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iphone バッテリー交換 自分で やる前に読む|リスク・手順・費用まとめ

iPhoneのバッテリー持ちが悪くなってきたと感じ、「自分で交換できないか」と考えている方もいるでしょう。

この記事では、iPhoneのバッテリーを自分で交換する方法や手順、かかる費用について詳しく解説します。

自分でバッテリー交換を行うメリットだけでなく、失敗したときのリスクや注意点をしっかり理解することで、後悔のない選択ができます。

安く済ませたいけど、自分でやるのは難しそうだしリスクも心配…

費用面での魅力は大きいですが、デメリットや注意点を把握することが大切です

目次

iPhoneバッテリー交換、自分でやる?プロに頼む?

iPhoneのバッテリー持ちが悪くなってきたと感じたとき、交換を考えるのは自然な流れです。

交換方法には大きく分けて自分で交換する方法と、Apple Storeや修理業者といったプロに依頼する方法があります。

なぜ自分で交換を考えるのか、費用だけで判断すべきでない理由、そして自己責任という覚悟について、詳しく見ていきましょう。

費用面での魅力は大きいですが、伴うリスクを理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要になります。

なぜ自分で交換を考えるか

多くの方が自分でiPhoneのバッテリー交換を検討する最大の理由は、やはり費用です。

例えば、iPhone 13の場合、Apple Storeでの交換費用は14,500円(2024年10月時点)ですが、自分で交換する場合、交換用バッテリー(PSEマーク付き)と工具セットを合わせても数千円程度で済むことが多く、1万円近く節約できる可能性があります。

できるだけ安く交換したいんだけど…

費用だけ見れば、自分で交換するのが一番安く済みますね

この大幅なコスト削減が、自分で挑戦してみようと考える大きな動機となります。

費用だけで判断してはいけない理由

自分で交換する際の魅力である「費用の安さ」ですが、それだけで判断するのは危険です。

なぜなら、交換作業には専門的な知識や技術が必要で、失敗した場合のリスクが非常に大きいからです。

例えば、作業中に誤って内部のケーブルを傷つけてしまうと、画面が映らなくなったり、タッチ操作ができなくなったりする可能性があります。

修理箇所が増え、結果的にAppleに依頼するより高額な修理費用がかかるケースも少なくありません。

安く済むと思ったのに、逆に高くついたら意味ないなぁ…

そうなんです。失敗したときの代償が大きいのが実情です

目先の費用だけでなく、これらのリスクを総合的に考慮する必要があります。

自己責任という覚悟の必要性

自分でiPhoneのバッテリー交換を行うということは、すべての結果を自分で受け入れるという覚悟が必要です。

万が一、交換作業に失敗してiPhoneが起動しなくなったり、発火して怪我をしたりしても、誰のせいにもできません。

Appleはもちろん、バッテリーや工具の販売元も、通常は作業中の事故や故障まで保証してはくれません。

もし壊しちゃったら、誰も助けてくれないってこと?

その通りです。全て自己責任で行う必要があります

作業に少しでも不安がある場合や、失敗した際のダメージを受け入れられない場合は、無理せずプロに依頼するのが賢明な判断といえます。

自分でiPhoneバッテリー交換をする際の注意点とリスク

iPhoneのバッテリー交換を自分で行うことは、費用を抑えられる魅力がある一方で、安さの裏にある重大なリスクを理解することが最も重要です。

これを軽視すると、iPhone本体の故障や思わぬ事故につながる可能性があります。

ここでは、作業前に必ず確認すべきことから、安全な交換用バッテリー選びの基準、作業中に潜む危険(発火・部品破損)、そして交換後に起こりうる防水性能の喪失Apple公式保証の対象外となる可能性、万が一に備えたデータ消失への備えまで、具体的な注意点を詳しく解説していきます。

これらのリスクと注意点を十分に理解した上で、自分で交換するかどうかを慎重に判断してください。

もし少しでも不安があるなら、専門業者への依頼を検討しましょう。

作業前に必ず確認すべきこと

バッテリー交換作業を始める前に、いくつか絶対に確認・準備しておくべきことがあります。

これを怠ると、作業に失敗してiPhoneが完全に使えなくなったり、長年撮り溜めた写真や大切な連絡先などのデータが消えてしまったりする可能性があります。

まずは以下の3つのポイントを確認し、万全の状態で作業に臨みましょう。

自分で交換するの、ちょっと怖いかも…

はい、リスクがあるので事前の準備と確認は念入りに行いましょう

特にデータバックアップは、万が一の事態が発生した際に後悔しないための、最も重要な準備作業です。

交換用バッテリー選びの基準(PSEマークの確認)

交換に使用するバッテリーは、日本の安全基準を満たしていることを示す「PSEマーク」が付いているものを選びましょう。

PSEマークは電気用品安全法に基づき、国が定めた第三者機関による検査基準をクリアした電気製品に表示が義務付けられている、いわば安全の証です。

インターネット通販サイトなどでは、驚くほど安価なバッテリーも見かけますが、PSEマークがない、あるいは偽造されたマークが表示されているバッテリーも残念ながら流通しています。

これらは品質や安全性が保証されておらず、発火事故や、交換してもすぐにバッテリーの持ちが悪くなるなどの性能不足のリスクが高まります。

信頼できる販売元から、必ずPSEマークとその近くに記載されている届出事業者名を確認して購入してください。

安全なiPhoneの使用と性能を確保するためにも、交換用バッテリー選びは価格だけでなく、安全性と信頼性を第一に考えて慎重に行う必要があります。

作業中に潜む危険(発火・部品破損)

iPhoneの分解・バッテリー交換作業には、常に危険が伴います。

知識や経験がないまま安易に行うと、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

特に注意すべきはバッテリーの発火内部の他の部品の破損です。

iPhoneの内部は、非常に小さく精密な部品で複雑に構成されています。

そのため、分解・組み立て作業中の少しのミスが、画面が映らなくなる、タッチ操作ができなくなるなど、致命的な故障につながることも少なくありません。

特にリチウムイオンバッテリーはデリケートな部品であり、取り扱いを誤ると発煙や発火、場合によっては爆発に至る可能性もあるため、細心の注意が必要です。

もし作業中に発火したらどうしよう…

万が一に備え、近くに砂や消火器を用意するか、燃えやすいものがない安全な場所で作業しましょう

これらの危険性を十分に理解し、少しでも作業に不安を感じる場合は、決して無理をせず専門家に依頼することを強く推奨します。

防水性能の喪失について

iPhone 7以降のモデルには、ある程度の水濡れに耐える耐水性能が備わっていますが、一度でも自分で分解・開封すると、その性能はほぼ失われると考えましょう。

これは、iPhoneの本体とディスプレイ(画面)の間には、内部への水の侵入を防ぐための特殊な粘着シール(防水シール、耐水シール)が貼られているためです。

バッテリー交換の際には、このシールを剥がして本体を開ける必要がありますが、シールは非常に薄く伸びやすいため、きれいに剥がして再利用することは困難です。

また、新しいシールを用意して貼り直したとしても、工場出荷時と同等の完全な防水性能を再現するのは、専用の設備や技術がない限り非常に難しいのです。

バッテリー交換後は、雨の日や水回りでの使用にこれまで以上に注意するなど、iPhoneを水に近づけないよう、より慎重に扱う必要があります。

Apple公式保証の対象外となる可能性

自分でiPhoneのバッテリー交換を行った場合、たとえ作業がうまくいったとしても、Appleの製品限定保証や、有料の延長保証サービスであるAppleCare+は無効になります。

これは非常に重要な注意点です。

Appleの保証規定では、Apple Storeや正規サービスプロバイダ以外での分解や改造が行われた製品は、保証の対象外となると明確に定められています。

つまり、自分でバッテリーを交換したiPhoneは、将来的にバッテリー以外の部分(例えばカメラやセンサー、基板など)に不具合が発生した場合でも、Appleでの修理が受けられなくなる可能性が極めて高いということです。

保証がなくなってしまうのは困るな…

はい、特に保証期間が残っている場合やAppleCare+に加入している場合は、自己修理のリスクと保証失効のデメリットをよく考える必要があります

Appleの公式な保証やサポートを維持したい場合は、費用がかかったとしても、Apple StoreまたはApple正規サービスプロバイダにバッテリー交換を依頼するのが唯一の方法です。

データ消失への備え(バックアップ必須)

バッテリー交換作業は、細心の注意を払っていても、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。

その結果、最悪の場合、iPhoneが起動しなくなったり、内部のデータが全て消えてしまったりするリスクがあります。

そのため、作業を始める前には必ずデータのバックアップを取りましょう。

作業の失敗によってiPhoneが物理的に壊れてしまうケースだけでなく、ソフトウェア的な問題が発生し、初期化(工場出荷状態に戻すこと)が必要になるケースも考えられます。

思い出の写真や動画、大切な連絡先、ゲームやアプリの進行状況など、失いたくない情報を守るために、バックアップは絶対に欠かせない準備です。

事前にバックアップさえ取っておけば、万が一iPhoneが使えなくなっても、新しいiPhoneや修理後のiPhoneにデータを復元できます

iPhoneのバッテリー交換におけるデータバックアップは、「念のためにやっておく」というレベルではなく、「必ずやらなければならない必須作業」と捉え、作業前に確実に実行してください。

iPhoneバッテリー交換を自分で行う手順と必要なもの

iPhoneのバッテリーをご自身で交換するには、正しい手順の理解と適切な準備が不可欠です。

失敗するとiPhone本体を故障させてしまうリスクがあるため、作業は慎重に行う必要があります。

このセクションでは、事前準備のリストアップから、交換用バッテリーの入手方法必要な工具作業環境の整備、そして具体的な交換手順本体開封コネクタ取り外し古いバッテリーの取り外し新しいバッテリーの取り付け組み立て)、最後に交換後の動作確認項目まで、ステップごとに詳しく解説していきます。

各ステップでの注意点をしっかり守り、落ち着いて作業を進めることが、自分でiPhoneバッテリー交換を成功させるための鍵となります。

事前準備 リストアップ

まず、iPhoneのバッテリー交換作業を安全かつスムーズに進めるための事前準備が非常に大切です。

作業を始める前に、交換に必要なものが全て揃っているか、そして最も重要なiPhone本体のデータが安全に保護されているかを確認しましょう。

作業には精密さが求められるため、最低でも1時間以上は中断せずに集中できる時間と、落ち着いて作業できる明るく整理された環境を確保することが望ましいです。

何から手をつければいいのか不安…

まずはこのリストで準備万端にしましょう!

これらの準備を怠ると、作業の途中で慌てたり、思わぬトラブルに見舞われたりする可能性があるため、必ず一つずつ確認してから作業を開始してください。

交換用バッテリーの入手方法

交換用のバッテリーは、iPhoneの性能や安全性に直結する非常に重要なパーツです。

品質の低い互換バッテリーを使用した場合、バッテリーの持ちが悪かったり、表示される最大容量が不正確だったりするだけでなく、異常な発熱やバッテリー膨張、最悪の場合は発煙や発火といった重大な事故につながる危険性も否定できません。

バッテリーを選ぶ際は、日本の電気用品安全法が定める安全基準を満たしていることを示す「PSEマーク」が表示されている製品を選ぶことが絶対条件となります。

Amazonや楽天市場、秋葉原などで見かけるiPhone修理パーツ専門店などで購入できますが、価格だけでなく、販売実績や購入者レビュー、販売元の信頼性を十分に確認することが重要です。

価格帯としては、2,000円台から5,000円程度の製品が一般的ですが、極端に安価な製品には特に注意が必要です。

信頼できる販売元から、ご自身のiPhoneモデルに適合し、PSEマークの付いた安全なバッテリーを選びましょう。

必要な工具セット(特殊ドライバー含む)

iPhoneの分解・組み立てには、一般的な家庭にあるドライバーでは対応できない特殊な形状やサイズのネジが多数使われているため、専用の工具セットが必須です。

特に、iPhone本体下部、Lightningポート(充電口)の両脇に使われている星形(ペンタローブ)のネジを外すためのドライバーや、内部の基板や部品を固定している微細なプラスネジに対応する精密ドライバーは絶対に欠かせません。

「iphone バッテリー 交換 工具」や「iphone バッテリー 交換 キット」といった名称で、必要な工具が一式になったセットが1,000円~3,000円程度で販売されています。

バッテリーを購入する際にセットになっている場合もあります。

精度の低い安価な工具は、ネジの頭を潰してしまったり(いわゆる「なめる」状態)、部品を傷つけたりする原因になります。

長く使うものではありませんが、ある程度の品質が確保された工具セットを選ぶことをおすすめします。

あると便利な道具と作業環境

必須の工具セットに加えて、作業の安全性向上や効率化、失敗リスクの低減に役立つ道具があると、より安心してiPhoneバッテリー交換を進めることができます。

例えば、iPhone内部には場所によって長さや種類の違う数十個もの微細なネジが使われており、これを元の位置と違う場所に取り付けてしまうと故障の原因になります。

取り外したネジを種類別・場所別に保管できるマグネットシートや専用トレイは、ネジの紛失や混同を防ぐために非常に役立ちます。

また、人体からの静電気は電子部品を破壊する可能性があるため、静電気防止用の手袋やリストストラップの使用が推奨されます。

万が一のバッテリー破損に備え、安全メガネで目を保護することも重要です。

作業環境としては、十分な明るさがあり、ホコリが少なく、平らで安定した広い机の上などが理想的です。

(※ヒートガン・ドライヤー・無水エタノールの使用は、リスクも伴うため慎重な判断が必要です)

これらの補助的な道具や環境を整えることで、作業中のストレスを軽減し、より安全かつ確実に交換作業を進めることができます。

iPhone本体を開ける(画面パネルの開け方)

いよいよ、実際のiPhone分解作業に入ります。

最初のステップであるiPhone本体を開ける(画面パネルを開封する)作業は、内部のデリケートなケーブル類を断線させないよう、特に慎重さが求められる工程です。

まず、iPhoneの電源が完全にオフになっていることを確認し、SIMカードトレイを取り外します。

次に、本体下部、Lightningポート(充電口)の両脇にある2本の星形(ペンタローブ)ネジを専用ドライバーで外します。

このネジは非常に小さいので紛失しないように注意しましょう。

次に、画面の下端(ホームボタン側、もしくはその付近)に吸盤をしっかりと取り付けます。

吸盤をゆっくりと上に引き上げながら、本体フレームと画面パネルの間にできたわずかな隙間に、薄いプラスチック製のヘラ(スパッジャー)やカードを差し込みます

多くのモデルでは、強力な防水・防塵用の接着シールが画面周囲に貼られているため、開封にはある程度の力が必要です。

しかし、絶対に無理な力を加えないでください

ヘラを差し込んだら、周囲に沿ってスライドさせながら、接着シールを少しずつ剥がしていきます。

力を入れすぎると、画面パネル自体を割ってしまったり、内部のフラットケーブル(画面やセンサーに繋がる薄いケーブル)を切断してしまう可能性があります。

画面パネルはある程度開くと、片側(通常は右側か左側)を軸にして本のように開くことができますが、ケーブルが繋がっている方向を必ず確認し、ケーブルに負担がかからない角度以上に開かないようにします。

必要であれば、開いた画面を何かに立てかけて固定すると作業しやすくなります。

画面を割ってしまいそうで怖い…

焦らず、ゆっくり、少しずつ隙間を広げていくのがコツです!ケーブルの位置を常に意識してくださいね!

この開封作業が、自分で修理する上での最初の関門と言えます。

内部構造をイメージしながら、無理なく慎重に画面パネルを開けることが重要です。

各種コネクタの丁寧な取り外し

画面パネルがある程度開いたら、バッテリー交換作業のために、バッテリーや画面パネルなどを基板(ロジックボード)に接続している各種コネクタを一時的に取り外す必要があります。

作業中のショート(短絡)による基板の損傷を防ぐため、必ず最初にバッテリーのコネクタを外します。

これは最も重要な手順の一つです。

コネクタ部分は通常、小さな金属製のプレート(カバーシールド)で覆われており、このプレートは1本から数本の極小ネジで固定されています。

まずは、これらのネジを対応する精密ドライバーで慎重に外します。

ネジは場所によって長さや種類が異なる場合が多いため、どのネジがどの場所に使われていたかを正確に記録・保管しておくことが非常に重要です(マグネットシートなどが役立ちます)。

金属プレートを取り外すと、コネクタが見えます。

コネクタは、プラスチック製のヘラ(スパッジャー)の先端を使って、コネクタの根本付近から真上にゆっくりと持ち上げるようにして外します

テコの原理でこじるのではなく、垂直に持ち上げるイメージです。

金属製の工具で直接コネクタや基板に触れるのは避けましょう

静電気やショートのリスクがあります。

バッテリーコネクタを外したら、次に画面パネルに繋がっているコネクタ(複数ある場合が多い)や、その他の部品(例:フロントセンサー、ホームボタンなど)に繋がるコネクタも同様の手順で慎重に取り外していきます。

コネクタやその周辺のチップ部品は非常にデリケートです。

焦らず、一つ一つの作業を丁寧に行うことが、トラブルを防ぐ鍵となります。

最難関 古いバッテリーの取り外し方と注意点

iPhoneのバッテリー交換作業において、おそらく最も難易度が高く、危険も伴うのが、この古いバッテリー本体を取り外す工程です。

iPhoneのバッテリーは、本体の背面パネル側に非常に強力な専用の両面粘着テープ(バッテリー固定用接着ストリップ)で固定されています。

このテープを綺麗に剥がすことができれば、バッテリーは比較的簡単に取り外せます。

通常、バッテリーの下端または側面に、テープの端(プルタブと呼ばれる黒い部分)が少しだけ露出しています。

このプルタブをピンセットなどで慎重につまみ、テープを本体(バッテリー側面)と平行になるように、ゆっくりと、一定の力で水平方向に引っ張り続けます

成功すれば、テープが伸びながらスルスルと剥がれていきます。

しかし、このテープは非常に切れやすく、途中でちぎれてしまうことが多々あります

これが、この工程が「最難関」と言われる所以です。

絶対にやってはいけないこと

リチウムイオンバッテリーは、物理的な衝撃や変形、内部のショートに対して極めて脆弱です。

上記のような行為は、バッテリー内部の構造を破壊し、発煙、発火、さらには小規模な爆発を引き起こす深刻な危険性があります。

絶対に避けてください。

もしテープが途中で切れてしまった場合、バッテリー下にヘラを差し込んで少しずつ剥がす方法も紹介されていますが、バッテリーを傷つけるリスクが高いため推奨しません。

少量の無水エタノールをテープ部分に染み込ませて粘着力を弱める方法もありますが、これも引火のリスクや他の部品への影響を考慮すると、慎重に行う必要があります。

テープが切れてしまい、安全に取り外す自信がない場合は、無理をせず作業を中断し、専門の修理業者に相談することを強く推奨します。

テープが切れちゃったらどうしよう…

本当に焦りますよね。でも、無理は絶対に禁物です!ヘラでこじったりするのは本当に危険なのでやめてくださいね!

バッテリーの取り外しは、iPhoneバッテリー交換DIYにおける最大の山場です。

危険性を十分に認識し、細心の注意を払って、冷静に対処することが求められます。

新しいバッテリーの取り付け方

古いバッテリーを無事に取り外すことができたら、次はいよいよ新しいバッテリーをiPhone本体に取り付ける工程です。

まず、古いバッテリーが固定されていた箇所に、古い粘着テープの残りカスなどが付着していないか確認し、もし残っていれば綺麗に取り除きます。

次に、新しい交換用バッテリーの裏面に、専用のバッテリー固定用両面テープ(接着ストリップ)を貼り付けます。

このテープは、通常、バッテリー購入時に付属しているか、別途購入します。

後で再度バッテリー交換をする際に剥がしやすいように、プルタブが付いているタイプが一般的です。

テープの貼り付け位置は、元のバッテリーを参考に正確に貼りましょう。

テープの保護フィルムを剥がし、バッテリーを本体内の正しい位置に慎重に配置します

コネクタの位置が基板側の接続部分と合うように注意しながら、バッテリー全体を軽く押さえて本体に固定します。

強く押しすぎないようにしましょう。

バッテリーが定位置に固定されたら、バッテリーのコネクタを基板側の接続ソケットに正確に合わせ、指で上から優しく「カチッ」と音がする、または手応えがあるまで押し込みます

コネクタが斜めになっていたり、完全にはまっていなかったりしないか、慎重に確認しましょう。

これで、バッテリー交換の主要な部分は完了です。

バッテリーの位置ずれやコネクタの接続不良は、後の動作不良の原因となるため、正確に取り付けることが大切です。

組み立てとネジ締めのポイント

新しいバッテリーの取り付けが完了したら、分解したときと完全に逆の手順で、iPhoneを元の状態に組み立てていきます

まず、取り外しておいた画面パネルやその他の部品(フロントセンサーなど)のコネクタを、それぞれ基板(ロジックボード)の対応するソケットに接続します。

バッテリーコネクタと同様に、位置を正確に合わせ、上から優しく押し込んで「カチッ」と音がするのを確認します。

次に、コネクタを保護するための金属プレートを元の位置に戻し、ネジで固定します。

ここで最も重要なのが、取り外した際に記録しておいたメモやマグネットシートを確認しながら、必ず正しい長さ・種類のネジを、正しい場所に使用することです。

もし、長いネジを短いネジ用の穴に入れてしまうと、ネジが基板を貫通して内部の回路を破壊し、iPhoneが起動しなくなったり、特定の機能が使えなくなったりする致命的な故障(「ロングスクリューダメージ」と呼ばれる深刻な問題)を引き起こす可能性があります。

全てのコネクタと金属プレートを元通りに取り付けたら、画面パネルを本体フレームに慎重にはめ込みます。

ケーブルを挟み込んだり、無理な力を加えたりしないように注意しましょう。

画面がしっかりとフレームに収まったら、最後に、本体下部のLightningポート(充電口)脇にある2本の星形(ペンタローブ)ネジを締めて組み立て完了です。

このネジも、締めすぎるとネジ穴や本体フレームを傷める原因になるため、適度な力で締めましょう。

なお、一度分解したiPhoneは、工場出荷時と同等の防水・防塵性能は失われると考えた方が良いでしょう。

市販の防水シールを貼り直すことも可能ですが、完全な防水性を保証するものではありません。

ネジが余ったり、足りなくなったりしないかな…

ネジの管理が本当に重要なんです!場所と長さを間違えると大変なことになるので、記録を見ながら確実に進めましょう!

組み立て作業では、特にネジの管理が成否を分けます。

焦らず、記録を確認しながら一つ一つの部品を丁寧に戻していくことが、最も重要なポイントです。

交換後の動作確認項目リスト

iPhoneの組み立てが無事に完了したら、バッテリー交換が正しく行われたか、また、分解・組み立て作業によって他の機能に不具合が生じていないかを確認するために、詳細な動作チェックを行います。

まず、最初に取り外したSIMカードトレイを本体に戻します。

次に、サイドボタン(またはトップボタン)を長押しして、iPhoneが正常に起動するかを確認します。

Appleロゴが表示され、ロック画面またはホーム画面が表示されれば第一段階はクリアです。

起動したら、Lightningケーブルを接続し、充電が開始されるか(画面右上のバッテリーアイコンに稲妻マークが表示されるか)、バッテリー残量がきちんと増えていくかを数分間確認しましょう。

その後、以下の項目を中心に、一通りの機能が問題なく動作するかをチェックする必要があります。

自分で交換?それとも業者依頼?最終判断のポイント

iPhoneのバッテリー交換を検討する際、ご自身にとって「何を最も重視するか」が最終的な判断の分かれ道になります。

費用を最優先するのか、それとも安全性や手間を考慮するのか、状況によって最適な選択は異なります。

このセクションでは、Apple正規サービスでの交換、非正規修理店の利用、そして自分で交換する場合のそれぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきます。

さらに、総費用の内訳や業者依頼時の費用相場、取り外した古いバッテリーの処分方法、そしてご自身の手先の器用さやリスク許容度といった観点からの判断基準を解説します。

これらの情報を総合的に比較検討し、ご自身に合った納得のいく方法を選びましょう。

Apple正規サービスでの交換メリット・デメリット

Apple正規サービスとは、Apple StoreまたはAppleが認定した正規サービスプロバイダによる修理サービスを指します。

メーカー自身のサービスであるため、最も信頼性が高い選択肢と言えます。

メリットとしては、Apple純正部品が使用されることによる品質の高さと安心感、そして修理後の作業保証が付く点が挙げられます。

また、AppleCare+に加入しており、バッテリーの最大容量が80%未満に低下している場合は、無料で交換を受けられる場合があります。

デメリットは、他の方法と比較して費用が比較的高額になる傾向があること、店舗への持ち込みには基本的に事前予約が必要であること、混雑時には修理完了までに時間がかかる可能性がある点です。

例えば、iPhone 11シリーズの場合、Appleでのバッテリー交換費用は14,500円(2024年10月時点)となっています。

Appleに頼むのが一番安心だけど、高いし時間もかかるイメージ…。

費用や時間はかかりますが、品質と保証は確実です。

品質と保証、そして何より安心感を最優先したい場合には、Apple正規サービスでの交換が最適な選択となります。

非正規修理店の利用メリット・デメリット

非正規修理店とは、Appleからの正規認定を受けていない、いわゆる「街のiPhone修理屋さん」などを指します。

駅前や商業施設内などで見かけることも多いでしょう。

最大のメリットは、Apple正規サービスと比較して費用が安価な場合が多い点と、即日修理に対応してくれる店舗が多い点です。

予約なしで受け付けてくれることもあり、急いでいる場合には便利です。

一方、デメリットとしては、使用されるバッテリーの品質にばらつきがある可能性が挙げられます。

特に、電気用品安全法で定められたPSEマークのないバッテリーが使用されるリスクには注意が必要です。

また、一度非正規店で修理を行うと、その後Appleの公式保証や修理サービスの対象外となる可能性があります。

技術力も店舗によって差があるため、お店選びが重要になります。

街の修理屋さんなら早くて安いかも?でも大丈夫かな?

店舗によって技術や部品の質が異なるため、お店選びが重要になります。

修理にかかる時間と費用を抑えたい場合には有力な選択肢ですが、部品の品質や保証失効のリスクを理解した上で、信頼できる店舗を慎重に選ぶ必要があります。

自分で交換する場合の総費用内訳

iPhoneのバッテリー交換を自分で行う場合、最大の魅力はその費用の安さにあります。

業者に依頼する場合と比較して、どれくらいの費用で済むのでしょうか。

主な費用は、交換用バッテリー本体の代金と専用工具の購入費用です。

交換用バッテリーは、iPhoneの機種にもよりますが、インターネット通販などで数千円程度で購入可能です。

この際、必ず日本の安全基準を満たしている証であるPSEマークが付いている製品を選んでください。

安価すぎるバッテリーには注意しましょう。

次に、iPhoneの分解に必要な専用工具セット(星形ドライバー、ヘラ、吸盤など)も必要になります。

これも1,000円~3,000円程度で購入できます。

「iphone バッテリー 交換 キット」や「iphone バッテリー 交換 工具」で探すと、バッテリーと工具がセットになった商品も見つかります。

機種によっては、本体を開封する際に切れてしまう防水シールを別途購入する必要がある場合もあります(数百円程度)。

部品と工具だけなら、やっぱり一番安上がりだよね?

初期費用は抑えられますが、失敗時の追加コストも考慮に入れる必要があります。

このように、部品と工具代だけを見れば自分で交換するのが最も安価ですが、これはあくまで成功した場合の話です。

作業に失敗して他の部品を破損させてしまえば、結果的に高額な修理費用がかかる可能性も忘れてはいけません。

業者に依頼する場合の費用相場比較

iPhoneのバッテリー交換を業者に依頼する場合、主に「Apple正規サービス」と「非正規修理店」の2つの選択肢があり、それぞれ費用が異なります。

Apple正規サービスの場合、AppleCare+に加入していてバッテリー最大容量が80%未満であれば無料です。

保証対象外の場合、費用は機種によって異なり、例えばiPhone 11シリーズは14,500円、iPhone 14シリーズは15,800円、iPhone SE (第3世代)は11,200円となっています(2024年10月時点、税込)。

一方、非正規修理店の場合、店舗や機種によって料金設定は様々ですが、一般的にApple正規サービスより安価な傾向にあり、5,000円~15,000円程度が相場です。

ただし、使用されるバッテリーは純正品ではない点に注意が必要です。

*※費用は変動する可能性があります。

最新情報は各サービスの公式サイト等でご確認ください。

結局、どこに頼むのが一番コストパフォーマンスが良いのかな?

単純な金額だけでなく、保証や安心感を含めて判断することが大切です。

単純な費用だけを見ると非正規修理店に魅力を感じますが、使用部品の品質や保証内容、修理後のリスクなども含めて、総合的に比較検討することが重要です。

iphone バッテリー交換 費用 安い」だけで飛びつかず、サービス内容をしっかり確認しましょう。

取り外した古いバッテリーの適切な処分方法

自分でiPhoneのバッテリー交換を行った場合、忘れてはならないのが取り外した古いバッテリーの処分です。

iPhoneに使用されているリチウムイオンバッテリーは、一般ごみとして捨てることはできません

リチウムイオンバッテリーは、内部に可燃性の素材を含んでおり、強い衝撃が加わったり、破損したりすると発火する危険性があります。

ごみ収集車や処理施設での火災原因となることもあるため、絶対に通常の燃えるごみや燃えないごみには混ぜないでください。

正しい廃棄・処分方法としては、以下のようなものが挙げられます。

古いバッテリーって、普通に燃えないゴミで捨てちゃダメなの?

発火の危険があるため、絶対に一般ごみには捨てず、ルールに従って処分してください。

お住まいの地域のルールを確認し、最も都合の良い方法で適切に処分することが、安全と環境保護のために不可欠です。

古いバッテリー処分は、交換作業の最後の重要なステップと考えてください。

手先の器用さやリスク許容度からの判断基準

最後に、iPhone バッテリー交換 自分で行うかどうかを判断する上で、技術的な側面と同じくらい重要なのが、ご自身の手先の器用さと、失敗した際のリスクを受け入れられるか(リスク許容度)です。

iPhoneの内部は非常に精密にできており、ネジは米粒よりも小さく、ケーブルは非常にデリケートです。

プラモデル作りや細かい工作が得意な方であれば、手順をしっかり確認すれば成功する可能性はあります。

しかし、不器用だと自覚がある方や、小さな部品の扱いに不安を感じる方は、失敗のリスクが高まります。

失敗は、単にバッテリー交換ができないだけでなく、画面を割ってしまったり、ケーブルを断線させてiPhoneが起動しなくなったりする致命的な故障につながる可能性があります。

そうなった場合、Appleの保証は受けられなくなり、高額な修理費用が発生するか、最悪の場合はiPhoneを買い替えるしかなくなります。

また、バッテリーの取り扱いを誤ると発火する危険があることも忘れてはいけません。

これらのリスクを十分に理解し、「自己責任」ですべてを受け入れる覚悟があるかどうかが、最終的な判断基準となります。

不器用だし、壊しちゃったら怖いな…。

少しでも不安があれば、無理せずプロに任せるのが賢明な判断です。

費用面でのメリットは魅力的ですが、それ以上に失うものが大きい可能性もあります。

ご自身のスキルとリスク許容度を客観的に見極め、後悔のない選択をしてください。

安全と確実性を優先するなら、業者正規修理または信頼できる非正規修理)への依頼がおすすめです。

よくある質問(FAQ)

交換用バッテリーはどこで買うのがおすすめですか?また、選ぶ際の注意点はありますか?

交換用バッテリーは、オンラインストアなどで購入可能です。

選ぶ際は、必ずお使いのiPhoneの機種に対応しているかを確認してください。

重要なのは「PSEマーク」が付いている製品を選ぶことです。

これは日本の安全基準を満たしている証拠になります。

レビューなどを参考に、信頼できる販売元から購入することをおすすめします。

iPhoneバッテリー交換に必要な工具セットは、具体的にどのようなものが必要ですか?

iPhoneのバッテリー交換には、専用の工具セットが必要です。

具体的には、iPhone本体を開けるための星形ドライバーや吸盤、ヘラ(スパッジャー)、内部の小さなネジを扱うための精密ドライバー(プラス)、バッテリーのコネクタを外すための非金属製の工具、ピンセットなどが入っているものを選びましょう。

機種によってネジの種類が違うため、対応機種を確認することが大切です。

作業時間はどれくらいかかりますか?初めてでもできますか?

作業時間は、慣れている方なら30分〜1時間程度ですが、初めてiPhoneのバッテリー交換に挑戦する場合や、慎重に進める場合は1〜2時間、あるいはそれ以上かかることも想定しておきましょう。

手先の器用さや、事前に交換手順の解説動画を見るなど、準備によって難易度の感じ方は変わります。

少しでも不安があれば無理は禁物です。

交換後の古いバッテリーはどう処分すればよいですか?

取り外した古いiPhoneのバッテリー(リチウムイオン電池)は、一般の家庭ごみとして捨てることはできません。

発火の危険があるため、適切な方法で処分する必要があります。

お近くの家電量販店や携帯ショップなどに設置されている「小型充電式電池リサイクルボックス」に入れるのが一般的です。

または、お住まいの自治体のルールに従って処分してください。

バッテリーが膨張しているのですが、自分で交換するのは危険ですか?

はい、バッテリーが膨張している状態での自己交換は非常に危険です。

膨張したバッテリーは内部でガスが発生している可能性があり、衝撃を与えたり穴を開けたりすると発火や破裂のリスクが高まります。

iPhoneの画面が浮き上がっているなど、バッテリー膨張の兆候が見られる場合は、自分で交換しようとせず、速やかにApple Storeや正規サービスプロバイダ、または信頼できる修理業者に相談することをおすすめします。

自分で交換した後、Appleの保証や修理は本当に受けられなくなるのですか?

はい、基本的にiPhoneを自分で分解・改造した場合、Appleの製品限定保証やAppleCare+の保証は対象外となります。

つまり、その後何か別の不具合が発生しても、Apple Storeや正規サービスプロバイダでの保証修理や有償修理サービスを受けられなくなる可能性が非常に高いです。

この点は自己責任として理解しておく必要があります。

まとめ

この記事では、iPhoneのバッテリーを自分で交換する方法について、メリット・デメリットや具体的な手順注意点を詳しく解説しました。

自分でiphone バッテリー交換を行う前に、特に理解していただきたい点は以下の通りです。

ご自身で挑戦される場合は、この記事で解説したリスクと手順を十分に理解し、データバックアップを必ず行ってください。

自己責任で慎重に進めることが大切です。

少しでも不安を感じるならば、Apple Store正規修理)や信頼できる非正規修理業者へ相談することが、結果的に後悔のない選択となります。

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