大切な本を汚れや傷から守りたい、でも気に入ったデザインのブックカバーがなかなか見つからない。そんな風に感じたことはありませんか。通勤・通学中の読書タイム、お気に入りのカフェでのひととき。布製のブックカバーは、そんな日常の読書シーンを、もっと特別でおしゃれな時間に変えてくれるアイテムです。
紙製のカバーとは違う温かみのある手触り、そして自分だけのデザインを選べる楽しさ。布製のブックカバーには、読書を愛する多くの人々を引きつける魅力がたくさん詰まっています。既製品を選ぶのはもちろん、最近では自分だけのオリジナルカバーを手作りする人も増えている様子。ハードルが高そうに思えるかもしれませんが、実は初心者でも簡単に作れる方法があるのです。
この記事でわかること
- 布製ブックカバーが持つ独自の魅力とメリット
- 自分の読書スタイルに合わせた最適なカバーの選び方
- 初心者でも安心な布製ブックカバーの簡単な作り方(縫う/縫わない)
- ブックカバーをさらに楽しむためのおしゃれな活用術
なぜ布のブックカバーが選ばれるのか?
書店で本を購入すると、紙のブックカバーをかけてもらうのが一般的です。しかし、あえて布製のブックカバーを選ぶ人が増えています。それは、紙や革といった他の素材にはない、布ならではの独自のメリットが評価されているからにほかなりません。単に本を保護するという機能だけでなく、持つ人の個性やこだわりを表現するファッションアイテムとしての一面も持っています。お気に入りの服を選ぶように、ブックカバーも自分らしいものを選びたいというニーズが高まっているのです。
また、布製カバーは耐久性や手入れのしやすさといった実用面でも優れています。繰り返し使えるため環境に優しく、経済的である点も支持される理由の一つでしょう。読書の時間をより深く、個人的なものにしてくれる布製カバー。その具体的な魅力について、さらに詳しく掘り下げていきます。
紙や革にはない布製カバーならではの魅力
布製ブックカバーの最大の魅力は、その豊富なデザインと素材感にあります。紙のカバーは一度きりのものが多く、革製のカバーは高級感がある反面、デザインの幅が限られがちです。その点、布製であれば、コットン、リネン(麻)、帆布(キャンバス)、デニム、さらには和柄のちりめんまで、多種多様な生地から選ぶことが可能。季節に合わせて素材を変えたり、その日の気分や読む本のジャンルに合わせてカバーを着せ替えたりする楽しみ方ができます。
例えば、夏にはさらりとした手触りのリネンを、冬には温かみのあるウールやコーデュロイを選ぶのも素敵です。また、手触りの良さも布ならでは。本を手に持つたびに感じる柔らかさや温もりは、紙や革では味わえない心地よさをもたらし、リラックスした読書時間を演出します。デザインも、シンプルな無地からポップな柄物、繊細な刺繍が施されたものまで幅広く、自分の個性を表現しやすい点も大きな魅力です。
| 素材 | 特徴 | 主なメリット |
|---|---|---|
| 紙 | 一般的・無料 | 手軽・使い捨て |
| 革 | 高級感・経年変化 | 耐久性・ステータス |
| 布 | 多様な素材・デザイン | 手触り・着せ替え・個性表現 |
さらに、布製カバーは手入れがしやすいという実用的なメリットも見逃せません。多くの布製カバーは、汚れてしまった場合でも自宅で洗濯が可能です(素材によります)。特にコットンやリネン素材のものは気軽に洗えるため、清潔な状態を保ちやすいのが嬉しいポイント。うっかり飲み物をこぼしてしまった時でも、適切に対処すれば長く愛用できます。革製品のように特別なメンテナンスを必要とせず、日常的にガシガシ使えるタフさも、布製カバーが選ばれる理由の一つです。
読書タイムを豊かにする機能性とデザイン性
布製ブックカバーは、デザインの幅広さだけでなく、読書体験をより快適にする優れた機能性も兼ね備えています。多くの読書家が便利だと感じる機能の一つに、「しおり(スピン)」が一体型になっているタイプが挙げられます。本に付属しているしおり紐がない場合や、紙のしおりを挟むのが面倒だと感じる時に、カバーと一体化したしおり紐は非常に便利。読みかけのページをすぐに開くことができ、読書の再開がスムーズになります。しおりを別に持ち歩く必要がなく、紛失する心配もありません。
もう一つの便利な機能が、本の厚さに合わせて調節できるアジャスター機能です。文庫本や新書は、作品によってページ数が大きく異なります。薄い本から分厚い辞書のような本まで、一つのカバーで柔軟に対応できる調節機能は、布製カバーならではの利点と言えるでしょう。片方の袖部分が帯状になっており、それを折り返すことで簡単にフィット感を調整できるタイプが一般的です。これにより、カバーが本にぴったりと沿い、読書中にずれたり外れたりするストレスが軽減されます。
| 機能 | メリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| しおり紐(スピン)付き | しおりの別途携帯不要 紛失防止 | スムーズに読書を再開したい人 |
| 厚さ調節機能 | 多様なページ数の本に対応 フィット感が高い | 様々な厚さの本を読む人 |
| ポケット付き | メモや付箋を収納可能 | 読書メモを取りたい人 |
これらの機能性に加え、デザイン性が高いことも読書タイムを豊かにする要素です。お気に入りのデザインのカバーをまとった本は、持っているだけで気分が上がります。通勤電車の中やカフェなど、人前で本を読む際にも、自分のセンスをさりげなくアピールできます。本棚に並べた時の見た目も美しく、インテリアの一部としても機能するでしょう。機能とデザインの両面から、布製ブックカバーは私たちの読書生活をより充実させてくれる存在なのです。
後悔しない!布製ブックカバーの選び方
布製ブックカバーの魅力がわかったところで、次に気になるのは「自分に合ったカバーをどう選ぶか」という点でしょう。デザインの豊富さが魅力である一方、選択肢が多すぎて迷ってしまうことも少なくありません。ブックカバー選びで失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。それは、「サイズ」「素材」「機能」の3つの視点から、自分の読書スタイルや好みに合っているかをチェックすることです。
普段どんな本をどこで読むことが多いのか、ブックカバーに何を求めるのか(手触り、耐久性、利便性など)を明確にすることで、自分にとって最適な一枚がきっと見つかります。長く愛用できるお気に入りのブックカバーに出会うための、具体的な選び方を詳しく見ていきましょう。
【サイズ別】本の規格に合わせた選び方
ブックカバーを選ぶ上で最も基本的な、そして最も重要なポイントが「サイズ」です。本のサイズは、文庫本、新書、四六判(しろくばん)、A5判など、JIS規格によって細かく定められています。自分がよく読む本のサイズに対応したカバーを選ばないと、当然ながら使うことができません。購入してから「サイズが合わなかった」という失敗を防ぐためにも、まずは普段自分が手に取る本のサイズを確認することがスタートラインです。
日本では特に「文庫本」サイズのブックカバーが豊富に流通しています。しかし、ビジネス書や専門書で多い「四六判」や「A5判」、コミックで使われる「新書判」など、読むジャンルによって必要なサイズは異なります。複数のサイズの本を読む場合は、それぞれのサイズ専用のカバーを揃えるか、前述した「厚さ調節機能」だけでなく、ある程度のサイズ違いにも対応できるフリーサイズのカバーを選ぶという選択肢もあります。ただし、フリーサイズは汎用性が高い反面、特定サイズ専用のものに比べてフィット感が劣る場合もあるため、何を優先するかで判断が分かれるところです。
| 本の規格 | 主な寸法 (高さ×幅) | よくあるジャンル |
|---|---|---|
| 文庫本 | 約148mm × 105mm | 小説・古典 |
| 新書 | 約173mm × 105mm | 教養書・ビジネス書・コミック |
| 四六判 | 約188mm × 128mm | 単行本・小説・エッセイ |
| A5判 | 210mm × 148mm | 専門書・教科書・雑誌 |
また、同じ「文庫本」でも、出版社によって微妙に高さや厚みが異なるケースがあります。特に海外のペーパーバックなどは日本の規格と異なるため注意が必要です。お気に入りのカバーを見つけたら、それが自分の持っている本のサイズ(特に高さ)と合っているか、内寸をしっかり確認することが後悔しないための鍵となります。
【素材別】手触りと耐久性で選ぶ
布製ブックカバーの醍醐味である「素材選び」。素材によって手触り、見た目の雰囲気、そして耐久性が大きく変わってきます。自分の好みや使用シーンに合わせて選ぶのがポイントです。最もポピュラーな素材は「コットン(綿)」でしょう。柔らかく温かみのある手触りが特徴で、プリントデザインも豊富なため、デザイン重視で選びたい人に適しています。水にも強く、洗濯しやすい点も日常使いにぴったりです。
ナチュラルな雰囲気が好きなら「リネン(麻)」がおすすめです。独特のシャリ感とさらりとした手触りが魅力で、使い込むほどに風合いが増していきます。吸水性・速乾性に優れ、丈夫な素材ですが、シワになりやすいという特性も理解しておくと良いでしょう。一方、耐久性を最も重視するならば「帆布(キャンバス)」が最適です。厚手で非常に丈夫な生地であり、バッグなどにも使われる素材。最初は硬く感じても、使い込むうちに柔らかく馴染んできます。シンプルなデザインのものが多く、男性にも人気が高い素材です。
| 素材名 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| コットン (綿) | 柔らかい・温かみ | デザイン豊富・洗濯しやすい | 毛玉ができやすい場合あり |
| リネン (麻) | シャリ感・ナチュラル | 吸水速乾性・風合いが出る | シワになりやすい |
| 帆布 (キャンバス) | 厚手・丈夫 | 耐久性抜群・長く使える | 最初は硬い・重め |
| デニム | カジュアル・色落ち | 経年変化を楽しめる | 色移りの可能性 |
ほかにも、カジュアルな「デニム」や、光沢が美しい「シルク」、和の雰囲気漂う「ちりめん」など、選択肢は様々。毎日手に触れるものだからこそ、自分が「心地よい」と感じる手触りを優先するのか、あるいは通勤バッグの中で多少雑に扱っても耐えられる「耐久性」を優先するのか。自分のライフスタイルに照らし合わせて選ぶことが重要です。
【機能別】しおり付きや厚さ調節可能なタイプ
デザインや素材と並んで、使い勝手を大きく左右するのが「機能性」です。先に少し触れましたが、「しおり紐(スピン)」の有無は、多くの人にとって重要な選択基準となります。特に複数の本を並行して読む人や、しおりをよく失くしてしまう人にとっては、カバーと一体化したしおり紐は必須の機能とも言えるでしょう。しおり紐のデザインや色もカバーを選ぶ楽しみの一つになります。
また、「厚さ調節機能」も非常に実用的な機能です。本の厚みは作品によってまちまち。特に文庫本は薄いものから800ページを超えるような分厚いものまで存在します。調節機能がないカバーだと、薄い本ではブカブカして読みにくく、分厚い本ではそもそも入らない、ということになりかねません。片方の袖が折り返し式になっているアジャスタータイプなら、本の厚みにぴったりフィットさせることが可能です。これにより、読書中のストレスが減り、本がカバーから不意に抜け落ちるのも防げます。
| 機能 | 主な仕様 | 選ぶ際のチェックポイント |
|---|---|---|
| しおり紐 | カバーに縫い付けられた紐 | 紐の長さ・太さ・デザイン |
| 厚さ調節 | 片袖が折り返し式(帯状) | 対応可能な最大厚・調節のしやすさ |
| ポケット | カバーの内側や外側 | 収納サイズ・付箋やカードが入るか |
| ペンホルダー | カバーの端にループ状 | ペンの太さに対応しているか |
さらに、読書中にメモを取ったり付箋を貼ったりする人には、「ポケット」や「ペンホルダー」が付いたタイプも便利です。内側にポケットがあれば、カード型のしおりや付箋、切り抜いたメモなどを挟んでおくことができます。ペンホルダーがあれば、書き込みをしたい時にすぐにペンを取り出せます。ただし、機能が増えればその分カバー自体が厚くなったり、重くなったりする傾向もあります。自分にとって本当に必要な機能かどうかを見極め、シンプルさとのバランスを考えることが大切です。
初心者でも簡単!布製ブックカバーの作り方
市販のブックカバーも素敵ですが、「自分の好きな柄で作りたい」「持っている本にぴったりのサイズが欲しい」という思いから、手作りに挑戦する人も増えています。布製のブックカバーは、裁縫初心者にとっても比較的取り組みやすいアイテムの一つ。ミシンがなくても手縫いで十分作れますし、もっと手軽に、針と糸を一切使わずに作る方法さえあります。世界に一つだけのオリジナルブックカバーが完成した時の喜びは格別です。
ここでは、ブックカバーを手作りするために必要な準備から、具体的な手順までをステップバイステップで解説します。お気に入りの布を見つけて、自分の手で読書アイテムを生み出す楽しさを体験してみませんか。まずは基本となる採寸方法から押さえていきましょう。
準備するものと基本の採寸方法
ブックカバー作りを始める前に、必要な道具と材料を揃えましょう。基本的な裁縫道具があれば、特別なものは必要ありません。お気に入りの布を選ぶ時間が一番楽しいかもしれませんが、その前に、カバーをかけたい本のサイズを正確に測ることが成功の鍵となります。
採寸で必要なのは、「本の高さ(タテ)」と「本の横幅(ヨコ)× 2 + 背表紙の厚み」の2カ所です。この「本の横幅×2+背表紙の厚み」は、本を開いた状態の全長(表紙から裏表紙まで)にあたります。実際にメジャーや定規で測ってみましょう。布をカットする際は、この実寸に「縫いしろ」と「折り返し部分」を加える必要があります。どの作り方でも共通する、基本的な採寸の考え方です。
| 準備するもの (縫う場合) | 準備するもの (縫わない場合) |
|---|---|
| お好みの布 (表地・裏地) | お好みの布 |
| 裁縫道具 (針・糸・まち針) | 布用両面テープ または 布用接着剤 |
| 裁ちばさみ・糸切りばさみ | 裁ちばさみ |
| 定規・メジャー | 定規・メジャー |
| チャコペン (印付け用) | アイロン・アイロン台 |
| アイロン・アイロン台 | (あれば) カッターマット |
| (あれば) ミシン |
布の必要サイズ(型紙のサイズ)は、以下の計算式で求められます。
布のタテ = 本の高さ + 縫いしろ (例: 2cm)
布のヨコ = (本の横幅×2+背表紙の厚み) + 折り返し部分 (例: 10cm〜15cm) + 縫いしろ (例: 2cm)
「縫いしろ」は一般的に上下左右それぞれ1cmずつ取ります。「折り返し部分」は、本の表紙を差し込む「袖」になる部分です。ここを長めに取っておくと、厚さ調節が可能なカバーになります。例えば文庫本(高さ約15cm、全長約24cm)なら、タテ17cm × ヨコ40cm 程度が目安となります。
【縫う場合】ミシン・手縫いでの手順
針と糸を使って作る方法は、仕上がりが丈夫で本格的になります。ミシンがあればスピーディーに仕上がりますが、もちろん手縫いでも十分可能です。ここでは、裏地なしの一枚布で作る、最もシンプルな手順を紹介します。裏地を付けたい場合は、表地と裏地を「中表(なかおもて)」に合わせて縫い、最後にひっくり返す工程が加わります。
まず、採寸したサイズ(縫いしろ込み)で布をカットします。次に、布の上下の端を1cm幅で2回折る「三つ折り」にして、アイロンで癖をつけます。この三つ折り部分をミシン、または手縫い(なみ縫いやまつり縫い)で縫います。これがカバーの上下の端処理となり、布がほつれるのを防ぎます。この段階で、両端にレースやタグを縫い付けておくと、おしゃれなアクセントになります。
| ステップ | ミシン・手縫いでの手順(一枚布・裏地なし) |
|---|---|
| 1. 裁断 | 採寸したサイズ(縫いしろ・折り返し込み)で布を1枚カット |
| 2. 端処理 (上下) | 布の上下の辺を1cm幅で三つ折りにし、アイロンをかけて縫う |
| 3. 袖作り | 布の左右の端を内側に折り返す(例: 5〜7cmずつ) 本を実際に当ててみて、フィット感を調整する |
| 4. 仕上げ | 折り返した袖部分の上下の端(ステップ2で縫った部分と重なる箇所)を四角く縫い留める |
| 5. 完成 | 全体にアイロンをかけて形を整え、ひっくり返して完成 |
上下の端処理が終わったら、布の左右の端を内側に折り返して「袖」を作ります。この時、実際にカバーをかけたい本を布の中央に置き、本の厚みに合わせて左右の折り返し幅を調整するのがポイントです。片方の袖を固定し、もう片方の袖を深く折り返せるようにすると、厚さ調節機能付きのカバーになります。位置が決まったら、折り返した袖の上下の端(先に縫った三つ折りの部分と重なるところ)を、四角く(または直線で)縫い留めます。これで本を差し込むポケットができました。最後に全体にアイロンをかけて形を整えれば、オリジナルのブックカバーの完成です。
【縫わない場合】接着剤や両面テープで作る方法
「裁縫は本当に苦手」「ミシンも針も出したくない」という人でも諦める必要はありません。針と糸を一切使わず、布用の両面テープや接着剤を使って作る方法があります。この方法なら、アイロンさえあれば、火傷に注意すればお子さんと一緒に作ることも可能です。仕上がりの強度は縫う方法に劣りますが、手軽にオリジナルカバーを作りたい場合には最適です。布の端処理が最大のポイントとなります。
基本的な流れは縫う場合と似ています。まず、採寸したサイズ(今度は「縫いしろ」ではなく「折りしろ」)で布をカットします。縫う場合の「縫いしろ」の代わりに、布の端を処理するために両面テープや接着剤で内側に折り込むための「折りしろ」(各辺1〜1.5cm程度)を見込んでおきます。まず、布の上下の端を「折りしろ」分だけ内側に折り、アイロンでしっかり押さえます。その後、折り返した部分に布用両面テープを貼るか、布用接着剤を薄く塗り、再度アイロンで圧着します。
| ステップ | 縫わない手順(両面テープ・接着剤) |
|---|---|
| 1. 裁断 | 採寸したサイズ(折りしろ・折り返し込み)で布を1枚カット |
| 2. 端処理 (全辺) | 布の四辺すべてを「折りしろ」分だけ内側に折り、アイロンで圧着(両面テープ/接着剤使用) |
| 3. 袖作り | 本を中央に置き、左右の端を内側に折り返して「袖」の位置を決める |
| 4. 接着 | 折り返した袖部分の上下の端に両面テープまたは接着剤を付け、圧着する |
| 5. 完成 | しっかり接着するまで待ち、本をセットして完成 |
この「縫わない方法」では、上下だけでなく左右の端も同様に処理しておくと、仕上がりがきれいになります。つまり、布の四辺すべてを内側に折り込んで接着し、ほつれないようにするのです。四辺の端処理が終わったら、あとは縫う場合と同じです。本を中央に置き、左右を内側に折り返して「袖」の位置を決めます。位置が決まったら、折り返した袖の上下の端(端処理した部分同士が重なるところ)を、両面テープや接着剤で貼り合わせます。接着剤が完全に乾くまで待てば完成です。使う布は、帆布のような厚手のものより、コットンなどの薄手〜中厚手の生地の方が、接着しやすくおすすめです。
もっと楽しむ!おしゃれで実用的な活用術
ブックカバーを手に入れたら、そのまま使うだけでなく、もう一工夫加えてみるのはいかがでしょうか。布製カバーの良さは、そのアレンジのしやすさにもあります。既製品や手作りしたシンプルなカバーに少し手を加えるだけで、世界に一つだけの、より愛着の湧くアイテムに変身させることが可能です。また、ブックカバーとしての役目を終えたり、サイズが合わなくなったりした後も、別の用途で活躍させる道があります。
本を読むためだけにとどまらない、布製ブックカバーの持つ可能性。ここでは、オリジナリティを出すための簡単なアレンジ方法や、日常生活で役立つ実用的な活用アイデアをご紹介します。お気に入りの布との付き合いが、さらに長くなるヒントが見つかるかもしれません。
アレンジで差がつく!刺繍やワッペンの活用
シンプルな無地のブックカバーは、それ自体が洗練されていて素敵ですが、少し物足りなく感じることもあるかもしれません。そんな時におすすめなのが、刺繍(ししゅう)やワッペンを使ったアレンジです。布製だからこそ、こうした装飾が簡単に行えます。裁縫が得意な人は、お気に入りのモチーフやイニシャルを刺繍してみてはいかがでしょうか。ワンポイントの刺繍があるだけで、ぐっと特別感が増します。
刺繍はハードルが高いという人でも、アイロンで接着できるワッペンならとても簡単です。市販されているワッペンには、動物、花、キャラクター、アルファベットなど、無数のデザインがあります。自分の好きなワッペンを選び、バランスを見ながら配置してアイロンで圧着するだけ。たったこれだけの作業で、既製品のカバーも一気にオリジナルの表情に変わります。複数のワッペンを組み合わせて、自分だけのストーリーを作るのも楽しいでしょう。
| アレンジ方法 | 難易度 | 特徴 | 必要なもの |
|---|---|---|---|
| 刺繍 | 中〜高 | 温かみ・高級感・完全オリジナル | 刺繍針・刺繍糸・刺繍枠 |
| ワッペン (アイロン) | 低 | 手軽・デザイン豊富・ポップ | ワッペン・アイロン |
| 布用スタンプ | 低 | 簡単・アンティーク風 | 布用インク・スタンプ |
| ステンシル | 中 | シャープなデザイン・ロゴ風 | ステンシルシート・布用絵の具 |
他にも、布用のスタンプやインクを使って模様を付けたり、ステンシルで好きな文字を入れたりする方法もあります。レースやリボンを端に縫い付けるだけでも、雰囲気は大きく変わるものです。ただし、アレンジを施す際は、本を入れた時に凹凸が気にならないか、読書の邪魔にならないかを考慮することが大切です。特に表紙に厚みのある装飾をすると、本が開きにくくなる場合があるので、カバーの端や裏表紙側など、位置を工夫するのがポイントです。
本以外にも使える?手帳やノートカバーへの応用
ブックカバーは、その名の通り「本」にかけるものですが、その用途は本だけに限りません。サイズさえ合えば、手帳やノートのカバーとしても優秀です。特にA5判やB6判といったサイズのブックカバーは、一般的な手帳やノートのサイズと互換性がある場合が多くあります。お気に入りの柄のブックカバーをかければ、シンプルなノートも一気におしゃれな愛用品に変わります。
手帳カバーとして使う場合、ブックカバーに備わっているポケットやペンホルダーといった機能が、本の場合以上に役立つことも。スケジュール管理に必要な付箋やシール、名刺などをポケットに収納し、ペンホルダーにお気に入りのペンを挿しておけば、手帳周りをすっきりとまとめることができます。布製ならではの耐久性で、一年間毎日持ち歩く手帳をしっかりと守ってくれるでしょう。
| 本の規格 | 近い手帳・ノート規格 | 応用アイデア |
|---|---|---|
| B6判 | B6サイズ | 一般的な手帳・キャンパスノート |
| A5判 | A5サイズ | システム手帳・大きめノート |
| 四六判 | – | 日記帳・レシピブック |
| 文庫本 | A6サイズ | ほぼ日手帳 (オリジナル)・小型メモ帳 |
また、サイズが合わなくなったり、デザインに飽きてしまったりしたブックカバーも、すぐに捨ててしまうのは早計です。布は貴重な資源。例えば、文庫本サイズのカバーなら、お薬手帳や母子手帳のカバーとして再利用できるかもしれません(自治体によってサイズが異なるため確認は必要です)。あるいは、一度解体して、コースターやポーチ、しおりなどの小物にリメイクするという道もあります。お気に入りの布を、形を変えて長く使い続ける。そんなサステナブルな楽しみ方ができるのも、布製アイテムならではの魅力です。
よくある質問
- 布製ブックカバーが汚れた時の洗濯方法は?
-
素材によりますが、コットンやリネン製なら手洗いがおすすめです。中性洗剤を薄めた水で優しく押し洗いし、形を整えて陰干ししてください。色落ちや縮みの可能性があるので、洗濯表示を確認し、不安な場合は目立たない場所で試してから洗いましょう。
- ハヤカワ文庫など、特殊なサイズの文庫本にも使えますか?
-
ハヤカワ文庫(トールサイズ)など、一部の文庫本は通常の規格(A6判)より高さがあります。そのため、一般的な文庫本用カバーでは入らない可能性が高いです。購入・作成の際は、必ず「ハヤカワ文庫対応」と明記されているものを選ぶか、実寸を測って対応サイズを確認してください。
- 手作りの際、裏地は付けたほうが良いですか?
-
裏地を付けると、カバーがしっかりとして耐久性が増し、内側もきれいに仕上がります。ただし、その分、布が二重になるため厚みが出ます。また、作成の手間も増えます。薄手の布で作る場合や、より丈夫にしたい場合は裏地ありが、手軽に作りたい場合や布の風合いを活かしたい場合は裏地なしがおすすめです。
まとめ
布製のブックカバーは、大切な本を守る実用性だけでなく、読書時間を豊かに彩るデザイン性や、自分らしさを表現できるカスタマイズ性を兼ね備えたアイテムです。素材の手触り、本のサイズ、しおりや厚さ調節といった機能性に着目すれば、きっとあなたにぴったりの一枚が見つかります。
また、お気に入りの布で手作りに挑戦するのも、布製カバーならではの楽しみ方です。縫う方法はもちろん、針と糸を使わない簡単な作り方もあります。この記事を参考に、あなただけのブックカバーを選んだり、作ったりして、日々の読書ライフをさらに充実させてみてはいかがでしょうか。
