定年退職｜失業保険のもらい方【完全ガイド】損しない手続きを解説

定年退職後の生活を支える失業保険は、退職後の収入源として重要な役割を果たします。

「退職後の生活費が心配だな」と感じている方は、ぜひ確認してください。

受給には条件があり、年齢や退職理由によって給付内容が異なるため、事前の確認が大切です。

この記事では、定年退職後の失業保険受給に関する情報をまとめ、受給の必要条件、加入期間と年齢の要件、再就職の意思と能力について詳しく解説します。

これらの情報を理解することで、失業保険をスムーズに受給し、安心して再就職活動に臨めるでしょう。

この記事でわかること

定年退職後の失業保険受給｜手続きと注意点

定年退職後の生活を支える上で、失業保険は重要な収入源となります。

「退職後の生活費が心配だな」と感じている方は、ぜひ確認してください。

失業保険の受給には条件があり、年齢や退職理由によって給付内容が異なります。

以下に、定年退職後の失業保険受給に関する情報をまとめました。

特に、受給の必要条件、加入期間と年齢の要件、再就職の意思と能力について詳しく解説します。

定年退職後の失業保険受給の必要条件

失業保険（雇用保険の基本手当）を受給するためには、失業の状態にあることが最も重要な条件です。

「失業の状態」とは、働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態を指します。

失業保険を受給するための具体的な条件は以下のとおりです。

条件	内容
離職理由	倒産・解雇、または定年退職など、再就職を希望しているにもかかわらず離職した場合。
雇用保険の加入期間	離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること。
年齢	65歳未満であること。
就労の意思と能力	積極的に再就職活動を行う意思があり、すぐに就職できる能力があること。
求職活動	ハローワークでの求職申し込みを行い、積極的に求職活動を行っていること。
その他	過去3年以内に不正受給をしていないことや、受給資格決定日から1年以内に所定給付日数を受給できることなどがあります。

再就職の意思と能力を示すためには、ハローワークでの求職活動が不可欠です。

求職活動の実績として、求人への応募や職業相談などが挙げられます。

加入期間と年齢の要件

失業保険を受給するためには、雇用保険への加入期間と年齢が重要な要件となります。

これらの要件を満たしているかどうかで、受給資格の有無や受給できる期間が変わってきます。

具体的な要件は以下のとおりです。

項目	内容
雇用保険加入期間	離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上必要。
年齢	65歳未満である必要がある。
65歳以上の場合	高年齢求職者給付金という一時金が支給される。

64歳11ヶ月で退職した場合、失業保険の基本手当を受給できますが、65歳以上で退職した場合は、高年齢求職者給付金という一時金が支給されます。

高年齢求職者給付金は、基本手当よりも給付額が少なくなる可能性があります。

再就職の意思と能力

失業保険を受給するためには、再就職の意思と能力があることが不可欠です。

「働く意欲はあるけれど、年齢的に難しいかな…」と不安に感じる方もいるかもしれません。

再就職の意思と能力があると認められるためには、以下の点が重要です。

項目	内容
求職活動の実績	ハローワークでの求職登録、求人への応募、面接への参加、職業訓練の受講など、積極的に再就職に向けた活動を行っていること。
健康状態	就職を希望する職種に必要な健康状態を維持していること。
職業能力	就職を希望する職種に必要な知識やスキルを持っていること。
居住状況	すぐに就職できる場所に居住していること。
年齢	65歳未満であること。65歳以上でも高年齢求職者給付金を受給できる場合があります。
その他	過去の職務経歴や資格、免許なども、再就職の意思と能力を判断する上で考慮されます。

これらの要素を総合的に判断し、ハローワークが再就職の意思と能力があると認めた場合、失業保険の受給資格が得られます。

失業保険受給までの流れ｜ハローワーク手続き

失業保険の受給には、ハローワークでの手続きが不可欠です。

必要な書類の準備から求職の申し込み、そして受給資格の決定まで、一連の流れを理解しておくことで、スムーズな受給につながります。

以下に、各ステップの概要を説明しますので、該当箇所を確認しましょう。

必要な書類と準備

失業保険の申請には、いくつかの必要な書類があります。

スムーズな手続きのためにも、事前にしっかりと準備しておきましょう。

書類名	内容	入手先
離職票	会社から発行される、退職理由や賃金が記載された書類	会社
雇用保険被保険者証	雇用保険に加入していることを証明する書類	会社またはハローワーク
本人確認書類	運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど	–
印鑑	シャチハタは不可	–
写真（2枚）	縦3cm×横2.5cm	–
預金通帳またはキャッシュカード	本人名義のもの。一部指定できない金融機関があります。	–
マイナンバーカード（通知カード）	マイナンバーを証明する書類	–

ハローワークでの求職申し込み

ハローワークでの求職申し込みは、失業保険を受給するための最初のステップです。

求職の申し込みを行うことで、積極的に仕事を探しているという意思表示になります。

受給資格決定と雇用保険説明会

ハローワークで求職の申し込みを行った後、受給資格の決定が行われます。

受給資格が決定すると、雇用保険説明会への参加が求められます。

失業保険の受給は、ハローワークでの手続きが不可欠です。

必要な書類を準備し、求職の申し込みを行い、雇用保険説明会に参加することで、スムーズな受給につながります。

失業保険受給中の注意点｜年金とアルバイト

失業保険を受給しながら年金を受け取る場合、年金の種類や金額によって受給額が調整される可能性があるため注意が必要です。

また、アルバイトをする場合は、収入額を申告する必要があります。

以下に、年金とアルバイトに関する注意点を詳しく解説します。

老齢厚生年金との調整

老齢厚生年金は、原則として65歳から受給できますが、特別支給の老齢厚生年金は、65歳になる前に受給できる場合があります。

項目	内容
特別支給の老齢厚生年金	65歳になる前に受給できる老齢厚生年金。
失業保険との併給	原則として、特別支給の老齢厚生年金と失業保険は併給できません。失業保険を受給すると、特別支給の老齢厚生年金の支給が停止されます。
老齢基礎年金	65歳から受給できる老齢年金。
老齢基礎年金と失業保険の併給	繰り上げ受給している場合、老齢基礎年金の一部が失業保険と併給できる場合があります。
高年齢求職者給付金	65歳以上が対象の一時金。
年金との併給	老齢年金との併給が可能です。

老齢厚生年金と失業保険の調整について、さらに詳しく知りたい場合は、ハローワークや年金事務所に相談することをオススメします。

受給中のアルバイトと収入申告

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合は、アルバイト収入が一定額を超えると、失業保険の受給額が減額、または支給停止になることがあります。

アルバイトをする際には、以下の点に注意が必要です。

項目	内容
労働時間	1週間の労働時間が20時間未満であること。20時間以上働く場合は、雇用保険に加入する必要があり、失業保険の受給資格を失う可能性があります。
収入	1日のアルバイト収入が、基本手当日額（失業保険の日額）の80％を超えないこと。超えた場合、その日の失業保険は支給されません。
申告	アルバイトをした日、労働時間、収入額を、必ずハローワークに申告すること。申告を怠ると、不正受給とみなされる可能性があります。
自己都合退職の場合	待機期間満了後、1ヶ月間の給付制限期間が設けられていますが、アルバイト収入が基本手当日額の80％を超えると、給付制限期間が延長されることがあります。
その他	アルバイトの内容によっては、就職しているとみなされる場合があります。例えば、自営業を始めたり、長期のアルバイトをしたりする場合は、事前にハローワークに相談しましょう。

アルバイトをする際には、事前にハローワークに相談し、受給に影響がないか確認することをオススメします。

不正受給のリスクとペナルティ

失業保険の不正受給は、意図的に収入を隠したり、求職活動を行っていないのに行ったと偽ったりした場合に該当します。

不正受給が発覚した場合、以下のペナルティが科せられる可能性があります。

項目	内容
返還命令	不正に受給した失業保険の全額を返還しなければなりません。
納付命令	返還命令に加え、不正受給額の2倍に相当する金額を納付しなければなりません。つまり、不正受給額の3倍の金額を支払う必要があります。
刑事告発	悪質なケースでは、詐欺罪で刑事告発される可能性があります。詐欺罪で有罪判決を受けた場合、懲役や罰金が科せられることがあります。
受給資格喪失	今後の失業保険の受給資格を失う可能性があります。

不正受給は、絶対にやめましょう。

定年退職後の生活設計｜失業保険活用術

定年退職後の生活設計において失業保険の活用は、経済的な安定をもたらす重要な要素です。

失業保険を賢く活用することで、退職後の収入源を確保し、再就職までの期間を安心して過ごせます。

以下では、退職後の収入源の確保、失業保険受給期間中の過ごし方、再就職支援制度の活用について解説します。

それぞれの情報を参考に、ご自身の状況に合わせた生活設計を立ててみましょう。

退職後の収入源確保

退職後の生活を支えるためには、失業保険だけでなく、多様な収入源を確保することが重要です。

失業保険は、再就職までの期間を支える一時的な収入源となりますが、それだけに頼るのではなく、退職金、年金、貯蓄、投資など、複数の収入源を組み合わせることで、より安定した生活を送ることが可能です。

失業保険受給期間中の過ごし方

失業保険の受給期間中は、ただ待っているだけでなく、積極的に再就職に向けた活動を行うことが大切です。

ハローワークの職業訓練を受講したり、求職活動を行ったりすることで、再就職の可能性を高められます。

また、受給期間中は、アルバイトなどの収入にも注意が必要です。

収入額によっては、失業保険の給付が減額される可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

再就職支援制度の活用

再就職を目指す際には、ハローワークや民間の再就職支援会社が提供する様々な制度を積極的に活用しましょう。

これらの制度を活用することで、自分のスキルや経験に合った仕事を見つけやすくなります。

また、企業によっては、中高年向けの採用枠を設けている場合もあります。

積極的に情報収集を行い、再就職のチャンスを掴みましょう。

確実に受給するための準備｜早期相談の重要性

定年退職後の失業保険を確実に受給するためには、早期からの準備が不可欠です。

退職後の生活設計をスムーズに進めるためには、事前にハローワークや専門家への相談が大切です。

早期相談で、受給資格や手続きの流れ、注意点などを把握しておきましょう。

退職前のハローワーク相談

退職前にハローワークへ相談することで、失業保険の受給資格の有無や、必要な手続きについて具体的に確認できます。

専門家への相談も検討

社会保険労務士などの専門家への相談も有効です。

専門家は、個々の状況に合わせたアドバイスや手続きのサポートを提供してくれます。

計画的な手続きで安心の老後

計画的な手続きを行うことで、失業保険をスムーズに受給し、安心した老後を送ることができます。

事前の準備と計画的な手続きが、スムーズな失業保険の受給につながります。

よくある質問（FAQ）

定年退職後、失業保険以外に受け取れるお金はありますか？

退職金や企業年金のほか、加入している生命保険によっては満期保険金を受け取れる場合があります。

また、退職後の働き方によっては、再就職手当や就業促進定着手当なども受け取れる可能性があります。

失業保険の受給期間中に、病気やケガで働けなくなった場合はどうなりますか？

病気やケガで15日以上働けなくなった場合は、受給期間の延長が可能です。

ハローワークに申し出て、受給期間延長の手続きを行ってください。

失業保険を受給しながら、職業訓練を受けることはできますか？

ハローワークが認めた職業訓練を受講する場合は、失業保険に加えて、訓練手当や通所手当が支給される場合があります。

積極的に職業訓練を活用し、再就職に役立てましょう。

失業保険の受給中に、再就職が決まった場合はどうすればいいですか？

再就職が決まったら、ハローワークに報告してください。

再就職手当が支給される場合があります。

また、再就職先で雇用保険に加入することで、将来の失業に備えることができます。

失業保険の申請後、受給開始までにどれくらいの期間がかかりますか？

通常、ハローワークで求職の申し込みをしてから約1ヶ月後に最初の失業認定を受け、その後、失業保険が振り込まれます。

ただし、自己都合退職の場合は、給付制限期間が設けられるため、受給開始までさらに時間がかかる場合があります。

失業保険の受給資格を有利にするために、退職日を調整することは可能ですか？

64歳11ヶ月で退職すると失業保険の基本手当を受給できますが、65歳以上で退職すると高年齢求職者給付金という一時金が支給されます。

高年齢求職者給付金は、基本手当よりも給付額が少なくなる可能性があるため、退職日を調整することで、失業保険を有利に受給できる場合があります。

まとめ

定年退職後の失業保険受給は、退職後の生活を支える重要な収入源となります。

受給条件を満たし、必要な手続きを行うことで、安心して再就職活動に臨めるでしょう。

失業保険を確実に受給するためには、早期からの準備が大切です。

まずはハローワークに相談し、ご自身の状況に合わせたアドバイスを受けることをおすすめします。