スイッチコントロールとは？｜種類・設定・使い方を1から解説

この記事では、身体機能に制約がある方がデバイスを操作するための支援機能であるスイッチコントロールについて解説します。

この記事を読むことで、スイッチコントロールの基本概念から、活用例、設定方法、相談窓口まで、必要な情報を網羅的に理解できます。

ぜひ最後まで読んで、スイッチコントロールの世界を体験してください。

スイッチコントロールとは？対象者と目的を理解する

スイッチコントロールは、身体機能に制約がある方が、iPhoneやiPadなどのデバイスを操作するための支援機能です。

外部スイッチやデバイスの操作を通じて、画面上の項目を選択したり、タップしたりといった動作を代替できます。

スイッチコントロールの基本概念

スイッチコントロールの基本は、「スイッチ」と呼ばれる入力装置を操作することで、デバイスの機能を実行する点にあります。

通常、画面を直接タッチして操作するところを、スイッチを押す、音を出す、頭を動かすといった動作に置き換えるのです。

スイッチコントロールで何ができる？

スイッチコントロールを使うと、例えば以下のようなことが実現できます。

活用例	説明
メールの作成と送信	画面上のキーボードを操作して文字を入力し、メールを作成して送信する
ウェブサイトの閲覧	リンクを選択し、ウェブサイトを閲覧する
音楽や動画の再生	再生、停止、音量調整などの操作を行う
写真撮影	カメラアプリを起動し、シャッターを切る
ゲーム	簡単な操作でプレイできるゲームを楽しむ

スイッチコントロールが役立つ対象者

スイッチコントロールは、以下のような方を対象としています。

対象者	説明
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方	進行性の神経難病により、運動機能が低下している方
脳性麻痺の方	生まれつきの脳の損傷により、運動機能や姿勢の保持が困難な方
脊髄損傷の方	事故や病気により脊髄が損傷し、麻痺がある方
重度身体障害のある方	身体の機能に著しい障害があり、日常生活に支援が必要な方
その他、手や指の運動機能に制限がある方	関節リウマチや筋ジストロフィーなど、様々な原因で手や指の機能が低下している方

スイッチコントロールは、これらの人々に、より自立した生活を送るための手段を提供する、非常に重要な支援技術と言えるでしょう。

スイッチコントロールの種類と選び方

さまざまなスイッチのタイプ

スイッチコントロールで使用できるスイッチには、さまざまな種類があります。

スイッチの種類	概要
物理スイッチ	ボタン、ジョイスティック、トラックボールなど、物理的な操作を伴うスイッチ
ソフトウェアスイッチ	画面タップ、音声認識、顔認識など、ソフトウェア上で操作するスイッチ
外部スイッチ	市販されている外部スイッチで、ニーズに合わせてさまざまな形状や機能のものが利用可能

たとえば、指先でボタンを押すのが難しい場合は、足や頭で操作できる大型のスイッチや、息を吹きかけることで作動するスイッチなどが選択肢に入ります。

また、視線入力に対応したスイッチも存在し、より高度な操作を可能にします。

スイッチの接続方法（ワイヤレス・有線）

スイッチをデバイスに接続する方法は、ワイヤレスと有線の2種類あります。

接続方法	特徴	メリット
ワイヤレス接続	Bluetoothなどの無線通信を利用	ケーブルが不要で、取り回しがしやすい
有線接続	USBケーブルなどでデバイスと接続	安定した通信が可能で、遅延が少ない

ワイヤレス接続のスイッチは、ケーブルの煩わしさから解放され、より自由な環境で操作できる点が魅力です。

一方、有線接続のスイッチは、安定した接続が期待でき、ゲームなど、シビアな操作が求められる場面で役立ちます。

スイッチの選び方：ニーズに合わせた選択

スイッチを選ぶ際は、個々のニーズを考慮することが重要です。

どのような点を考慮すべきか、いくつか例を挙げます。

考慮点	詳細
身体的な制約	指先のわずかな動きで操作できるスイッチ、または、足や頭で操作できるスイッチなど、身体的な制約に合わせたスイッチを選ぶ
使用目的	日常的な操作を支援するスイッチ、ゲームを楽しむためのスイッチなど、目的に合わせたスイッチを選ぶ
操作性	スイッチの押しやすさ、反応速度、耐久性などを考慮する

株式会社アビリティーズ・ケアネットでは、専門家が利用者の身体状況や利用環境を丁寧にヒアリングし、最適なスイッチを提案するサービスを提供しています。

スイッチの価格帯と購入場所

スイッチの価格帯は、数千円から数万円まで幅広く、購入場所もさまざまです。

価格帯	購入場所
数千円〜	家電量販店、オンラインストア
数万円〜	支援機器専門店、福祉機器取扱店

家電量販店やオンラインストアでは、比較的安価なスイッチが手軽に入手できます。

一方、支援機器専門店や福祉機器取扱店では、専門知識を持ったスタッフに相談しながら、より専門的なスイッチを選ぶことが可能です。

高価なスイッチは、耐久性や操作性に優れている場合が多く、長期間の使用を考慮すると、コストパフォーマンスが高いとも言えます。

スイッチコントロールの設定方法（iPhone/iPad/Android/PC）

スイッチコントロールは、身体の不自由な方が、画面に触れることなくデバイスを操作できるアクセシビリティ機能です。

特に、iPhoneやiPadなどのiOSデバイス、Android端末、そしてPC（Windows/Mac）で利用できます。

iPhone/iPadでの設定手順

次に、スイッチとなる操作（画面タップ、外部スイッチなど）を設定します。

Android端末での設定手順

Android端末でも、スイッチコントロールと同様の機能が利用できます。

ここでは一般的な手順を紹介します。

Androidでは、スイッチの割り当てやスキャンの設定に加えて、自動選択を有効にするかどうかなどを選択できます。

PC（Windows/Mac）での設定手順

PCでも、同様のアクセシビリティ機能が利用可能です。

ここでは、Windowsでの設定手順を紹介します。

Macの場合は、

項目	Windows	Mac
基本設定	簡単操作 > マウス > キーボードでマウスを操作する	システム環境設定 > アクセシビリティ > マウスとトラックパッド
関連機能	ナレーター、音声認識	VoiceOver
スイッチの追加	外部デバイス接続	外部デバイス接続

スイッチの割り当てとカスタマイズ

スイッチコントロールの最も重要な設定は、スイッチの割り当てとカスタマイズです。

たとえば、

設定項目	内容
スイッチの種類	画面タップ、外部スイッチ、ヘッドトラッキングなど
アクション	項目選択、タップ、ドラッグ、スクロール、カスタムジェスチャなど
スキャンスタイル	自動スキャン、手動スキャン、ステップスキャンなど
カスタマイズ	スキャン速度、メニュー表示、サウンドエフェクト、項目のグループ化など

スイッチコントロールの活用事例

スイッチコントロールは、身体に不自由がある方がiPhoneやiPadなどのデバイスを操作するための支援機能です。

日常生活での活用例

日常生活では、以下のような活用ができます。

活用例	内容
メールの送受信	スイッチを使って、メールの作成、送信、受信ができます。
Webサイトの閲覧	ニュースサイトやブログを閲覧し、情報を収集できます。
SNSの利用	FacebookやTwitterなどのSNSで、友人とのコミュニケーションや情報発信ができます。
スマートホーム操作	照明のオンオフやエアコンの温度調整など、スマートホームデバイスを操作し、快適な生活を送れます。

学習支援での活用例

学習支援では、以下のような活用ができます。

活用例	内容
教材の読み上げ	スイッチを使って、教科書や参考書などの教材を読み上げることができます。
ドリル学習	計算ドリルや漢字ドリルなど、反復学習が必要な教材を、スイッチ操作で進めることができます。
プログラミング学習	ScratchやViscuitなどのビジュアルプログラミングツールを、スイッチ操作で利用できます。
プレゼンテーション	スイッチを使って、プレゼンテーション資料を操作し、発表することができます。

ゲームでの活用例（PS4/PS5含む）

ゲームの世界でも、スイッチコントロールは可能性を広げます。

活用例	内容
iPhoneゲーム	パズルゲームやアクションゲームなど、様々なジャンルのゲームを、スイッチ操作で楽しめます。
PS4/PS5	PlayStation 4やPlayStation 5などのゲーム機を、スイッチコントロールを介して操作できます。
PCゲーム	PCゲームも、スイッチコントロールに対応したゲームであれば、楽しむことができます。

スイッチコントロールアプリの紹介

スイッチコントロールをさらに便利にするために、様々なアプリが開発されています。

アプリ名	特徴
Assistive Access	iPhoneやiPadのインターフェースを簡素化し、特定の機能にアクセスしやすくする
オートクリッカー	画面上の特定の位置を自動的にタップする
Switch Control for Android	Androidデバイスで外部スイッチを使用するためのアプリ
VoiceOver	画面に表示される内容を音声で読み上げるスクリーンリーダー

スイッチコントロールに関する相談窓口と支援サービス

スイッチコントロールについて相談できる窓口や利用できる支援サービスは複数あります。

相談できる場所（病院/リハビリ施設/支援センター）

スイッチコントロールに関する相談は、医療機関やリハビリ施設、支援センターなどで受けられます。

専門家からアドバイスを受けることで、利用者に合わせた最適な活用方法を見つけることが可能です。

相談できる場所の例を以下にまとめました。

相談場所	特徴
病院	医師や作業療法士（OT）などの専門家が在籍し、医学的な視点からのアドバイスやリハビリテーションを提供
リハビリ施設	作業療法士（OT）や理学療法士（PT）などの専門家が在籍し、個別の状態に合わせた訓練や支援を実施
支援センター	地域の障害者福祉に関する情報提供や相談支援を実施、福祉サービスの利用支援や関係機関との連携をサポート

アビリティーズ・ケアネットなど専門企業の紹介

スイッチコントロールの導入にあたっては、専門企業に相談することも有効です。

株式会社アビリティーズ・ケアネットは、スイッチや周辺機器の専門知識を持つ企業として知られています。

専門家からアドバイスを受けることで、個々のニーズに最適なスイッチや周辺機器を見つけられます。

企業名	サービス内容
株式会社アビリティーズ・ケアネット	各種スイッチ、ジョイスティック、意思伝達装置など、障害のある方の生活を支援する様々な機器の販売・レンタル、専門家による相談や評価サービスを提供
その他専門企業	障害者福祉に関する機器やソフトウェアを開発・販売する企業も、スイッチコントロールに関する情報や相談窓口を設けている場合がある

支援機器に関する情報収集の方法

スイッチコントロールに関する情報は、インターネットや書籍、セミナーなど様々な方法で収集できます。

情報収集の方法を知っておくことで、常に最新の情報を入手し、最適な活用方法を見つけることが可能です。

情報源	特徴
インターネット	企業のウェブサイトや専門家によるブログ、SNSなどで最新の情報や活用事例を収集可能
書籍	スイッチコントロールに関する解説書や事例集などを通して、体系的な知識を得る
セミナー・イベント	専門家や当事者による講演やワークショップに参加することで、実践的な知識やノウハウを習得、直接質問や意見交換も可能
障害者福祉関連団体	地域の障害者福祉団体や支援機関などが開催するイベントや相談会に参加することで、地域の情報や支援サービスに関する情報を収集可能

よくある質問（FAQ）

スイッチコントロールは難しいですか？

スイッチコントロールは、最初は設定が複雑に感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、比較的簡単に使えるようになります。もし設定で困った場合は、専門機関や支援サービスに相談することをオススメします。

スイッチコントロールはどんな人におすすめですか？

スイッチコントロールは、手や指を自由に動かすことが難しい方、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脳性麻痺、脊髄損傷などの方におすすめです。また、ゲームをより楽しみたい方にも活用いただけます。

スイッチコントロールの設定は、自分でする必要がありますか？

ご自身で設定することも可能ですが、難しい場合は、病院やリハビリ施設、支援センターなどで相談に乗ってもらえます。専門家のアドバイスを受けることで、より自分に合った設定を見つけられます。

スイッチコントロールを使うために必要なものは何ですか？

スイッチコントロールを使うには、iPhoneやiPadなどのデバイスと、スイッチとなる入力装置が必要です。入力装置は、画面タップ、外部スイッチ、ヘッドトラッキングなど、さまざまな種類があります。ご自身の状態に合わせて、最適なものを選びましょう。

スイッチコントロールに対応しているゲームはありますか？

はい、スイッチコントロールに対応しているゲームはたくさんあります。パズルゲームやアクションゲームなど、さまざまなジャンルのゲームを楽しむことができます。PS4やPS5などのゲーム機も、スイッチコントロールを介して操作できます。

スイッチコントロールに関する情報を、もっと詳しく知りたいのですが？

株式会社アビリティーズ・ケアネットなどの専門企業や、障害者福祉関連団体が開催するセミナーやイベントに参加することで、スイッチコントロールに関する最新の情報や活用事例を学ぶことができます。インターネットや書籍なども活用して、情報収集をしてみてください。

まとめ

この記事では、身体機能に制約がある方がデバイスを操作するための支援機能であるスイッチコントロールについて解説しました。

スイッチコントロールは、あなたの可能性を広げる強力なツールとなります。

この記事の重要なポイントは以下の通りです。