社会保険加入条件｜パート・アルバイトも？2025年変更点も解説

2025年6月14日

社会保険の加入条件は複雑で、自分は対象になるのかどうか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、社会保険の加入条件について、パートやアルバイトの方にもわかりやすく解説します。

2025年10月からの変更点についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

社会保険の加入条件を理解することは、将来の生活設計を考える上で非常に重要です。

条件を満たせば、医療費の負担軽減や年金受給額の増加など、様々なメリットが得られます。

加入条件を満たしているにもかかわらず未加入の場合、将来受け取れる年金額が少なくなる可能性も。

社会保険って、正社員だけのものではないの？

パートやアルバイトでも、条件を満たせば社会保険に加入できるんです。

この記事でわかること

適用事業所の種類
従業員に関する条件
パート・アルバイトの条件
2025年10月からの変更点

社会保険加入条件とは？概要と確認ポイント

社会保険加入の条件は、適用事業所の種類と従業員に関する条件を満たすことが重要です。

以下では、適用事業所の種類と従業員に関する条件について解説します。

各条件をしっかりと確認することで、社会保険に加入できるかどうかを判断できます。

適用事業所の種類

社会保険の適用事業所は、法人事業所と個人事業所の2種類に分けられます。

法人事業所は原則として強制適用事業所となり、従業員数に関わらず社会保険への加入義務があります。

一方、個人事業所は常時5人以上の従業員を雇用している場合、一部の業種を除き強制適用事業所となります。

適用事業所の種類	条件
法人事業所	株式会社、合同会社、社会福祉法人など、従業員数に関わらず強制加入
個人事業所	常時5人以上の従業員を雇用している場合、特定の業種（農林漁業、理美容業、弁護士業など）を除き強制加入。従業員数5人未満の場合は任意加入

従業員に関する条件

従業員が社会保険に加入するためには、労働時間や賃金、雇用期間などに関する条件を満たす必要があります。

これらの条件は、正社員だけでなくパートやアルバイトにも適用されるため、注意が必要です。

社会保険の加入条件が複雑でよくわからない…

社会保険への加入は、週の労働時間や収入、雇用形態によって条件が異なります。

従業員に関する条件	内容
週の所定労働時間	20時間以上であること
月額賃金	8.8万円以上であること（基本給および諸手当）
雇用期間	2ヶ月を超えて雇用される見込みがあること
学生	学生ではないこと（休学中、定時制・通信制課程の学生は対象）
その他	2024年10月からは、従業員51人以上の企業に勤務していること（短時間労働者の場合）

社会保険の加入条件は複雑ですが、適用事業所の種類と従業員に関する条件を理解することで、自身が加入できるかどうかを判断できます。

ご不明な点があれば、会社の担当部署や年金事務所に相談することをおすすめします。

社会保険加入条件：パート・アルバイトの場合

社会保険への加入は、自身の働き方によって大きく変わるため、条件をしっかりと理解することが重要です。

以下では、パートやアルバイトの方が社会保険に加入するための具体的な条件を解説します。

特に、2025年10月からの変更点については、働くすべての方が知っておくべき重要な情報です。

週の所定労働時間

社会保険の加入条件として、週の所定労働時間が20時間以上であることが必要です。

ここで重要なのは、「所定労働時間」とは雇用契約書や就業規則に定められた労働時間を指すという点です。

雇用契約で週19時間と定められているけど、実際は週25時間働いている場合はどうなるの？

実際の労働時間ではなく、雇用契約上の労働時間で判断されます。

月額賃金

社会保険に加入するためには、月額賃金が8.8万円以上である必要があります。

この月額賃金には、基本給だけでなく、通勤手当や役職手当なども含まれます。

月額8.8万円に交通費や残業代は含まれるの？

交通費は含まれますが、残業代は含まれません。

雇用期間

社会保険の加入には、2ヶ月を超える雇用見込みがあることも条件の一つです。

2ヶ月以内の短期契約でも、更新される可能性がある場合は加入できる？

雇用契約が更新されることが明示されている場合や、過去の雇用実績から更新される可能性が高いと判断される場合には、加入対象となります。

学生の適用除外

学生は原則として社会保険の加入対象外となります。

ただし、夜間学生や通信制の学生など、一部例外も存在します。

大学に通いながらアルバイトをしているけど、社会保険に加入できる？

原則として加入できませんが、卒業が見込まれる場合は加入できる可能性があります。

2025年10月からの変更点

2025年10月からは、従業員数50人以下の企業で働くパートやアルバイトの方も、社会保険の加入対象となる可能性が出てきます。

この変更により、より多くの方が社会保険の恩恵を受けられるようになる一方で、企業側の負担も増加するため、注意が必要です。

項目	2024年9月まで	2025年10月以降
社会保険適用事業所の従業員規模	従業員数51人以上の企業	従業員数50人以上の企業
加入条件（短時間労働者）	週の所定労働時間20時間以上月額賃金8.8万円以上 2ヶ月を超える雇用見込み学生でない	週の所定労働時間20時間以上月額賃金8.8万円以上 2ヶ月を超える雇用見込み学生でない

社会保険の加入条件は複雑に見えますが、ご自身の働き方や雇用条件を照らし合わせることで、加入の可否を判断できます。

もしご不明な点があれば、会社の担当部署や年金事務所に相談するようにしましょう。

社会保険の種類と加入効果

社会保険は、私たちの生活を支える重要な制度です。

健康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険があり、それぞれが異なるリスクに備えるためのものです。

各保険の特徴と加入によるメリットを理解することは、将来設計において非常に重要です。

本項では、これらの保険の種類と加入によるメリットについて詳しく解説します。

健康保険

健康保険は、病気やケガに備えるための保険です。

加入することで、医療費の一部が給付されたり、傷病手当金や出産手当金が支給されたりする制度です。

これにより、医療費の自己負担を軽減し、安心して医療を受けられます。

健康保険ってどんな時に役立つの？

病気やケガで病院に行った時や、出産で会社を休む時に役立つんだ

項目	内容
保険給付	医療費の一部負担（通常3割）
傷病手当金	業務外の病気やケガで会社を休んだ場合、4日目から最大1年6ヶ月、給与の2/3相当額が支給
出産手当金	出産のため会社を休んだ場合、出産日の42日前から出産日後56日目まで、給与の2/3相当額が支給

厚生年金保険

厚生年金保険は、老後の生活を支えるための年金制度です。

国民年金に上乗せして給付されるため、老後の生活設計において重要な役割を果たします。

また、障害を負った場合や、加入者が亡くなった場合には、障害年金や遺族年金が支給されるため、万が一の際にも安心です。

厚生年金って、国民年金とどう違うの？

厚生年金は、国民年金に上乗せされる年金で、将来もらえる年金額が増えるんだ

項目	内容
老齢厚生年金	老齢基礎年金に上乗せして支給
障害厚生年金	病気やケガで障害を負った場合に支給
遺族厚生年金	加入者が亡くなった場合に遺族に支給

介護保険

介護保険は、介護が必要になった場合にサービスを利用するための保険です。

40歳以上から加入し、介護が必要になった場合に、介護サービス費用の補助を受けることができます。

高齢化が進む日本において、介護保険の重要性はますます高まっています。

介護保険って、40歳にならないと入れないの？

原則として40歳以上が加入対象で、介護が必要になった場合にサービスを利用できるんだ

項目	内容
加入年齢	40歳以上
保険給付	介護サービス費用の補助
利用条件	介護が必要と認定された場合

労災保険と雇用保険

労災保険と雇用保険は、労働者を守るための保険です。

労災保険は、業務中の事故や病気に対して補償を行い、雇用保険は、失業した場合に失業給付金が支給される制度です。

労働者の生活と雇用を安定させるために、これらの保険は重要な役割を果たします。

労災保険と雇用保険って、どんな時に役立つの？

労災保険は仕事中のケガや病気に、雇用保険は失業した時に役立つんだ

項目	内容
労災保険	業務中の事故や病気に対する補償
雇用保険	失業した場合の失業給付金支給
加入条件	雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上、31日以上の雇用見込みがある場合に加入

加入によるメリット

社会保険への加入は、将来の安心と安定につながる多くのメリットがあります。

医療費の負担軽減、年金の増額、失業時の給付金など、様々なリスクに備えることができます。

また、企業にとっても、従業員の福利厚生を充実させることで、人材の確保や定着につながります。

メリット	内容
医療費の負担軽減	健康保険による医療費の自己負担額の軽減
年金の増額	厚生年金保険による老後の年金受給額の増加
障害年金・遺族年金	厚生年金保険による障害年金や遺族年金の支給
失業時の給付金	雇用保険による失業給付金の支給

社会保険の種類と加入効果を理解することで、将来の生活設計をより具体的に考えることができます。

各保険制度を上手に活用し、安心できる生活を送りましょう。

よくある質問（FAQ）

社会保険の加入条件で、週の労働時間が20時間未満の場合はどうなりますか？

週の所定労働時間が20時間未満の場合、原則として社会保険の加入対象にはなりません。

ただし、実際の労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上となり、今後も同様の状態が続く見込みがある場合は、3ヶ月目から加入が必要になることがあります。

月額賃金8.8万円に、交通費や残業代は含まれますか？

月額賃金8.8万円には、基本給と通勤手当などの諸手当が含まれます。

残業代や臨時の賃金は含まれません。

2ヶ月以内の短期契約でも、社会保険に加入できるケースはありますか？

2ヶ月以内の短期雇用契約であっても、契約更新が明示されている場合や、過去の雇用実績から更新される可能性が高いと判断される場合は、社会保険の加入対象となる可能性があります。

学生でも社会保険に加入できますか？

原則として、学生（夜間や通信制の学生は除く）は社会保険の加入対象外です。

ただし、卒業が見込まれる場合や、休学中の場合は加入できる可能性があります。

2025年10月からの社会保険の変更点は何ですか？

2025年10月からは、従業員数50人以下の企業で働くパートやアルバイトの方も、一定の条件を満たせば社会保険の加入対象となる可能性があります。

具体的には、週の所定労働時間が20時間以上、月額賃金が8.8万円以上、2ヶ月を超える雇用見込みがあることなどが条件となります。

社会保険に加入すると、どのようなメリットがありますか？

社会保険に加入すると、健康保険による医療費の負担軽減、厚生年金保険による老後の年金受給額の増加、障害を負った場合の障害年金、遺族厚生年金、失業した場合の失業給付金の支給など、さまざまなメリットがあります。

まとめ

社会保険の加入条件は複雑ですが、本記事では、パートやアルバイトの方でも社会保険に加入できる条件についてわかりやすく解説しました。

2025年10月からの変更点についても触れています。

適用事業所の種類と条件
従業員に関する条件（労働時間、賃金、雇用期間など）
パート・アルバイトの社会保険加入条件
社会保険の種類と加入効果

ご自身の働き方や雇用条件を照らし合わせ、社会保険への加入資格があるかどうかを確認してみましょう。