毎日の生活に欠かせない冷蔵庫は、家電の中でも特に高価な買い物になります。新生活を始める際や急な故障で買い替えが必要になった時、少しでも予算を抑えようと中古品を検討するのは当然の心理といえるでしょう。しかし、ネット上では「中古はやめたほうがいい」という厳しい声も多く、二の足を踏んでいる方も少なくありません。せっかく安く手に入れても、すぐに壊れてしまったり、衛生面で不快な思いをしたりしては、結果として高い買い物になってしまいます。そこで、中古冷蔵庫を賢く選び、理想のキッチンライフを手に入れるための秘訣を詳しく解説します。この記事を最後まで読むことで、不安を安心に変え、納得のいく一台に出会えるようになるはずです。
この記事でわかること
- 中古冷蔵庫が抱える特有のリスクと回避策
- 購入前に必ずチェックすべき製造年数と状態の基準
- 失敗しないための購入先選びと保証内容の重要性
- 手に入れた冷蔵庫を少しでも長く使うための知恵
中古冷蔵庫の購入が「やめたほうがいい」と懸念される背景
中古の家電製品、特に冷蔵庫の購入に対して否定的な意見が多いのには、製品の特性に由来するいくつかの明確な理由が存在します。冷蔵庫は他の家電と異なり、一度電源を入れたら24時間365日、止まることなく動き続ける機械です。そのため、見た目がいくら綺麗であっても、内部の心臓部であるコンプレッサーや電子基板は着実に消耗しています。また、食品を扱うという性質上、前の利用者の管理状態が直接的に衛生面のリスクとして跳ね返ってくる点も、多くの人が警戒する要素となっています。ここでは、なぜ中古冷蔵庫にリスクがあるのか、その背景にある真実を紐解いていきます。
製造年数と部品の劣化による寿命のリスク
冷蔵庫の平均的な寿命は、一般的に10年から12年程度とされています。これは、メーカーが部品を保有し続ける期間や、冷却性能を維持できる物理的な限界に基づいた数字です。中古市場に並んでいる製品の中には、すでに製造から7〜8年が経過しているものも珍しくありません。このような製品を選んでしまうと、購入して半年や1年で冷えが悪くなったり、突然電源が入らなくなったりするトラブルに見舞われる可能性が高まります。例えば、一人暮らしの学生が安さ重視で10年前のモデルを購入し、夏場の猛暑日に突然故障して中身の食材をすべて廃棄せざるを得なくなった、というエピソードは決して珍しい話ではありません。
また、内部の配管が劣化してガス漏れを起こしている場合、修理費用が本体の購入価格を上回ってしまうこともあります。機械としての信頼性が新品に比べて劣るのは避けられない事実であり、そのリスクを許容できるかどうかが大きな分かれ道となります。特に、古いモデルは最新のものに比べて電子制御が単純な分、致命的な故障が起きるまで予兆が分かりにくいという特徴もあります。中古品を選ぶ際は、単なる「動作確認済み」という言葉だけを信じるのではなく、あと何年程度戦力として機能してくれるのかを、製造年数という客観的なデータから推測する姿勢が求められるでしょう。こうしたリスクの大きさを理解することが、後悔を防ぐ第一歩となります。
| 経過年数 | 主な故障リスク | 買い替えの推奨度 |
|---|---|---|
| 3年以内 | ほぼなし(良品が多い) | 非常に低い |
| 5年前後 | センサー類の接触不良 | 検討の余地あり |
| 8年前後 | コンプレッサーの異音 | 高い |
| 10年以上 | 冷媒ガス漏れ・完全停止 | 必須級 |
上の表にまとめた通り、製造からの経過年数によって直面するトラブルの内容は変化します。3年以内の高年式モデルであれば、新品と遜色ないパフォーマンスを期待できるケースが大半を占めます。一方で、5年を超えてくると徐々に内部パーツの疲労が蓄積され始め、予期せぬ動作不良が起きる確率が上昇していく傾向にあります。特に8年を超える個体は、いつ寿命を迎えてもおかしくない状態であるため、安価であっても慎重な判断が必要です。もし予算に余裕があるのであれば、少しでも右側の列の数値が低い、つまり年式の新しい製品を探し出すのが、結果としての満足度を高める近道となるでしょう。
衛生面への不安と過去の使用状況の見極め
冷蔵庫は食品の水分や油分、さらには魚や肉のドリップなどが付着しやすい環境にあります。表面上の汚れはリサイクルショップの清掃で落とせますが、分解しなければ届かない奥底や、断熱材の隙間に染み込んだニオイを完全に取り除くのは困難です。例えば、前の利用者がキムチやニンニク料理を好んで大量に保存していた場合、ドアを開けるたびに漂う微かなニオイが気になるという悩みもよく聞かれます。また、最も恐ろしいのは、清掃が不十分な個体に潜む「害虫」のリスクです。冷蔵庫の背面や下部は暖かいため、ゴキブリが卵を産み付ける絶好の場所になりやすく、中古品を家に持ち込んだ途端に発生源になってしまったという実例も存在します。
衛生面での不快感は、毎日の食事の質に直結します。どんなに美味しい料理を作っても、保存する場所が不潔に感じられては食欲も半減してしまいます。そのため、店舗で現物を確認できる場合は、棚をすべて外した状態の角の部分や、パッキンの裏側に黒ずんだカビが残っていないかを執拗に確認する必要があるでしょう。個人間取引など、清掃が徹底されていない可能性がある場での購入は、こうした衛生リスクが跳ね上がります。プロの清掃業者が入っている大手ショップであれば、オゾン脱臭や高温スチーム殺菌を施していることもありますが、それでも「誰かが使った後のもの」という感覚は消えません。この心理的なハードルを、価格の安さが上回れるかどうかが選択のポイントとなります。
失敗を回避する中古冷蔵庫選びの黄金ルール
中古市場で失敗しないためには、なんとなく「安くて綺麗だから」という感覚で選ぶのを卒業しなければなりません。品質の当たり外れが大きい世界だからこそ、自分の中に明確な「審査基準」を持つことが身を守る盾となります。闇雲に探し始めるのではなく、まずは市場に出回っている製品をフィルタリングするための数値やチェック項目を整理しておきましょう。プロの目利きが重視するポイントをあらかじめ知っておくことで、粗悪品を掴まされる可能性を劇的に下げることが可能になります。ここでは、誰もが実践できる、後悔しないための具体的な選定基準を詳しくお伝えします。
製造から5年以内を目安にするべき確かな根拠
中古家電選びにおいて、最も信頼できる指標は「製造年」です。具体的には、現時点から遡って5年以内のモデルに絞り込むのが理想的といえます。これには明確な理由があり、日本の大手家電メーカーによる補修用性能部品の保有期間が、多くの冷蔵庫で9年程度と定められているためです。もし製造から7年経った製品を購入し、その翌年に故障した場合、メーカーに部品がなく修理を断られてしまう事態が十分にあり得ます。逆に、5年以内の製品であれば、万が一故障しても部品が市場に残っている可能性が高く、最悪の事態でも修理という選択肢が残されます。この「修理可能かどうか」という防波堤があることで、中古特有の不安を大幅に軽減できるのです。
さらに、5年という期間は省エネ性能の進化という点でも重要な区切りとなります。冷蔵庫の電力効率は年々向上しており、10年前のモデルと5年前のモデルでは、年間の電気代に数千円の差が出ることも珍しくありません。本体代金を数万円安く抑えたとしても、電気代が月に500円高ければ、数年でその差額は埋まってしまいます。つまり、5年以内のモデルを選ぶことは、機械としての延命だけでなく、ランニングコストという家計へのダメージを最小限に抑えるための知恵でもあるのです。リサイクルショップでは値札に製造年が必ず記載されていますし、本体ドアの内側のシールでも確認できます。この数字を第一の門番として、基準に満たないものはどれほど安くても見送る勇気を持つようにしましょう。
| 購入時の年式 | 期待できる残寿命 | 修理部品の有無 |
|---|---|---|
| 2年前 | 約8〜12年 | 確実にあり |
| 5年前 | 約5〜8年 | 概ねあり |
| 7年前 | 約3〜5年 | 終了間近 |
| 10年前 | いつ壊れても不思議なし | なし |
詳細な例を挙げると、製造から2年程度の高年式モデルであれば、前の持ち主が「引っ越しでサイズが合わなくなった」などの前向きな理由で手放した可能性が高く、内部の状態も良好であることが期待できます。これに対して、7年以上経過しているものは「調子が悪くなってきたから買い替えた」という、劣化を原因とした放出の可能性が否定できません。残された寿命が短いだけでなく、修理のサポートも受けられないというダブルパンチを受けるのは避けるべき事態です。購入時の安さに目を奪われず、その後のトータルコストと安心感を天秤にかけることが、賢明な消費者の振る舞いといえるでしょう。
ドアパッキンの状態と庫内のニオイ確認
製造年数と同じくらい重要なのが、消耗品であるパッキンの状態です。冷蔵庫のドアの縁にあるゴム製のパッキンは、冷気を閉じ込める重要な役割を担っています。ここが劣化して硬くなったり、ひび割れたりしていると、わずかな隙間から冷気が漏れ出し、庫内の温度が上がってしまいます。その結果、コンプレッサーが常にフル稼働することになり、寿命を縮めるだけでなく電気代が跳ね上がる原因となります。店頭で確認する際は、ドアを閉める瞬間にしっかりとした吸着感があるか、またパッキン全体に弾力があるかを指で触れて確かめてみてください。色が変色していたり、カビの跡が深く刻まれていたりする場合は、メンテナンスが疎かだった証拠であり、内部の劣化も進んでいると推測できます。
また、ニオイの確認も絶対に欠かせません。ドアを全開にして鼻を近づけた時、ツンとするような刺激臭や、蓄積された不快な生活臭がしないかを確認しましょう。一度染み付いたニオイは、消臭剤を使っても完全には消えないことが多いからです。特に、魚料理のニオイや、古い食材が腐敗した際に発生したガスによるニオイが残っている個体は要注意です。実際の場面では、店舗の芳香剤の香りで誤魔化されていることもあるため、可能であればしばらくドアを開けたままにしてから、奥の方の空気を嗅いでみるのが有効な手段となります。パッキンの状態とニオイの二点を確認することで、その製品が「大切に扱われてきたか」という履歴を、言葉を介さずに読み取ることができるのです。
中古冷蔵庫の導入における利点と欠点の徹底比較
中古品を選ぶ最大の理由は価格にありますが、その一方で失われるものがあることも忘れてはなりません。新品を購入する満足感や最新機能の恩恵、そして手厚いメーカー保証を、中古価格の安さがどこまで補填できるのかを冷静に分析する必要があります。物価高騰が続く現代において、賢く中古品を取り入れることは一つの生活防衛術ですが、メリットばかりに目を向けると、後で「こんなはずではなかった」と嘆くことになりかねません。ここでは、中古冷蔵庫が家計にもたらすポジティブな影響と、長期的な視点で見た時のネガティブな側面を、多角的な視点から比較検証していきます。
初期費用を大幅に圧縮できる圧倒的なコストパフォーマンス
新品の大型冷蔵庫を購入しようとすると、20万円から30万円といった高額な予算が必要になることが珍しくありません。これに対して中古市場では、数年前のハイエンドモデルが半額以下、あるいは3分の1程度の価格で販売されていることがあります。例えば、最新のAI機能やデザイン性にこだわらなければ、数年前のフラッグシップモデルを5万円から8万円程度で手に入れることが可能です。この浮いた予算を、他の家電製品や家具の購入、あるいは生活費の蓄えに回せるというのは、特に引っ越し時などの出費が重なる時期には計り知れないメリットとなります。安く買えたという達成感は、日々の暮らしに精神的なゆとりをもたらしてくれるでしょう。
また、単身赴任や期間限定の学生生活など、数年しか使わないことが分かっている場合には、中古品はさらに合理的な選択肢となります。将来的に処分することが決まっているものに大金を投じるよりも、程度の良い中古品を安く使い倒すほうが経済的です。さらに、中古品であれば傷や汚れに対して神経質になりすぎず、気楽に使えるという側面もあります。新品のような「汚したくない」というストレスから解放され、生活の道具としてガシガシ使えるのは、中古ならではの気軽さです。このように、初期コストの低さは単なる節約だけでなく、ライフスタイル全体の自由度を高めるための大きな武器になり得るのです。
中古冷蔵庫を選ぶ際の検討材料として、以下のリストを活用してみてください。
- 同等スペックの新品との価格差が3万円以上あるか
- 現在の予算で新品を買う場合より、サイズを大きくできるか
- メーカーのブランド力が高い製品を選べるか
- 配送設置費用を含めても、総額が納得できる範囲か
これらの項目を一つずつ確認することで、その中古品が本当に「お買い得」なのかどうかを判断する材料が揃います。単に安いというだけでなく、サイズアップによる利便性の向上や、信頼できるメーカーの製品を安価で持てるという優越感など、付加価値にも目を向けてみましょう。価格の安さが生み出す余剰資金をどのように活用するかまでイメージできれば、中古という選択がより前向きなものへと変わります。自分にとっての優先順位を明確にすることが、満足度の高い買い物をするための鍵となるのです。
最新モデルと比較した際の電気代の差
中古冷蔵庫の隠れたデメリットとして、多くの人が見落としがちなのが電気代の問題です。冷蔵庫は家庭内の消費電力の約14%を占めるといわれており、その省エネ性能は年々驚くべきスピードで進化しています。10年前の製品と最新の省エネモデルを比較すると、年間の電気代で5,000円から10,000円程度の差が出ることがあります。中古で本体を安く買ったとしても、毎月の電気代が数百円ずつ積み重なれば、5年も使えば新品との価格差の半分以上が相殺されてしまう計算です。特に古いモデルは、断熱材の劣化やパッキンの緩みによって冷却効率が落ちている可能性もあり、カタログスペック以上の電力を消費しているリスクも否定できません。
詳細な例を挙げると、最新モデルには野菜の呼吸を抑える機能や、真空保存、AIによる運転最適化など、電気を無駄に使わないための工夫が凝らされています。中古品ではこれらの機能が搭載されていないため、結果として庫内を冷やすためにモーターを回し続けることになりがちです。家計を守るために中古を選んだはずが、長期的に見ると電力会社への支払いで損をしていた、というのは非常にもったいない話です。そのため、中古品を狙う場合でも、可能な限り「省エネ基準達成率」が高い年度のものを探すのが賢明といえます。目先の購入価格だけでなく、1ヶ月の維持費がどの程度になるかを事前に予測することが、本当の意味での「安さ」を見極める力になります。
安心して中古冷蔵庫を買える場所と保証の重要性
中古冷蔵庫を手に入れる方法は多岐にわたりますが、どこで購入するかによって、その後のリスク管理の難易度は劇的に変化します。最近ではスマホ一つで簡単に個人から商品を購入できるようになりましたが、大型家電である冷蔵庫においては、その手軽さが仇となるケースも少なくありません。配送の手配や動作の不備、衛生状態の虚偽申告など、トラブルの火種は至る所に潜んでいます。どのようなルートで入手するのが自分にとって最適なのか、それぞれの場所が持つ特性を深く理解しておくことが、最終的な安心感に繋がります。ここでは、主要な購入先ごとのメリットとデメリットを、信頼性という軸を中心に比較していきます。
リサイクルショップと個人売買の信頼性の格差
店舗を構えているリサイクルショップと、フリマアプリなどの個人売買の最大の違いは「検品と清掃の質」です。大手のショップであれば、入荷時に専門のスタッフが動作確認を行い、不具合があるものはジャンク品として分けるか、修理した上で販売します。また、プロによる徹底的なクリーニングが施されているため、衛生面でも一定の安心感が保証されます。対して個人売買は、現状渡しが基本となります。前の持ち主が「昨日まで動いていました」と言っても、それが配送中の揺れで故障したのか、あるいは最初から不調だったのかを証明するのは非常に困難です。また、個人では落としきれない汚れやニオイが残ったまま届くリスクも常に付きまといます。
さらに、配送トラブルについても格差があります。リサイクルショップであれば、専門の配送業者が設置まで行ってくれることが多く、床の傷つきや水漏れのチェックも任せられます。しかし、個人売買では送料を浮かすために不適切な梱包で発送されたり、玄関先で荷降ろしされて部屋まで運ぶのに苦労したりする事態も想定されます。例えば、一人暮らしの女性が格安で大型冷蔵庫を譲り受けたものの、配送業者が部屋の中まで運んでくれず、一人で立ち往生してしまったというトラブルも実際に起きています。このように、目に見える価格差の裏には、サービスの質の差という巨大な谷が存在することを忘れてはなりません。精神的な消耗を最小限に抑えたいのであれば、やはり実店舗での購入が最も手堅い選択となります。
最低でも3ヶ月以上の動作保証が付帯する重要性
中古品を購入する際、最も強力な味方となるのが「店舗保証」です。どんなに丁寧に検品されていても、中古である以上、家に届いた瞬間に壊れる可能性はゼロではありません。そこで、最低でも3ヶ月、できれば6ヶ月以上の保証期間を設けているショップを選ぶことが、失敗を回避するための絶対条件となります。保証があれば、初期不良はもちろん、数週間使ってみて初めて気づいた異音や冷却不足に対しても、無償での修理や代替品への交換を求めることができます。この保証というシステムがあるからこそ、私たちは中古という不確実な商品に対してお金を払うことができるのです。
逆に、保証が全くない、あるいは「1週間のみ」という極端に短い期間しか設定されていない製品は、どれほど魅力的であっても避けるべきです。それは販売店側も「長く動く自信がない」と言っているようなものだからです。修理費用が高額になりやすい冷蔵庫において、無保証で購入することは、ギャンブルをしているのと変わりません。実際の場面では、保証書の内容を細かく確認し、どこまでの故障が対象になるのか(冷えないだけか、棚の破損も含むかなど)を店員に質問しておくのも賢い方法です。安心をお金で買うという意識を持ち、保証内容の充実度をショップ選びの最優先事項に据えることで、万が一の際にも笑顔で対応できるようになるでしょう。
| 購入先タイプ | 一般的な保証期間 | クリーニングの有無 |
|---|---|---|
| 大手リサイクルショップ | 3ヶ月〜12ヶ月 | 徹底されている |
| 個人経営の古物店 | 1ヶ月〜3ヶ月 | 店による差が激しい |
| フリマアプリ(個人) | なし(現状渡し) | 素人レベル |
| ネット中古家電専門店 | 6ヶ月〜24ヶ月 | 非常に高い |
上記の表が示す通り、購入先によってアフターサポートの質は大きく異なります。ネットの中古家電専門店は、店舗を持たない分、浮いたコストを長期保証に回しているケースもあり、意外な穴場となることがあります。一方で、安さの代名詞であるフリマアプリは、リスク回避の観点からは最も難易度が高いことが分かります。自分の知識量や、トラブルに対処できる時間の余裕に合わせて購入先を選ぶのが、中古家電マスターへの近道です。特に初めて中古冷蔵庫を買うという方は、まずは左側の列に「保証あり」と明記されている場所から候補を探し始めることを強く推奨します。
導入後に製品を長持ちさせるための運用テクニック
中古で手に入れた冷蔵庫を、一日でも長く元気に働かせるためには、設置の段階から細心の注意を払う必要があります。新品と異なり、中古品は過去の激しい移動や使用によって、目に見えないダメージを抱えていることがあるからです。配送後の初期対応一つで、その冷蔵庫が天寿を全うできるか、あるいは数日で力尽きてしまうかが決まるといっても過言ではありません。また、設置後のちょっとした工夫やメンテナンスの習慣が、冷却効率の維持や故障の未然防止に大きな効果を発揮します。ここでは、中古冷蔵庫を手に入れた幸せを長く継続させるための、具体的で効果的な運用術を詳しく紹介していきます。
設置直後に電源を入れてはいけない理由
冷蔵庫が家に届いたら、すぐにコンセントを挿して冷やし始めたいと思うのが人情ですが、これは非常に危険な行為です。冷蔵庫の冷却システムには、冷媒ガスとそれを循環させるための潤滑オイルが含まれています。運搬中に冷蔵庫を傾けたり揺らしたりすると、このオイルが本来あるべきコンプレッサーから配管へと流れ出してしまうことがあります。この状態で電源を入れてしまうと、オイルが戻りきっていないコンプレッサーが焼き付いたり、配管内でオイルが詰まって冷却不良を引き起こしたりする原因になります。これを防ぐためには、設置してから最低でも2〜3時間、できれば半日程度は静置し、オイルが定位置に戻るのを待つ必要があります。
詳細な例を挙げると、最近のモデルでは数十分の静置で問題ないという説明もありますが、中古品の場合は以前の運搬状況や保管期間が不明なため、より慎重な対応が求められます。特に大型の冷蔵庫ほどオイルの移動量も多いため、十分な時間を置くことが延命に直結します。実際の場面では、午前中に配送してもらい、夕食の準備を始める頃に電源を入れるといったスケジュールを組むのが理想的です。焦って電源を入れて「いきなり故障させてしまった」という悲劇を避けるためにも、この「待つ時間」を儀式のように大切にするようにしましょう。このひと手間が、中古冷蔵庫というデリケートな存在と長く付き合っていくための最初の試練なのです。
冷却性能を維持するための背面清掃と適切な隙間
冷蔵庫は庫内の熱を外に逃がすことで冷たさを保っています。そのため、周囲に熱がこもってしまうと、冷却効率が極端に低下し、コンプレッサーに過度な負荷がかかります。中古品はすでに性能がピークを過ぎている可能性があるため、この放熱環境を整えてあげることが重要です。具体的には、壁から左右5mm、背面10cm程度の隙間を確保して設置するようにしましょう。特に背面の放熱フィン(黒い格子状の部品など)にホコリが溜まっていると、排熱がスムーズにいかず故障の引き金になります。半年に一度は冷蔵庫を少し前に出し、掃除機で背面のホコリを吸い取るだけで、電気代の節約と製品寿命の延長に大きな効果があります。
また、冷蔵庫の上部に物を置くのも、放熱の観点からは好ましくありません。もしスペースの都合で電子レンジなどを置く場合は、耐熱仕様の天板であることを確認した上で、放熱を妨げない程度の隙間を空ける工夫をしましょう。中古品の場合、過去の持ち主がホコリまみれの劣悪な環境で使っていたことも考えられます。自分が使い始めるタイミングで一度完璧に清掃し、その後も「呼吸」を妨げないような清潔な環境を維持してあげることで、中古品であっても新品に負けないくらいのパフォーマンスを長く維持できるようになります。機械をいたわるちょっとした配慮が、結果としてあなたの大切なお金と生活を守ることになるのです。
よくある質問
- 中古冷蔵庫を買うとき、絶対に避けなければならないメーカーはありますか?
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特定のメーカーを避けるというよりも、日本国内で修理サポートが十分に受けられない海外のマイナーブランドや、並行輸入品には注意が必要です。パナソニックや三菱電機、日立といった国内大手メーカーであれば、中古であっても修理部品の入手性が高く、街の電気屋さんでも対応してもらえる安心感があります。逆に、安さだけで選んだ見慣れないロゴの製品は、故障した際に修理を断られて使い捨てになってしまうリスクが高いといえるでしょう。
- 中古冷蔵庫から変な音がする場合、すぐに返品すべきでしょうか?
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音の種類によります。冷蔵庫が冷え始める際に「ブーン」という低い音がしたり、「ピシッ」というプラスチックの収縮音がしたりするのは正常な範囲内です。しかし、金属が擦れ合うような「ガリガリ」という音や、以前よりも明らかに大きな異音が絶え間なく続く場合は、コンプレッサーやファンモーターの故障が疑われます。保証期間内であれば、迷わず購入店に連絡し、点検や交換を依頼するのが最善の策です。我慢して使い続けると、ある日突然、冷却機能が完全に失われる恐れがあります。
- 以前の利用者のニオイを消すのに、最も効果的な方法は何ですか?
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最も根本的な解決策は、アルコールスプレーや重曹水を使った「拭き掃除」を徹底することです。ニオイの元となっている汚れがパッキンの裏や棚の隙間に残っている限り、どんな強力な消臭剤を置いても解決しません。一度すべてのパーツを外して洗浄し、乾燥させた後に、炭を使った脱臭剤やコーヒーの出し殻、あるいは専用の消臭プラグを設置してみてください。また、電源を入れた状態で1日ほど放置すると、庫内の空気が循環してニオイが徐々に薄れていくこともあります。
まとめ
中古冷蔵庫の購入は、正しい知識と選定基準さえ持っていれば、家計を助ける非常に賢い選択肢となります。寿命や衛生面でのリスクは確かに存在しますが、製造から5年以内の製品を選び、信頼できるリサイクルショップで購入することで、その不安の大部分は解消することが可能です。初期費用を抑えられた分、食卓を彩る食材に予算をかけたり、他の便利な家電を揃えたりできるのは、中古品ならではの醍醐味といえるでしょう。一方で、安さだけに囚われて「保証のない10年前のモデル」などを選んでしまうと、修理費や電気代で損をするだけでなく、精神的なストレスも蓄積されてしまいます。この記事で紹介したチェックポイントを一つひとつ丁寧に確認し、あなたにとって最高のコストパフォーマンスを発揮する一台を見つけ出してください。慎重な準備と機械への優しい扱いがあれば、中古の冷蔵庫はきっと、あなたの新しい生活を力強く支えてくれるはずです。
