退職給付金｜知っておくべき給付金の一覧と申請方法

退職後の生活を支える退職給付金は、生活設計を立てる上で重要な柱となります。

どのような給付金があるのかを把握することは、安心して退職後の生活を送るための第一歩です。

退職時に受け取れる給付金は多岐にわたり、雇用保険（失業手当）は離職後の求職活動を、傷病手当金は病気やケガで働けない期間をサポートします。

会社によっては退職金制度があり、未払賃金立替払制度は会社倒産時の未払い賃金を、年金は老後の生活を支えます。

これらの給付金を理解することで、退職後の経済的な不安を軽減できます。

この記事でわかること

退職給付金の種類

退職時に受け取れる給付金は、生活を支える重要な柱となります。

退職後の生活設計を立てる上で、どのような給付金があるのかを把握することが不可欠です。

退職時に受け取れる給付金は多岐に渡り、それぞれ受給要件や申請方法が異なります。

本項では、主な給付金の概要について解説します。

各給付金の詳細については、以降の見出しで詳しく解説します。

給付金の種類	概要
雇用保険（失業手当）	離職後、求職活動中に受給できる手当
傷病手当金	病気やケガで仕事ができなくなった場合に、健康保険から支給される手当
退職金	会社によっては、長年の勤務に対する退職金制度がある。金額や受給条件は会社によって異なる
未払賃金立替払制度	会社が倒産した場合、未払い賃金の一部を国が立て替えてくれる制度
年金	将来の生活を支える年金制度。受給開始年齢や金額は加入状況によって異なる

退職後の生活を安心して送るために、ご自身が該当する可能性のある給付金について理解を深めましょう。

雇用保険（失業手当）

雇用保険（失業手当）とは、離職者が安定した生活を送りつつ、早期の再就職を支援するための給付金です。

雇用保険は、以下の条件を満たす人が受給できます。

傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガのために仕事に就くことができない場合に、健康保険から支給される生活保障です。

傷病手当金は、以下の条件をすべて満たす場合に支給されます。

傷病手当金は、最長で1年6ヶ月間受給できます。

退職金

退職金とは、会社が従業員の退職時に支払う一時金です。

退職金の制度や金額は、会社によって大きく異なります。

一般的には、勤続年数や役職、退職理由などによって金額が決定されます。

退職金には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

未払賃金立替払制度

未払賃金立替払制度とは、会社が倒産した際に、未払いとなっている賃金の一部を国が立て替えて支払う制度です。

未払賃金立替払制度を利用できるのは、以下の条件を満たす人です。

未払賃金立替払制度で立て替えられる金額には上限があり、未払い賃金の8割が上限となります。

年金

年金とは、高齢になった際や、病気やケガによって生活が困難になった際に支給される給付金です。

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造となっています。

20歳以上60歳未満のすべての人は国民年金に加入し、会社員や公務員は厚生年金にも加入します。

給付金受給の要件

給付金を受給するためには、各給付金制度で定められた要件を満たす必要があります。

要件は、雇用保険の加入状況、離職理由、健康状態、会社の退職金制度の有無、未払い賃金の有無など多岐にわたります。

各要件を詳しく確認し、自身が受給対象となるかどうかを判断することが重要です。

ここでは、退職後に給付金を受け取るための主な要件について解説します。

各給付金の受給要件を理解することで、ご自身がどの給付金を受け取れる可能性があるのかを把握できます。

雇用保険の加入期間

雇用保険の加入期間は、失業保険（失業手当）の受給資格を得るための重要な要件です。

原則として、離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上必要となります。

ただし、倒産・解雇など会社都合による離職の場合は、離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。

雇用保険の加入期間は、給付金の受給資格だけでなく、給付日数にも影響します。

加入期間が長いほど、受給できる日数も多くなる傾向があります。

離職理由

離職理由は、給付金の受給可否や受給開始時期に大きく影響します。

自己都合退職の場合、原則として給付制限期間があり、受給開始までに時間がかかります。

一方、会社都合退職（倒産・解雇など）の場合、給付制限期間がなく、比較的早く受給を開始できます。

正当な理由のある自己都合退職（病気、ケガ、家族の介護など）の場合は、会社都合退職と同様に、給付制限期間が短縮される場合があります。

病気やケガの状態

病気やケガの状態は、傷病手当金や障害年金などの受給に関わる重要な要件です。

傷病手当金は、病気やケガで仕事ができなくなった場合に、健康保険から支給される手当です。

受給するためには、医師の診断書や労務不能であることの証明が必要となります。

また、病気やケガによって障害が残った場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

障害年金は、国民年金または厚生年金に加入している方が対象となります。

会社の退職金制度

会社の退職金制度は、退職後の生活を支える重要な要素です。

退職金制度の有無や金額は、会社によって大きく異なります。

退職金の有無だけでなく、支給条件（勤続年数など）や計算方法も確認しておくことが重要です。

退職金制度には、確定給付型（DB）や確定拠出型（DC）など、さまざまな種類があります。

ご自身の会社の退職金制度の種類を理解し、将来受け取れる金額を把握しておきましょう。

未払い賃金の有無

未払い賃金の有無は、未払賃金立替払制度の利用に関わる要件です。

会社が倒産した場合、未払い賃金の一部を国が立て替えてくれる制度です。

未払い賃金がある場合は、速やかに労働基準監督署に相談し、必要な手続きを行いましょう。

未払い賃金立替払制度を利用するためには、一定の要件を満たす必要があります。

例えば、退職日が倒産日の6ヶ月前から2年以内の期間にあることなどが挙げられます。

退職後の手続きと注意点

退職後の手続きで最も重要なことは、自身の状況に合わせて必要な手続きを把握し、適切なタイミングで行うことです。

退職後には、様々な手続きが必要になります。

これらの手続きをスムーズに進めるために、各見出しで具体的な内容を強調します。

ハローワークでの手続き

退職後、最初に行うべき手続きの一つがハローワークでの求職の申し込みです。

これは、失業保険（雇用保険の基本手当）を受給するために必要な手続きです。

求職の申し込みを行うことで、求職活動の開始と失業状態の確認を行います。

ハローワークでは、以下の手続きを行います。

手続き内容	備考
求職の申し込み	求職情報を登録し、仕事探しのサポートを受ける
雇用保険受給資格の決定	失業保険の受給資格があるかどうかの審査
失業認定	定期的にハローワークに出向き、求職活動の状況を報告

健康保険・年金の切り替え

退職に伴い、健康保険と年金の切り替え手続きが必要になります。

健康保険は、国民健康保険への加入、健康保険の任意継続、家族の健康保険への加入のいずれかを選択します。

年金は、国民年金への加入手続きを行います。

手続き	内容
国民健康保険	居住地の市区町村で加入手続きを行う
健康保険任意継続	会社の健康保険を退職後も継続する（条件あり）
国民年金	居住地の市区町村で加入手続きを行う

確定申告

退職した年の所得に応じて、確定申告が必要になる場合があります。

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、税務署に申告する手続きのことです。

確定申告が必要なケース	備考
年末調整を受けていない	退職時に源泉徴収票を受け取り、確定申告を行う
年の途中で退職した	年末調整は原則として1ヶ所でしか受けられない
2ヶ所以上から収入がある	副業などで収入がある場合は確定申告が必要

給付金の申請期限

退職後に受け取れる可能性のある給付金には、それぞれ申請期限が設けられています。

申請期限を過ぎてしまうと、給付金を受け取ることができなくなるため注意が必要です。

主な給付金の申請期限は以下の通りです。

給付金	申請期限
失業保険	原則として離職日の翌日から1年間
傷病手当金	支給開始日から2年間
未払賃金立替払制度	倒産日の6ヶ月前の日から2年間

税金

退職後には、所得税や住民税などの税金に関する手続きや支払いが発生する場合があります。

退職後の収入状況や生活状況に応じて、税金の負担を軽減できる制度もあります。

税金の種類	備考
所得税	退職後の所得に応じて確定申告が必要
住民税	退職した年の翌年に納税通知書が送付される

退職後の手続きは多岐に渡りますが、一つ一つ確実に行うことで、その後の生活を安心して送ることができます。

よくある質問（FAQ）

退職給付金はいつもらえますか？

退職給付金の種類によって受給時期が異なります。

例えば、失業保険はハローワークでの手続き後、待機期間を経て支給されます。

退職金は会社によって異なりますので、事前に確認が必要です。

傷病手当金は、条件を満たせば退職後も継続して受給できる場合があります。

退職給付金はいくらもらえますか？

退職給付金の種類や条件によって金額は大きく異なります。

失業保険は、退職前の給与や雇用保険の加入期間によって変動します。

退職金は、会社の規定や勤続年数によって決まります。

傷病手当金は、給与の約2/3が支給されます。

退職給付金にはどんな種類がありますか？

主な退職給付金には、失業保険、傷病手当金、退職金、未払賃金立替払制度、年金があります。

これらの給付金は、それぞれ受給要件や申請方法が異なります。

ご自身の状況に合わせて、必要な給付金を確認しましょう。

退職後にハローワークですることは何ですか？

ハローワークでは、求職の申し込み、雇用保険受給資格の決定、失業認定の手続きを行います。

求職の申し込みをすることで、求職活動の支援や失業保険の受給資格を得ることができます。

失業認定は、定期的にハローワークに出向き、求職活動の状況を報告する手続きです。

退職後の健康保険はどうすればいいですか？

退職後の健康保険は、国民健康保険への加入、健康保険の任意継続、家族の健康保険への加入のいずれかを選択します。

国民健康保険は、居住地の市区町村で加入手続きを行います。

健康保険の任意継続は、会社の健康保険を退職後も継続する方法ですが、条件があります。

退職後の確定申告はどうすればいいですか？

退職した年の所得に応じて、確定申告が必要になる場合があります。

年末調整を受けていない場合や、年の途中で退職した場合、2ヶ所以上から収入がある場合は確定申告が必要です。

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、税務署に申告する手続きです。

まとめ

この記事では、退職後の生活を支える退職給付金について解説しました。

退職後の生活設計を立てる上で、どのような給付金があるのかを把握することは非常に重要です。

この記事を参考に、ご自身が該当する可能性のある給付金について理解を深め、退職後の生活設計に役立ててください。