雇用保険｜加入条件-1ヶ月以内の雇用でも入れる？短期雇用の注意点

雇用保険は、原則31日以上の雇用見込みで加入義務が発生しますが、諦めるのはまだ早いです。

1ヶ月以内の短期雇用でも、加入できるケースがあるからです。

雇用保険は労働者の生活と雇用を安定させる国の制度ですが、短期雇用でも加入できる場合があります。

雇用契約の内容を確認し、加入条件を満たしているか確認することが重要です。

雇用保険に加入することで、万が一の失業に備えることができ、再就職への支援も受けられます。

この記事でわかること

雇用保険｜短期雇用でも加入できるケース

雇用保険は、原則として31日以上の雇用見込みがある場合に加入義務が発生しますが、例外的に1ヶ月以内の短期雇用でも加入できるケースがあるため、諦めずに確認することが重要です。

雇用保険の加入条件と短期雇用

雇用保険は、労働者の生活と雇用の安定を目的とした国の制度です。

加入条件は原則として、「31日以上の雇用見込みがあること」「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」「学生（夜間や通信制は除く）ではないこと」の3つを満たす必要があります。

短期雇用でも加入できるケースとは

短期雇用、具体的には1ヶ月以内の雇用契約であっても、以下のケースでは雇用保険に加入できる可能性があります。

ケース	詳細
雇用契約更新により31日以上の雇用が見込まれる場合	当初の契約は1ヶ月以内であっても、雇用契約の更新によって結果的に31日以上の雇用が見込まれる場合は、加入対象となります。
当初から雇用契約に更新条項があり、31日以上の雇用が明確である場合	雇用契約書に更新条項が明記されており、31日以上の雇用が最初から予定されている場合は、加入が必要です。
試用期間として1ヶ月の契約を結び、その後も継続して雇用される見込みがある場合	試用期間として1ヶ月の雇用契約を結んだ後、双方が合意の上で継続して雇用される見込みがある場合も、加入対象となります。

雇用保険加入手続きの流れ

雇用保険の加入手続きは、事業主と従業員双方にとって重要なプロセスです。

手続きをスムーズに進めるためには、必要な書類を事前に準備し、正確な情報を記入することが重要になります。

以下では、事業主が行う手続きと、その際に必要となる書類について詳しく解説します。

事業主による手続き

事業主は、従業員を雇用保険に加入させるために、いくつかの手続きを行う必要があります。

手順	内容	備考
1	適用事業所設置届の提出	事業所が初めて雇用保険の適用事業所となる場合に必要な手続き
2	雇用保険被保険者資格取得届の提出	従業員を雇用保険に加入させるための手続き
3	雇用保険料の納付	従業員の給与から控除した雇用保険料を納付する

必要な書類

雇用保険の加入手続きには、以下の書類が必要となります。

これらの書類を事前に準備することで、手続きをスムーズに進めることが可能です。

書類名	概要	入手先
雇用保険被保険者資格取得届	従業員の氏名、住所、生年月日などを記入する書類	ハローワーク
雇用保険被保険者証	従業員が以前に雇用保険に加入していた場合に必要	従業員本人
雇用契約書または労働条件通知書	雇用契約の内容を確認するために必要	事業主
出勤簿またはタイムカード	従業員の労働時間を確認するために必要	事業主
賃金台帳	従業員の賃金を確認するために必要	事業主
身元確認書類	従業員の本人確認のために必要	従業員本人

雇用保険加入に関する注意点

雇用保険への加入は、労働者の権利を守る上で非常に重要です。

雇用契約内容をしっかりと確認し、自身の労働条件が加入条件を満たしているかを把握することが大切です。

ここでは、雇用契約の確認と雇用保険料という2つの重要なポイントについて説明します。

これらを知っておくことで、雇用保険に関するトラブルを未然に防ぎ、安心して働くことができるでしょう。

雇用契約の確認

雇用契約を結ぶ際、契約内容を詳細に確認することは非常に重要です。

雇用期間や労働時間、賃金といった基本的な条件はもちろんのこと、雇用保険の加入に関する条項が明記されているかを確認しましょう。

雇用契約書には、通常、以下の項目が記載されています。

項目	内容
雇用期間	雇用契約の開始日と終了日。期間の定めがある場合は、更新の有無や条件も確認する。
労働時間	1日の所定労働時間や休憩時間、週の労働日数。
賃金	基本給、手当、残業代など。
雇用保険の加入状況	雇用保険に加入するかどうか。加入する場合は、被保険者番号などが記載されている。
その他	退職に関する事項、服務規律など。

雇用契約書の内容に不明な点や疑問点があれば、必ず会社に確認しましょう。

雇用保険料について

雇用保険料は、毎月の給与から天引きされる形で徴収されます。

保険料率は、業種や雇用形態によって異なりますが、一般的には給与の総支給額に対して一定の割合で計算されます。

2024年現在の雇用保険料率は以下の通りです。

区分	労働者負担率	事業主負担率	合計
一般の事業	0.6%	0.95%	1.55%
農林水産・清酒製造の事業	0.7%	1.05%	1.75%
建設の事業	0.8%	1.15%	1.95%

雇用保険料は、給与明細に記載されているので、毎月確認するようにしましょう。

よくある質問（FAQ）

1ヶ月以内の短期雇用でも雇用保険に加入できるのはどのような場合ですか？

雇用契約更新によって31日以上の雇用が見込まれる場合、または雇用契約書に更新条項があり最初から31日以上の雇用が予定されている場合は、1ヶ月以内の短期雇用でも雇用保険に加入できる可能性があります。

試用期間として1ヶ月の雇用契約を結び、その後継続して雇用される見込みがある場合も同様です。

雇用保険の加入手続きはどのように行えば良いですか？

雇用保険の加入手続きは、原則として事業主が行います。

事業主は、ハローワークに適用事業所設置届や雇用保険被保険者資格取得届などの書類を提出し、雇用保険料を納付する必要があります。

手続きをスムーズに進めるために、必要な書類を事前に準備し、正確な情報を記入しましょう。

雇用保険の加入条件を満たしているか確認するにはどうすれば良いですか？

雇用契約を結ぶ際に、雇用期間や労働時間、賃金などの条件が雇用保険の加入条件を満たしているか確認することが重要です。

雇用保険に関する条項が明記されているかを確認し、不明な点があれば会社に問い合わせましょう。

雇用保険料はどのくらい引かれますか？

雇用保険料は、毎月の給与から天引きされる形で徴収されます。

保険料率は業種や雇用形態によって異なりますが、一般的には給与の総支給額に対して一定の割合で計算されます。

給与明細に記載されているので、毎月確認するようにしましょう。

短期雇用の場合、雇用保険に加入するメリットはありますか？

短期雇用でも雇用保険に加入することで、失業した場合に失業手当を受給できる可能性があります。

また、教育訓練給付や育児休業給付など、様々な給付金を受けられる場合があります。

雇用保険に加入していなかった場合、遡って加入できますか？

原則として、雇用保険の加入は雇用された時点から行う必要があります。

しかし、会社が加入手続きを怠っていた場合など、遡って加入できるケースもあります。

まずは、ハローワークに相談してみましょう。

まとめ

雇用保険は原則31日以上の雇用見込みで加入義務が生じますが、1ヶ月以内の短期雇用でも加入できるケースがあるため、諦めずに確認しましょう。

雇用契約の内容を確認し、加入条件を満たしているか確認しましょう。