外出先やテレワーク中に、スマートフォンのテザリング機能を利用してパソコンをインターネットに繋ごうとした際、なぜか接続がうまくいかないトラブルに見舞われることがあります。特にOSをWindows 11にアップデートした直後や、急ぎの作業がある時にネットワークが遮断されると、焦りやストレスを感じてしまうものです。電波の状態は良好に見えるのに、識別中から進まなかったり、パスワードが正しいはずなのに拒否されたりと、その症状は多岐にわたります。こうした問題の多くは、端末同士の設定の食い違いや、一時的なシステムの不具合が引き金となっているケースがほとんどです。
ネットワークトラブルは一見すると複雑に思えますが、一つずつ可能性を潰していくことで、専門的な知識がなくても自分自身で復旧させることが可能です。デバイス側のちょっとしたスイッチの切り替えや、Windows 11特有の設定項目を見直すだけで、驚くほどスムーズに再接続できることも珍しくありません。この記事では、接続できない状態から抜け出し、快適な通信環境を取り戻すための具体的な手順を、初心者の方にも分かりやすく順序立てて紐解いていきます。読み終える頃には、トラブルの原因を特定し、自力で解決できる力が身についているはずです。
この記事でわかること
- Windows 11でテザリングが繋がらない際に見直すべき初期設定
- iPhoneやAndroidなどスマートフォン側のインターネット共有設定の確認方法
- ネットワークアダプターやドライバーに不具合がある場合の修復手順
- Wi-Fi以外の接続方式であるUSBやBluetoothを利用した代替案
ネットワーク設定と機内モードの基本確認
通信トラブルが発生した際、真っ先に疑うべきはデバイスの状態が「そもそも通信可能な状態にあるか」という初歩的な部分です。意外にも、気づかないうちに機内モードがオンになっていたり、Wi-Fi子機のスイッチが物理的にオフになっていたりすることが原因の大半を占めています。Windows 11ではクイック設定パネルからこれらの状態を一目で確認できるようになっていますが、ソフトウェア上の表示と実際の動作が一致していない場合もあるため、一度オフにしてから再度オンにする「リフレッシュ操作」が有効な解決策となります。まずは落ち着いて、足元の設定から順にチェックしていきましょう。
Wi-Fi機能のオンオフ切り替えによる再認識
Windows 11のタスクバー右側にあるネットワークアイコンをクリックすると、Wi-Fiのオンオフを切り替えるボタンが表示されます。このボタンを一度クリックしてWi-Fiを無効にし、数秒待ってから再び有効にすることで、ネットワークアダプターが周辺の電波をスキャンし直します。この操作は、パソコンが古い接続情報を保持し続けているせいで、新しいテザリングの電波をうまく拾えていない場合に効果を発揮します。カフェなどの公衆無線LANが多い環境では、多くの電波が干渉し合っているため、このリフレッシュによって目的のスマートフォンを見つけやすくなる効果が期待できるでしょう。
再試行する際は、スマートフォンのテザリング設定画面を開いたままにしておくと、親機側の電波出力が安定し、パソコン側でSSID(ネットワーク名)が検出されやすくなります。例えば、スマートフォン側で「インターネット共有」の画面を表示し続けている間だけ、周囲のデバイスから見つけられる状態になる機種も存在します。画面がスリープ状態になると通信が途切れる設定になっていることもあるため、接続が完了するまでは両方のデバイスの画面を点灯させておくのが確実な方法といえます。以下の表に、一般的な確認項目を整理しました。
| 確認箇所 | チェック内容 | 期待される結果 |
|---|---|---|
| クイック設定 | Wi-Fiアイコンが青色か | 無線通信が有効になる |
| SSIDリスト | スマホの名前があるか | 接続対象として認識される |
| 機内モード | アイコンがグレーか | すべての通信制限が解除される |
電波の名称が表示されているにもかかわらず、「接続済み、インターネットなし」と表示される場合は、スマートフォン側のモバイルデータ通信自体に制限がかかっていないかも確認が必要です。データ残量がゼロになっていたり、通信速度制限が適用されていたりすると、パソコン側には繋がっているように見えても、実際にウェブサイトを閲覧することはできません。接続の成否だけでなく、インターネットの「出口」が確保されているかを、スマートフォンのブラウザで適当なサイトを開いてテストしてみることも重要です。
機内モードの強制解除と物理スイッチの確認
ノートパソコンの中には、キーボードのファンクションキーや本体側面のスイッチで、ワイヤレス通信を物理的に遮断できるモデルが存在します。これらのスイッチが誤ってオフになっていると、Windowsの設定画面でいくらWi-Fiをオンにしようとしても、ハードウェアレベルで拒否されてしまいます。キーボードに飛行機のマークが印字されたキーがある場合は、「Fn」キーと同時に押すことで機内モードの切り替えが可能です。意図せず手が触れてしまい、設定が変わってしまうケースは意外と多いため、ライトが点灯しているか、画面上に通知が出るかを確認してください。
また、Windows 11のシステム設定内で機内モードが「オン」になっていると、すべての無線通信(Wi-Fi、Bluetooth、モバイル通信)が停止します。このモードは飛行機内での利用を想定したものですが、再起動後にバグによって設定が戻らない現象が稀に報告されています。設定アプリの「ネットワークとインターネット」から、機内モードが完全にオフになっていることを二重にチェックしましょう。設定が正しく反映されない場合は、一度機内モードをオンにしてパソコンを再起動し、起動後に改めてオフにするという手順を踏むことで、システムの不整合が解消されるケースがあります。以下に機内モード解除に関連する要素をまとめました。
| 要素 | 操作手順 | 注意点 |
|---|---|---|
| ファンクションキー | Fn + 飛行機マーク | 機種によりキー配置が異なる |
| 設定アプリ | ネットワーク > 機内モード | 個別スイッチがオフか確認 |
| 通知センター | 右下の飛行機アイコン | 青い状態は「制限中」を意味する |
物理スイッチやキー操作に問題がない場合でも、ドライバの不調により機内モードから復帰できないことがあります。このようなシーンでは、デバイスマネージャーを開き、ネットワークアダプターの一覧からワイヤレスカードの項目を見つけ、右クリックして「デバイスを有効にする」が選択可能になっていないか確認してください。もし「デバイスを無効にする」となっている場合は、一度無効にしてから再度有効にすることで、ハードウェアの再認識が行われ、通信機能が正常に立ち上がることが期待できます。
スマートフォン側の共有設定と制限事項の確認

Windows 11側に問題が見当たらない場合、次に目を向けるべきは電波を送出しているスマートフォン側の設定です。テザリング機能(インターネット共有)は、スマートフォンのOSアップデートやバッテリーの状態、さらには契約しているキャリアのプランによって、動作が細かく制限されることがあります。特に「繋がらない」と悩むユーザーの多くが、パスワードの入力ミスや、古い接続情報の競合、あるいはテザリングの最大接続数制限に突き当たっています。親機となる端末が正しく情報を発信しているかを再点検することが、解決への近道となります。
iPhoneの「互換性を優先」設定の活用
iPhoneユーザーがWindows 11に接続できない場合、最も効果的な対策の一つが「互換性を優先」スイッチの切り替えです。iPhone 12以降のモデルでは、テザリングに高速な5GHz帯のWi-Fiを使用するようになっていますが、一部のパソコンや古い規格の無線チップを搭載した端末では、この5GHz帯の電波を認識できないことがあります。設定アプリの「インターネット共有」内にある「互換性を優先」をオンにすると、通信速度はやや落ちるものの、より広範なデバイスで受信可能な2.4GHz帯に切り替わります。これにより、今までリストにすら出てこなかったSSIDが突然表示されるようになる場合が多いのです。
この設定をオンにしても繋がらない時は、ネットワーク名の変更を試してみてください。iPhoneの場合、デバイス名(「〇〇のiPhone」など)がそのままSSIDとして使われますが、名前に日本語や特殊な記号が含まれていると、Windows側で文字化けを起こしたり、接続エラーを誘発したりすることがあります。設定の「一般」から「情報」に進み、名前を半角英数字のみ(例:my-iphone15)に変更することで、接続の確実性が大幅に向上します。また、パスワードも複雑すぎない8文字以上の英数字に設定し直すことで、入力ミスによるエラーを未然に防ぐことが可能です。以下の表にiPhoneの設定ポイントを整理しました。
| 設定項目 | 推奨する設定 | 解決するトラブル |
|---|---|---|
| 互換性を優先 | オンにする | SSIDが検出されない問題 |
| iPhoneの名前 | 半角英数字のみ | 文字化けや認証エラー |
| パスワード | 8文字以上の英数字 | 認証失敗の繰り返し |
また、意外と盲点なのが、スマートフォンのバッテリー残量に伴う「省電力モード」の影響です。バッテリーが少なくなると、スマートフォンは電力を消費するテザリング機能を自動的にオフにしたり、新しいデバイスの接続を制限したりすることがあります。充電器を接続した状態でテザリングを開始するか、あるいは一時的に低電力モードを解除してから接続を試みることで、不安定だった通信がぴたりと安定するケースは少なくありません。外出先では特に、スマートフォンの電池残量にも気を配る必要があるでしょう。
AndroidのWi-Fi周波数帯とセキュリティ保護設定
Android端末を利用している場合、メーカーごとに設定画面の名称は異なりますが、「Wi-Fiテザリング」の設定項目内に「AP帯域」の選択肢が用意されていることが一般的です。ここが「5GHz帯」に固定されていると、屋外での利用時に気象レーダーなどとの干渉を避けるための制限(DFS機能)により、電波が一時的に停止したり、パソコン側から見えなくなったりすることがあります。安定性を重視するなら「2.4GHz」を選択するのが無難です。2.4GHz帯は壁などの障害物にも強く、少し離れた場所にスマートフォンを置いていても安定して通信できるメリットがあります。
さらに、セキュリティ規格(WPA2やWPA3)の不一致も接続できない原因となり得ます。最新のAndroid端末では「WPA3」という高度な暗号化がデフォルトになっていることがありますが、Windows 11を搭載していても古い無線アダプターを使い続けているパソコンでは、このWPA3に対応できず「ネットワークの要件を確認しています」というメッセージのまま止まってしまうことがあります。この場合、スマートフォンのセキュリティ設定を「WPA2 (AES)」に一段階下げることで、接続できるようになります。以下の表でAndroidの調整項目を確認してください。
| 確認項目 | 推奨アクション | 目的 |
|---|---|---|
| AP帯域 | 2.4GHzを選択 | デバイス間の電波互換性を高める |
| セキュリティ | WPA2-PSKを選択 | 認証プロトコルの不一致解消 |
| 接続タイムアウト | 「常にオン」または「なし」 | 放置時の自動切断を防ぐ |
Androidでは「テザリングを自動的にオフにする」という設定が有効になっている機種も多いです。これは、一定時間データのやり取りがない場合にバッテリーを節約するための機能ですが、パソコン側が一時的にスリープに入っただけで親機側の共有が終了してしまい、再開時に手間取ることがあります。この自動オフ時間を長めに設定するか、あるいはオフにすることで、作業の中断による再接続の煩わしさを解消できます。スマートフォンの画面を常にオンにする必要はありませんが、内部的な接続待機状態を維持するように設定を工夫してみましょう。
Windows 11のシステム修復とトラブルシューティング
デバイス同士の基本的な設定に間違いがない場合、Windows 11の内部的なネットワークスタックや、ドライバファイルに何らかの不整合が生じている可能性を検討する必要があります。OSのアップデート後に特定のネットワークだけ繋がらなくなったり、スリープ復帰後にWi-Fiが不安定になったりするのは、システムの不具合による影響であることが考えられます。こうした場合には、Windowsに標準搭載されている修復ツールや、設定のリセット機能を活用することで、複雑な手動設定を行うことなく正常な状態に書き換えることが可能です。
ネットワークのトラブルシューティングツールの実行
Windows 11には、発生している問題をAIが自動的に検知して修復を試みる「トラブルシューティング」機能が備わっています。「設定」アプリから「システム」>「トラブルシューティング」>「その他のトラブルシューティング ツール」と進み、「ネットワークとインターネット」の横にある「実行」ボタンをクリックしてください。このツールは、IPアドレスの競合やDNSの不具合、ネットワークアダプターのハングアップなどを自動的にスキャンし、必要に応じてリセットをかけてくれます。ユーザーは指示に従ってボタンを押すだけで済むため、最初に行うべき高度な対処法といえます。
ツールを実行すると、「ネットワークアダプターをリセットしました」といったメッセージが表示されることがあります。この際、一時的にネットワーク接続が完全に切断されますが、これは修復に必要なプロセスです。完了後にパソコンを一度再起動し、改めてテザリングを試みてください。例えば、以前接続していたフリーWi-Fiの設定が干渉していたり、誤ったプロキシ設定が残っていたりする場合、この自動ツールがそれらをクリーンな状態に戻してくれます。以下の表に、トラブルシューティングで解決が期待できる項目を整理しました。
| 検出項目 | 修復内容 | 効果 |
|---|---|---|
| IP構成の異常 | DHCP情報の再取得 | アドレス割り当ての正常化 |
| ゲートウェイの不備 | デフォルトルートの修正 | 外部サイトへの接続確保 |
| アダプターの応答なし | ドライバの再起動 | ハードウェアの凍結解除 |
万が一、トラブルシューティングツールでも問題が解決しない場合は、さらに強力な「ネットワークのリセット」を試す価値があります。これは、すべてのネットワークアダプターを削除し、再インストールする操作です。実行するとWi-Fiのパスワードなどの保存された情報が消去されるため、最終手段に近い方法ですが、システムの深い部分にある不具合を一掃するには非常に有効です。リセット後は5分後にパソコンが強制的に再起動されますので、開いているファイルはあらかじめ保存しておくように心がけてください。
ネットワークアダプターのドライバー更新
パソコンの内部で無線通信を制御している「ドライバー」というソフトウェアが古かったり、破損していたりすると、テザリングの新しい通信規格に対応できずエラーが発生します。特にWindows 11は新しいOSであるため、ハードウェアメーカーが提供する最新のドライバを適用していないと、予期せぬ切断や速度低下を招くことがあります。デバイスマネージャーを開き、「ネットワーク アダプター」の中にあるWi-Fiデバイス(Intel Wi-Fi 6やRealtekなどの名称)を右クリックして、「ドライバーの更新」を選択してみてください。
「ドライバーを自動的に検索」を選択しても「最新です」と表示される場合は、あえて一度デバイスを「削除」して再インストールする方法が有効です。デバイスを削除してパソコンを再起動すると、Windowsは標準で備えているドライバを使って自動的に再設定を行います。これにより、不具合のあった設定ファイルが上書きされ、クリーンな状態で動作を開始します。ただし、この操作を行う際は、万が一ドライバが自動で入らなかった時に備え、有線LANなど別の通信手段を確保できる環境で行うのが理想的です。以下にドライバ更新の手順上の注意をまとめました。
| ステップ | 操作内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 検索 | 製造元サイトで型番を検索 | Windows 11用をダウンロード |
| アンインストール | デバイスマネージャーで削除 | 「ソフトウェアを削除」にチェック |
| 再起動 | PCを再起動して認識を待つ | インターネット環境が必須 |
ドライバを更新しても変化がない場合、特定のセキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)がテザリングの通信を「信頼できないネットワーク」として遮断している可能性も疑ってください。一度セキュリティソフトのファイアウォール機能を数分間だけ無効にして接続を試み、もし繋がるようであれば、そのソフトの設定内でスマートフォンのSSIDを「許可リスト」に追加する必要があります。公衆の場でのテザリングは、見知らぬ他者からの攻撃を防ぐために保護が厳しくなりがちですので、適切なルール設定が求められます。
USBテザリングとBluetoothテザリングによる回避策
Wi-Fiでの接続にどうしても失敗する場合、あるいは周囲に電波が多すぎて干渉がひどい場合には、有線接続である「USBテザリング」や、より低消費電力な「Bluetoothテザリング」に切り替えるのが賢明な判断です。Wi-Fiという目に見えない電波に頼らない接続方法は、トラブルの切り分けとしても優秀であり、何より安定性が格段に向上します。特にUSB接続は、スマートフォンの充電を同時に行えるため、長時間の作業でも電池切れを心配する必要がないという大きなメリットを享受できます。
USBケーブルを使用した有線接続の手順
USBテザリングは、スマートフォンの充電ケーブルを使ってパソコンのUSBポートと直結する方法です。接続後、スマートフォンの設定から「USBテザリング」のスイッチをオンにするだけで、Windows 11側では「イーサネット(有線LAN)」として認識されます。Wi-Fiのようなパスワード入力も不要で、電波干渉の影響を一切受けないため、オンライン会議など通信の途切れが許されない場面では最も推奨される方法です。ただし、使用するケーブルが「データ通信対応」である必要があり、充電専用ケーブルでは設定項目がグレーアウトして選択できない点に注意してください。
iPhoneの場合は、iTunesがインストールされている環境であれば、USBで繋ぐだけで即座に認識されます。Androidの場合は、初めて接続する際にパソコン側でデバイスドライバのインストールが自動で始まることがあります。もし接続しても反応がない場合は、スマートフォンのUSB設定を「データ転送」や「ファイル転送」に変更してから、テザリングのスイッチを入れ直してみてください。有線ならではのレスポンスの速さは、一度体験するとWi-Fiには戻れないほどの快適さを提供してくれます。以下にUSBテザリングのメリットと注意点をまとめました。
| 項目 | 詳細 | ユーザーのメリット |
|---|---|---|
| 通信の安定性 | 電波干渉を受けない | パケットロスや遅延が激減する |
| バッテリー | PCから給電される | スマホの電池を気にせず作業可能 |
| セキュリティ | 傍受のリスクが皆無 | 暗号化設定不要で安全に繋がる |
ケーブルを持ち歩く手間はありますが、カフェなどの混雑した場所で周囲のWi-Fiリストが数十個も表示されるような環境では、USBテザリングが唯一の現実的な解決策になることもあります。また、パソコン側のWi-Fiチップ自体が故障している場合でも、USBポートが生きていればインターネットを利用できるため、緊急時のバックアップ手段として常に頭に入れておくと良いでしょう。設定の切り替えも非常にシンプルですので、ぜひ一度試してみることをお勧めします。
Bluetoothテザリングのセットアップと特徴
Bluetoothテザリングは、Wi-Fiよりも通信速度は遅いものの、スマートフォンのバッテリー消費を極限まで抑えることができる接続方式です。メールの送受信やテキスト中心の調べ物など、高速な通信を必要としない作業には非常に適しています。まずパソコンとスマートフォンを「ペアリング」し、Windows 11の「デバイスとプリンター」設定から、ペアリングしたスマートフォンを右クリックして「接続方法」>「アクセスポイント」を選択することで、インターネットへの道が開かれます。
Wi-Fiテザリングと違い、一度ペアリングを済ませてしまえば、スマートフォンをカバンから出すことなく、パソコン側からの操作だけで接続を開始できる設定も可能です。ただし、Bluetoothの規格上の制限により、通信速度は概ね1Mbps〜3Mbps程度に制限されるため、動画視聴や大容量ファイルのダウンロードには向いていません。あくまで「予備の回線」や「省電力重視」のシーンで活用するのが正解です。ペアリングがうまくいかない場合は、一度双方のBluetooth設定から登録情報を削除し、最初からやり直すのが鉄則です。以下の表で活用シーンを確認しましょう。
| 用途 | 適性 | 理由 |
|---|---|---|
| メール・チャット | 最適 | データ量が少なく、低速でも十分 |
| ウェブ閲覧 | 普通 | 画像の多いサイトは表示に時間がかかる |
| 動画視聴 | 不適 | 再生が頻繁に止まる可能性が高い |
Bluetoothテザリングのもう一つの強みは、Wi-Fiの周波数帯が混雑している状況下でも、Bluetooth独自の周波数ホッピング技術により、比較的安定した接続を維持しやすい点にあります。地下街や大規模なイベント会場など、Wi-Fiが飽和状態にある場所では、あえて低速なBluetoothを選ぶことで、細いながらも確実に繋がるラインを確保できることがあります。自分の作業スタイルに合わせて、これらの接続方式を使い分ける柔軟性が、ストレスのないモバイルワークを実現する鍵となります。
よくある質問
- テザリングをオンにするとスマートフォンのデータ通信料が心配ですが、節約する方法はありますか?
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Windows 11側で「従量制課金接続」をオンに設定することをお勧めします。この設定を有効にすると、Windows Updateなどの大規模なバックグラウンド通信が自動的に抑制されるため、意図しないデータ消費を防ぐことができます。Wi-Fiの設定画面から接続中のSSIDのプロパティを開き、該当のスイッチをオンにしてください。
- 突然テザリングが切れてしまうことが頻繁に起こるのですが、何が原因でしょうか?
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多くの場合はスマートフォンの「自動スリープ」や「テザリング自動オフ」機能が原因です。また、パソコン側の「電源管理」設定により、電力を節約するためにネットワークアダプターを一時的に休止させている可能性もあります。デバイスマネージャーのアダプター設定から「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外すと安定しやすくなります。
- キャリアによってテザリングができないことはありますか?
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一部のキャリアや格安SIMのプランでは、テザリング機能を利用するために別途申し込みが必要だったり、月額料金が発生したりする場合があります。設定は正しいはずなのに「インターネット共有をオンにするには、アカウントに連絡してください」といったメッセージが出る場合は、契約内容を確認してみてください。また、APN設定(アクセスポイント名)にテザリング用の設定が不足している場合も接続できません。
まとめ
Windows 11でテザリングが接続できないトラブルは、一つひとつの原因を丁寧に取り除いていくことで、必ず解決に向かいます。まずは機内モードやWi-Fiのスイッチといった物理的・基本的な設定を疑い、次にスマートフォン側の周波数帯や互換性設定を見直すというステップが鉄則です。これだけでも多くの問題は解消されますが、OS内部の不具合が疑われる場合はトラブルシューティングツールの実行やドライバの更新といったシステム側の修復に踏み込む必要があります。ソフトウェアの不整合は、リセット操作によって驚くほど簡単に治ることも多いため、恐れずに試してみることが重要です。
もしWi-Fiでの接続が安定しない環境であれば、USBテザリングという確実な代替手段があることも忘れないでください。有線接続は設定の煩わしさを排除し、最も強固な通信環境を提供してくれます。通信トラブルは焦りを生みますが、複数の接続手段を理解しておくことで、いざという時の選択肢が増え、精神的な余裕にも繋がります。この記事で紹介した手順を参考に、それぞれのデバイスに合った最適な設定を見つけ出し、場所を選ばない自由なインターネット環境を手に入れてください。快適なデジタルライフを送るための助けになれば幸いです。
