「知覚過敏」というと、人間では歯の病気とされており、よくCMなどでも目にしますが、猫でも知覚過敏に罹るそうです。
病名は同じでも、猫と人間では症状が大きく違うようです。どんな症状なのか気になりますね。
また、猫が知覚過敏になってしまう原因や、知覚過敏にならないための予防法や治療法なども調べてみました。
猫にも知覚過敏がある?
猫の知覚過敏症候群(Feline Hyperesthesia Syndrome, FHS)とは、腰部の皮膚が波打つようにピクピク動き、自分のしっぽを執拗に追いかけて自傷してしまう疾患です。
以下の動画は実際に知覚過敏に罹っている猫の様子です。
背中がピクピクと波打つように動いている様子が分かりますね。
知覚過敏の症状として、以下も挙げられます。
(初期症状)
- 背中や腰、尾の付け根部分の皮膚がピクピクする
- 気になる部分を舐め続け毛が抜ける
- 触られることを嫌がる
- 瞳孔が大きくなる
初期症状で分かりやすいのは、背中のピクピクとした痙攣の症状です。
猫によって症状の重症度が異なるので、年に数回しか症状が現れず、見逃してしまうケースもあるそうです。
知覚過敏の特徴として、一瞬触るだけでも過敏に感じ嫌がる、黒目である瞳孔がランランと大きく見開き一点を見つめているなどが分かりやすいので、このような症状を見た場合は、早めにかかりつけの動物病院で相談しましょう。
(進行した状態の症状)
- 急に走り周り過度に鳴き続ける
- 興奮状態が続き中々治らない
- 自分の尻尾を常に追いかけ噛みつく
- 急に暴れる
- 狭い場所から出てこない
- 飼い主を威嚇する
- 自傷行為
知覚過敏の症状が進行すると、発情期の猫のような興奮状態が続きます。
排泄したあとに急に走り出したり、暴れだす「トイレハイ」のような状態が普通の時でも続いていると、知覚過敏の疑いがあります。
興奮状態が収まらず、自分の尻尾にかみつき、ひどい場合には噛み千切ってしまうというケースもあるので、早めに対処する必要があります。
猫の知覚過敏の原因はなに?
人間の知覚過敏は、口内が不衛生な状態になることで引き起こされますが、猫の場合は原因がはっきりとは分かっていません。
知覚過敏を発症している猫は、苛立っていることがよくあるため検査ができない場合があることも原因不明の原因かもしれません。
その中でも原因と言われるのは、大きく3つです。
- 脳の異常の可能性
- 外的要因の可能性
- ストレスの可能性
脳の異常の可能性
てんかん発作など、猫の脳の異常により神経症状をおこすことが、猫の知覚過敏と関係しているのではと推測されています。
外的要因の可能性
アトピー性皮膚炎やノミ皮膚炎などの皮膚疾患を患っている場合や、しっぽの外傷による慢性的な違和感や痛みのある場合に、知覚過敏の症状が現れると言われています。
ストレスの可能性
猫は少しの環境変化を敏感に感じとるためストレスがかかりやすい動物なので、ストレスによる恐怖や不安感から、猫の知覚過敏症を引き起こしているのではないかと言われています。
猫のストレスになる要因には、
- 引っ越し
- 新しい同居猫や人が増えた(減った)
- 部屋の模様替え
- 日常生活上での不満
栄養バランスが悪い
などがあげられます。
知覚過敏を発症している多くは、アビシニアンやシャム、バーミーズなどの猫種で先天性疾患である可能性が高いともいわれています。
猫の知覚過敏についての原因は、分かっていないことが多いので、日ごろから猫にストレスを与えないように生活し、猫の行動におかしいところがないか、注意してみてあげることが大切です。
猫の知覚過敏の治療/予防方法は?
猫の知覚過敏の治療法は、以下が挙げられますが、はっきりした原因が分からないため、症状の度合いや頻度に応じて、対症療法で少しずつ改善していきます。
- ストレスを緩和、生活環境の見直しをしてあげる
- サプリメントや漢方薬を飲ませる
- 薬物療法を行う
初期症状の場合は、猫のストレスを発散してあげることで改善する可能性があります。
「遊ぶ時間・甘えられる時間を作る」「トイレなど猫の身の回りの環境を見直す」「香水やたばこの匂い、大きな音を避ける」などを見直すことで、猫のストレスが緩和されます。
飼い主さんやその家族が努力する必要があるため、猫としっかり向き合わないといけませんね!
それでも知覚過敏の症状が改善しない場合は、漢方薬や薬物療法に切り替えます。
抗うつ剤やてんかん発作に効く薬物を摂取することで、猫の知覚過敏の症状が治まることがあります。
しかし薬物療法は、あくまでも症状を緩和させたり落ち着かせる対症療法となってしまうため、完治することは難しいといわれており継続的な治療が必要になります。
大切な猫が知覚過敏にならないようにできる予防法としては、「ストレスを減らす」ことが大切です。
知覚過敏ははっきり分かっていませんが、ストレスが一因になっていることが分かっているので、まず飼い主にできることは「ストレスを減らす」ということです。
特に、多頭飼いを始めたばかりや、引っ越し、家族が増えた(減った)タイミングは、猫の情緒も不安定になりやすいので、細かなケアが必要です。
いつもより猫に接する時間を長くしたり、身の回りを清潔に保つことで、猫も安心し、ストレスを緩和することができます!
一度知覚過敏になってしまうと、完治するまでに時間と費用がかかってしまうので、病気を未然に防ぐことが大切です。
猫の知覚過敏の総括
猫の知覚過敏の症状として、以下の行動が挙げられます。
(初期症状)
- 背中や腰、尾の付け根部分の皮膚がピクピクする
- 気になる部分を舐め続け毛が抜ける
- 触られることを嫌がる
- 瞳孔が大きくなる
(進行した状態の症状)
- 急に走り周り過度に鳴き続ける
- 興奮状態が続き中々治らない
- 自分の尻尾を常に追いかけ噛みつく
- 急に暴れる
- 狭い場所から出てこない
- 飼い主を威嚇する
- 自傷行為
猫の知覚過敏の原因ははっきり分かっておらず、以下が要因になっていると考えられています。
- 脳の異常の可能性
- 外的要因の可能性
- ストレスの可能性
知覚過敏の治療法は、対処療法中心で段階的になるので、完治までは時間と費用がかかってしまいます。
もし、知覚過敏が疑われる症状が出た場合は、早めに獣医師に相談し、
- ストレスを緩和、生活環境の見直しをしてあげる
- サプリメントや漢方薬を飲ませる
- 薬物療法を行う
といった治療を早めに行うことが大切です!
猫の知覚過敏を予防するために飼い主にできることは、「ストレスを減らす」ことです。
生活環境が変わったタイミングで、猫も情緒不安定になるので、できるだけ穏やかに過ごせるように接すると、猫のストレスも緩和されます。
大切な猫に元気で長生きしてもらうために、飼い主ができることは、最大限してあげたいですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。