再就職手当｜計算方法を3ステップで解説-受給額シミュレーション付き

転職後の経済的な安定に不可欠な再就職手当。

制度の概要から受給資格、具体的な計算方法まで、この記事ではわかりやすく解説します。

ご自身で受給額をシミュレーションできるようになり、経済的な不安を解消できるでしょう。

再就職手当は、雇用保険の受給資格がある方が早期に再就職した場合に支給される給付金です。

早期の再就職を支援し、経済的な安定をもたらします。

具体的な計算例を交えながら、受給額をシミュレーションしてみましょう。

この記事でわかること

再就職手当、計算方法を3ステップで解説

再就職手当の計算方法を理解することは、転職後の経済的安定に不可欠です。

これから、再就職手当の概要から計算方法、そして受給資格までをわかりやすく解説します。

特に、計算方法の3ステップでは、具体的な計算例も交えながら、ご自身で受給額をシミュレーションできるようになります。

再就職手当とは？制度の概要

再就職手当は、雇用保険の受給資格がある方が早期に再就職した場合に支給される給付金のことです。

早期の再就職を促進し、失業者の生活の安定を支援することを目的としています。

再就職手当は、失業保険（基本手当）の受給期間を一定期間残して再就職した場合に、一括で支給されます。

再就職手当の支給で早期の再就職を支援

再就職手当は、失業者が早期に再就職することによって、より早く経済的な安定を得られるように支援する制度です。

失業期間が長引くと、スキルや知識が陳腐化するリスクがあるため、早期の再就職はキャリア形成の面でも重要です。

再就職手当は、早期に再就職したことに対する経済的なインセンティブとして機能し、積極的に再就職活動を行うことを後押しします。

再就職手当は雇用保険の受給資格者が対象

再就職手当は、雇用保険の受給資格がある方が対象となります。

雇用保険は、労働者が失業した場合に、生活の安定と再就職の促進のために給付を行う制度です。

雇用保険の受給資格を得るためには、離職日以前2年間に、被保険者期間が12か月以上必要となります。

雇用保険の受給資格がある方は、ハローワークで求職の申し込みを行い、再就職手当の支給要件を満たすことで、再就職手当を受け取ることができます。

再就職手当の受給条件と対象者

再就職手当を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があり、基本手当の支給残日数、再就職の安定性、過去の受給状況などが重要なポイントです。

以下では、これらの条件について詳しく解説します。

再就職手当の受給可否を判断するために、該当箇所を強調して確認してください。

基本手当の支給残日数が受給資格の要件

再就職手当を受給するためには、基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上であることが必要です。

この条件は、早期に再就職した人を支援するためのもので、支給残日数が多いほど、再就職手当の支給額も高くなる可能性があります。

再就職の安定性で1年以上の雇用見込みが必要

再就職手当の受給には、再就職先で1年以上の雇用が見込まれることが条件となります。

これは、単に雇用保険に加入しているだけでなく、1年以上の長期的な雇用が期待できる場合に支給されることを意味します。

具体的には、正社員としての雇用や、1年以上の契約期間が定められた契約社員などが該当します。

過去3年以内の再就職手当受給状況を確認

過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受給している場合、原則として再就職手当は支給されません。

ただし、過去の受給から3年以上経過していれば、再度受給資格を満たす可能性があります。

項目	内容
再就職手当の受給制限	過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
常用就職支度手当の受給制限	過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと

ハローワークの紹介による就職も条件

再就職手当を受給するためには、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることも条件の一つです。

ただし、給付制限を受けている場合は、求職申込みから待機期間満了後1ヶ月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職が必要となります。

ハローワークを通じた就職活動を行うことで、再就職手当の受給資格を得やすくなります。

再就職手当の計算方法｜3つのステップ

再就職手当の計算は、3つのステップで簡単に行えます。

各ステップを確認することで、ご自身で再就職手当の金額を概算できます。

以下に、計算に必要なステップをまとめました。

各ステップの詳細を確認して、再就職手当の計算に役立ててください。

STEP1.基本手当日額の確認

基本手当日額とは、離職前の賃金から算出される1日あたりの支給額のことです。

年齢によって上限額が異なり、60歳未満と60歳以上で上限額が異なります。

基本手当日額は、以下の手順で確認できます。

STEP2.支給残日数の確認

支給残日数とは、基本手当の受給残日数のことです。

ハローワークで交付される雇用保険受給資格者証で確認できます。

受給資格者証には、所定給付日数と支給済の日数が記載されているため、以下の計算式で支給残日数を算出できます。

支給残日数 = 所定給付日数 - 支給済日数

STEP3.計算式への当てはめと計算

再就職手当の計算式は、支給残日数によって給付率が異なります。

支給残日数が多いほど給付率が高くなり、より多くの再就職手当を受給できます。

計算式は以下の通りです。

【ケース別】再就職手当の計算例

再就職手当の金額は、個々の状況によって異なります。

ご自身のケースに合った計算例を確認することが重要です。

以下では、3つの異なるケースを想定し、再就職手当の計算例を具体的に解説します。

それぞれのケースにおける、基本手当日額、支給残日数、再就職手当の額を比較検討してみましょう。

20代会社員、基本手当日額5,000円、支給残日数90日

このケースでは、20代の会社員が、基本手当日額5,000円、支給残日数90日で再就職した場合を想定します。

基本手当日額が比較的低く、支給残日数も平均的な水準であるため、再就職手当の額も平均的な範囲となります。

支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

5,000円 × 90日 × 70% = 315,000円

支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

5,000円 × 90日 × 60% = 270,000円

30代会社員、基本手当日額6,000円、支給残日数60日

このケースでは、30代の会社員が、基本手当日額6,000円、支給残日数60日で再就職した場合を想定します。

基本手当日額は平均的な水準ですが、支給残日数が比較的少ないため、再就職手当の額はやや低めになります。

支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

6,000円 × 60日 × 70% = 252,000円

支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

6,000円 × 60日 × 60% = 216,000円

40代会社員、基本手当日額6,395円、支給残日数120日

このケースでは、40代の会社員が、基本手当日額6,395円（上限額）、支給残日数120日で再就職した場合を想定します。

基本手当日額が上限額であり、支給残日数も多いため、再就職手当の額は高額になります。

支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

6,395円 × 120日 × 70% = 537,180円

支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合、計算式は以下のようになります。

6,395円 × 120日 × 60% = 460,440円

再就職手当の申請方法と必要書類

再就職手当の申請は、スムーズな手続きのために、必要書類を事前に準備することが重要です。

ハローワークでの手続きは、慣れないと時間がかかる場合もあるので、事前に流れを把握しておくと安心です。

ここでは、再就職手当の申請方法と必要書類について解説します。

ハローワークで再就職の報告

再就職が決まったら、速やかにハローワークに報告することが最初のステップです。

ハローワークへの報告は、再就職手当の申請手続きを開始するために必要な手続きとなります。

以下のものを持参して、ハローワークで再就職の報告を行いましょう。

書類	内容
雇用保険受給資格者証	ハローワークから交付された、雇用保険の受給資格を証明する書類
採用証明書	再就職先から発行される、採用を証明する書類。ハローワークで入手可能

「再就職手当支給申請書」の入手と記入

ハローワークで再就職の報告後、「再就職手当支給申請書」を入手し、必要事項を記入します。

申請書はハローワークの窓口で直接受け取るか、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

申請書には、氏名、住所、再就職先の情報、雇用保険受給資格者証の番号などを記入します。

正確に記入するように注意しましょう。

必要書類を準備しハローワークへ申請

申請書に必要事項を記入したら、以下の必要書類を準備してハローワークへ申請します。

書類に不備があると、手続きに時間がかかる場合があるので、事前に確認しておくことが大切です。

書類	内容
再就職手当支給申請書	必要事項を記入した申請書
雇用保険受給資格者証	ハローワークから交付された、雇用保険の受給資格を証明する書類
採用証明書	再就職先から発行される、採用を証明する書類
振込先金融機関の通帳またはキャッシュカード	再就職手当の振込先となる金融機関の口座番号がわかるもの
個人番号確認書類	マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票のいずれか
本人確認書類	運転免許証、パスポート、健康保険証など、本人確認ができる書類

これらの書類を揃えて、ハローワークの窓口に提出します。

申請後、審査が行われ、問題がなければ通常1ヶ月～2ヶ月程度で再就職手当が支給されます。

よくある質問（FAQ）

再就職手当は、どのような人が対象になりますか？

再就職手当は、雇用保険の受給資格がある方が、早期に安定した職業に就いた場合に支給される手当です。

受給には、基本手当の支給残日数や再就職の安定性など、いくつかの条件を満たす必要があります。

再就職手当の計算方法を教えてください。

再就職手当の計算は、基本手当日額、支給残日数、給付率を用いて行います。

支給残日数によって給付率が異なり、支給残日数が多いほど給付率が高くなります。

具体的な計算式は以下の通りです。

• 支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合：基本手当日額 × 支給残日数 × 70%
• 支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合：基本手当日額 × 支給残日数 × 60%

雇用保険受給資格者証はどこで手に入りますか？

雇用保険受給資格者証は、ハローワークで求職の申し込みを行った際に交付されます。

この書類には、基本手当の受給に必要な情報が記載されているため、大切に保管してください。

ハローワークに行かなくても、再就職手当の申請はできますか？

原則として、再就職手当の申請はハローワークで行う必要があります。

しかし、場合によっては郵送での申請が可能な場合もありますので、事前にハローワークに確認することをおすすめします。

再就職手当を受給した後、すぐに退職しても問題ないですか？

再就職手当を受給した後に退職すること自体にペナルティはありません。

ただし、過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給している場合、再就職手当は支給されません。

再就職手当の申請に必要な書類は何ですか？

再就職手当の申請には、再就職手当支給申請書、雇用保険受給資格者証、採用証明書、振込先金融機関の通帳またはキャッシュカード、個人番号確認書類、本人確認書類が必要です。

事前に準備して、スムーズに申請を行いましょう。

まとめ

この記事では、転職後の経済的安定に不可欠な再就職手当の計算方法について、3つのステップで詳しく解説しました。

この記事を参考に、ご自身の状況に合わせて再就職手当の受給額をシミュレーションし、ハローワークで申請の手続きを進めてみましょう。