退職後の生活を支える失業手当ですが、「一体いくらもらえるんだろう?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
受給額の計算は複雑で、なかなか分かりにくいですよね。
この記事では、失業手当の受給額を簡単にシミュレーションする方法を解説します。
受給額を左右する要因や、年齢別の受給額モデルケースも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

失業手当の受給額って、どうやって計算するの?

この記事を読めば、ご自身の状況に合わせた受給額の概算を簡単に把握できます。
この記事でわかること
- 受給額の計算方法
- 年齢別のモデルケース
- ハローワークの活用方法
失業手当受給額シミュレーション方法
失業手当の受給額を把握するためには、3つのステップで計算を行うことが重要です。
失業手当の受給額をシミュレーションする方法を理解することで、受給額を左右する要因や計算方法を把握できます。
賃金日額と基本手当日額の算出、給付日数と受給総額の計算について解説していきます。
賃金日額と基本手当日額の算出
賃金日額とは、原則として離職日以前6ヶ月間に支払われた賃金の合計を180で割った金額を指します。
基本手当日額は、賃金日額に一定の給付率(50~80%)を乗じて計算されます。
給付率は、賃金日額と年齢によって異なり、賃金が低いほど高い給付率が適用される仕組みです。

手取り月収が20万円の場合、基本手当日額はいくらになるの?

34歳で雇用保険の加入期間が10年以上20年未満の場合、基本手当日額は約5,634円になります。
給付日数と受給総額の計算
給付日数は、離職理由や雇用保険の加入期間、年齢によって決定します。
自己都合退職の場合は、雇用保険の加入期間に応じて90日から150日の間で決定します。
会社都合退職の場合は、年齢と雇用保険の加入期間に応じて90日から330日の間で決定します。
受給総額は、基本手当日額に給付日数を乗じて計算します。
失業手当の受給額をシミュレーションすることで、ご自身の状況に応じた概算額を把握することが可能です。
年齢・雇用保険加入期間別受給額事例
失業手当の受給額は、年齢と雇用保険の加入期間によって大きく変動します。
自身の状況に合った受給額を把握することが重要です。
以下では、20代から50代までのモデルケースを用いて、具体的な受給額を算出します。
各年代の受給額モデルケースを参照して、ご自身の状況に近い事例を参考にしてください。
20代受給額モデルケース
20代の受給額は、一般的に他の年代と比較して低くなる傾向があります。
なぜなら、雇用保険の加入期間が短い場合が多いからです。

20代の私はいくらもらえるのかな?

雇用保険の加入期間が短くても、受給資格を満たせば失業手当はもらえます。
20代のAさんの例を見てみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 28歳 |
雇用保険加入期間 | 1年6ヶ月 |
離職理由 | 自己都合 |
離職前6ヶ月の平均賃金 | 20万円 |
賃金日額 | 約6,667円 |
基本手当日額 | 約5,334円(賃金日額の80%で計算) |
給付日数 | 90日 |
受給総額 | 約48万円(5,334円 × 90日) |
Aさんの場合、受給総額は約48万円となります。
「えっ、結構もらえるじゃん!」と思いました?20代でも、雇用保険に加入していた期間と離職理由によっては、まとまった金額を受給できます。
30代受給額モデルケース
30代は、20代と比較して受給額が増加する可能性があります。
なぜなら、キャリアアップや転職を経て、雇用保険の加入期間が長くなる人が多いからです。

30代だとどれくらいの金額がもらえるんだろう?

雇用保険の加入期間が長ければ、より多くの失業手当を受給できます。
30代のBさんの例を見てみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 35歳 |
雇用保険加入期間 | 8年 |
離職理由 | 会社都合 |
離職前6ヶ月の平均賃金 | 35万円 |
賃金日額 | 約11,667円 |
基本手当日額 | 約7,845円(上限額) |
給付日数 | 180日 |
受給総額 | 約141万円(7,845円 × 180日) |
Bさんの場合、会社都合での離職のため給付日数も長く、受給総額は約141万円となります。
40代受給額モデルケース
40代は、30代と比較してさらに受給額が増加する傾向にあります。
なぜなら、管理職などの役職に就き、給与水準が上がる人が多いからです。

40代でリストラされた場合、失業手当はいくらもらえるの?

40代は、それまでの雇用保険加入期間と賃金水準に応じて、高額の失業手当を受給できる可能性があります。
40代のCさんの例を見てみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 42歳 |
雇用保険加入期間 | 15年 |
離職理由 | 会社都合 |
離職前6ヶ月の平均賃金 | 50万円 |
賃金日額 | 約16,667円 |
基本手当日額 | 約8,635円(上限額) |
給付日数 | 240日 |
受給総額 | 約207万円(8,635円 × 240日) |
Cさんの場合、会社都合での離職であり、給与水準も高いため、受給総額は約207万円と高額になります。
「よっしゃー!」と叫びたい気持ちもわかりますが、冷静に今後の生活設計を立てましょう。
50代受給額モデルケース
50代は、40代と同様に高額の受給が期待できます。
なぜなら、長年のキャリアによって給与水準が高く、雇用保険の加入期間も長いため、受給条件を満たしやすいからです。

50代後半で早期退職した場合、失業手当はどれくらいもらえる?

50代は、長年の雇用保険加入と高い賃金水準により、高額な失業手当を受給できる可能性があります。
50代のDさんの例を見てみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 55歳 |
雇用保険加入期間 | 30年 |
離職理由 | 会社都合 |
離職前6ヶ月の平均賃金 | 60万円 |
賃金日額 | 約20,000円 |
基本手当日額 | 約8,635円(上限額) |
給付日数 | 330日 |
受給総額 | 約285万円(8,635円 × 330日) |
Dさんの場合、会社都合での離職であり、長年の雇用保険加入と高い給与水準により、受給総額は約285万円と非常に高額になります。
老後の生活設計を立てる上で、大きな助けとなるはずです。
失業手当に関する疑問と解決策
失業手当について疑問に思うことはたくさんありますよね。
特に、受給資格や受給額に関することは、多くの方が気になるポイントです。
失業手当に関する疑問を解決するために、以下に見出しごとに重要なポイントをまとめました。
各見出しでは、よくある疑問とその解決策を具体的に解説しています。
ぜひ、ご自身の状況に合わせて参考にしてみてください。
受給資格と手続きの流れ
失業手当を受給するためには、一定の条件を満たす必要があり、手続きの流れも把握しておく必要があります。
受給資格の確認とスムーズな手続きが、早期の受給につながります。

失業手当って、どんな人がもらえるの?

雇用保険に加入していて、働く意思と能力があるのに仕事が見つからない人が対象だよ。
受給資格と手続きの流れは、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
受給資格 | 1. 離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること(会社都合の場合は1年間に6ヶ月以上)2. ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に求職活動を行っていること3. 働く意思と能力があること |
手続きの流れ | 1. 離職票、雇用保険被保険者証、身分証明書、印鑑、預金通帳などを持参し、ハローワークで求職の申し込みを行う2. 受給説明会に参加する3. 失業認定を受ける(4週間に1回)4. 失業手当が指定口座に振り込まれる |
注意点 | 自己都合退職の場合、給付制限期間(原則2ヶ月、2025年4月からは1ヶ月)がある |
手続きに関する補足 | ハローワークの窓口で手続きを行うだけでなく、オンラインでの申請も可能です。オンライン申請を利用することで、待ち時間を短縮し、自宅から手続きを進めることができます。 |
受給額を左右する要因
失業手当の受給額は、個々の状況によって異なります。
賃金、年齢、雇用保険の加入期間などが、受給額に大きく影響します。

私の場合、いくらくらいもらえるんだろう?

受給額は、退職前の賃金や年齢、雇用保険の加入期間によって変わってくるんだ。
受給額を左右する要因は、以下のとおりです。
要因 | 内容 |
---|---|
賃金 | 退職前6ヶ月の賃金から算出される賃金日額が基本となり、賃金日額が高いほど受給額も高くなります。ただし、上限額が設定されています。 |
年齢 | 年齢によって基本手当日額の上限額が異なり、年齢が高いほど上限額も高くなります。 |
加入期間 | 雇用保険の加入期間が長いほど、給付日数が増え、受給総額も増加します。 |
離職理由 | 会社都合退職の場合、給付日数が自己都合退職よりも多くなる場合があります。 |
給付率 | 賃金日額に対して、50~80%の給付率が適用されます。給付率は、賃金日額が低いほど高くなります。 |
受給資格 | 受給資格によって、給付日数や給付額が変わることがあります。例えば、特定受給資格者や特定理由離職者は、一般の受給資格者よりも手厚い給付を受けることができます。 |
扶養家族の有無 | 扶養家族がいる場合、基本手当日額に加算される場合があります。 |
退職理由の種類 | 定年退職、自己都合退職、会社都合退職など、退職理由の種類によって、受給資格や給付日数などが変わることがあります。 |
ハローワークへの相談
失業手当に関する疑問や不安は、ハローワークに相談することで解消できます。
専門家のアドバイスを受けることで、よりスムーズな受給につながります。

ハローワークって、どんな相談に乗ってくれるの?

失業手当の受給に関する手続きや、求職活動のサポートなど、様々な相談に乗ってくれるよ。
ハローワークでは、以下のような相談が可能です。
相談内容 | 内容 |
---|---|
受給資格の確認 | 自身の状況が受給資格を満たしているか確認できます。 |
手続き方法の説明 | 必要な書類や手続きの流れについて、詳しく説明を受けることができます。 |
求職活動のサポート | 履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策など、求職活動に関するアドバイスを受けることができます。 |
職業訓練の案内 | スキルアップやキャリアチェンジに役立つ職業訓練について、情報収集や申し込みのサポートを受けることができます。 |
個別相談 | 自身の状況に合わせた個別の相談に乗ってもらうことができます。例えば、今後のキャリアプランや、受給中の生活設計などについて相談することができます。 |
失業手当に関する法制度の解説 | 失業手当に関する法制度について、わかりやすく解説を受けることができます。 |
他の支援制度の紹介 | 失業手当以外にも、利用できる可能性のある支援制度(例えば、住居確保給付金や生活福祉資金貸付制度など)について紹介してもらうことができます。 |
相談の準備 | 相談に行く前に、事前に質問事項をまとめておくと、より効率的に相談できます。また、必要な書類を持参することで、手続きをスムーズに進めることができます。 |
相談の予約 | ハローワークによっては、事前に相談の予約が必要な場合があります。事前に確認しておくと、待ち時間を短縮することができます。 |
失業手当について正しく理解し、必要な手続きを行うことで、安心して再就職活動に臨むことができます。
ハローワークを積極的に活用し、疑問や不安を解消しながら、スムーズな受給を目指しましょう。
よくある質問(FAQ)
- 失業手当はいつもらえますか?
-
通常、受給資格が決定してから約1ヶ月後に最初の基本手当が支給されます。
その後は、4週間ごとにハローワークで失業認定を受け、認定されれば1ヶ月分の基本手当が支給されます。
- 自己都合退職の場合、失業手当はもらえないのでしょうか?
-
自己都合退職の場合でも、失業手当を受給できる可能性があります。
ただし、会社都合退職と比較して、給付開始までの待機期間が長くなる場合があります。
また、雇用保険の加入期間などの条件を満たしている必要があります。
- 失業手当の受給額はどのように計算されるのですか?
-
失業手当の受給額は、離職前の賃金(賃金日額)と年齢、雇用保険の加入期間などに基づいて計算されます。
具体的には、賃金日額に一定の給付率(50~80%)を乗じて基本手当日額を算出し、それに給付日数を掛けることで受給総額が決定します。
- 受給期間中にアルバイトをしても大丈夫ですか?
-
失業手当の受給期間中にアルバイトをすることは可能ですが、労働時間や収入に制限があります。
一定時間以上勤務すると基本手当が受給できなくなる場合や、受給額が減額される場合があります。
アルバイトをする場合は、事前にハローワークに相談し、指示に従うようにしましょう。
- 失業手当の申請に必要な書類は何ですか?
-
失業手当の申請には、離職票、個人番号確認書類、身元確認書類、写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードなどが必要です。
詳細については、ハローワークの窓口で確認するようにしましょう。
- 失業手当の受給中に再就職が決まった場合、何か手続きは必要ですか?
-
失業手当の受給中に再就職が決まった場合は、ハローワークに速やかに報告する必要があります。
また、一定の条件を満たせば、再就職手当を受給できる場合があります。
再就職手当の支給条件や手続き方法については、ハローワークで確認してください。
まとめ
この記事では、失業手当の受給額を簡単にシミュレーションする方法を解説しました。
ご自身の状況に合わせた受給額の概算を簡単に把握できます。
- 受給額の計算方法
- 年齢別のモデルケース
- ハローワークの活用方法
失業手当について正しく理解し、必要な手続きを行うことで、安心して再就職活動に臨めます。
ぜひハローワークを積極的に活用し、疑問や不安を解消しながら、スムーズな受給を目指してください。