JASとは？｜JASマーク・JAS規格・有機JASの意味と見分け方を徹底解説

JAS規格について、その意味や種類、JIS規格・ISO規格との違い、JASマークの見分け方、認証取得のメリット・デメリットを徹底解説します。

この記事を読めば、食品の安心・安全を守るJAS規格の基本がわかり、JASマーク付き食品を選ぶ際に役立つ知識が得られます。

この記事でわかること

JAS規格とは？食品の安心・安全を徹底解説

JAS規格とは、日本農林規格のことで、日本の農林水産省が定める品質基準です。

消費者が食品を選ぶ際の目安となるように、品質や成分、製造方法などが一定の基準を満たしていることを保証する制度になります。

JAS規格が重要な理由

JAS規格が重要な理由は、大きく分けて3つあります。

理由	説明
品質の保証	一定の基準を満たした製品であることを証明し、消費者に安心感を提供する
表示の信頼性向上	JASマークが付いた商品を選ぶことで、消費者は正確な情報を得られる
国際的な取引の円滑化	JAS規格に準拠することで、国際的な取引がスムーズに進む

JASマークでわかる食品の品質

JASマークは、品質や安全性が保証された食品に表示されるマークです。

主に4種類あり、それぞれ特徴が異なります。

マーク	対象となる食品	特徴
JASマーク	カップめん、しょうゆ、果実飲料など	JAS規格に合格した食品
有機JASマーク	有機農産物、有機加工食品、有機畜産物	化学肥料や農薬を使用しない農産物や加工品、有機農産物と同様の飼料で育った家畜の卵や乳、肉など
特定JASマーク	熟成ハム類、熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、地鶏肉など	特別な製法や育て方の規格を満たす食品（一定期間以上熟成された食品など）
生産情報公表JASマーク	生産情報公表牛肉、生産情報公表豚肉、生産情報公表農産物など	誰が、どこで、どのように作った食品かを消費者に伝えることを認定されたマーク

JAS規格とは？日本農林規格の基本

JAS規格とは、日本の農林水産省が定める、食品や農林水産品の品質を保証するための国家規格です。

JAS規格は、消費者が安全で品質の良い商品を選べるように設けられています。

JAS規格の定義と目的

JAS規格（Japanese Agricultural Standards、日本農林規格）は、JAS法（日本農林規格等に関する法律）に基づき、農林水産大臣が定める品質や性能に関する基準です。

この規格の目的は、以下の3点があげられます。

JAS規格は、食品の品質や安全性を確保するだけでなく、生産者にとっても品質管理の指標となり、より良い製品づくりを促す役割を果たします。

JAS規格の対象となる食品と分野

JAS規格は、食品から林産物まで、幅広い分野を対象としています。

たとえば、以下のようなものがJAS規格の対象です。

これらの食品や製品は、JAS規格で定められた品質基準や製造方法を満たす必要があり、基準をクリアしたものにはJASマークが表示されます。

JASマークは、消費者が安心して商品を選ぶための目印となるでしょう。

JAS規格とJIS規格・ISO規格の違い

JAS規格、JIS規格、ISO規格は、いずれも製品やサービスの品質を保証するための規格ですが、それぞれ目的と対象が異なります。

規格	目的	対象分野	制定機関
JAS規格	食品や農林水産品の品質改善、取引の単純化、消費者の選択の合理化	食品、農産物、畜産物、林産物など	農林水産大臣
JIS規格	鉱工業品の品質改善、生産効率の向上、消費者の利益保護	鉱工業品（機械、電気、化学、繊維、日用品など）	経済産業大臣
ISO規格	製品やサービスの国際的な標準化、貿易の円滑化、技術協力の促進	全産業分野（マネジメントシステム、製品、サービスなど）	ISO（国際標準化機構）

JAS規格は、食品や農林水産品の品質に特化した日本の国家規格です。

一方、JIS規格は鉱工業品を対象とした日本の国家規格で、ISO規格は、産業分野を問わず世界中で利用される国際規格です。

JASマークの種類と見分け方

JASマークは、日本の農林水産省が定めた品質基準を満たした食品に表示されるマークです。

一般JASマーク

一般JASマークは、農林水産大臣が定めたJAS規格に合格した食品に表示されます。

たとえば、カップ麺、しょうゆ、果実飲料などが対象です。

JAS規格は、食品の品質や成分、製造方法などについて定められており、一般JASマークが付いていることで、一定の品質基準を満たしていることが保証されます。

JASマークを選ぶことで、消費者は品質が保証された食品を選択できます。

有機JASマーク

有機JASマークは、有機農産物や有機加工食品に表示されます。

有機JASマークは、化学肥料や農薬を使用しない農産物や、有機農産物と同様の飼料で育った家畜の卵や乳・肉などに表示されるのが特徴です。

有機JASマークが付いている食品は、環境に配慮した方法で生産されたものであることが保証されます。

特定JASマーク

特定JASマークは、特別な製法や育て方で生産された食品に表示されます。

熟成ハム類、熟成ソーセージ類、地鶏肉などが該当します。

特定JASマークは、通常のJAS規格よりもさらに厳しい基準を満たす必要があり、消費者はより高品質な食品を選択できます。

下記に特定JAS規格の例をまとめました。

食品	特徴
熟成ハム類	一定期間以上熟成された食品
熟成ソーセージ類	一定期間以上熟成された食品
熟成ベーコン類	一定期間以上熟成された食品
地鶏肉	選び抜かれた地鶏

生産情報公表JASマーク

生産情報公表JASマークは、生産に関する情報を公開している食品に表示されます。

たとえば、生産情報公表牛肉、生産情報公表豚肉、生産情報公表農産物などが対象です。

生産者が誰で、どこで、どのように作ったかという情報を消費者に伝えることを目的としています。

JASマークを活用することで、消費者はより安全な食品を選べます。

JAS認証を取得するメリットとデメリット

JAS認証は、食品の品質や安全性を保証する日本農林規格（JAS）に基づいた認証です。

認証取得にはメリットとデメリットが存在します。

JAS認証取得のメリット

JAS認証を取得するメリットは主に3つあります。

メリット	説明
1. 信頼性の向上	消費者に対して、一定水準以上の品質や安全性が確保されていることを証明できる点
2. ブランド力の強化	JASマークを表示することで、商品やサービスのブランドイメージを高め、競合他社との差別化を図れる点
3. ビジネスチャンスの拡大	JAS認証を取得していることが、取引条件となったり、新たな販路開拓につながったりする可能性がある点

JAS認証マークは、消費者が商品を選ぶ際の判断材料になります。

認証取得によって、品質の高さをアピールできるのです。

JAS認証取得のデメリット

JAS認証取得には、いくつかのデメリットも存在します。

デメリット	説明
1. 費用がかかる	認証取得のための審査費用や、維持費用が発生する点
2. 手間がかかる	申請書類の準備や、審査機関とのやり取りなど、事務的な負担が大きい点
3. 規格維持の義務	JAS規格を維持するために、継続的な品質管理や記録管理が必要になる点

JAS認証の取得には費用と手間がかかります。

そのため、認証取得の目的を明確にし、費用対効果を十分に検討することが重要です。

JASマーク付き食品を選ぶ際の注意点

JASマークは、食品の品質を保証する重要な指標ですが、過信は禁物です。

JASマークは万能ではない

JASマークは、あくまで一定のJAS規格を満たしていることを示すもの。

JASマークは、JAS規格という国が定めた基準を満たした食品に表示されます。

しかし、JASマークは万能ではありません。

例えば、有機JASマークが付いているからといって、すべての農薬や化学肥料が使用されていないわけではありません。

また、JAS規格は、食品の安全性に関する基準だけでなく、品質や表示に関する基準も含まれています。

そのため、JASマークが付いているからといって、必ずしも消費者の期待する品質や安全性と一致するとは限りません。

JAS規格に関する最新情報を確認する

JAS規格は、時代の変化や消費者のニーズに合わせて改正される場合があります。

JAS規格は、定期的に見直され、改正されることがあります。

農林水産省のウェブサイトや関連機関の情報を確認し、常に最新のJAS規格の内容を把握することが大切です。

改正によって、JASマークの表示基準や対象となる食品が変わる可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、有機JAS規格では、使用できる農薬の種類や使用量、栽培方法などが細かく規定されていますが、これらの規定は、環境保護や消費者の安全に対する意識の高まりとともに、より厳格化される傾向にあります。

JASマークだけでなく品質表示も確認する

JASマークだけでなく、食品の品質表示を総合的に確認しましょう。

JASマークは、食品を選ぶ際の目安になりますが、それだけで品質を判断するのは不十分です。

原材料名、内容量、賞味期限などの品質表示も合わせて確認しましょう。

特に、アレルギーを持つ人は、アレルギー物質の表示を必ず確認する必要があります。

品質表示には、食品の安全性や品質に関する重要な情報が記載されています。

例えば、原産地表示は、食品の安全性を確認する上で重要な情報源となります。

また、添加物の表示は、消費者が食品の安全性や健康への影響を判断するための重要な情報となります。

JASマークの見分け方を活用する

JASマークにはいくつかの種類があり、それぞれ意味が異なります。

JASマークには、一般JASマーク、有機JASマーク、特定JASマーク、生産情報公表JASマークなどがあります。

一般JASマークは、JAS規格に合格した一般的な食品に表示されます。

有機JASマークは、有機JAS規格に基づいて生産された有機食品に表示されます。

特定JASマークは、特定の製法や品質を持つ食品に表示されます。

生産情報公表JASマークは、生産に関する情報が公開されている食品に表示されます。

これらのJASマークの種類と意味を理解することで、消費者は自分のニーズに合った食品を選ぶことができます。

マーク	対象となる食品	特徴
JASマーク	カップ麺、しょうゆ、果実飲料など	JAS規格に合格した食品
有機JASマーク	有機農産物、有機加工食品、有機畜産物	化学肥料や農薬を使用しない農産物や加工品、有機農産物と同様の飼料で育った家畜の卵や乳、肉など
特定JASマーク	熟成ハム類、熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、地鶏肉など	特別な製法や育て方の規格を満たす食品（一定期間以上熟成された食品など）
生産情報公表JASマーク	生産情報公表牛肉、生産情報公表豚肉、生産情報公表農産物など	誰が、どこで、どのように作った食品かを消費者に伝えることを認定されたマーク

よくある質問（FAQ）

JASマークが付いていない食品は品質が悪いのですか？

JASマークは、あくまでJAS規格という基準を満たしていることを示すものです。JASマークがないからといって、必ずしも品質が悪いわけではありません。品質の良い食品でも、JASマークを取得していない場合もあります。

JASマークの見分け方を教えてください。

JASマークには、一般JASマーク、有機JASマーク、特定JASマーク、生産情報公表JASマークなどがあります。それぞれのマークは対象となる食品や特徴が異なるため、目的に合ったマークを選ぶようにしましょう。

JAS規格はどのようにして定められるのですか？

JAS規格は、農林水産大臣がJAS法に基づいて定めます。規格は、食品の品質改善、取引の単純化、消費者の選択の合理化を目的としており、定期的に見直されます。

JAS規格とJIS規格、ISO規格の違いは何ですか？

JAS規格は食品や農林水産品を対象とする日本の国家規格です。JIS規格は鉱工業品を対象とする日本の国家規格、ISO規格は全産業分野を対象とする国際規格です。

JAS認証を取得すると、どんなメリットがありますか？

JAS認証を取得すると、消費者からの信頼性向上、ブランド力の強化、ビジネスチャンスの拡大といったメリットがあります。JASマークを表示することで、一定水準以上の品質や安全性が確保されていることを証明できます。

JASマークはどこで確認できますか？

JASマークは、対象となる食品のパッケージやラベルに表示されています。JASマークの種類によって、対象となる食品や品質基準が異なるため、購入する際に確認するとよいでしょう。

まとめ

JAS規格は、食品の安心・安全を保証する日本の国家規格です。

この記事では、JAS規格の定義から、JASマークの種類と見分け方、認証取得のメリット・デメリット、そしてJASマーク付き食品を選ぶ際の注意点まで、幅広く解説しました。

この記事を参考に、JASマークに関する理解を深め、日々の食品選びに役立ててみましょう。