【漢方賞味期限】いつまでOK？｜専門家が教える漢方薬の期限と効果

漢方薬の賞味期限について、品質保持のために設定されている理由や種類ごとの期限の目安、期限切れの漢方薬を服用するリスク、安全な保管方法、相談窓口まで、この記事を読むことで漢方薬に関する様々な疑問を解消できます。

この記事でわかることはこちらです。

漢方薬に賞味期限がある理由

漢方薬に賞味期限が設定されているのは、品質を保証するためです。

漢方薬は植物や動物、鉱物などの天然物を原料としており、時間経過とともに成分が変化する可能性があります。

漢方薬に賞味期限が記載されている理由

漢方薬に賞味期限が記載されている理由は、主に3つあります。

理由	詳細
品質の保持	時間の経過とともに、漢方薬の有効成分が分解・変質し、効果が減弱する可能性があるため。
安全性の確保	品質が劣化すると、予期せぬ副作用を引き起こす可能性があるため。
薬事法（医薬品医療機器等法）による定め	医薬品は、有効性や安全性を保証するために、適切な使用期限を表示することが義務付けられているため。

漢方薬の品質を保つための工夫

漢方薬の品質を保つために、さまざまな工夫が凝らされています。

漢方薬の品質を保つためには、製造者と消費者が協力して、適切な管理を行う必要があります。

漢方薬の種類と期限

漢方薬には様々な種類があり、それぞれ期限の目安が異なります。

期限切れの漢方薬は効果が期待できないだけでなく、健康を害する可能性もあるため注意が必要です。

漢方薬の種類とそれぞれの期限の目安

漢方薬は大きく分けて、煎じ薬、エキス剤（粉薬・顆粒）、錠剤・カプセル剤の3種類があります。

漢方薬の種類	期限の目安
煎じ薬	冷蔵庫で2～3日
エキス剤	3～5年
錠剤・カプセル剤	3～5年

漢方薬の種類によって、含まれる成分や製造方法が異なるため、期限にも差が生じます。

煎じ薬の期限と注意点

煎じ薬は、生薬を水で煮出して作る漢方薬です。

オーダーメイド処方が可能ですが、保存期間が短く、冷蔵庫で2～3日程度が目安です。

煎じ薬の注意点
生薬の成分が変質しやすいため、必ず冷蔵庫で保存する
煎じた後は早めに服用する
服用前に異臭や変色がないか確認する

煎じ薬は、エキス剤や錠剤・カプセル剤に比べて期限が短いため、注意が必要です。

エキス剤（粉薬・顆粒）の期限と注意点

エキス剤は、煎じ薬を濃縮して粉末や顆粒にした漢方薬です。

常温で3～5年の保存が可能です。

携帯に便利なため、外出先でも手軽に服用できます。

エキス剤の注意点
直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所に保管する
開封後は湿気を吸いやすいため、密閉容器に入れて保管する
服用前に変色や異臭がないか確認する

エキス剤は、煎じ薬に比べて保存期間が長いため、比較的扱いやすい漢方薬と言えるでしょう。

錠剤・カプセル剤の期限と注意点

錠剤・カプセル剤は、エキス剤をさらに加工して錠剤やカプセルにした漢方薬です。

常温で3～5年の保存が可能です。

錠剤・カプセル剤の注意点
直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所に保管する
開封後は湿気を吸いやすいため、密閉容器に入れて保管する
服用前に変色や異臭がないか確認する

錠剤・カプセル剤は、エキス剤と同様に長期保存が可能で、服用しやすいのが特徴です。

期限切れの漢方薬を服用するリスク

漢方薬にも、食品や他の医薬品と同様に品質を保証する期限が設定されています。

期限切れの漢方薬で起こる可能性

期限切れの漢方薬を服用した場合、主に3つのリスクが考えられます。

リスク	内容
効果の減弱	薬効成分が分解され、期待される効果が得られない
品質の劣化	カビや細菌が繁殖し、変質している可能性
健康被害	予期せぬ副作用や健康被害を引き起こす可能性

漢方薬は生薬を原料としているため、時間経過とともに成分が変化することがあります。

特に、湿気や温度変化に弱いため、保管状況によっては期限内でも品質が劣化することがあるのです。

服用してしまった時の対処法

万が一、期限切れの漢方薬を服用してしまった場合は、慌てずにご自身の体調の変化に注意してください。

もし、体調に異変を感じた場合は、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。

相談する際には、服用した漢方薬の種類や量、服用した日時などを正確に伝えることが大切です。

また、医療機関を受診する際には、漢方薬を持参すると、より適切な対応が期待できます。

漢方薬の安全な保管方法

漢方薬は、未開封と開封後で保管方法が異なります。

また、保管場所や長期保存のための注意点も存在します。

適切な方法で保管し、漢方薬の品質を保つことが重要です。

未開封の漢方薬の保管方法

漢方薬は、光、温度、湿度の影響を受けやすく、品質が劣化する可能性があります。

未開封の漢方薬を保管する際のポイントは以下の通りです。

項目	内容
場所	直射日光の当たらない、湿気の少ない冷暗所
温度	適切な室温（約15～25℃）で保管
湿度	湿気を避けるため、乾燥した場所に保管
容器	密閉された容器で保管し、他の薬や食品と分けて保管
注意点	防虫剤や乾燥剤を一緒に入れると、より良い状態で保管できる

開封後の漢方薬の保管方法

開封後の漢方薬は、湿気やカビの影響を受けやすいため、未開封の場合以上に注意が必要です。

開封後の漢方薬を保管する際のポイントをまとめました。

項目	内容
場所	直射日光の当たらない、湿気の少ない冷暗所
容器	密閉できる容器に入れ替える
期間	漢方薬の種類によって異なり、粉薬や顆粒は3～6ヶ月、錠剤やカプセルは6ヶ月～1年が目安
注意点	漢方薬の種類によっては、冷蔵庫での保管が推奨される場合もあるので、購入した薬局や医療機関に確認する

長期保存するためのポイント

漢方薬を長期間保存するためには、適切な保管場所と容器を選ぶことが重要です。

長期保存するためのポイントを以下にまとめました。

項目	内容
保管場所	温度変化の少ない、湿気の少ない場所
容器	密閉性の高い容器（ジップ付きの袋や瓶など）
保存方法	漢方薬を小分けにして、それぞれ密閉
定期的な確認	定期的に漢方薬の状態を確認し、変色や異臭がないかチェック
その他	シリカゲルなどの乾燥剤を一緒に入れると、湿気対策になる

漢方薬は5年を目安に服用することが望ましいです。

期間に関わらず、状態に異変が見られた場合は、服用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。

漢方薬に関する相談窓口

漢方薬について相談したいけれど、どこに相談すればいいのか迷う人もいるのではないでしょうか。

漢方薬に関する相談窓口はいくつか存在します。

相談内容や状況に応じて、適切な窓口を選びましょう。

漢方薬の専門家への相談

漢方薬の専門家として、漢方医や薬剤師がいます。

漢方医は、病院やクリニックで漢方医学的な診察を行い、個々の体質や症状に合わせた漢方薬を処方します。

薬剤師は、漢方薬に関する専門的な知識を持ち、適切な漢方薬の選び方や飲み方、注意点などをアドバイスします。

漢方薬局やドラッグストアなどで相談できるため、気軽に相談してみましょう。

専門家	相談場所	メリット	デメリット
漢方医	病院、クリニック	体質や症状に合わせた漢方薬を処方してくれる	保険適用の場合があるが、漢方専門医が少ない
薬剤師	漢方薬局、ドラッグストア	漢方薬に関する専門的な知識を持ち、適切な漢方薬の選び方や飲み方、注意点などをアドバイスしてくれる	漢方医による診察ではないため、詳細な体質判断は難しい

医療機関での相談

医療機関では、内科や婦人科などで漢方薬を処方してもらうことが可能です。

西洋医学的な診察に加えて、漢方医学的な視点から症状の原因を探り、漢方薬による治療を行います。

西洋薬との併用や、他の疾患との関連性なども考慮した上で、適切な治療を受けられます。

相談場所	メリット	デメリット
医療機関（内科、婦人科など）	西洋医学的な診察と合わせて、漢方医学的な視点から症状の原因を探り、漢方薬による治療を受けられる	漢方薬に精通した医師が少ない場合がある

漢方薬局での相談

漢方薬局には、漢方薬に詳しい薬剤師や登録販売者がいます。

個々の体質や症状、生活習慣などを詳しく聞き取り、適切な漢方薬を選んでくれます。

漢方薬の選び方だけでなく、飲み方や注意点、副作用などについても詳しく説明してくれるため、安心して服用できるでしょう。

相談場所	メリット	デメリット
漢方薬局	漢方薬に詳しい薬剤師や登録販売者が、個々の体質や症状、生活習慣などを詳しく聞き取り、適切な漢方薬を選んでくれる	病院の処方箋が必要な漢方薬は取り扱えない場合がある

よくある質問（FAQ）

漢方薬の賞味期限は、いつまでですか？

漢方薬の種類によって賞味期限は異なります。エキス剤や錠剤・カプセル剤は、製造から3～5年が目安です。煎じ薬は、冷蔵庫で2～3日程度と短くなっています。

期限切れの漢方薬は、飲んでも大丈夫ですか？

期限切れの漢方薬は、効果が十分に期待できないだけでなく、品質が劣化している可能性があります。カビや細菌が繁殖しているおそれもあり、健康被害につながることも考えられるため、服用は避けてください。

漢方薬が変色しているけど、飲んでも大丈夫ですか？

漢方薬が変色していたり、異臭がする場合は、品質が劣化している可能性があります。服用せずに、廃棄するようにしてください。

漢方薬を安全に保管するには、どうすればいいですか？

漢方薬は、直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所に保管してください。開封後の漢方薬は、湿気を吸いやすいため、密閉容器に入れて保管すると良いでしょう。

漢方薬を飲み忘れてしまった場合、どうすればいいですか？

飲み忘れてしまった場合は、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回飛ばして、次の時間に1回分を服用してください。2回分をまとめて服用することは避けてください。

漢方薬について、もっと詳しく相談したい場合は、どこに相談すればいいですか？

漢方薬について相談したい場合は、漢方医、漢方薬局の薬剤師や登録販売者に相談できます。ご自身の体質や症状に合わせて、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。医療機関では、西洋医学的な診察に加えて、漢方医学的な視点から症状の原因を探り、漢方薬による治療を受けることも可能です。

まとめ

この記事では、漢方薬の賞味期限について、その理由から種類ごとの目安、期限切れのリスク、安全な保管方法、相談窓口までを解説しました。

この記事を参考に、お手持ちの漢方薬をチェックして、安全に服用してください。

もし、不安なことがあれば、漢方薬の専門家や医療機関に相談してみましょう。