退職後｜任意継続と国民健康保険どっちが得？損しないための比較ポイント

退職後の健康保険選びは、将来の生活設計に大きく影響するため、慎重な検討が不可欠です。

任意継続と国民健康保険という二つの選択肢に焦点を当て、保険料、扶養、給付、手続きという4つの重要な側面から比較検討し、後悔のない選択を実現しましょう。

任意継続と国民健康保険は、加入条件、保険料の計算方法、給付内容など、多くの点で異なります。

それぞれの制度を理解することで、ご自身の状況に合った選択をすることが可能です。

退職後の健康保険選び保険料・扶養・給付・手続きで比較検討を

退職後の健康保険選びは、将来の生活設計に大きく影響するため、慎重な検討が不可欠です。

ここでは、任意継続と国民健康保険という二つの選択肢に焦点を当て、それぞれの違いを明確にすることで、みなさんの最適な選択をサポートします。

保険料、扶養、給付、手続きという4つの重要な側面から比較検討し、後悔のない選択を実現しましょう。

任意継続と国民健康保険の違いを理解する重要性

任意継続と国民健康保険は、加入条件、保険料の計算方法、給付内容など、多くの点で異なります。

それぞれの制度を理解することで、ご自身の状況に合った選択をすることが可能です。

たとえば、オリックスグループ健康保険組合では高額療養費制度や付加給付が充実しています。

保険料シミュレーションで比較検討する重要性

保険料は、任意継続と国民健康保険を選ぶ上で最も重要な要素の一つです。

将来の収入や家族構成を考慮し、両方の保険料をシミュレーションすることで、どちらが経済的に有利か判断できます。

世田谷区在住の40歳未満・独身の方の場合、年収250万円であれば国民健康保険の方が年間約3万円安いというデータがあります。

加入後のライフプランを考慮する重要性

健康保険は、加入後のライフプランにも大きな影響を与えます。

将来の収入、家族構成の変化、病気やケガのリスクなどを考慮し、長期的な視点で最適な選択をすることが大切です。

以下の表を参考に、ご自身のライフプランに合った保険を選びましょう。

比較項目	任意継続	国民健康保険
保険料	退職時の標準報酬月額を基に算出	前年の所得に応じて算出
扶養家族	扶養可能	個別加入
給付内容	加入していた健康保険組合に準拠	法定給付のみ
加入期間	最長2年間	制限なし

任意継続と国民健康保険4つの比較ポイント

退職後の健康保険を選ぶ際、任意継続と国民健康保険のどちらがお得かは一概には言えません。

保険料、扶養家族、給付内容、手続きの違いを比較し、ご自身の状況に合った選択をしましょう。

ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。

保険料の違い任意継続は上限あり国民健康保険は所得で変動

任意継続と国民健康保険では、保険料の計算方法が異なります。

任意継続は退職時の標準報酬月額を基に算出され、国民健康保険は前年の所得に応じて変動します。

項目	任意継続	国民健康保険
計算方法	退職時の標準報酬月額	前年の所得
保険料	原則固定(※)	前年の所得に応じて変動
保険料上限	あり	なし
その他	40歳で介護保険第2号被保険者になった場合など	前年の所得が少ない場合、保険料が減額される場合がある

※40歳で介護保険第2号被保険者になった場合、65歳で介護保険第2号被保険者でなくなった場合、健康保険料率や介護保険料率に変更があった場合、標準報酬月額の上限が変更された場合、保険料率の違う都道府県に引っ越した場合は変更になる可能性があります。

扶養家族の有無国民健康保険は人数で保険料が変わらない

扶養家族がいる場合、任意継続では扶養家族分の保険料も含まれますが、国民健康保険には扶養という概念がありません。

そのため、扶養家族が多い場合は任意継続の方が保険料を抑えられる可能性があります。

項目	任意継続	国民健康保険
扶養の概念	あり	なし
保険料	扶養家族分を含む	加入者一人ひとりに保険料がかかる
家族が多い場合	保険料を抑えやすい	保険料が高くなる可能性
保険料シミュレーション（世田谷区、40歳未満、独身の場合）	年収250万円：約23.8万円	年収250万円：約20.8万円
保険料シミュレーション（世田谷区、40歳未満、既婚の場合）	要確認	要確認

給付内容の違い任意継続は手厚い場合あり国民健康保険は法定給付のみ

任意継続と国民健康保険では、給付内容に違いがあります。

任意継続は加入していた健康保険組合によって独自の給付が受けられる場合がありますが、国民健康保険は法定給付のみとなります。

項目	任意継続	国民健康保険
給付内容	法定給付に加えて、健康保険組合独自の給付を受けられる場合がある	法定給付のみ
給付例	高額療養費制度、付加給付（オリックスグループ健康保険組合など）	高額療養費制度
注意点	出産手当金や傷病手当金は支給されない	出産手当金や傷病手当金は支給されない
その他	詳細は加入していた健康保険組合に要確認	–

手続きの違い期間や必要書類を確認

任意継続と国民健康保険では、手続きの期間や必要書類が異なります。

任意継続は退職後20日以内、国民健康保険は退職後14日以内に手続きが必要です。

また、手続き場所も異なり、任意継続は加入していた健康保険組合、国民健康保険は市区町村役場となります。

項目	任意継続	国民健康保険
手続き期間	退職後20日以内	退職後14日以内
手続き場所	加入していた健康保険組合	市区町村役場
必要書類	健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、その他必要書類（加入していた健康保険組合に要確認）	健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、印鑑、マイナンバーカード
注意点	任意継続は原則として2年間加入できるが、国民健康保険には加入期間の制限はない	–
健康保険任意継続被保険者資格取得申出書	記載例：https://www.itscom.co.jp/content/dam/sites/itscom/shared/files/insurance/pdf/kenpo_07.pdf	–

任意継続という選択肢

退職後の健康保険として任意継続を選択することは、一定の条件を満たすことで可能になる選択肢です。

任意継続は、退職後も会社の健康保険に継続して加入できる制度であり、国民健康保険と比較検討することが大切です。

任意継続の加入条件、メリット・デメリット、手続き方法を理解することで、ご自身にとって最適な選択をすることができます。

任意継続について深く掘り下げて解説していきますので、それぞれの項目をご確認ください。

任意継続の加入条件と期間退職後20日以内が期限

任意継続被保険者になるには、いくつかの条件があります。

退職日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があることが必須条件です。

項目	内容
加入条件	退職日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること、75歳未満であること
手続き期限	退職日の翌日から20日以内
加入期間	最長2年間
手続き場所	加入していた健康保険組合
必要書類	健康保険任意継続被保険者資格取得申出書など
その他注意点	20日を過ぎると、任意継続の申請はできなくなる

任意継続のメリットとデメリット退職後の収入と家族構成で判断

任意継続にはメリットとデメリットが存在します。

退職後の収入や家族構成によって、どちらがお得になるかは異なります。

項目	メリット	デメリット
保険料	退職前の給与が高かった場合、保険料の上限があるため、国民健康保険より安くなる場合がある。	保険料は全額自己負担となるため、退職前よりも負担が増える場合がある。
扶養家族	国民健康保険には扶養という概念がないため、扶養家族が多い場合は、任意継続の方が保険料を抑えられる可能性がある。	保険組合によっては、国民健康保険の方が保険料が安くなる場合がある。
給付内容	加入している健康保険組合によっては、独自の給付（例えば、高額療養費の付加給付や出産手当金など）を受けられる場合がある。	任意継続では、出産手当金や傷病手当金は支給されない。
手続き	退職手続きと同時に申請できる場合があるため、手間が少ない。	退職後20日以内に手続きを行う必要がある。
加入期間	原則として2年間加入できる。	収入が大幅に減った場合でも、保険料は変わらない。

任意継続の手続き方法と注意点必要書類と申請場所を確認

任意継続の手続きは、加入していた健康保険組合で行います。

必要な書類を揃え、期限内に申請することが重要です。

項目	内容
申請場所	加入していた健康保険組合
必要書類	健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、退職を証明する書類（離職票など）
申請期限	退職日の翌日から20日以内
手続きの流れ	健康保険組合に必要書類を提出→保険料の納付方法の案内→保険料の納付
注意点	20日を過ぎると申請できない、保険料を滞納すると資格を失う、加入期間は原則2年間
健康保険料納付方法	口座振替、納付書

健康保険任意継続被保険者資格取得申出書

「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」は、任意継続の手続きに必要な書類の一つです。

この書類に必要事項を記入し、他の必要書類と合わせて健康保険組合に提出します。

項目	内容
記載事項	氏名、住所、生年月日、退職日、加入していた健康保険の種類、基礎年金番号など
入手方法	加入していた健康保険組合のウェブサイトからダウンロード、健康保険組合の窓口で入手
提出先	加入していた健康保険組合
その他注意点	記入漏れや誤りがないように注意する、不明な点は健康保険組合に問い合わせる

国民健康保険という選択肢

退職後の健康保険として国民健康保険を検討する際、加入条件や手続き方法を理解しておくことが重要です。

国民健康保険は、退職後の収入が減少した方にとって保険料が安くなる可能性があり、任意継続と並ぶ選択肢の一つとなります。

以下では、国民健康保険の加入条件、メリット・デメリット、手続き方法について解説します。

国民健康保険の加入条件と期間退職後14日以内が期限

国民健康保険は、原則としてすべての国民が加入する義務のある医療保険制度です。

会社を退職した場合、原則として、それまで加入していた健康保険（社会保険）の資格を喪失するため、国民健康保険に加入する必要があります。

項目	内容
加入条件	日本国内に住所があること、他の健康保険に加入していないこと
加入対象者	会社を退職した人、自営業者、学生、無職の人など
加入期間	加入資格が発生した日から
加入手続き期限	退職日の翌日から14日以内
備考	手続きが遅れると、資格喪失日から国民健康保険に加入するまでの期間の医療費を全額自己負担する必要がある

国民健康保険のメリットとデメリット収入減の方におすすめ

国民健康保険には、保険料が所得に応じて変動するというメリットと、扶養家族がいる場合は保険料が高くなる可能性があるというデメリットがあります。

退職後の収入が大幅に減る場合は、国民健康保険の方が保険料を抑えられる場合があります。

項目	メリット	デメリット
保険料	前年の所得に応じて保険料が決定するため、退職後の収入が減少すると保険料が安くなる可能性がある	退職後1年目の収入が増えると、翌年の保険料が上がる可能性がある。扶養家族は個別に国民健康保険に加入する必要があるため、世帯全体での保険料が上がる可能性がある
加入期間	制限なし	なし
給付内容	法定給付（医療費の7割を給付）	任意継続と比較して、給付内容が手厚くない場合がある。出産手当金や傷病手当金は支給されない
その他	収入減少に特別な事情がある場合、保険料の減免申請が可能。市区町村によっては、独自の給付制度がある	保険料の滞納が続くと、給付が制限される場合がある

国民健康保険の手続き方法と注意点市区町村役場で手続き

国民健康保険の手続きは、お住まいの市区町村役場の窓口で行う必要があります。

手続きの際には、以下のものを持参してください。

項目	内容
必要書類	健康保険資格喪失証明書（退職時に会社から発行される）、本人確認書類（運転免許証、パスポートなど）、印鑑、マイナンバーカード
手続き場所	お住まいの市区町村役場の国民健康保険窓口
手続きの流れ	窓口で申請書を受け取り、必要事項を記入して提出
注意点	手続きが遅れると、資格喪失日から国民健康保険に加入するまでの期間の医療費を全額自己負担する必要がある

状況別おすすめ健康保険

退職後の健康保険選びでは、ご自身の状況に合わせて最適な選択をすることが重要です。

収入、家族構成、将来設計によって、任意継続と国民健康保険のどちらがお得になるかは異なります。

そこで、ここでは退職後の状況別に、おすすめの健康保険を解説します。

どの健康保険を選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

退職後も高収入が見込める任意継続

退職後も当面の間、高収入が見込める場合は、任意継続がおすすめです。

任意継続は、保険料の上限があるため、国民健康保険よりも保険料を抑えられる可能性があります。

任意継続は、退職前の標準報酬月額を基に保険料が決定されますが、上限額が設定されています。

国民健康保険料は前年の所得に応じて計算されるため、高所得だった方は任意継続の方が保険料を安く抑えられるケースがあります。

扶養家族が多い任意継続

扶養家族が多い場合も、任意継続がおすすめです。

国民健康保険には扶養という概念がなく、加入者一人ひとりに保険料がかかるため、家族が多いと保険料負担が大きくなります。

任意継続の場合、被扶養者の人数に関わらず保険料は変わりません。

そのため、扶養家族が多い方は、任意継続を選択することで、保険料を大幅に節約できる可能性があります。

項目	任意継続	国民健康保険
扶養家族の取り扱い	被扶養者の人数に関わらず保険料は一定	加入者一人ひとりに保険料がかかるため、人数が多いと高くなる

退職後の収入が大幅に減る国民健康保険

退職後の収入が大幅に減る場合は、国民健康保険がおすすめです。

国民健康保険料は、前年の所得に応じて計算されるため、収入が減ると保険料も安くなります。

また、国民健康保険には、所得に応じて保険料が減免される制度があります。

失業や事業の廃止など、特別な事情で収入が大幅に減った場合は、保険料の減免を申請することで、さらに負担を軽減できます。

手厚い給付を求める任意継続

手厚い給付を求める場合は、任意継続がおすすめです。

任意継続では、加入していた健康保険組合の給付内容を引き継げる場合があります。

健康保険組合によっては、法定給付に加えて、独自の給付制度（付加給付）を設けている場合があります。

例えば、高額な医療費がかかった場合に、自己負担額を軽減する制度や、出産や傷病で休業した場合に、手当金を支給する制度などがあります。

項目	任意継続	国民健康保険
給付内容	加入していた健康保険組合の給付内容を引き継げる場合がある（付加給付など）	法定給付のみ（高額療養費制度など）
給付の具体例	高額療養費の自己負担限度額が低い、出産手当金や傷病手当金が支給される（健康保険組合による）、オリックスグループ健康保険組合では、出産手当金や傷病手当金は支給されませんが、高額療養費制度や付加給付が充実しています。	高額療養費制度など、法律で定められた給付のみ

よくある質問（FAQ）

退職後の健康保険、任意継続と国民健康保険で迷ったら？

退職後の健康保険選びは、ご自身の状況に合わせて最適な選択をすることが大切です。

この記事では、保険料、扶養家族、給付内容、手続きの違いを比較し、どちらがお得か判断するための情報を提供します。

任意継続と国民健康保険、保険料はどちらが安い？

保険料は、任意継続の場合は退職時の標準報酬月額を基に算出され、国民健康保険の場合は前年の所得に応じて変動します。

退職後の収入が大幅に減る場合は、国民健康保険の方が安くなる可能性があります。

扶養家族がいる場合、どちらの健康保険がお得？

扶養家族がいる場合、任意継続では扶養家族分の保険料も含まれますが、国民健康保険には扶養という概念がありません。

そのため、扶養家族が多い場合は任意継続の方が保険料を抑えられる可能性があります。

任意継続と国民健康保険、給付内容に違いはある？

任意継続は加入していた健康保険組合によって独自の給付が受けられる場合がありますが、国民健康保険は法定給付のみとなります。

手厚い給付を希望する場合は、任意継続を検討しましょう。

任意継続と国民健康保険の手続き、何が違うの？

任意継続は退職後20日以内、国民健康保険は退職後14日以内に手続きが必要です。

また、手続き場所も異なり、任意継続は加入していた健康保険組合、国民健康保険は市区町村役場となります。

任意継続の手続きに必要な書類は何ですか？

任意継続の手続きには、健康保険任意継続被保険者資格取得申出書が必要です。

加入していた健康保険組合のウェブサイトからダウンロードするか、健康保険組合の窓口で入手できます。

まとめ

退職後の健康保険選びは、将来の生活設計に大きく影響するため、慎重な検討が不可欠です。

任意継続と国民健康保険という二つの選択肢に焦点を当て、保険料、扶養、給付、手続きという4つの重要な側面から比較検討し、後悔のない選択を実現しましょう。

本記事を参考に、ご自身の状況に合った健康保険を選択し、安心して新たなスタートを切りましょう。