方法などについて理解を深めることができます。

求職活動の実績

失業手当を受給するためには、積極的に求職活動を行う必要があります。

求職活動実績として認められるものには、求人への応募、ハローワークの職業相談、セミナーへの参加などがあります。

求職活動の種類	具体例
求人への応募	応募企業の名称、応募日、応募方法などを記録する
ハローワークの職業相談	相談日時、相談内容、アドバイスなどを記録する
セミナーへの参加	セミナー名、開催日時、主催者などを記録する

不正受給について

不正受給は、法律で厳しく禁止されています。

虚偽の申告や求職活動を怠るなどの不正行為が発覚した場合、支給停止や返還命令だけでなく、罰金や刑事告訴される可能性もあります。

受給期間延長の特例

病気やケガ、妊娠・出産・育児など、やむを得ない理由で30日以上求職活動ができない場合は、受給期間の延長が認められる場合があります。

延長が認められると、本来の受給期間に加えて、最長3年間受給期間を延長できます。

ハローワークで受給期間を確認する重要性

失業手当の受給期間は、個々の状況によって大きく異なるため、ハローワークで正確な情報を確認することが最も重要です。

ハローワークで受給期間を確認することで、ご自身の状況に合わせた正確な情報が得られ、計画的な求職活動につながります。

個別の状況に合わせた確認、最新情報の入手、早期の相談のメリットについて説明します。

個別の状況に合わせた確認

失業手当の受給期間は、離職理由、雇用保険の加入期間、年齢など、さまざまな要因によって決定されます。

そのため、画一的な情報ではなく、ご自身の状況をハローワークに伝えることで、正確な受給期間を確認できます。

最新情報の入手

雇用保険制度は、法改正などにより内容が変更されることがあります。

ハローワークでは、常に最新の情報を提供しているため、制度変更に合わせた正確な情報を入手できます。

早期の相談のメリット

失業手当の受給手続きは、離職後速やかに行うことが推奨されます。

早めにハローワークに相談することで、受給資格の有無や必要な手続きについて、詳細なアドバイスを受けることができます。

メリット	内容
スムーズな手続き	必要な書類や手続きの流れを事前に把握し、スムーズに手続きを進めることが可能
疑問点の解消	受給に関する疑問や不安を、専門の相談員に直接質問し、解消できる
個別サポート	個々の状況に合わせたアドバイスや、求職活動に関する支援を受けられる

ハローワークで受給期間を確認することは、失業手当を正しく理解し、計画的な求職活動を行うための第一歩と言えるでしょう。

よくある質問（FAQ）

失業手当の受給期間は一律ですか？

失業手当の受給期間は、離職理由、雇用保険の加入期間、年齢によって異なり、個々の状況によって変動します。

ハローワークでご自身の状況に合わせた正確な情報を確認することが大切です。

自己都合退職の場合、受給開始までに時間がかかるのはなぜですか？

自己都合退職の場合、一般的に給付制限期間が設けられているため、受給開始までに時間がかかります。

会社都合退職と比較して、受給開始が遅れる可能性があります。

雇用保険の加入期間が長いと、受給できる日数が増えるのはなぜですか？

雇用保険の加入期間が長いほど、雇用保険料を長く支払っているとみなされるため、より多くの失業手当を受給できる可能性があります。

加入期間に応じて、受給できる日数が増える傾向にあります。

年齢が高い方が失業手当の受給期間が長くなる傾向があるのはなぜですか？

一般的に、年齢が高いほど再就職が難しくなる傾向があるため、失業手当の受給期間が長くなるように設計されています。

年齢に応じて、より長い期間の受給が認められる場合があります。

基本手当日額はどのように計算するのですか？

基本手当日額は、原則として退職前6ヶ月間の賃金合計を180で割った賃金日額に、給付率（50〜80％）を掛けて算出されます。

ただし、基本手当日額には上限と下限が設定されており、年齢によって上限額が異なります。

失業手当を受給するためには、どのような求職活動が必要ですか？

失業手当を受給するためには、求人への応募、ハローワークの職業相談、セミナーへの参加など、積極的に求職活動を行う必要があります。

これらの活動は求職活動実績として記録され、ハローワークに報告する必要があります。

まとめ

この記事では、失業手当の受給期間が個々の状況によって異なり、離職理由、雇用保険の加入期間、年齢によって変動することを解説しました。

失業手当の受給期間についてより詳しく知りたい場合は、ハローワークでご自身の状況を伝え、確認することをおすすめします。