うつ病での退職は、将来への不安が募るつらい決断です。
経済的な心配は、その不安をさらに大きくしてしまいます。
この記事では、うつ病で退職した方が利用できる給付金について解説します。
傷病手当金、失業保険、障害年金など、経済的な負担を軽減するための制度を理解することで、安心して療養に専念できる可能性が高まります。

給付金ってたくさん種類があるけど、自分はどれがもらえるの?

ご自身の状況に合わせて利用できる制度を知ることが大切です。
この記事でわかること
- 傷病手当金の受給条件
- 失業保険の受給条件
- 障害年金の受給条件
- 経済的な不安を解消する方法
うつ病退職時に知るべき給付金

うつ病で退職を検討する際、経済的な不安は大きな負担となります。
各種給付金や支援制度を事前に理解しておくことで、安心して療養に専念できる可能性が高まります。
退職前に確認すべきポイント、退職後の手続きの流れを把握することで、スムーズに給付金を受け取ることが可能です。
この記事では、うつ病で退職した場合に利用できる可能性のある給付金について解説します。
退職前に確認すべきポイント
退職前に確認すべきポイントは、給付金の種類や条件、申請方法などを把握することです。
これらの情報を事前に確認することで、退職後の手続きをスムーズに進めることができます。
確認ポイント | 内容 |
---|---|
給付金の種類 | 傷病手当金、失業保険(求職者給付)、障害年金など、利用できる可能性のある給付金の種類を把握する。 |
受給条件 | 各給付金の受給条件(保険加入状況、離職理由、現在の健康状態など)を確認する。 |
申請方法 | 申請に必要な書類、申請窓口、手続きの流れなどを確認する。 |
注意点 | 各給付金の注意点(受給期間、金額、他の制度との併用可否など)を確認する。 |
相談窓口 | 相談できる窓口(ハローワーク、医療機関、社会保険労務士など)を確認する。 |
退職前にこれらのポイントを確認し、ご自身が利用できる給付金や支援制度を把握しておきましょう。

自分がどの給付金をもらえるのか、どうすれば確認できるんだろう?

まずは、医師やハローワークに相談して、利用できる制度を確認することが大切です。
退職後の手続きの流れ
退職後の手続きの流れは、まず、利用できる給付金の種類を確認し、必要な書類を準備することから始まります。
申請窓口に書類を提出し、審査を通過すれば、給付金が支給されます。
手続きの流れ | 内容 |
---|---|
給付金種類の確認 | 傷病手当金、失業保険(求職者給付)、障害年金など、利用できる可能性のある給付金の種類を確認する。 |
必要書類の準備 | 各給付金の申請に必要な書類(離職票、医師の診断書、年金手帳など)を準備する。 |
申請 | 各給付金の申請窓口(健康保険組合、ハローワーク、年金事務所など)に書類を提出する。 |
審査 | 申請書類に基づいて、受給資格の有無が審査される。 |
給付 | 審査を通過した場合、給付金が指定された口座に振り込まれる。 |
退職後の手続きは煩雑ですが、一つずつステップを踏んで進めることで、確実に給付金を受け取ることができます。
傷病手当金
傷病手当金の受給条件
傷病手当金は、病気やけがのために仕事に行けない期間の生活を保障する制度です。

4日以上連続して仕事を休んでいることが条件なのね?

そうです。最初の3日間は待機期間となります。
受給するためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
1. 業務外の病気やけが | 仕事とは関係ない理由で病気やけがをしたこと |
2. 仕事ができない状態 | 病気やけがのために、今までやっていた仕事ができない状態であること |
3. 連続する4日以上の休み | 連続して4日以上仕事に就けないこと(最初の3日間は待機期間) |
4. 給与が支払われないこと | 病気やけがで休んでいる間、会社から給与が支払われていないこと。給与が一部支払われている場合は、傷病手当金の額が調整される場合がある |
これらの条件をすべて満たしている場合に、傷病手当金の受給資格が発生します。
金額と受給期間
傷病手当金の金額は、標準報酬日額の3分の2に相当します。
標準報酬日額とは、給与を基に計算される1日あたりの金額です。

標準報酬日額って、どうやって計算するんだろう?

標準報酬月額を30で割った金額が、標準報酬日額となります。
支給開始日以前の継続した加入期間によって、計算方法が異なる場合があります。
加入期間 | 計算方法 |
---|---|
支給開始日以前12ヶ月以上の場合 | 支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30 |
支給開始日以前12ヶ月未満の場合 | 以下のいずれか少ない方の額で計算される ・支給開始日以前の加入期間の標準報酬月額の平均額 ・支給開始日の属する年度の前年度9月30日における、全被保険者の標準報酬月額の平均額 |
受給期間は、同一の病気やけがで最初に傷病手当金が支給された日から、最長1年6ヶ月です。
申請方法と必要書類
傷病手当金の申請は、健康保険組合または協会けんぽに行います。

申請に必要な書類は何があるのかな?

傷病手当金支給申請書、医師の意見書、事業主の証明書などが必要です。
申請の流れは以下の通りです。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | 勤務先に傷病手当金を申請する旨を報告する |
2 | 健康保険組合または協会けんぽのウェブサイトから申請書をダウンロードするか、窓口で受け取る |
3 | 医療機関を受診し、医師に申請書に意見を記入してもらう |
4 | 勤務先に申請書を提出し、事業主の証明欄に記入してもらう |
5 | 申請書を健康保険組合または協会けんぽに提出する |
申請時には、以下の書類が必要になります。
書類名 | 内容 |
---|---|
傷病手当金支給申請書 | 健康保険組合または協会けんぽ所定の申請書 |
医師の意見書 | 申請書に添付されている医師の意見書欄に、病名、症状、労務不能である旨などを記入してもらう |
事業主の証明書 | 申請書に添付されている事業主の証明欄に、休業期間、給与の支払い状況などを記入してもらう |
出勤簿や賃金台帳のコピー | 休業期間中の給与の支払い状況を確認するために必要な場合がある |
これらの書類を準備し、健康保険組合または協会けんぽに提出することで、傷病手当金の申請手続きが完了します。
失業保険(求職者給付)
うつ病で退職されたみなさんにとって、失業保険は経済的な支えとなる重要な制度です。
失業保険(求職者給付)は、雇用保険の加入者が失業した場合に、再就職までの生活を支援するために給付されるものです。
この制度を理解することで、退職後の生活設計を立てやすくなります。
ここでは、失業保険の受給条件、金額と受給期間、申請方法と注意点について、詳しく解説します。
それぞれのポイントを把握し、ご自身が受給できるかどうかを確認しましょう。
失業保険の受給条件
失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
特に重要なのは、離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あることです。
これは、雇用保険に加入していた期間が一定以上必要であることを意味します。
主な受給条件は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
離職理由 | 倒産・解雇などによる離職(会社都合)もしくは、病気やケガ、家族の介護などやむを得ない理由による離職(正当な理由のある自己都合)であること。 |
就労意欲と能力 | 働く意思と能力があること。 |
求職活動 | 積極的に求職活動を行っていること。ハローワークでの求職登録が必要です。 |
その他 | 離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること。 |

本当に受給できるのか不安だな…

まずはハローワークで相談し、ご自身の状況を確認することが大切です。
金額と受給期間
失業保険の金額は、退職前の賃金や年齢によって異なります。
基本手当日額は、原則として離職日の直前6ヶ月に支払われた賃金(賞与は除く)を180で割った金額のおよそ50~80%です。
給付率は、賃金が低いほど高くなります。
受給期間は、離職理由や雇用保険の加入期間によって異なり、90日から330日の間で決定されます。
区分 | 受給日数 |
---|---|
倒産・解雇など | 90日~330日(年齢や雇用保険の加入期間によって異なります) |
正当な理由のある自己都合 | 90日~150日(年齢や雇用保険の加入期間によって異なります) |
申請方法と注意点
失業保険の申請は、ハローワークで行います。
申請の際には、離職票、雇用保険被保険者証、身分証明書、印鑑、預金通帳などが必要になります。
申請の流れは以下の通りです。
- ハローワークで求職の申し込みを行う
- 離職票を提出する
- 受給資格の決定を受ける
- 雇用保険説明会に参加する
- 求職活動を行う
- 失業の認定を受ける

申請って難しそう…

ハローワークの窓口で丁寧に教えてもらえますので、安心してください。
失業保険は、うつ病で退職されたみなさんの生活を支える大切な制度です。
受給条件や申請方法を理解し、適切に活用することで、安心して再就職への準備を進めることができます。
障害年金
障害年金の受給条件
障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に支障が出ている方が受け取れる年金です。
受給するためには、初診日に公的年金に加入していること、保険料の納付状況が一定の条件を満たしていること、障害の状態が法令で定める基準に該当していることが必要です。
障害年金は、経済的な支援を通じて、安心して療養生活を送ることを目的としています。
金額と等級
障害年金の金額は、障害の程度によって1級から3級に区分され、等級に応じて支給額が異なります。
障害基礎年金は1級と2級のみで、障害厚生年金は1級から3級に加えて、より症状の軽い障害手当金が支給されます。
等級 | 障害基礎年金(年額) | 障害厚生年金(年額) |
---|---|---|
1級 | 993,750円 + 子の加算 | 報酬比例の年金額 × 1.25 + 経過的加算額 + 配偶者の加給年金額 + 子の加算 |
2級 | 795,000円 + 子の加算 | 報酬比例の年金額 + 経過的加算額 + 配偶者の加給年金額 + 子の加算 |
3級 | 報酬比例の年金額 + 経過的加算額(最低保障額:596,300円) |
申請の流れとポイント
障害年金の申請は、まず年金事務所または市区町村の窓口で相談し、必要な書類を揃えることから始まります。
申請書類には、医師の診断書や病歴・就労状況等申立書などが含まれ、これらを正確に記入し、提出することが重要です。
申請から受給決定までには時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めることが望ましいです。
経済的な不安を解消するために
うつ病で退職した場合、経済的な不安を抱えるのは当然です。
しかし、傷病手当金や失業保険、障害年金など、さまざまな給付金や支援制度があることを知っておくことが重要です。
ここでは、経済的な不安を解消するために活用できる相談窓口、専門家への相談、支援制度の利用について解説します。
それぞれの情報を参考に、経済的な不安の軽減に役立ててください。
相談窓口の活用
相談窓口を活用することで、専門家からアドバイスや支援を受けられます。
相談窓口では、経済的な不安や生活に関する悩みなど、さまざまな相談に対応しています。
相談窓口 | 概要 |
---|---|
ハローワーク | 失業保険に関する相談、求職支援 |
精神保健福祉センター | 精神保健に関する相談、医療や福祉に関する情報提供 |
市区町村の福祉窓口 | 生活保護、各種手当、医療費助成など、生活困窮者向けの支援制度に関する相談 |
弁護士会 | 法律に関する相談 |
司法書士会 | 法律に関する相談 |
NPO法人・支援団体 | 生活困窮者、障がい者、女性など、特定の属性の人々を支援する団体。相談や情報提供、生活支援など |
いのちの電話 | 精神的な悩み、自殺に関する相談 |

相談窓口がたくさんあって、どこに相談すればいいかわからない…

まずは、ハローワークや市区町村の福祉窓口など、身近な相談窓口に相談してみましょう。
専門家への相談
専門家への相談は、客観的な視点からアドバイスを受けることで、経済的な不安の解消につながります。
専門家は、個別の状況に合わせて適切なアドバイスや支援を提供してくれます。
専門家 | 概要 |
---|---|
医師 | 病状や治療に関する相談 |
精神保健福祉士 | 精神的な問題や生活に関する相談、社会復帰支援 |
弁護士 | 法的な問題に関する相談、損害賠償請求、債務整理など |
司法書士 | 法的な問題に関する相談、自己破産、相続など |
ファイナンシャルプランナー | 家計に関する相談、資産運用、保険など |
支援制度の利用
支援制度を利用することで、経済的な負担を軽減できます。
傷病手当金、失業保険、障害年金など、さまざまな支援制度があります。
支援制度 | 概要 |
---|---|
傷病手当金 | 病気やケガで働けなくなった場合に、健康保険から給付される手当。 |
失業保険(求職者給付) | 離職した人が、再就職までの間、生活を支えるために受け取れる給付金。 |
障害年金 | 病気やケガで障害が残った場合に、国民年金または厚生年金から支給される年金。 |
生活保護 | 経済的に困窮している人が、最低限の生活を保障するために受けられる支援。 |
自立支援医療制度 | 精神疾患の治療にかかる医療費を軽減する制度。 |
住居確保給付金 | 離職などにより住居を失った人が、住居を確保するために受けられる給付金。 |
うつ病で退職した場合でも、経済的な不安を解消するための様々な選択肢があることを理解することが重要です。
ご自身の状況に合わせて、これらの相談窓口や支援制度を積極的に活用しましょう。
よくある質問(FAQ)
- うつ病で退職した場合、傷病手当金と失業保険は両方受給できますか?
-
傷病手当金と失業保険は同時に受給できません。
傷病手当金は、病気やけがで仕事に行けない期間の生活を保障する制度であり、失業保険は、働く意思と能力があるにもかかわらず失業している状態を支援する制度であるためです。
- うつ病で退職した場合、障害年金は受給できますか?
-
はい、障害年金は受給できる可能性があります。
障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に支障が出ている場合に支給される年金です。
うつ病によって日常生活や仕事に著しい制限を受ける場合は、障害年金の受給要件を満たす可能性があります。
- 失業保険の申請はハローワーク以外でもできますか?
-
原則として、失業保険の申請はハローワークで行います。
ハローワークは、求職者に対する職業相談や職業紹介、雇用保険に関する業務などを行っています。
失業保険の申請手続きや受給資格などについて、詳しく知りたい場合は、ハローワークに相談することが重要です。
- 傷病手当金の申請で、勤務先の証明がもらえない場合はどうすればよいですか?
-
まずは勤務先に、傷病手当金の申請に必要な証明を依頼する理由を丁寧に説明することが重要です。
それでも証明が得られない場合は、健康保険組合や協会けんぽに相談することで、対応を検討してもらえます。
- 障害年金の申請で、医師に診断書を書いてもらえない場合はどうすればよいですか?
-
障害年金の申請に必要な診断書は、障害の状態を正しく評価するために非常に重要な書類です。
診断書の作成を依頼する際には、医師に診断書が年金受給のために必要なものであることを伝え、現在の症状や日常生活における支障について詳しく説明することが大切です。
それでも診断書の作成を拒否された場合は、他の医療機関を受診して診断書を作成してもらうことも検討しましょう。
- うつ病で退職した場合に利用できる、給付金以外の支援制度はありますか?
-
はい、給付金以外にも、自立支援医療制度や生活保護などの支援制度があります。
自立支援医療制度は、精神疾患の治療にかかる医療費を軽減する制度で、生活保護は、経済的に困窮している場合に最低限の生活を保障する制度です。
まとめ
うつ病で退職した場合、経済的な不安を感じるのは当然です。
この記事では、経済的な負担を軽減するための給付金や支援制度について解説しました。
- 傷病手当金、失業保険、障害年金といった給付金の受給条件や申請方法
- 経済的な不安を解消するための相談窓口や専門家
- 自立支援医療制度や生活保護などの支援制度
この記事を参考に、まずはハローワークや市区町村の窓口に相談し、利用できる制度を確認することから始めてみましょう。
「退職したら失業保険もらえるでしょ…」
そう思って辞めた人、けっこう後悔してます。
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・26歳(勤続 2年)月収25万円 → 約115万円
・23歳(勤続 3年)月収20万円 → 約131万円
・40歳(勤続15年)月収30万円 → 約168万円
・31歳(勤続 6年)月収35万円 → 約184万円
※受給額は申請条件や状況により異なります
※退職済みの方も申請できる場合があります