【完全ガイド】Chromeをアンインストールする方法|Windows・Mac・スマホ別に徹底解説

Google Chromeは世界中で多く使われているブラウザですが、「動作が重くなった」「別のブラウザに乗り換えたい」「不具合が解消しない」といった理由で、アンインストールを考えることもあるかもしれません。ただ、いざアンインストールしようとしても「本当にデータごと消えるのか?」「手順がよくわからない」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

手順を間違えると、不要なデータがPCやスマホに残り続けてしまったり、大切なブックマークやパスワードが消えてしまったりする可能性も考えられます。OSごとに正しい手順を知り、必要なデータを守りながら不要なものだけを綺麗に削除することが求められます。

この記事でわかること

Chromeをアンインストールする前に確認すべきこと

Chromeのアンインストール作業を始める前に、いくつか確認しておくべき大切な点があります。もしChromeにGoogleアカウントでログインして「同期」機能を使っていた場合、ブックマークやパスワード、閲覧履歴などのデータはGoogleのサーバー上に保存されています。しかし、同期をオフにしていたり、ローカルにしか保存していない情報があったりすると、アンインストールによってそれらが失われてしまう恐れがあるのです。特に長年メインブラウザとして利用してきた場合、失うと困るデータも多いはずです。万が一の事態に備え、重要なデータは必ずバックアップを取る習慣が重要になります。

ブックマークやパスワードのバックアップ方法

Chromeから大切なデータを守るため、まずはバックアップを取りましょう。ブックマークは、Chromeのメニュー(画面右上の縦三点リーダー)から「ブックマークとリスト」を選び、「ブックマーク マネージャ」を開きます。さらにマネージャ内の右上にある縦三点リーダーから「ブックマークをエクスポート」を選択すると、HTMLファイルとして保存可能です。このファイルは、他のブラウザにインポートしたり、Chromeを再インストールした際に読み込んだりできます。

パスワード情報も同様にエクスポートができます。Chromeの設定画面を開き、「自動入力とパスワード」の中にある「Google パスワード マネージャ」に進みます。左側のメニューから「設定」を選び、「パスワードをエクスポート」機能を使えば、CSVファイルとしてパスワード一覧を書き出すことが可能です。ただし、このファイルは暗号化されていないため、取り扱いには細心の注意を払い、作業後は安全な場所に保管するか、不要になったら確実に削除してください。

データ種類バックアップ手順注意点
ブックマークブックマーク マネージャ → ブックマークをエクスポート (HTML)HTMLファイルとして保存される
パスワードパスワード マネージャ → 設定 → パスワードをエクスポート (CSV)CSVファイルは暗号化されていないため取扱注意

同期設定の確認と解除

GoogleアカウントでChromeにログインしている場合、「同期」機能が有効になっていることが多いです。同期がオンだと、ブックマーク、履歴、パスワード、拡張機能などが、同じアカウントでログインしている他のデバイス(別のPCやスマホなど)と自動で共有されます。もし、アンインストールするデバイスから完全にデータを切り離したい場合や、サーバー上のデータを削除したい場合は、設定を見直す必要があります。

アンインストール前に同期を停止するには、Chromeの設定画面を開き、一番上にある「Googleアカウント」セクションの「同期とGoogleサービス」に進みます。「同期を管理」を選ぶと、何を同期するかを細かく設定したり、「同期をオフにする」を選んで停止したりできます。また、「Google ダッシュボードでデータを管理」のリンク先に進むと、Googleサーバーに保存されている同期データを個別に、あるいはまとめて削除することも可能です。アンインストールの目的に合わせて、これらの設定を適切に管理することがポイントです。

【Windows】Chromeを完全にアンインストールする手順

Windows PCでChromeをアンインストールする場合、多くの方は「設定」メニューや「コントロールパネル」からプログラムを削除するでしょう。しかし、その標準的な手順だけでは、実はすべての関連データが削除されるわけではありません。ユーザーのプロフィール情報、キャッシュ、閲覧履歴、拡張機能の設定といった細かなデータは、PC内の別フォルダに残ってしまうことが多いのです。これらは「残りカス」とも呼ばれ、ストレージ容量を圧迫したり、将来的に別のブラウザやChromeの再インストール時に予期せぬ影響を与えたりする可能性がゼロではありません。「完全に」削除するためには、標準のアンインストール後に手動でこれらの残りデータも掃除することが欠かせません。

「アプリと機能」からの基本的な削除方法

Windows 10やWindows 11における最も標準的なアンインストール方法は、「設定」の「アプリ」から行うものです。まず、スタートメニューから歯車アイコンの「設定」を開きます。次に、左側のメニューから「アプリ」を選択し、「アプリと機能」(または「インストールされているアプリ」)の一覧を表示させましょう。

一覧の中から「Google Chrome」を見つけ出し、その項目の右側にある縦三点リーダー(または項目自体)をクリックして、「アンインストール」を選択します。確認のポップアップが表示されるので、再度「アンインストール」をクリックすると、アンインストーラが起動します。この際、「閲覧データも削除しますか?」というチェックボックスが表示されることがあります。プロフィール情報なども含めて削除したい場合は、ここにチェックを入れてからアンインストールを実行すると、より多くのデータを一度に削除できます。これが基本的な削除のステップです。

ステップ操作内容ポイント
1. 設定を開くスタートメニュー → 歯車アイコンの「設定」Windows 10 / 11 共通
2. アプリ一覧へ「アプリ」 → 「アプリと機能」または「インストールされているアプリ」一覧からChromeを探す
3. アンインストール実行Google Chrome → 「アンインストール」を選択確認画面が表示される
4. データ削除の確認「閲覧データも削除しますか?」にチェックを入れる(推奨)プロフィール情報なども削除される

関連フォルダや残りデータを手動で削除する

前述の基本的なアンインストール手順を実行しても、ユーザーデータなどがPC内に残っている場合があります。これらを完全に削除するためには、手動で関連フォルダを削除する作業が必要です。まず、エクスプローラーのアドレスバーに「%LOCALAPPDATA%\Google」と入力してEnterキーを押してください。開いたフォルダの中に「Chrome」というフォルダがあれば、それが関連データ(キャッシュなど)の本体です。この「Chrome」フォルダをフォルダごと削除します。

次にもう一箇所、エクスプローラーのアドレスバーに「%APPDATA%\Google」と入力してEnterキーを押します。ここにも「Chrome」フォルダが残っている場合があります(主に古いバージョンや一部の設定)。もし存在していれば、同様に「Chrome」フォルダごと削除してください。これらのフォルダを削除することで、閲覧履歴や拡張機能の設定といった個人データもPC上から消去されます。Chromeをクリーンな状態で再インストールしたい場合や、データを一切残したくない場合には、この手動削除が非常に有効です。

【Mac】Chromeを完全にアンインストールする手順

Mac(macOS)でChromeをアンインストールする際も、Windowsと同様の注意点が当てはまります。単純に「アプリケーション」フォルダにあるChromeのアイコンをゴミ箱に移動させるだけでは、プログラム本体は削除できますが、プロフィール情報やキャッシュなどの関連ファイルはシステム内の「ライブラリ」フォルダに残り続けてしまいます。これらのファイルが残っていると、ストレージを圧迫するだけでなく、もし将来Chromeを再インストールした際に、古い設定や不具合の原因が引き継がれてしまう可能性も否定できません。MacからChromeを完全に消去するには、本体の削除とライブラリ内の関連ファイル削除、両方のステップを実行することが大切です。

アプリケーションフォルダからの削除

Macにおけるアプリケーションの基本的な削除は、非常にシンプルです。まず、Dockにある「Finder」アイコンをクリックして、Finderウィンドウを開きます。次に、Finderのサイドバーから「アプリケーション」フォルダを選択してください。インストールされているアプリの一覧が表示されます。

その中から「Google Chrome」のアイコンを見つけます。見つけたら、そのアイコンをDockにある「ゴミ箱」アイコンまでドラッグ&ドロップ(引きずって持っていく)します。または、Chromeアイコンを右クリック(またはControlキーを押しながらクリック)して、メニューから「ゴミ箱に入れる」を選択しても構いません。これで、Chromeのプログラム本体はゴミ箱に移動されます。最後に、Dockのゴミ箱アイコンを右クリックし、「ゴミ箱を空にする」を選択して削除を完了させます。ただし、これだけではまだ設定ファイルなどは残ったままです。

ステップ操作内容目的
1. Finderを開くDockのFinderアイコンをクリックファイル操作の開始
2. アプリ一覧表示サイドバーの「アプリケーション」をクリックインストール済みアプリの確認
3. ゴミ箱へ移動「Google Chrome」アイコンを「ゴミ箱」へドラッグ&ドロップアプリ本体の削除準備
4. 削除完了Dockの「ゴミ箱」を右クリック → 「ゴミ箱を空にする」アプリ本体の完全削除

ライブラリ内の関連ファイルを削除する方法

Chromeの本体をゴミ箱に入れて空にした後、次に関連ファイルを削除します。これらのファイルは通常「ライブラリ」という隠しフォルダ内に保存されています。Finderを開いた状態で、画面上部のメニューバーから「移動」をクリックし、キーボードの「Option」キーを押し続けてください。すると、メニューの中に「ライブラリ」という項目が現れるので、それをクリックします。

「ライブラリ」フォルダが開いたら、その中にある「Application Support」フォルダを開きます。この中に「Google」というフォルダがあり、さらにその中に「Chrome」というフォルダがあるはずです。この「Chrome」フォルダに、プロフィール情報や設定などが保存されています。この「Chrome」フォルダごとゴミ箱に移動させてください。また、場合によっては「ライブラリ」フォルダ直下や、「Caches」「Preferences」フォルダ内にも「Google」や「Chrome」に関連するファイル(例: `com.google.Chrome.plist` など)が残っていることがあります。これらも見つけ次第、ゴミ箱に移動し、最後にゴミ箱を空にすることで、Macからの完全なアンインストールが完了します。

【スマートフォン】Chromeをアンインストール(または無効化)する手順

スマートフォン(スマホ)の場合、Chromeの扱いはiPhone (iOS) とAndroidで大きく異なります。iPhoneでは、Chromeは他のアプリと同様にApp Storeからインストールしたものであり、不要になれば簡単に削除(アンインストール)が可能です。しかし、多くのAndroidスマートフォンでは、Chromeは最初からOSの一部として組み込まれている「標準アプリ」扱いになっていることが多いです。その場合、原則としてアンインストール(アプリ自体を端末から消去)することはできません。代わりに、「無効化」という操作でアプリの動作を停止させ、ホーム画面などから見えないようにする対応が一般的です。お使いのスマホOSに合わせて、適切な操作を行う必要があります。

iPhone (iOS) でのアプリ削除方法

iPhoneでChromeアプリを削除する手順は、他のアプリを削除するのとまったく同じです。最も簡単な方法は、ホーム画面上でChromeのアイコンを見つけ、そのアイコンを長押しすることです。アイコンが振動し始め、メニューが表示されます(またはアイコンの隅に「×」印が表示される場合もあります)。

表示されたメニューから「アプリを削除」を選択します。すると、「ホーム画面から取り除く」か「アプリを削除」かを選ぶ確認画面が表示されます。「アプリを削除」をタップし、最後の確認でもう一度「削除」をタップすると、Chromeアプリ本体と、そのアプリ内に保存されていたデータ(キャッシュや設定など)がiPhoneから削除されます。なお、Googleアカウントで同期していたデータ(ブックマークなど)はGoogleサーバー上に残っているため、他のデバイスや再インストール時には引き続き利用可能です。

ステップ操作内容結果
1. アイコン長押しホーム画面でChromeアイコンを長押しするメニューが表示される
2. 削除を選択メニューから「アプリを削除」をタップ確認画面が表示される
3. 最終確認「アプリを削除」を再度タップアプリとローカルデータが削除される

Androidでのアプリ削除または無効化

Androidスマートフォンの場合、前述の通り、Chromeが標準搭載されている(プリインストールされている)機種がほとんどです。まず、お使いの端末でChromeが削除可能か確認しましょう。設定アプリを開き、「アプリ」(または「アプリと通知」)に進み、アプリ一覧から「Chrome」を探します。

Chromeの「アプリ情報」画面を開いたとき、「アンインストール」というボタンがあれば、それをタップして削除が可能です。しかし、多くの場合は「アンインストール」ボタンが押せないようになっており、代わりに「無効にする」というボタンが表示されています。この「無効にする」をタップすると、アプリのアップデートが削除され、初期状態に戻った上で動作が停止します。ホーム画面やアプリ一覧からも非表示になり、実質的に使っていない状態にできます。これがAndroidにおけるChromeの一般的な「削除」に相当する操作となります。もしストレージ容量を確保したい場合は、「ストレージとキャッシュ」に進み、「キャッシュを削除」や「ストレージを消去」を行ってから無効化するとよいでしょう。

Chromeがアンインストールできない場合の対処法

通常の手順を踏んでも「Chromeがアンインストールできない」という状況に陥ることがあります。よくある原因として、Chromeのウィンドウはすべて閉じているように見えても、実際にはバックグラウンドで何らかのプロセス(拡張機能の更新、通知サービスなど)が動き続けているケースが挙げられます。OSは「現在実行中のプログラムは削除できません」と判断するため、アンインストールが失敗してしまうのです。また、Windowsの場合、システム全体が不安定になっている可能性も考えられます。こうした問題に対処するには、強制的にプロセスを終了させるか、OSをより安全なモードで起動し直すといったアプローチが有効です。

タスクマネージャーでChromeプロセスを終了する

Windows PCでアンインストールがブロックされる場合、まずはタスクマネージャーを確認しましょう。キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを同時に押すか、タスクバーを右クリックして「タスク マネージャー」を選択します。

タスクマネージャーが開いたら、「プロセス」タブ(または「詳細」タブ)を確認し、一覧に「Google Chrome」や「chrome.exe」という名前のプロセスが残っていないか探します。もし残っていたら、そのプロセスを選択し、右下にある「タスクの終了」(または右クリックして「プロセスの終了」)をクリックして、すべてのChrome関連プロセスを強制的に終了させます。Chromeのプロセスが完全に消えたことを確認してから、再度「アプリと機能」からアンインストールを試みると、今度は正常に実行できる可能性が高いです。

ステップ操作内容 (Windows)目的
1. タスクマネージャー起動Ctrl + Shift + Esc キーを同時押し実行中プロセスの確認
2. プロセス検索「プロセス」タブで「Google Chrome」または「chrome.exe」を探すバックグラウンド動作の特定
3. プロセス終了該当プロセスを選択し「タスクの終了」をクリックChromeを完全に停止させる
4. 再試行再度、「アプリと機能」からアンインストールを実行アンインストールの実行

セーフモードでのアンインストール試行 (Windows)

タスクマネージャーでプロセスを終了させてもアンインストールできない場合、Windowsを「セーフモード」で起動して試す方法があります。セーフモードは、OSの動作に必要な最小限のドライバやサービスだけで起動する診断用のモードです。このモードでは、後からインストールされた多くの常駐ソフト(セキュリティソフトの一部や拡張機能など)が動作しないため、それらがChromeのアンインストールを妨害している場合に有効です。

Windows 10/11でセーフモードに入るには、まず「設定」→「更新とセキュリティ」(または「システム」)→「回復」と進みます。「PCの起動をカスタマイズする」の項目にある「今すぐ再起動」ボタンを押してください。再起動後、「オプションの選択」画面が表示されるので、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」と進みます。再度再起動した後の「スタートアップ設定」画面で、キーボードの「4」キー(または「F4」キー)を押し、「セーフ モードを有効にする」を選択します。セーフモードでWindowsが起動したら、通常通り「アプリと機能」からChromeのアンインストールを試みてください。

よくある質問

アンインストールしたら拡張機能はどうなりますか?

アンインストールすると、PCやスマホのローカルに保存されていた拡張機能のデータは削除されます。ただし、Googleアカウントで同期していた場合、どの拡張機能を使っていたかという「情報」はサーバーに残ります。再インストールして同じアカウントで同期すれば、拡張機能が自動的に再ダウンロードされることもあります。

アンインストールすると他のGoogleサービス(Gmailやドライブ)も使えなくなりますか?

いいえ、使えなくなることはありません。GmailやGoogleドライブなどはWebサービスであり、Chromeという「ブラウザ(閲覧ソフト)」とは独立しています。Chromeをアンインストールした後も、EdgeやSafari、Firefoxなど他のブラウザからアクセスすれば、引き続き利用可能です。

アンインストール後に再インストールはできますか?

はい、いつでも可能です。Google Chromeの公式サイトに他のブラウザ(EdgeやSafariなど)でアクセスし、インストーラーをダウンロードすれば、簡単に再インストールできます。

まとめ

Google Chromeをアンインストールする手順は、お使いのデバイス(Windows, Mac, スマートフォン)によって異なります。特にWindowsやMacでは、単純にアプリを削除するだけでは設定ファイルや履歴データがPC内に残ってしまうため、「完全に」削除するには手動でのフォルダ削除作業が必要です。アンインストール前には、万が一に備えてブックマークやパスワードのバックアップを取っておくと安心でしょう。

また、Androidスマホでは多くの場合「無効化」という操作になり、iPhoneでは通常のアプリ削除と同じ手順を踏みます。もしアンインストールがうまくいかない場合は、タスクマネージャーでプロセスを終了させたり、セーフモードで起動したりといった対処法を試すことが有効です。ご自身の目的に合わせて、適切な手順でデータを整理してください。