社会保険給付金｜協会けんぽから賢く給付金を受け取る方法

協会けんぽの給付金は、病気やケガ、出産、育児で収入が減少した場合の強い味方です。

どんな給付金があるのか、どうすれば受け取れるのか知っておけば、万が一の時に安心です。

協会けんぽの給付金制度は、私たちの生活を様々な面からサポートしてくれます。

しかし、種類が多くて申請方法も複雑なので、自分に必要な給付金がどれなのか、どうすればスムーズに受け取れるのかわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事でわかること

協会けんぽ給付金 賢く受け取る方法

協会けんぽの給付金は、病気やケガ、出産、育児などで働けなくなった場合に生活を支える重要な制度です。

給付金の種類や申請方法を知っておくことで、万が一の際に経済的な不安を軽減できます。

以下では、社会保険給付金制度の概要、協会けんぽが提供する給付金の種類、給付金受給で生活をサポートについて解説します。

各見出しを参考に、ご自身が利用できる給付金がないか確認しましょう。

社会保険給付金制度の概要

社会保険給付金制度とは、会社員や公務員が加入する社会保険から、病気、ケガ、出産、育児、介護、休業、失業などの際に給付金が支給される制度のことです。

社会保険には、主に健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5種類があります。

これらの保険制度は、加入者の生活を支えるために、様々な給付金を提供しています。

協会けんぽが提供する給付金の種類

協会けんぽ（全国健康保険協会）は、主に中小企業の従業員とその家族を対象とした医療保険です。

協会けんぽでは、以下のような給付金を提供しています。

給付金の種類	概要
療養の給付	病気やケガで医療機関を受診した際の医療費を補助
傷病手当金	病気やケガで働くことができなくなった期間の生活費を補助
出産育児一時金	出産にかかる費用を補助
出産手当金	出産のために休業した期間の生活費を補助
埋葬料	被保険者が亡くなった際の葬祭費用を補助

給付金受給で生活をサポート

協会けんぽの給付金は、病気やケガ、出産、育児などで収入が減少した場合の生活を支えるために重要な役割を果たします。

たとえば、傷病手当金は、病気やケガで働くことができなくなった場合に、最長1年6ヶ月間、給与の約3分の2に相当する金額が支給されます。

また、出産育児一時金は、出産にかかる費用の一部を補助することで、経済的な負担を軽減します。

給付金を活用することで、安心して療養や育児に専念できるでしょう。

協会けんぽ給付金の種類と申請方法

協会けんぽの給付金は、病気やケガ、出産、育児など、様々な状況で加入者をサポートする制度です。

以下では、協会けんぽが提供する主な給付金の種類と、それぞれの申請方法について解説します。

ご自身の状況に合わせて、必要な給付金をしっかりと確認し、申請手続きを進めてください。

各給付金の詳細については、以下の見出しで具体的な内容を解説しています。

病気やケガで休業した場合

病気やケガで働くことができなくなった場合、傷病手当金という制度を利用できます。

傷病手当金は、病気やケガのために会社を休み、給与を受け取れない場合に、生活を保障する重要な給付金です。

支給を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

項目	内容
受給要件	業務外の病気やケガ、労務不能、給与の未払い、連続する3日間の休業
支給額	休業前の標準報酬日額の3分の2相当額
支給期間	最長1年6ヶ月
申請方法	医師の診断書と事業主の証明書を添付して、協会けんぽに申請
注意点	申請が遅れると、時効により給付金を受け取れなくなる可能性があるため、早めに手続きを行う

出産や育児で休業した場合

出産や育児のために休業する場合、出産育児一時金や出産手当金といった給付金が支給されます。

これらの給付金は、出産費用の負担を軽減したり、休業中の生活をサポートしたりすることを目的としています。

安心して出産・育児に専念できるよう、積極的に活用しましょう。

項目	出産育児一時金	出産手当金
目的	出産費用の補助	出産のために休業した期間の生活保障
支給額	1児につき50万円（産科医療補償制度加入医療機関で出産の場合）	休業前の標準報酬日額の3分の2相当額
支給期間	–	出産日以前42日から出産日の翌日以降56日までの範囲内
申請方法	協会けんぽに申請	協会けんぽに申請
必要書類	出産費用明細書、領収書など	医師または助産師の証明書、出勤状況に関する事業主の証明書など

その他の給付金

上記以外にも、協会けんぽでは様々な給付金が用意されています。

例えば、高額療養費は、医療費の自己負担額が高額になった場合に、その一部が払い戻される制度です。

また、埋葬料は、被保険者が亡くなった際に、葬祭費用の一部を補助するものです。

これらの給付金も、万が一の際に大きな助けとなります。

給付金名	概要
高額療養費	1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分が払い戻される。
埋葬料（費）	被保険者が死亡した場合に、埋葬を行う人に支給される。
移送費	病気やケガにより、歩行困難な患者が転院などの理由で移送された場合に支給。
療養費	やむを得ない理由で保険証を使わずに医療機関を受診した場合や、コルセットなどの治療用装具を作成した場合に、後から医療費の払い戻しを受けることができる。

協会けんぽの給付金制度は、私たちの生活を様々な面からサポートしてくれます。

病気やケガ、出産、育児など、予期せぬ出来事が起こった際には、ぜひこれらの制度を活用し、安心して生活を送ってください。

協会けんぽ給付金 申請の流れと注意点

協会けんぽの給付金は、申請書類の準備が非常に重要です。

不備があると給付が遅れる可能性があるため、慎重に進める必要があります。

この章では、給付金を受け取るための具体的な手順と、申請時に注意すべきポイントについて解説します。

申請書類の準備、申請から給付までの期間、申請時の注意点とポイントについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

これらの情報を把握することで、スムーズな給付金受給を実現できます。

申請書類の準備

申請書類を準備する際には、協会けんぽのウェブサイトから最新の申請書をダウンロードすることが不可欠です。

古い様式を使用すると、申請が受理されない場合があります。

申請に必要な書類は、給付金の種類によって異なります。

給付金の種類	必要な書類
傷病手当金	傷病手当金支給申請書、医師の診断書、事業主の証明書
出産育児一時金	出産育児一時金支給申請書、出生証明書、母子健康手帳
高額療養費	高額療養費支給申請書、医療機関の領収書
療養費（立替払等）	療養費支給申請書、医療機関の領収書、診療内容明細書
埋葬料（費）	埋葬料（費）支給申請書、死亡診断書、火葬許可証
健康保険移送費	健康保険移送費支給申請書、医師の指示書、移送にかかった費用の領収書
海外療養費	海外療養費支給申請書、診療内容明細書（翻訳）、領収明細書（翻訳）、パスポートのコピー
年間の高額療養費	年間の高額療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書、医療機関の領収書
高額介護合算療養費	高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書、医療機関・介護保険サービスの領収書
限度額適用認定	限度額適用認定申請書
限度額適用・標準負担額減額認定	限度額適用・標準負担額減額認定申請書
特定疾病療養受療証交付	特定疾病療養受療証交付申請書
被保険者資格喪失等証明書	被保険者資格喪失等証明書交付申請書

申請書類に不備があると、協会けんぽから追加書類の提出を求められることがあります。

不備を防ぐためには、申請書を提出する前に、記入漏れや誤りがないか、必要な書類がすべて揃っているかを入念に確認することが重要です。

申請から給付までの期間

申請から給付までの期間は、通常1ヶ月程度かかります。

ただし、申請書類に不備があった場合や、協会けんぽの審査状況によっては、さらに時間がかかることがあります。

給付金の入金状況を確認する方法は、主に2つあります。

給付金の振込が遅れている場合は、以下の点を確認しましょう。

これらの点を確認しても状況が改善されない場合は、協会けんぽに直接問い合わせるのが確実です。

問い合わせる際には、申請日、申請した給付金の種類、被保険者証の番号などを伝えると、スムーズに状況を把握してもらえます。

申請時の注意点とポイント

申請時には、申請期限に注意する必要があります。

各給付金には申請期限が設けられており、期限を過ぎると申請が受理されなくなる場合があります。

申請書類を郵送する際には、配達記録が残る方法（簡易書留など）を利用すると安心です。

これにより、万が一、郵送事故が発生した場合でも、申請状況を追跡できます。

注意点	詳細
申請期限の確認	各給付金には申請期限が設けられています。協会けんぽのウェブサイトや申請書で期限を確認し、必ず期限内に申請しましょう。
申請書類の再確認	申請書類に記入漏れや誤りがないか、必要な書類がすべて揃っているかを、提出前に必ず確認しましょう。
郵送時の注意	申請書類を郵送する際には、配達記録が残る方法（簡易書留など）を利用すると安心です。
マイナンバーの記載	申請書にマイナンバーの記載が必要な場合があります。マイナンバーを記載する際には、間違いがないように注意しましょう。
協会けんぽからの問い合わせへの対応	申請後、協会けんぽから内容確認や追加書類の提出を求められる場合があります。速やかに対応することで、給付までの期間を短縮できます。
偽サイトや詐欺に注意	協会けんぽを装った偽サイトや詐欺にご注意ください。不審なメールや電話があった場合は、協会けんぽに確認しましょう。
申請代行サービスについて	申請手続きが不安な場合は、社会保険労務士などの専門家に申請代行を依頼することもできます。ただし、代行費用が発生するため、費用対効果を検討しましょう。
協会けんぽへの相談	申請に関して不明な点がある場合は、協会けんぽの相談窓口に問い合わせましょう。電話や窓口で相談できます。
関連機関への相談	給付金に関する相談は、協会けんぽだけでなく、お住まいの自治体の窓口でも受け付けている場合があります。自治体のウェブサイトや広報誌で確認してみましょう。
情報収集	給付金に関する情報は、常に最新のものに更新されます。協会けんぽのウェブサイトや関連機関の情報を定期的に確認し、最新の情報を把握するように心がけましょう。

これらの注意点とポイントを踏まえることで、協会けんぽの給付金申請をスムーズに進め、確実に給付金を受け取ることができます。

協会けんぽ おすすめ給付金の活用

協会けんぽには、加入者の生活を支えるための様々な給付金制度があります。

これらの給付金は、病気やケガ、出産など、予期せぬ事態に直面した際に経済的な負担を軽減してくれます。

以下では、特におすすめの3つの給付金について、その内容と活用方法を詳しく解説します。

傷病手当金は休業中の生活を支え、出産育児一時金は出産費用の負担を軽減し、高額療養費は医療費の自己負担を軽減します。

傷病手当金：休業中の生活を支える

傷病手当金とは、病気やケガのために会社を休み、給与を受け取ることができなくなった場合に支給される給付金のことです。

具体的には、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

傷病手当金の支給条件	内容
1. 業務外の事由による病気やケガであること	仕事中や通勤途中の事故による病気やケガは、労災保険の対象となります。
2. 仕事に就くことができない状態であること	病気やケガのために、今まで行っていた仕事を行うことができない状態である必要があります。
3. 連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと	最初の3日間は「待期期間」となり、傷病手当金は支給されません。4日目から支給対象となります。
4. 給与の支払いがないこと	休業中に給与が支払われている場合は、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の額が傷病手当金よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

傷病手当金は、最長で1年6ヶ月間支給されます。

病気やケガで働けなくなった場合に、生活を支える重要な給付金です。

出産育児一時金：出産費用の負担を軽減

出産育児一時金とは、被保険者が出産した際に、出産費用を補助するために支給される給付金のことです。

出産は、人生における大きな出来事ですが、同時にお金もかかります。

出産育児一時金は、そのような経済的な負担を軽減してくれる制度です。

出産育児一時金の支給額	内容
産科医療補償制度加入機関	1児につき50万円
それ以外の医療機関	1児につき48.8万円

出産育児一時金は、直接支払制度を利用することで、医療機関への支払いを自身で行う必要がなくなります。

出産費用が50万円（または48.8万円）に満たない場合は、その差額が協会けんぽから被保険者に支給されます。

高額療養費：医療費負担を軽減

高額療養費とは、医療機関で支払った医療費が、自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額を払い戻してくれる制度のことです。

医療費の自己負担額は、年齢や所得によって異なります。

たとえば、70歳未満の方で、標準報酬月額が28万円～53万円の場合、自己負担限度額は80,100円＋（医療費－267,000円）×1%となります。

所得区分	自己負担限度額
ア：標準報酬月額83万円以上	252,600円＋（医療費－842,000円）×1%
イ：標準報酬月額53万円～79万円	167,400円＋（医療費－558,000円）×1%
ウ：標準報酬月額28万円～53万円	80,100円＋（医療費－267,000円）×1%
エ：標準報酬月額28万円未満	57,600円
オ：区分ア～エ以外（低所得者など）	35,400円

高額療養費制度を利用することで、医療費の負担を大幅に軽減することができます。

協会けんぽの給付金制度を理解し、活用することで、安心して生活を送ることができます。

それぞれの給付金には、申請条件や申請方法がありますので、事前に確認しておくことが大切です。

給付金に関する相談窓口と情報収集

社会保険給付金に関する疑問や不安を解消するために、適切な相談窓口を知っておくことが重要です。

円滑な申請手続きや受給のためにも、各窓口の特徴を理解し、自分に合った相談先を見つけましょう。

ここでは、協会けんぽの相談窓口、社会保険労務士への相談、関連情報サイトの紹介をします。

それぞれの窓口の特徴を把握することで、安心して給付金に関する手続きを進められます。

協会けんぽの相談窓口

協会けんぽは、加入者からの社会保険給付金に関する相談に対応する窓口を設けています。

電話相談では、給付金の申請条件や必要書類、手続きの流れなどについて、具体的なアドバイスを受けることが可能です。

全国各地に支部があるため、お住まいの地域を管轄する支部に問い合わせましょう。

対面での相談を希望する場合は、事前に予約が必要な場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

社会保険労務士への相談

社会保険労務士（社労士）は、社会保険や労務に関する専門家であり、給付金に関する相談も対応しています。

社会保険給付金の制度に精通しているため、複雑なケースや専門的な知識が必要な場合に頼りになります。

相談は有料となる場合がありますが、個別の状況に合わせた詳細なアドバイスや、申請代行などのサポートを受けることが可能です。

社労士事務所によっては、初回相談を無料としている場合もあるため、事前に確認してみましょう。

関連情報サイトの紹介

社会保険給付金に関する情報は、協会けんぽの公式サイトや、政府が運営するWebサイトなどでも確認できます。

これらのサイトでは、給付金の種類や申請方法、受給資格などが詳しく解説されています。

制度の概要を把握したり、最新情報を収集したりするのに役立ちます。

よくある質問（FAQ）

傷病手当金はどのような場合に受給できますか？

業務外の病気やケガで働くことができず、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった場合、給与の支払いがない場合に受給できます。

出産育児一時金はいくらもらえますか？

2023年4月1日以降の出産の場合、1児につき50万円が支給されます（産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合は48.8万円）。

高額療養費制度を利用すると、医療費はどのくらい払い戻されますか？

70歳未満で標準報酬月額が28万円～53万円の場合、自己負担限度額は80,100円＋（医療費－267,000円）×1%となり、超えた金額が払い戻されます。

協会けんぽの給付金について相談したい場合、どこに連絡すれば良いですか？

協会けんぽでは、加入者からの相談に対応する窓口を設けています。

電話または対面で相談できますが、事前に予約が必要な場合があるため、確認することをおすすめします。

給付金の申請書類に不備があった場合、どうすれば良いですか？

協会けんぽから追加書類の提出を求められることがあります。

不備を防ぐためには、申請書を提出する前に記入漏れや誤りがないか、必要な書類がすべて揃っているかを入念に確認することが重要です。

申請してから給付金が振り込まれるまで、どのくらい時間がかかりますか？

通常1か月程度かかります。

ただし、申請書類に不備があった場合や、協会けんぽの審査状況によっては、さらに時間がかかることがあります。

まとめ

協会けんぽの給付金は、病気やケガ、出産、育児で収入が減少した場合に生活を支える重要な制度です。

この記事を参考に、ご自身が利用できる給付金がないか確認して、協会けんぽの給付金を賢く活用しましょう。